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公開番号2024145967
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2023058602
出願日2023-03-31
発明の名称汚泥焼却方法及び汚泥焼却システム
出願人三機工業株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C02F 11/06 20060101AFI20241004BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】複数の性状の異なる汚泥をそれぞれ流動床式焼却炉内に供給し、当該流動床式焼却炉内で混合させ焼却し、補助燃料と冷却水の消費を最小にとどめて汚泥を混合焼却させることができる汚泥の燃焼方法を提供する。
【解決手段】流動床式焼却炉30に供給する性状の異なる汚泥Aと汚泥Bの流量と含水率を流量計5と含水率計6から求め、求められた流量値と含水率値を演算器で演算し水分量(流量単位時間当たり)を求め、当該水分量に基づいて流動床式焼却炉に供給する性状の異なる汚泥の供給割合を決める。当該供給割合に基づいて性状の異なるそれぞれの汚泥を流動床式焼却炉に供給し、流動床式焼却炉内で混合焼却し、燃焼中の流動床式焼却炉内の炉内温度に基づいて、流動床式焼却炉に供給する汚泥Aと汚泥Bの供給割合を変えて汚泥焼却に必要な燃料費と冷却水費を最小にする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
複数の性状の異なる汚泥をそれぞれ異なる供給ルートから流動床式焼却炉内に供給し、当該流動床式焼却炉内で、補助燃料と冷却水を低減できるかもしくは必要としない汚泥供給割合となるよう焼却する汚泥焼却方法であって、
前記汚泥供給割合となる汚泥を流動床式焼却炉内で燃焼させ、流動床式焼却炉内の炉内温度に基づいて、補助燃料と冷却水の供給量を調整することで炉内温度を制御する炉内温度制御ステップと、
それぞれの汚泥の流量と含水率を流量計と含水率計から求め、求められた流量値と含水率値を演算器で演算し水分量(流量単位時間当たり)を求め、
水分量に基づいて流動床式焼却炉内に供給する性状の異なる汚泥供給割合を決め、当該汚泥供給割合に基づいて汚泥を供給する汚泥供給割合制御ステップと、
前記汚泥供給割合制御ステップを受けて流動床式焼却炉に供給する性状の異なる汚泥の供給量を調整する汚泥流量制御ステップと、
を含むことを特徴とする汚泥焼却方法。
続きを表示(約 630 文字)【請求項2】
複数の性状の異なる汚泥を貯留する複数の貯留ホッパと、汚泥を流動床式焼却炉(30)に供給する複数の移送ポンプと、前記移送ポンプと流動床式焼却炉(30)に接続された配管の途中に設けられた汚泥の流量を計測する流量計及び汚泥の含水率を計測する含水率計と、流動床式焼却炉(30)に設けられた炉内温度計(31)と、流動床式焼却炉(30)内に冷却水を供給する冷却水供給装置(32)と、当該冷却水供給装置(32)と前記流動床式焼却炉(30)に接続された配管(33)の途中に設けられた冷却水流量計(34)と冷却水調整弁(35)と、
流動床式焼却炉(30)内に補助燃料を供給する補助燃料供給装置(42)と、当該補助燃料供給装置(42)と前記流動床式焼却炉(30)に接続された配管(43)の途中に設けられた補助燃料流量計(44)と補助燃料調整弁(45)と、
前記流動床式焼却炉(30)に接続された配管の途中に設けられた汚泥の流量を計測する流量計及び汚泥の含水率を計測する含水率計の計測値を演算し水分量を演算する演算器(50)と、
演算器(50)からの水分量に基づいて複数の貯留ホッパに設けられた前記汚泥移送ポンプで供給量を調整し、前記炉内温度計(31)により計測された炉内温度に基づいて前記冷却水調整弁(35)及び補助燃料調整弁(45)で冷却水と補助燃料の供給量を調整する制御装置(60)とからなることを特徴とする汚泥焼却システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、下水処理場の下水処理の過程で生じた性状(含水率等)の異なる汚泥をそれぞれ流動床式焼却炉内に投入し、当該流動床式焼却炉内で混合焼却する際に、流動床式焼却炉内に投入する性状(含水率、発熱量)の異なる汚泥の割合を制御する方法及び汚泥焼却するシステムに関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
流動床式焼却炉は、炉に入れた砂等の流動媒体を炉の下部から送り込まれる空気により流動させて流動層(流動床)を生成し、熱せられた流動層内に投入された下水汚泥または都市ゴミ等の焼却対象物を流動媒体とともに撹拌させて焼却する焼却炉である。
下水処理の過程で沈殿分離させた固形物は濃縮、脱水され、脱水汚泥が発生する。脱水汚泥は通常焼却処理されるが、脱水汚泥をそのまま焼却する場合と、嫌気性消化により減容化して焼却する場合がある。後者はメタン発酵反応を利用するもので、メタンガスとしてのエネルギー資源の有効利用につながるものである。しかしながら、消化を行うと汚泥中の固形物の分解物と水分との親和性が高くなってしまい、含水率の高い、脱水しにくい汚泥を生じる。大都市などでは各下水処理場から汚泥を車両や移送管で集約する施設があり、消化反応後の消化汚泥などの含水率の高い汚泥と消化汚泥を含まない比較的含水率の低い汚泥が入り混じった状態で運ばれることになる。従って、集約施設の汚泥焼却炉では、焼却する汚泥を供給する流動床式焼却炉に含水率と発熱量の違いのある汚泥が供給される。
【0003】
