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公開番号2024152835
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-25
出願番号2024132120,2022505761
出願日2024-08-08,2020-12-02
発明の名称複合材の分断方法
出願人日東電工株式会社
代理人弁理士法人まこと国際特許事務所
主分類G02B 5/30 20060101AFI20241018BHJP(光学)
要約【課題】脆性材料層の端面にクラックが生じない複合材の分断方法を提供する。
【解決手段】本発明は、脆性材料層1の各面側にそれぞれ光学機能層2と保護層3とが積層された複合材10を分断する方法であって、第1レーザ光源20から発振したレーザ光L1を複合材の分断予定線DLに沿って光学機能層に照射して第1加工溝21を形成すると共に、第2レーザ光源30から発振したレーザ光L2を複合材の分断予定線DLに沿って保護層に照射して第2加工溝31を形成する加工溝形成工程と、加工溝形成工程の後、超短パルスレーザ光源40から発振したレーザ光L3を分断予定線に沿って脆性材料層に照射して加工痕11を形成する脆性材料除去工程と、を含み、第2加工溝の幅Wが、加工痕形成工程で超短パルスレーザ光源から発振したレーザ光の脆性材料層への照射位置におけるスポット径D以上となるように、保護層を形成する樹脂を除去する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
脆性材料層の一方の面側に樹脂製の光学機能層が積層され、前記脆性材料層の他方の面側に樹脂製の保護層が積層された複合材を分断する方法であって、
第1レーザ光源から発振したレーザ光を前記複合材の分断予定線に沿って前記光学機能層に照射して前記光学機能層を形成する樹脂を除去することで、前記分断予定線に沿った第1加工溝を形成すると共に、第2レーザ光源から発振したレーザ光を前記分断予定線に沿って前記保護層に照射して前記保護層を形成する樹脂を除去することで、前記分断予定線に沿った第2加工溝を形成する加工溝形成工程と、
前記加工溝形成工程の後、超短パルスレーザ光源から発振したレーザ光を前記第2加工溝側から前記分断予定線に沿って前記脆性材料層に照射して前記脆性材料層を形成する脆性材料を除去することで、前記分断予定線に沿った加工痕を形成する加工痕形成工程と、を含み、
前記加工溝形成工程において、前記第2加工溝の幅が、前記加工痕形成工程で前記超短パルスレーザ光源から発振したレーザ光の前記脆性材料層への照射位置におけるスポット径以上となるように、前記保護層を形成する樹脂を除去する、
複合材の分断方法。
続きを表示(約 640 文字)【請求項2】
前記加工溝形成工程において、前記第2レーザ光源から発振したレーザ光の前記保護層への照射位置を前記分断予定線に直交する方向に順次ずらして、各照射位置で前記分断予定線に沿って前記レーザ光を前記保護層に照射することで、前記第2加工溝を形成する、
請求項1に記載の複合材の分断方法。
【請求項3】
前記加工溝形成工程において、前記第2加工溝の幅が100μm以上となるように、前記保護層を形成する樹脂を除去する、
請求項1又は2の何れかに記載の複合材の分断方法。
【請求項4】
前記保護層は、基材層と、前記脆性材料層側に配置された粘着剤層と、を具備し、
前記加工溝形成工程において、前記粘着剤層の厚み方向の一部が残存するように、前記保護層を形成する樹脂を除去する、
請求項1から3の何れかに記載の複合材の分断方法。
【請求項5】
前記保護層は、基材層と、前記脆性材料層側に配置されたウレタン系粘着剤層と、を具備する、
請求項1から4の何れかに記載の複合材の分断方法。
【請求項6】
前記第2レーザ光源がCO

レーザ光源である、
請求項1から5の何れかに記載の複合材の分断方法。
【請求項7】
前記脆性材料層がガラスを含み、前記光学機能層が偏光フィルムを含む、
請求項1から6の何れかに記載の複合材の分断方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、脆性材料層の一方の面側に樹脂製の光学機能層(例えば、偏光フィルム)が積層され、脆性材料層の他方の面側に樹脂製の保護層(例えば、保護フィルム)が積層された複合材を分断する方法に関する。特に、本発明は、脆性材料層の端面にクラックを生じさせることなく、複合材を分断可能な方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、液晶パネルの薄型化や高精細化が進んでいることに加え、インタフェースに多様性を持たせるために画面上にタッチセンサ機能を搭載した液晶パネルが、携帯電話からインフォメーションディスプレイまで、幅広い分野において用いられるようになっている。
