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公開番号
2024145235
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-15
出願番号
2023057502
出願日
2023-03-31
発明の名称
化学蓄熱装置
出願人
愛知製鋼株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
F28D
20/00 20060101AFI20241004BHJP(熱交換一般)
要約
【課題】蓄熱体の流出を抑制可能な化学蓄熱装置を提供することを課題とする。
【解決手段】化学蓄熱装置1は、収容部22を内部に区画する筒状の内側容器2と、収容部22に配置される蓄熱体4と、蓄熱体4の内部に配置され、熱媒体が通過する熱媒体流路52を内部に区画する伝熱部材5と、内側容器2を外側から覆い、自身の内面と、内側容器の外面204と、の間に反応媒体が流動する外側流路32を区画する筒状の外側容器3と、を備える。内側容器2の側周壁部20において、法線方向Y1が重力方向の成分Y2Bを含まない区間を第一区間20A、法線方向Y1が重力方向の成分Y2Bを含む区間を第二区間20B、とする。内側容器2の軸方向は、重力方向Y2Bに対して交差している。側周壁部20は、外側流路32と収容部22とを連通する複数の貫通孔201を有する。第一区間20Aは、第二区間20Bよりも、貫通孔201の開口率が高い。
【選択図】図6
特許請求の範囲
【請求項1】
収容部を内部に区画する筒状の内側容器と、
前記収容部に配置される蓄熱体と、
前記蓄熱体の内部に配置され、前記蓄熱体と熱の授受を行う熱媒体が通過する熱媒体流路を内部に区画する伝熱部材と、
前記内側容器を外側から覆い、自身の内面と、前記内側容器の外面と、の間に反応媒体が流動する外側流路を区画する筒状の外側容器と、
を備え、
前記内側容器の側周壁部の外面に垂直な方向のうち、前記側周壁部の内側から外側に向かう方向を法線方向、
前記内側容器の筒軸が延在する方向を軸方向、
重力が作用する方向を重力方向、
前記側周壁部において、前記法線方向が前記重力方向の成分を含まない区間を第一区間、前記法線方向が前記重力方向の成分を含む区間を第二区間、
として、
前記軸方向は、前記重力方向に対して交差しており、
前記側周壁部は、前記外側流路と前記収容部とを連通する複数の貫通孔を有し、
前記第一区間は、前記第二区間よりも、前記貫通孔の開口率が高い化学蓄熱装置。
続きを表示(約 560 文字)
【請求項2】
前記側周壁部の前記外面に占める前記開口率は2%以上である請求項1に記載の化学蓄熱装置。
【請求項3】
複数の前記貫通孔は、前記側周壁部に直接開設される請求項1に記載の化学蓄熱装置。
【請求項4】
前記側周壁部は、取付孔が開設された壁部本体と、前記取付孔に取り付けられ複数の前記貫通孔が開設された有孔部材と、を有する請求項1に記載の化学蓄熱装置。
【請求項5】
前記壁部本体は、金属製であり、
前記有孔部材は、金属製のエッチングフィルタ、金網、パンチングメタル、多孔質体、汎用フィルタから選ばれる請求項4に記載の化学蓄熱装置。
【請求項6】
前記蓄熱体は、前記反応媒体との反応により、前記伝熱部材に向かって膨張可能である請求項1に記載の化学蓄熱装置。
【請求項7】
前記外側容器に対する、前記内側容器の配置数は、単一または複数である請求項1に記載の化学蓄熱装置。
【請求項8】
前記内側容器に対する、前記伝熱部材の配置数は、単一または複数である請求項1に記載の化学蓄熱装置。
【請求項9】
前記蓄熱体に対する、前記伝熱部材のパス数は、一回または複数回である請求項1に記載の化学蓄熱装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、化学反応熱を利用して可逆的に蓄熱、放熱を行うことができる化学蓄熱装置に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、箱型の化学蓄熱反応器が開示されている。同文献の化学蓄熱装置は、蓄熱体と反応容器とを備えている。蓄熱体は、反応容器の内部に収容されている。蓄熱体は、円柱状の蓄熱成形体と、円筒状の蓄熱材拘束カバーと、を備えている。蓄熱材拘束カバーは、蓄熱成形体の外周面を全周的に覆っている。蓄熱材拘束カバーは、エッチングフィルタ製である。蓄熱材拘束カバーの全面には、多数の微小貫通孔が形成されている。蓄熱材拘束カバーは、蓄熱成形体を構成する蓄熱材の平均粒径よりも小さい濾過精度を有している。このため、蓄熱材拘束カバーは、水蒸気の通過を許容する一方、平均粒径よりも大きい蓄熱材の通過を制限している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-120430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
