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公開番号
2024159825
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-08
出願番号
2024137924,2024524749
出願日
2024-08-19,2024-01-24
発明の名称
フィルター
出願人
ユニチカ株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C02F
1/28 20230101AFI20241031BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約
【課題】被処理水の空塔速度(SV)が大きい場合においても、含フッ素有機化合物の除去性能に優れるフィルターを提供することを主な課題とする。
【解決手段】本発明のフィルターは、活性炭を含む活性炭成型体を含み、前記活性炭成型体は、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち、細孔径2.0nm以下の細孔容積A(cc/g)が0.30cc/g以上であり、細孔径3.0~3.5nmの範囲の細孔径の細孔容積B(cc/g)が0.01cc/g以上である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
活性炭を含む活性炭成型体を含むフィルターであって、
前記活性炭成型体は、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち、細孔径2.0nm以下の細孔容積A(cc/g)が0.30cc/g以上であり、細孔径3.0~3.5nmの範囲の細孔径の細孔容積B(cc/g)が0.01cc/g以上である、フィルター。
続きを表示(約 1,400 文字)
【請求項2】
下記方法で測定される、前記活性炭成型体1cm
3
あたりのろ過水量が15L/cm
3
以上である、請求項1に記載のフィルター。
<測定方法>
NSF/ANSI 53-2021(DRINKING WATER TREATMENT UNITS-HEALTH EFFECTS、米国ミシガン州に拠点を置くNSFインターナショナルによる規格)に準じて、以下の方法で測定する。前記フィルターをステンレス製ハウジングに装填する。活性炭フィルターと中空糸膜によって、全有機物濃度(TOC)(TOC計で測定される、炭素(C)に換算された有機物濃度)を0.5mg/L以下とした水道水に、パーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びパーフルオロオクタン酸(PFOA)を、PFOAの濃度が0.0005±0.00005mg/L、PFOSの濃度が0.001±0.00010mg/Lとなるように添加したもの(pH=7.5±0.5、温度20±2.5℃、硫酸イオン200±40mg/L、塩化物イオン100±20mg/L、アルカリ度200±40mg/L、濁度1NTU未満)を調整原水とする。前記ステンレス製ハウジングに装填したフィルターに、前記調整原水をろ過流量2L/分で連続通水し、フィルター通過前後でのPFOS及びPFOAの濃度を固相抽出液体クロマトグラフ質量分析法にて定量測定する。流出水中のPFOS及びPFOAの合計水中濃度が0.00007mg/L以上になる点を破過点とし、破過点までの総ろ過水量(L)を求める。得られた総ろ過水量(L)をフィルターを構成する活性炭成型体の体積(cm
3
)で割った値を、フィルターを構成する活性炭成型体1cm
3
あたりのろ過水量(L/cm
3
)とする。
【請求項3】
被処理水中の含フッ素有機化合物を除去するために用いられる、請求項1又は2に記載のフィルター。
【請求項4】
活性炭を含む活性炭成型体を含み、前記活性炭成型体は、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち、細孔径2.0nm以下の細孔容積A(cc/g)が0.30cc/g以上であり、細孔径3.0~3.5nmの範囲の細孔径の細孔容積B(cc/g)が0.01cc/g以上であるフィルターに、含フッ素有機化合物を含む被処理水を通水して、被処理水中の含フッ素有機化合物を除去する工程を含む、含フッ素有機化合物の除去方法。
【請求項5】
被処理水中の含フッ素有機化合物を除去するための、活性炭を含む活性炭成型体を含み、前記活性炭成型体は、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち、細孔径2.0nm以下の細孔容積A(cc/g)が0.30cc/g以上であり、細孔径3.0~3.5nmの範囲の細孔径の細孔容積B(cc/g)が0.01cc/g以上であるフィルターの使用。
【請求項6】
含フッ素有機化合物除去フィルターの製造のための、活性炭を含み、かつQSDFT法によって算出される細孔容積のうち、細孔径2.0nm以下の細孔容積A(cc/g)が0.30cc/g以上であり、細孔径3.0~3.5nmの範囲の細孔径の細孔容積B(cc/g)が0.01cc/g以上である活性炭成型体の使用。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性炭を含む活性炭成型体を構成部材として含むフィルターに関する。
