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公開番号2024145823
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2023058342
出願日2023-03-31
発明の名称山岳トンネルにおけるインバート部構造体の施工方法
出願人株式会社奥村組,日本コンクリート工業株式会社
代理人弁理士法人翔和国際特許事務所
主分類E21D 11/08 20060101AFI20241004BHJP(地中もしくは岩石の削孔;採鉱)
要約【課題】PCaコンクリートブロックを用いて、インバート部構造体を、多くの手間を要することなく容易に形成して、インバート部覆工体を構成することのできるインバート部構造体の施工方法を提供する。
【解決手段】六面体形状のPCaコンクリートブロック20を上下方向に貫通して3箇所に形成された各々のボルト挿通螺着孔25に、高さ調整ボルト26が、下端部26aをPCaコンクリートブロック20の下面部20bから下方に突出させることが可能な状態で取り付けられており、縦横に連設して配置された複数のPCaコンクリートブロック20の隙間21a,21b,21cに、充填固化材22を充填する工程に先立って、高さ調整ボルト26のPCaコンクリートブロック20の下面部20bからの突出長さを変化させて、各々のPCaコンクリートブロック20の高さ及び傾きを調整する工程を含んでいる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
山岳トンネルのインバート部におけるトンネルの横断方向の少なくとも片側領域に設けられてインバート部覆工体を構成する、複数のPCaコンクリートブロックを用いたインバート部構造体の施工方法であって、
前記PCaコンクリートブロックは、前記インバート部覆工体の横断面形状に沿った湾曲形状を備えるように、湾曲する上面部及び下面部を有する六面体形状のブロックとして形成されており、
複数の前記PCaコンクリートブロックは、隣接する受台部との間、及び隣接する前記PCaコンクリートブロックとの間に隙間を保持した状態で、トンネルの横断方向に連設して配置されると共に、トンネルの軸方向にもまた、隣接する前記PCaコンクリートブロックとの間に隙間を保持した状態で連設して配置されて、縦横に並べてインバート部に設置されるようになっており、
これらの縦横に連設して配置された複数の前記PCaコンクリートブロックは、隣接する前記受台部との間の隙間、隣接する前記PCaコンクリートブロックとの間の隙間、及びこれらの隙間と連通する前記六面体形状の下面部の下方の隙間に、充填固化材を充填して硬化させることにより、硬化した充填固化材を介して一体化された状態で、前記インバート部覆工体の少なくとも一部を構成するようになっており、
各々の前記PCaコンクリートブロックには、ボルト挿通螺着孔が、上下方向に貫通して少なくとも3箇所に形成されていると共に、各々のボルト挿通螺着孔に、高さ調整ボルトが、下端部を前記PCaコンクリートブロックの下面部から下方に突出させることが可能な状態で取り付けられており、
縦横に連設して配置された複数の前記PCaコンクリートブロックの隣接する前記受台部との間の隙間、隣接する前記PCaコンクリートブロックとの間の隙間、及びこれらの隙間と連通する前記六面体形状の下面部の下方の隙間に、充填固化材を充填する工程に先立って、前記PCaコンクリートブロックの上方からの回転操作によって、各々の前記PCaコンクリートブロックにおける、3本の前記高さ調整ボルトの前記PCaコンクリートブロックの下面部からの突出長さを変化させて、各々の前記PCaコンクリートブロックの高さ及び傾きを調整する工程を含んでいる山岳トンネルにおけるインバート部構造体の施工方法。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
各々の前記ボルト挿通螺着孔の上下方向の中間よりも下方部分に、雌ネジ部材が固着されており、該雌ネジ部材に前記高さ調整ボルトが螺着されることによって、前記高さ調整ボルトが、下端部を前記PCaコンクリートブロックの下面部から下方に突出させることが可能な状態で取り付けられている請求項1記載の山岳トンネルにおけるインバート部構造体の施工方法。
【請求項3】
前記ボルト挿通螺着孔は、前記PCaコンクリートブロックの重心を囲む三角形状の各々の角部分に配設されて、3箇所に形成されている請求項1記載の山岳トンネルにおけるインバート部構造体の施工方法。
【請求項4】
