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公開番号2024158515
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2023073772
出願日2023-04-27
発明の名称リン化合物の生産方法及びリン化合物の生産システム
出願人水ing株式会社
代理人アクシス国際弁理士法人
主分類C02F 1/58 20230101AFI20241031BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】洗浄装置からのリン化合物粒子の移送を効率良く行うことが可能なリン化合物の生産方法及びリン化合物の生産システムを提供する。
【解決手段】リンを含む汚泥をリン化合物の種結晶を用いた晶析反応液を収容する反応槽1中に投入して混合することにより晶析反応液中でリン化合物粒子を晶析させ、反応槽1からリン化合物粒子を含む晶析反応液を引き抜き、晶析反応液からリン化合物粒子を回収して洗浄装置5内に貯留して洗浄し、洗浄装置5内のリン化合物粒子の貯留量を測定し、リン化合物粒子の貯留量の測定結果に基づいて、洗浄後のリン化合物粒子を洗浄装置5外へ移送する際のリン化合物粒子の移送量又は移送頻度の少なくともいずれかを制御することを含むリン化合物の生産方法である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
リンを含む汚泥をリン化合物の種結晶を用いた晶析反応液を収容する反応槽中に投入して混合することにより前記晶析反応液中でリン化合物粒子を晶析させ、
前記反応槽から前記リン化合物粒子を含む前記晶析反応液を引き抜き、
前記晶析反応液から前記リン化合物粒子を回収して洗浄装置内に貯留して洗浄し、
前記洗浄装置内の前記リン化合物粒子の貯留量を測定し、
前記リン化合物粒子の貯留量の測定結果に基づいて、洗浄後の前記リン化合物粒子を前記洗浄装置外へ移送する際の前記リン化合物粒子の移送量又は移送頻度の少なくともいずれかを制御することを含むリン化合物の生産方法。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
前記リン化合物粒子の貯留量を、前記洗浄装置が備える窓部を介して前記洗浄装置の外部から識別されるリン化合物粒子層の界面の高さの画像データを取得し、前記画像データを画像判定することを含む請求項1に記載のリン化合物の生産方法。
【請求項3】
前記洗浄装置の重量を測定することにより、前記洗浄装置内の前記リン化合物粒子の貯留量を測定することを含む請求項1に記載のリン化合物の生産方法。
【請求項4】
前記洗浄装置内に貯留されるリン化合物粒子層の界面の高さを超音波測定装置を用いて測定することにより、前記洗浄装置内の前記リン化合物粒子の貯留量を測定することを含む請求項1に記載のリン化合物の生産方法。
【請求項5】
前記洗浄装置が備える窓部を介して前記洗浄装置の外部から識別されるリン化合物粒子層の界面の高さの画像データから得られる特徴量と、前記画像データに関連づけられた前記洗浄装置内の前記リン化合物粒子の貯留量を表す特徴量とを含む学習データを用いた機械学習アルゴリズムにより構築されたモデルに、測定対象となる前記リン化合物粒子層の界面の高さを撮影した画像データを入力し、前記測定対象の前記リン化合物粒子の貯留量の予測値を出力することにより、前記リン化合物粒子の貯留量を測定することを含む請求項1に記載のリン化合物の生産方法。
【請求項6】
前記学習データが、前記リン化合物粒子層の界面の高さの画像データに関連づけられた前記リン化合物粒子の移送に適した移送量又は移送頻度の少なくともいずれかを示す特徴量を少なくとも含み、測定対象となる前記リン化合物粒子層の界面の高さを撮影した画像データを前記モデルに入力することにより、前記測定対象に適した前記リン化合物粒子の移送量又は移送頻度の少なくともいずれかを更に出力することを更に含む請求項5に記載のリン化合物の生産方法。
【請求項7】
前記洗浄装置内の前記リン化合物粒子の貯留量の測定結果に基づいて、前記種結晶を収容する前記反応槽内の前記晶析反応液中の種結晶濃度を算出し、
前記種結晶濃度の算出結果に基づいて、前記反応槽内からの前記晶析反応液の引抜量又は引抜頻度の少なくともいずれかを更に制御することを更に含む請求項1~6のいずれか1項に記載のリン化合物の生産方法。
【請求項8】
リン化合物の種結晶を用いた晶析反応を用いてリンを含む汚泥からリン化合物粒子を生成させる反応槽と、
前記反応槽から前記リン化合物粒子を含む晶析反応液を引き抜く引抜装置と、
前記引抜装置によって引き抜かれた前記晶析反応液から前記リン化合物粒子を分離する分離装置と、
前記分離装置で分離された前記リン化合物粒子を洗浄する洗浄装置と、
前記洗浄装置内の前記リン化合物粒子を前記洗浄装置外へ移送する移送装置と、
前記洗浄装置内の前記リン化合物粒子の貯留量を測定する測定装置と、
前記洗浄装置内の前記リン化合物粒子の貯留量の測定結果に基づいて、前記洗浄装置内の前記リン化合物粒子を、前記洗浄装置外へ移送する際の前記リン化合物粒子の移送量又は移送頻度の少なくともいずれかを制御する移送制御部と