続きを表示(約 8,400 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、水道水の水質に関する安全衛生上の関心が高まっており、種々の有害物質を除去することが望まれている。水質管理上、健康への悪影響が懸念される物質として、特に、パーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)に代表されるパーフルオロアルキルスルホン酸、及びパーフルオロオクタン酸(PFOA)に代表されるパーフルオロアルキルカルボン酸が挙げられ、健康及び環境リスク低減のために飲用水等からこれらを除去する取り組みが世界的に始まっている。日本においては、PFOS及びPFOAは、浄水場における水質管理を適切に行う観点から、2020年4月1日からPFOSおよびPFOAの合計として50ng/Lの目標値(暫定)が設定されるとともに、「要検討項目」から「水質管理目標設定項目」へと位置づけが変更された(令和2年(2020年)3月30日付け生食発0330第1号厚生労働省大臣官房生活衛生・食品安全審議官通知「水質基準に関する省令の一部改正等について(施行通知)」)。
【0003】
これまで、被処理水(処理対象となる水)から含フッ素有機化合物(パーフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物、以下、「PFAS」ともいう)を除去する技術として、活性炭を含むフィルターを用いる技術が提案されている。例えば、特許文献1には、ベンゼン吸着量が30~60%であり、ビタミンB12吸着量が50.0mg/g超であり、かつ、窒素吸着等温線からBJH法により算出したメソ孔の細孔容積が0.13~0.30cm
3
/gである、炭素質材料からなる含フッ素有機化合物除去材が開示されている。当該除去材は、浄水器用途でも使用できる、PFAS(PFOS、PFOA等)除去性能が高いものであることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2022/085550号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、炭素質材料のメソ孔(細孔径が2~50nmの範囲である細孔)の細孔容積が0.130~0.30cm
3
/gの範囲であり、それによりPFASの吸着により適した炭素質材料となることが記載されている。しかし、本発明者等が検討したところ、ろ過において被処理水の空塔速度(SV)が大きい場合(例えば、SVが2500h
-1
程度である場合)に、単にメソ孔の細孔容積を上記範囲とするのみでは、含フッ素有機化合物の除去性能が十分でない場合があることを知得した。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題を解決し、被処理水の空塔速度(SV)が大きい場合においても、含フッ素有機化合物の除去性能に優れるフィルターを提供することを主な課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は上記課題について検討した。ある文献には、PFASの分子サイズは2nm以下であると記載されている。このことからは、一見、細孔径1.0nm以下の細孔の容積を高くすることが有効だとも考えられる。しかし、本発明者等が検討を重ねた結果、被処理水の空塔速度(SV)が大きい場合(例えば、SVが2500h
-1
程度である場合)は、フィルターにおいて、細孔径が2nm以下の細孔の細孔容積を特定値以上としつつ、メソ孔の中でも特定の細孔径の範囲、すなわち細孔径が3.0~3.5nmである細孔を含むことが重要であること、及び細孔径が3.0~3.5nmである細孔の細孔容積を特定値以上となるよう制御することが重要であることを知得した。本発明は、これらの知見に基づいて、さらに検討を重ねることにより完成した発明である。
【0008】
すなわち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1.活性炭を含む活性炭成型体を含むフィルターであって、前記活性炭成型体は、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち、細孔径2.0nm以下の細孔容積A(cc/g)が0.30cc/g以上であり、細孔径3.0~3.5nmの範囲の細孔径の細孔容積B(cc/g)が0.01cc/g以上である、フィルター。
項2.前記活性炭成型体は、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち、細孔径0.65nm以下の範囲の細孔径の細孔容積が0.015cc/g以上0.08cc/g以下である、項1に記載のフィルター。
項3.前記活性炭成型体は、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち、細孔径1.0nm以下の範囲の細孔径の細孔容積が0.15cc/g以上0.35cc/g以下である、項1又は2に記載のフィルター。