3箇所の前記ボルト挿通螺着孔が、前記PCaコンクリートブロックの上面部において底辺部を一方の軸方向対向面側にこれと平行に配置し、頂部を他方の軸方向対向面側に配置した、二等辺三角形状の各角部分に配設されて形成されている請求項3記載の山岳トンネルにおけるインバート部構造体の施工方法。
【請求項5】
前記PCaコンクリートブロックの上面部側から見て、二等辺三角形状によって囲まれる内側に、前記PCaコンクリートブロックの重心が配置されるようになっている請求項3又は4記載の山岳トンネルにおけるインバート部構造体の施工方法。
【請求項6】
前記PCaコンクリートブロックの上面部側から見て、二等辺三角形状の図心の位置に、前記PCaコンクリートブロックの重心が配置されるようになっている請求項3又は4記載の山岳トンネルにおけるインバート部構造体の施工方法。
【請求項7】
前記高さ調整ボルトの下端部に、傾動自在な接地用アジャスタが取り付けられている請求項1又は2記載の山岳トンネルにおけるインバート部構造体の施工方法。
【請求項8】
前記PCaコンクリートブロックの下面部には、前記ボルト挿通螺着孔の開口周縁部をテーパー状に切り欠いて形成された、下方に向けて拡径する小ラッパ状凹部が設けられており、該小ラッパ状凹部には、前記高さ調整ボルトを上方に後退させた際に、前記接地用アジャスタが収容されるようになっている請求項4記載の山岳トンネルにおけるインバート部構造体の施工方法。
【請求項9】
前記ボルト挿通螺着孔には、前記雌ネジ部材が固着された部分から上方に向かって拡径して前記PCaコンクリートブロックの上面部に開口する、大ラッパ状凹部が形成されており、該大ラッパ状凹部おいて、前記高さ調整ボルトの上端部に回転操作治具を係止して、前記高さ調整ボルトの回転操作を行なうことで、前記PCaコンクリートブロックの下面部からの突出長さを変化させるようになっている請求項2記載の山岳トンネルにおけるインバート部構造体の施工方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、インバート部構造体の施工方法に関し、特に、山岳トンネルのインバート部に設けられてインバート部覆工体を構成する、PCaコンクリートブロックを用いた山岳トンネルにおけるインバート部構造体の施工方法に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
山岳トンネルは、岩盤等の自立していて比較的安定した地盤を掘削して形成されるトンネルであり、掘削された内壁面は、コンクリートやモルタルによる一次覆工や二次覆工によって覆われるようになっている。すなわち、山岳トンネルの内壁面は、例えば発破等を実施しながらトンネルを掘削した後に、好ましくはモルタルやコンクリートを吹付けて一次覆工を行うことにより防護層を形成してから、形成した一次覆工による防護層の内側に、例えば公知のトンネル覆工型枠を設置して、トンネルの側壁部から上部のアーチ形状部分に、コンクリートによる所定の厚さの覆工体を、二次覆工として形成する。さらに、先行して形成されたトンネルの両側の側壁部から上部のアーチ形状部分に至る覆工体における、一対の側壁部の下端部の受台部の間の部分に、底部のインバート部の覆工体を、トンネルの横断方向にコンクリートを用いて所定の厚さで一体しして形成することにより、山岳トンネルの内壁面の全周を、二次覆工によって連続して覆うようになっている。
【0003】
また、山岳トンネルは、比較的安定した地盤を掘削して形成されるものであることから、例えば数十年以上前に構築されたトンネルは、インバート部の覆工体を省略して、トンネルの側壁部から上部のアーチ形状部分に至る領域にのみ、覆工体を形成して二次覆工を行っているものがある。このようなインバート部の覆工体を省略した山岳トンネルに対しては、例えば将来、底盤部の盤膨れ等による影響が生じないように、インバート部の覆工体を新たに形成することが検討されている。
【0004】
トンネルの底部に、トンネルの側壁部から上部のアーチ形状部分に先行して設けられた覆工体と連続させて、インバート部の覆工体を形成する方法としては、従来より、現場打ちコンクリートを用いたものが一般的であるが(例えば、特許文献1参照)、インバート部の覆工体は、湾曲した形状となるように上面を仕上げるのに、高度な熟練を要することになる。さらに、現場打ちコンクリートを用いた場合、打設されたコンクリートは、硬化した後に所定の養生期間が経過するまでに、相当の時間を要することから、特にインバート部の覆工体を省略した側壁部から上部のアーチ形状部分の覆工体に、新たにインバート部の覆工体を形成する場合には、長期間、トンネル内の通行を遮断することになるため、より短期間で、工事を終了できるようにすることが望ましい。
【0005】