集約施設でなくとも、焼却炉のある下水処理場においては、最初沈殿池の固形物濃度の高い生汚泥(低含水率で高発熱量)と最終沈殿池の微生物由来の余剰汚泥(高含水率で低発熱量)があり、加えて、汚泥消化工程を経る汚泥と汚泥消化工程を経ない汚泥があったりする場合があり、これらの性状の異なる汚泥が流動床式焼却炉に供給され含水率と発熱量に違いのある汚泥が供給される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
流動床式焼却炉に含水率の違いのある汚泥が供給されると、燃焼温度の制御は重油や都市ガスなどの補助燃料の供給量を調整したり、炉内へ冷却水を注水したりして調整するため、燃えやすい汚泥が継続的に供給される時間は、本来汚泥の持つ発熱量を有効利用せずに冷却水を注水することになり、燃えにくい汚泥が継続的に供給されるときは高い燃焼温度での焼却炉の運転をするために多くの補助燃料を消費する時間が継続する。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、含水率と発熱量の性状の異なる汚泥を流動床式焼却炉内に供給し、当該流動床式焼却炉内の炉内温度に基づいて流動床式焼却炉に供給する性状の異なる汚泥の汚泥量を調整することで補助燃料と冷却水の消費を最小にとどめることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的達成のため、 本発明者は上記課題を下記の手段により解決した。
〔1〕複数の性状の異なる汚泥をそれぞれ異なる供給ルートから流動床式焼却炉内に供給し、当該流動床式焼却炉内で、補助燃料と冷却水を低減できるかもしくは必要としない汚泥供給割合となるよう焼却する汚泥焼却方法であって、
前記汚泥供給割合となる汚泥を流動床式焼却炉内で燃焼させ、流動床式焼却炉内の炉内温度に基づいて、補助燃料と冷却水の供給量を調整することで炉内温度を制御する炉内温度制御ステップと、
それぞれの汚泥の流量と含水率を流量計と含水率計から求め、求められた流量値と含水率値を演算器で演算し水分量(流量単位時間当たり)を求め、
当水分量に基づいて流動床式焼却炉内に供給する性状の異なる汚泥供給割合を決め、当該汚泥供給割合に基づいて汚泥を供給する汚泥供給割合制御ステップと、
前記汚泥供給割合制御ステップを受けて流動床式焼却炉に供給する性状の異なる汚泥の供給量を調整する汚泥流量制御ステップと、
を含むことを特徴とする汚泥焼却方法。
【0007】
〔2〕複数の性状の異なる汚泥を貯留する複数の貯留ホッパと、汚泥を流動床式焼却炉(30)に供給する複数の移送ポンプと、前記移送ポンプと流動床式焼却炉(30)に接続された配管の途中に設けられた汚泥の流量を計測する流量計及び汚泥の含水率を計測する含水率計と、流動床式焼却炉(30)に設けられた炉内温度計(31)と、流動床式焼却炉(30)内に冷却水を供給する冷却水供給装置(32)と、当該冷却水供給装置(32)と前記流動床式焼却炉(30)に接続された配管(33)の途中に設けられた冷却水流量計(34)と冷却水調整弁(35)と、
流動床式焼却炉(30)内に補助燃料を供給する補助燃料供給装置(42)と、当該補助燃料供給装置(42)と前記流動床式焼却炉(30)に接続された配管(43)の途中に設けられた補助燃料流量計(44)と補助燃料調整弁(45)と、
前記流動床式焼却炉(30)に接続された配管の途中に設けられた汚泥の流量を計測する流量計及び汚泥の含水率を計測する含水率計の計測値を演算し水分量を演算する演算器(50)と、
演算器(50)からの水分量に基づいて複数の貯留ホッパに設けられた前記汚泥移送ポンプで供給量を調整し、前記炉内温度計(31)により計測された炉内温度に基づいて前記冷却水調整弁(35)及び補助燃料調整弁(45)で冷却水と補助燃料の供給量を調整する制御装置(60)とからなることを特徴とする汚泥焼却システム。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、流動床式焼却炉に供給する含水率と発熱量の性状の異なる汚泥の供給割合を適宜制御することができるので、補助燃料と冷却水の消費を最小にとどめて性状の異なる汚泥を燃焼させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の実施例を示す概要構成図
実施例の炉内温度制御のフローチャート
実施例の汚泥供給割合制御のフローチャート
実施例の汚泥流量制御のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施例を例示的に詳しく説明する。
図1は、本発明の実施例を示す概要構成図である。
本実施例は、汚泥Aを貯留する第一貯留ホッパ1と、第一貯留ホッパ1内の汚泥Aを排出する汚泥排出機2と、汚泥Aを供給する移送ポンプ3と、
汚泥Aと性状の異なる汚泥Bを貯留する第二貯留ホッパ11と、第二貯留ホッパ11内の汚泥Bを排出す汚泥排出機12と、汚泥Bを供給する移送ポンプ13とを備える。
なお、本実施例では性状の異なる汚泥A,Bがそれぞれ供給されるルートとして説明するが、実際は各ルートで時間によって汚泥の含水率と発熱量の汚泥の性状が変化するものであり、必ずしも各ルートで供給される汚泥の性状が異なるものではないことを断っておく。
前記移送ポンプ3と流動床式焼却炉30に接続された配管4の途中には汚泥の流量を計測する流量計5と汚泥の含水率を計測する含水率計6が、移送ポンプ13と流動床式焼却炉30に接続された配管14の途中には汚泥の流量を計測する流量計15と汚泥の含水率を計測する含水率計16が設けられている。
以上がそれぞれの汚泥を流動床式焼却炉30へ供給する汚泥流量制御系を構成する。
(【0011】以降は省略されています)

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