を備えるリン化合物の生産システム。
【請求項9】
リン化合物の種結晶を用いた晶析反応を用いてリンを含む汚泥からリン化合物粒子を生成させる反応槽と、
前記反応槽から前記リン化合物粒子を含む晶析反応液を引き抜く引抜装置と、
前記引抜装置によって引き抜かれた前記晶析反応液から前記リン化合物粒子を分離する分離装置と、
前記分離装置で分離された前記リン化合物粒子を洗浄する洗浄装置と、
前記洗浄装置内の前記リン化合物粒子を前記洗浄装置外へ移送する移送装置と、
前記洗浄装置内の前記リン化合物粒子の貯留量を測定する測定装置と、
前記洗浄装置内の前記リン化合物粒子の貯留量の測定結果に基づいて、前記種結晶を収容する前記反応槽内の晶析反応液中の種結晶濃度を算出し、
前記種結晶濃度の算出結果に基づいて前記反応槽内からの前記晶析反応液の引抜量又は引抜頻度の少なくともいずれかを制御する引抜制御部と
を備えるリン化合物の生産システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、リン化合物の生産方法及びリン化合物の生産システムに関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
有機性廃水又は汚泥から窒素成分及びリン成分を分離する方法として有機性廃水又は汚泥にマグネシウムイオンやカルシウムイオン等を添加して、廃水中に含まれるリンをリン酸マグネシウムアンモニウム(MAP)又はヒドロキシアパタイト(HAP)等のリン化合物として晶析させ、晶析物を分離回収する技術が知られている。このような晶析技術は、薬剤使用量、機械動力、熱エネルギー等も比較的少なく安価でありリン成分の回収を安定的に行うことができる上、回収されるリン化合物は優れた肥料としての付加価値がある。よって、資源の有効利用の点からも優れたリン化合物の回収技術又は生産技術として有用である。
【0003】
特開2004-160304号公報(特許文献1)には、有機性廃水を嫌気性処理する嫌気性消化工程において、汚泥中に発生するMAP粒子を液体サイクロンなどによって分離し、MAP粒子を含むMAP分離濃縮液を得た後、MAP分離濃縮液にマグネシウムイオンを新たに添加し、溶解しているリン成分との反応によって、MAP分離濃縮液に存在するMAP粒子の表面に新たなMAPを積層させてMAP粒子として回収する工程が記載されている。
【0004】
特開2002-370094号公報(特許文献2)には、被処理水中のリンを晶析反応槽内で流動しているリン酸マグネシウムアンモニウム粒子の表面で晶析させて除去する装置の例が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2004-160304号公報
特開2002-370094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
晶析反応槽で生成されたリン化合物粒子は、液体サイクロン等の分離装置で晶析反応液から分離され、表面に付着した汚泥等を除去するために洗浄装置内へ投入される。洗浄装置内で洗浄処理された後のリン化合物の粒子は、洗浄装置外へ引き抜かれた後、水切装置等の乾燥処理設備へ送られる。
【0007】
しかしながら、反応槽へ供給される有機性廃水又は汚泥は、季節又は地域特性等によってその成分濃度の変動が生じることがある。有機性廃水又は汚泥の成分濃度の変動が生じると、反応槽内の晶析反応の処理条件が変化し、反応槽内で生成するリン化合物粒子の粒径や生成量も変化する。これにより、洗浄装置内へのリン化合物粒子の回収量も変化する。リン化合物粒子を洗浄する洗浄装置内は、常時一定量のリン化合物粒子が保持されている。しかしながら、その保持量が適切な範囲を超えると、洗浄装置からリン化合物粒子を移送させる際に配管の閉塞が生じることや、洗浄装置内に保持されるリン化合物粒子の貯留量が少なすぎてリン化合物粒子の移送が適切に行われないこと等の種々の不具合が発生する。
【0008】
上記課題に鑑み、本発明は、洗浄装置からのリン化合物粒子の移送を効率良く行うことが可能なリン化合物の生産方法及びリン化合物の生産システムを提供する。
【0009】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、洗浄装置内に貯留されるリン化合物粒子の貯留量を、測定手段を用いて測定することが有用であるとの知見を得た。
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は一側面において、リンを含む汚泥をリン化合物の種結晶を用いた晶析反応液を収容する反応槽中に投入して混合することにより晶析反応液中でリン化合物粒子を晶析させ、反応槽からリン化合物粒子を含む晶析反応液を引き抜き、晶析反応液からリン化合物粒子を回収して洗浄装置内に貯留して洗浄し、洗浄装置内のリン化合物粒子の貯留量を測定し、リン化合物粒子の貯留量の測定結果に基づいて、洗浄後のリン化合物粒子を洗浄装置外へ移送する際のリン化合物粒子の移送量又は移送頻度の少なくともいずれかを制御することを含むリン化合物の生産方法である。
(【0011】以降は省略されています)

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