項4.前記活性炭成型体は、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち、細孔径1.5nm以下の範囲の細孔径の細孔容積が0.25cc/g以上0.5cc/g以下である、項1~3のいずれかに記載のフィルター。
項5.前記活性炭成型体は、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち、細孔径2.0nm以上の範囲の細孔径の細孔容積Cが0.05cc/g以上0.8cc/g以下である、項1~4のいずれかに記載のフィルター。
項6.前記活性炭成型体は、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち、細孔径0.65~0.8nmの範囲の細孔径の細孔容積が0.05cc/g以上0.1cc/g以下である、項1~5のいずれかに記載のフィルター。
項7.前記活性炭成型体は、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち、細孔径0.8~1.0nmの範囲の細孔径の細孔容積が0.05cc/g以上0.25cc/g以下である、項1~6のいずれかに記載のフィルター。
項8.前記活性炭成型体は、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち、細孔径1.0~1.5nmの範囲の細孔径の細孔容積が0.08cc/g以上0.20cc/g以下である、項1~7のいずれかに記載のフィルター。
項9.前記活性炭成型体は、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち、細孔径1.3~1.5nmの範囲の細孔径の細孔容積が0.001cc/g以上0.08cc/g以下である、項1~8のいずれかに記載のフィルター。
項10.前記活性炭成型体は、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち、細孔径1.5~2.0nmの範囲の細孔径の細孔容積が0.001cc/g以上0.10cc/g以下である、項1~9のいずれかに記載のフィルター。
項11.前記活性炭成型体は、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち、細孔径2.0~2.5nmの範囲の細孔径の細孔容積が0.1cc/g以下である、項1~10のいずれかに記載のフィルター。
項12.前記活性炭成型体は、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち、細孔径2.5~3.0nmの範囲の細孔径の細孔容積が0.15cc/g以下である、項1~11のいずれかに記載のフィルター。
項13.前記活性炭成型体は、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち、細孔径3.5~4.0nmの範囲の細孔径の細孔容積が0.1cc/g以下である、項1~12のいずれかに記載のフィルター。
項14.前記活性炭成型体は、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち、細孔径3.0~4.0nmの範囲の細孔径の細孔容積が0.01cc/g以上0.35cc/g以下である、項1~13のいずれかに記載のフィルター。
項15.前記活性炭成型体は、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち、細孔径4.0~4.5nmの範囲の細孔径の細孔容積が0.1cc/g以下である、項1~14のいずれかに記載のフィルター。
項16.前記活性炭成型体は、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち細孔径4.0nm以上の範囲の細孔径の細孔容積が0.05cc/g以上0.13cc/g以下である、項1~15のいずれかに記載のフィルター。
項17.前記活性炭成型体は、QSDFT法によって算出される全細孔容積Tは、0.4cc/g以上1.2cc/g以下である、項1~16のいずれかに記載のフィルター。
項18.前記活性炭成型体は、QSDFT法によって算出される全細孔容積T(cc/g)に対する、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち細孔径2.0nm以下の細孔容積A(cc/g)の割合(A/T)が、0.3~0.9である、項1~17のいずれかに記載のフィルター。
項19.前記活性炭成型体は、QSDFT法によって算出される全細孔容積T(cc/g)に対する、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち細孔径3.0~3.5nmの範囲の細孔径の細孔容積B(cc/g)の割合(B/T)が、0.02~0.25である、項1~18のいずれかに記載のフィルター。
項20.前記活性炭成型体は、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち細孔径2.0nm以下の細孔容積A(cc/g)に対する、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち細孔径3.0~3.5nmの範囲の細孔径の細孔容積B(cc/g)の比(B/A)が、0.02~0.6である、項1~19のいずれかに記載のフィルター。