最近では、薄型化や軽量化の観点から、タッチセンサを液晶セルのガラス基板に組み込んだインセルタイプの液晶セルを有する液晶パネルが登場している。
【0003】
一方、薄ガラスと呼ばれるフィルム状のガラスが、液晶パネルの最表面に配置される前面板として注目されつつある。薄ガラスはロール状に巻き取ることができるため、いわゆるロール・ツー・ロール方式の製造プロセスにも適応できる利点があり、偏光フィルムと一体化したガラス偏光フィルムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ガラス偏光フィルムは、インセルタイプの液晶セルに貼り合わせるだけでタッチセンサ機能を搭載した液晶パネルを得ることができるため、前面板として強化ガラスを用いた一般的な液晶パネルに比べて、製造プロセスをはるかに簡略化できる。
【0004】
上記のガラス偏光フィルムのように、ガラス等から形成された脆性材料層と偏光フィルム等から形成された光学機能層とが積層された複合材を、用途に応じた所望の形状・寸法に分断する方法として、特許文献2に記載の方法が提案されている。
特許文献2に記載の方法は、CO

レーザ光源等のレーザ光源から発振したレーザ光を複合材の分断予定線に沿って複合材の光学機能層(特許文献2では、樹脂層)に照射して光学機能層を形成する樹脂を除去した後、超短パルスレーザ光源から発振したレーザ光(超短パルスレーザ光)を複合材の分断予定線に沿って脆性材料層に照射して脆性材料層を形成する脆性材料を除去することで、複合材を分断する方法である。
特許文献2に記載の方法によれば、分断後の脆性材料層の端面にクラックが生じないという利点を有する。
【0005】
ここで、上記のガラス偏光フィルムのように、ガラス等から形成された脆性材料層と偏光フィルム等から形成された光学機能層とが積層された複合材は、分断後の複合材片における光学機能層が積層された脆性材料層の面と反対側の面に、保護フィルム等の保護層が積層されて出荷されるのが一般的である。分断後の複合材片毎に保護層を積層する工程を実行するには手間を要するため、この手間を無くして工数を削減するために、脆性材料層の一方の面側に光学機能層が積層され、脆性材料層の他方の面側に保護層が積層された複合材を一度に分断する方法が望まれている。
【0006】
しかしながら、特許文献2には、脆性材料層の一方の面側に光学機能層が積層され、脆性材料層の他方の面側に保護層が積層された複合材を一度に分断する方法について提案されていない。
【0007】
なお、非特許文献1には、超短パルスレーザ光を用いた加工技術において、超短パルスレーザ光のフィラメンテーション現象を利用することや、超短パルスレーザ光源にマルチ焦点光学系又はベッセルビーム光学系を適用することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
国際公開第2013/175767号
特開2019-122966号公報
【非特許文献】
【0009】
ジョン ロペス(John Lopez)他、“超短パルスベッセルビームを用いたガラス切断(GLASS CUTTING USING ULTRASHORT PULSED BESSEL BEAMS)”、[online]、2015年10月、International Congress on Applications of Lasers & Electro-Optics (ICALEO)、[令和1年7月8日検索]、インターネット(URL:https://www.researchgate.net/publication/284617626_GLASS_CUTTING_USING_ULTRASHORT_PULSED_BESSEL_BEAMS)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、脆性材料層の一方の面側に樹脂製の光学機能層が積層され、脆性材料層の他方の面側に樹脂製の保護層が積層された複合材を分断可能な方法であって、脆性材料層の端面にクラックが生じない複合材の分断方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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