蓄放熱に伴う体積変化(膨張、収縮)により、蓄熱体の少なくとも一部は微粉化する。微粉化した蓄熱材は、自重により、蓄熱材拘束カバー内部を流下する。ここで、蓄熱材拘束カバー(エッチングフィルタ)は、平均粒径よりも大きい蓄熱材の通過を制限する一方、平均粒径よりも小さい蓄熱材の通過を許容しやすい。このため、微粉化した蓄熱材は、蓄熱材拘束カバーの下側部分を介して、外部に流出しやすい。よって、畜熱密度が低下してしまう。そこで、本開示は、収容部から蓄熱体が流出するのを抑制可能な化学蓄熱装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)上記課題を解決するため、本開示の化学蓄熱装置は、収容部を内部に区画する筒状の内側容器と、前記収容部に配置される蓄熱体と、前記蓄熱体の内部に配置され、前記蓄熱体と熱の授受を行う熱媒体が通過する熱媒体流路を内部に区画する伝熱部材と、前記内側容器を外側から覆い、自身の内面と、前記内側容器の外面と、の間に反応媒体が流動する外側流路を区画する筒状の外側容器と、を備え、前記内側容器の側周壁部の外面に垂直な方向のうち、前記側周壁部の内側から外側に向かう方向を法線方向、前記内側容器の筒軸が延在する方向を軸方向、重力が作用する方向を重力方向、前記側周壁部において、前記法線方向が前記重力方向の成分を含まない区間を第一区間、前記法線方向が前記重力方向の成分を含む区間を第二区間、として、前記軸方向は、前記重力方向に対して交差しており、前記側周壁部は、前記外側流路と前記収容部とを連通する複数の貫通孔を有し、前記第一区間は、前記第二区間よりも、前記貫通孔の開口率が高いことを特徴とする。
【0006】
ここで、第一区間の貫通孔の開口率とは、第一区間の外面の総面積を100%とした場合の、同区間の外面の全貫通孔の総開口面積の割合をいう。同様に、第二区間の貫通孔の開口率とは、第二区間の外面の総面積を100%とした場合の、同区間の外面の全貫通孔の総開口面積の割合をいう。
【0007】
内側容器は、重力方向に対して交差する方向に延在している。内側容器の内部には、収容部が区画されている。収容部には、蓄熱体が配置されている。内側容器の側周壁部は、第一区間と第二区間とを備えている。第一区間の法線方向は、重力方向の成分を含まない。このため、収容部の蓄熱体は、膨張、収縮による微粉化後に自重が作用しても、第一区間の貫通孔から流出しにくい。他方、第二区間の法線方向は、重力方向の成分を含む。このため、収容部の蓄熱体は、膨張、収縮による微粉化後に自重が作用すると、第二区間の貫通孔から流出しやすい。本開示の化学蓄熱装置によると、第一区間は、第二区間よりも、貫通孔の開口率が高い。このため、貫通孔を介して収容部から蓄熱体が流出するのを、抑制することができる。したがって、蓄熱密度の低下を抑制することができる。
【0008】
(1-1)上記(1)の構成において、前記第二区間には、前記貫通孔が配置されない構成とする方がよい。本構成によると、より確実に、収容部から蓄熱体が流出するのを抑制することができる。
【0009】
(1-2)上記いずれかの構成において、前記第一区間に配置された前記貫通孔の孔軸方向は、前記重力方向の成分を含まない構成とする方がよい。本構成によると、より確実に、収容部から蓄熱体が流出するのを抑制することができる。
【0010】
(1-3)上記いずれかの構成において、前記蓄熱体の内部には、反応媒体が通過し前記蓄熱体に向かって開口する反応媒体流路を内部に区画する流路部材が、配置されていない構成とする方がよい。本構成によると、流路部材が配置されていない分だけ、畜熱密度を大きくすることができる。また、化学蓄熱装置の部品点数を削減し、構造を簡単にすることができる。また、収容部に流路部材が配置されている場合と比較して、収容部の形状を単純にすることができる。このため、蓄熱体を、収容部の隅々にまで充填することができる。したがって、収容部にデッドスペースが発生するのを、抑制することができる。
(【0011】以降は省略されています)
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