項21.前記活性炭成型体は、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち細孔径2.0nm以上の細孔容積C(cc/g)に対する、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち細孔径3.0~3.5nmの範囲の細孔径の細孔容積B(cc/g)の比(B/C)が、0.15~0.4である、項1~20のいずれかに記載のフィルター。
項22.前記活性炭成型体は、メソ細孔容積率が10~70%である、項1~21のいずれかに記載のフィルター。
項23.前記活性炭成型体は、比表面積が700~1600m
2
/gである、項1~22のいずれかに記載のフィルター。
項24.下記方法で測定される、前記活性炭成型体1cm
3
あたりのろ過水量が15L/cm
3
以上である、項1~23のいずれかに記載のフィルター。
<測定方法>
NSF/ANSI 53-2021(DRINKING WATER TREATMENT UNITS-HEALTH EFFECTS、米国ミシガン州に拠点を置くNSFインターナショナルによる規格)に準じて、以下の方法で測定する。前記フィルターをステンレス製ハウジングに装填する。活性炭フィルターと中空糸膜によって、全有機物濃度(TOC)(TOC計で測定される、炭素(C)に換算された有機物濃度)を0.5mg/L以下とした水道水に、パーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びパーフルオロオクタン酸(PFOA)を、PFOAの濃度が0.0005±0.00005mg/L、PFOSの濃度が0.001±0.00010mg/Lとなるように添加したもの(pH=7.5±0.5、温度20±2.5℃、硫酸イオン200±40mg/L、塩化物イオン100±20mg/L、アルカリ度200±40mg/L、濁度1NTU未満)を調整原水とする。前記ステンレス製ハウジングに装填したフィルターに、前記調整原水をろ過流量2L/分で連続通水し、フィルター通過前後でのPFOS及びPFOAの濃度を固相抽出液体クロマトグラフ質量分析法にて定量測定する。流出水中のPFOS及びPFOAの合計水中濃度が0.00007mg/L以上になる点を破過点とし、破過点までの総ろ過水量(L)を求める。得られた総ろ過水量(L)をフィルターを構成する活性炭成型体の体積(cm
3
)で割った値を、フィルターを構成する活性炭成型体1cm
3
あたりのろ過水量(L/cm
3
)とする。
項25.下記方法で測定される、前記活性炭成型体に含まれる活性炭1gあたりのろ過水量が、30L/g以上である、項1~24のいずれかに記載のフィルター。
<測定方法>
NSF/ANSI 53-2021(DRINKING WATER TREATMENT UNITS-HEALTH EFFECTS、米国ミシガン州に拠点を置くNSFインターナショナルによる規格)に準じて、以下の方法で測定する。前記フィルターをステンレス製ハウジングに装填する。活性炭フィルターと中空糸膜によって、全有機物濃度(TOC)(TOC計で測定される、炭素(C)に換算された有機物濃度)を0.5mg/L以下とした水道水に、パーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びパーフルオロオクタン酸(PFOA)を、PFOAの濃度が0.0005±0.00005mg/L、PFOSの濃度が0.001±0.00010mg/Lとなるように添加したもの(pH=7.5±0.5、温度20±2.5℃、硫酸イオン200±40mg/L、塩化物イオン100±20mg/L、アルカリ度200±40mg/L、濁度1NTU未満)を調整原水とする。前記ステンレス製ハウジングに装填したフィルターに、前記調整原水をろ過流量2L/分で連続通水し、フィルター通過前後でのPFOS及びPFOAの濃度を固相抽出液体クロマトグラフ質量分析法にて定量測定する。流出水中のPFOS及びPFOAの合計水中濃度が0.00007mg/L以上になる点を破過点とし、破過点までの総ろ過水量(L)を求める。得られた総ろ過水量(L)をフィルターを構成する活性炭成型体に含まれる活性炭の総重量で割った値を、フィルターを構成する活性炭成型体に含まれる活性炭1gあたりのろ過水量(L/g)とする。
項26.下記方法で測定される、前記活性炭成型体1cm
3
あたりのろ過水量が4L/cm
3
以上である、項1~25のいずれかに記載のフィルター。
<測定方法>
NSF/ANSI 53-2022(DRINKING WATER TREATMENT UNITS-HEALTH EFFECTS、米国ミシガン州に拠点を置くNSFインターナショナルによる規格)に準じて、以下の方法で測定する。前記フィルターをステンレス製ハウジングに装填する。活性炭フィルターと中空糸膜によって、全有機物濃度(TOC)(TOC計で測定される、炭素(C)に換算された有機物濃度)を0.5mg/L以下とした水道水に、パーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びパーフルオロオクタン酸(PFOA)を、PFOAの濃度が0.0005±0.00005mg/L、PFOSの濃度が0.001±0.00010mg/Lとなるように添加したもの(pH=7.5±0.5、温度20±2.5℃、硫酸イオン200±40mg/L、塩化物イオン100±20mg/L、アルカリ度200±40mg/L、濁度1NTU未満)を調整原水とする。前記ステンレス製ハウジングに装填したフィルターに、前記調整原水をろ過流量2L/分で連続通水し、フィルター通過前後でのPFOS及びPFOAの濃度を固相抽出液体クロマトグラフ質量分析法にて定量測定する。流出水中のPFOSおよびPFOAの合計水中濃度が0.00002mg/L以上になる点を破過点とし、破過点までの総ろ過水量(L)を求める。得られた総ろ過水量(L)をフィルターを構成する活性炭成型体の体積(cm