このようなことから、インバート部の覆工体を、予め工場等において製造された、プレキャストコンクリート製のコンクリート部材を用いて形成することによって、工期の短縮を図ることも検討されている(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2020-159060号公報
特開2013-28898号公報
特開2018-123528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、プレキャストコンクリート製のコンクリート部材を用いた従来の山岳トンネルにおけるインバート部の施工方法によれば、工場等において予め形成されるこれらのコンクリート部材は、インバート部の横断方向の全幅に亘る長さで形成されていたり、インバート部を横断方向に2~3分割した長さで形成されていたりするため、重量や形状が大きなものになると共に、工場等において型枠を組み立てて、ジョイント部等を精度良く形成するのに多くの手間を要することになる。さらに、工事現場での搬入や組付けにも多くの労力を要する他、特に、例えば複数車線の道路トンネルにおいて、他方の車線での通行を維持したまま、各々の車線毎に工事を行う場合には、嵩張る大きさのコンクリート部材を用いることになるため、困難な作業を伴うことになる。
【0008】
本発明は、工場等において製造することが容易な適度な重量及び大きさのプレキャストコンクリート製のブロック(PCaコンクリートブロック)を用いることで、多くの労力を要することなく容易に形成されて、トンネルの側壁部から上部のアーチ形状部分の覆工体と連続して設けられるインバート部覆工体の構成部分として、より迅速に設置することのできる山岳トンネルにおけるインバート部構造体の施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、山岳トンネルのインバート部におけるトンネルの横断方向の少なくとも片側領域に設けられてインバート部覆工体を構成する、複数のPCaコンクリートブロックを用いたインバート部構造体の施工方法であって、前記PCaコンクリートブロックは、前記インバート部覆工体の横断面形状に沿った湾曲形状を備えるように、湾曲する上面部及び下面部を有する六面体形状のブロックとして形成されており、複数の前記PCaコンクリートブロックは、隣接する受台部との間、及び隣接する前記PCaコンクリートブロックとの間に隙間を保持した状態で、トンネルの横断方向に連設して配置されると共に、トンネルの軸方向にもまた、隣接する前記PCaコンクリートブロックとの間に隙間を保持した状態で連設して配置されて、縦横に並べてインバート部に設置されるようになっており、これらの縦横に連設して配置された複数の前記PCaコンクリートブロックは、隣接する前記受台部との間の隙間、隣接する前記PCaコンクリートブロックとの間の隙間、及びこれらの隙間と連通する前記六面体形状の下面部の下方の隙間に、充填固化材を充填して硬化させることにより、硬化した充填固化材を介して一体化された状態で、前記インバート部覆工体の少なくとも一部を構成するようになっており、各々の前記PCaコンクリートブロックには、ボルト挿通螺着孔が、上下方向に貫通して少なくとも3箇所に形成されていると共に、各々のボルト挿通螺着孔に、高さ調整ボルトが、下端部を前記PCaコンクリートブロックの下面部から下方に突出させることが可能な状態で取り付けられており、縦横に連設して配置された複数の前記PCaコンクリートブロックの隣接する前記受台部との間の隙間、隣接する前記PCaコンクリートブロックとの間の隙間、及びこれらの隙間と連通する前記六面体形状の下面部の下方の隙間に、充填固化材を充填する工程に先立って、前記PCaコンクリートブロックの上方からの回転操作によって、各々の前記PCaコンクリートブロックにおける、3本の前記高さ調整ボルトの前記PCaコンクリートブロックの下面部からの突出長さを変化させて、各々の前記PCaコンクリートブロックの高さ及び傾きを調整する工程を含んでいる山岳トンネルにおけるインバート部構造体の施工方法を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【0010】
そして、本発明の山岳トンネルにおけるインバート部構造体の施工方法は、各々の前記ボルト挿通螺着孔の上下方向の中間よりも下方部分に、雌ネジ部材が固着されおり、該雌ネジ部材に前記高さ調整ボルトが螺着されることによって、前記高さ調整ボルトが、下端部を前記PCaコンクリートブロックの下面部から下方に突出させることが可能な状態で取り付けられていることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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