3
)で割った値を、フィルターを構成する活性炭成型体1cm
3
あたりのろ過水量(L/cm
3
)とする。
項27.下記方法で測定される、前記活性炭成型体に含まれる活性炭1gあたりのろ過水量が、10L/g以上である、項1~26のいずれかに記載のフィルター。
<測定方法>
NSF/ANSI 53-2022(DRINKING WATER TREATMENT UNITS-HEALTH EFFECTS、米国ミシガン州に拠点を置くNSFインターナショナルによる規格)に準じて、以下の方法で測定する。前記フィルターをステンレス製ハウジングに装填する。活性炭フィルターと中空糸膜によって、全有機物濃度(TOC)(TOC計で測定される、炭素(C)に換算された有機物濃度)を0.5mg/L以下とした水道水に、パーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びパーフルオロオクタン酸(PFOA)を、PFOAの濃度が0.0005±0.00005mg/L、PFOSの濃度が0.001±0.00010mg/Lとなるように添加したもの(pH=7.5±0.5、温度20±2.5℃、硫酸イオン200±40mg/L、塩化物イオン100±20mg/L、アルカリ度200±40mg/L、濁度1NTU未満)を調整原水とする。前記ステンレス製ハウジングに装填したフィルターに、前記調整原水をろ過流量2L/分で連続通水し、フィルター通過前後でのPFOS及びPFOAの濃度を固相抽出液体クロマトグラフ質量分析法にて定量測定する。流出水中のPFOSおよびPFOAの合計水中濃度が0.00002mg/L以上になる点を破過点とし、破過点までの総ろ過水量(L)を求める。得られた総ろ過水量(L)をフィルターを構成する活性炭成型体に含まれる活性炭の総重量で割った値を、フィルターを構成する活性炭成型体に含まれる活性炭1gあたりのろ過水量(L/g)とする。
項28.被処理水中の含フッ素有機化合物を除去するために用いられる、項1~27のいずれかに記載のフィルター。
項29.前記被処理水は、水道水である、項28に記載のフィルター。
項30.前記含フッ素有機化合物は、パーフルオロオクタンスルホン酸及び/又はパーフルオロオクタン酸を含む、項28又は29に記載のフィルター。
【発明の効果】
【0009】
本発明のフィルターは、活性炭を含む活性炭成型体を構成部材として含んでおり、前記活性炭成型体は、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち、細孔径2.0nm以下の細孔容積A(cc/g)が0.30cc/g以上であり、細孔径3.0~3.5nmの範囲の細孔径の細孔容積B(cc/g)が0.01cc/g以上であることから、被処理水の空塔速度(SV)が大きい場合(例えば、SVが2500h
-1
程度である場合)においても、含フッ素有機化合物の除去性能に優れるものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施例1のフィルターを構成する活性炭成型体のQSDFT法によって算出されるlog微分細孔容積分布を示すグラフである。
実施例2のフィルターを構成する活性炭成型体のQSDFT法によって算出されるlog微分細孔容積分布を示すグラフである。
実施例3のフィルターを構成する活性炭成型体のQSDFT法によって算出されるlog微分細孔容積分布を示すグラフである。
比較例1のフィルターを構成する活性炭成型体のQSDFT法によって算出されるlog微分細孔容積分布を示すグラフである。
比較例2のフィルターを構成する活性炭成型体のQSDFT法によって算出されるlog微分細孔容積分布を示すグラフである。
実施例1のフィルターを構成する活性炭成型体のQSDFT法によって算出される積算細孔容積分布を示すグラフである。
実施例2のフィルターを構成する活性炭成型体のQSDFT法によって算出される積算細孔容積分布を示すグラフである。
実施例3のフィルターを構成する活性炭成型体のQSDFT法によって算出される積算細孔容積分布を示すグラフである。
比較例1のフィルターを構成する活性炭成型体のQSDFT法によって算出される積算細孔容積分布を示すグラフである。
比較例2のフィルターを構成する活性炭成型体のQSDFT法によって算出される積算細孔容積分布を示すグラフである。
スラリー吸引法で使用される成型用型枠の概略図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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