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公開番号
2024142926
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-11
出願番号
2023055341
出願日
2023-03-30
発明の名称
電気脱イオン装置の運転方法
出願人
栗田工業株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C02F
1/469 20230101AFI20241003BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約
【課題】 電気脱イオン装置にpHが高い給水を供給しても高水質の処理水を効率よく製造することの可能な電気脱イオン装置の運転方法を提供する。
【解決手段】 電気脱イオン装置8にpH8以上の被処理水(給水)W4を電気脱イオン装置8の脱塩室25に被処理水W4を供給する。そして、この脱塩室25を透過した脱塩水W5を分取して濃縮室26に脱塩室25とは逆方向に供給する。これにより、被処理水(給水)W4のpHが8以上であっても脱塩室25の取り出し側ほど濃縮室26の被濃縮水中のイオン濃度が低いものとなる。特に電気脱イオン装置8の脱塩室の出口付近における濃縮室26から脱塩室25への無機炭酸イオンの移動を低減し、脱塩水W5の抵抗率の低下を防ぐことができる。
【選択図】 図2
特許請求の範囲
【請求項1】
電気脱イオン装置の脱塩室にpH8以上の給水を通水するとともに該電気脱イオン装置の濃縮室に前記脱塩室と逆方向に前記脱塩室の処理水又は前記脱塩室の給水を通水する、電気脱イオン装置の運転方法。
続きを表示(約 330 文字)
【請求項2】
前記電気脱イオン装置の給水のpHが8~11である、請求項1に記載の電気脱イオン装置の運転方法。
【請求項3】
前記電気脱イオン装置の給水の無機炭酸濃度が1mg/LasCO
2
以下である、請求項2に記載の電気脱イオン装置の運転方法。
【請求項4】
前記電気脱イオン装置の給水が逆浸透膜の透過水である請求項3に記載の電気脱イオン装置の運転方法。
【請求項5】
前記電気脱イオン装置の濃縮室に通水する濃縮水を前記電気脱イオン装置の給水の無機炭酸濃度に応じて前記脱塩室の処理水と前記脱塩室の給水とに切り替える、請求項1~4のいずれか1項に記載の電気脱イオン装置の運転方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気脱イオン装置の運転方法に関し、特に電気脱イオン装置にpHが高い給水を供給しても高水質の処理水を製造することの可能な電気脱イオン装置の運転方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、半導体等の電子産業分野で用いられている超純水は、前処理システム、一次純水製造装置及び一次純水を処理するサブシステム(二次純水製造装置)で構成される超純水製造システムで原水を処理することにより製造されている。
【0003】
例えば、図1に示すように超純水製造システム1は、前処理装置2と一次純水製造装置(純水製造装置)3とサブシステム4といった3段の装置で構成されている。このような超純水製造システム1の前処理装置2では、原水Wの濾過、凝集沈殿、精密濾過膜などによる前処理が施され、主に懸濁物質が除去される。
【0004】
一次純水製造装置3は、前処理水W1を処理する逆浸透膜装置5と、紫外線酸化装置6と、電気脱イオン装置8と、この電気脱イオン装置8に給水を供給する給水ポンプ7とを有する。この一次純水製造装置3で前処理水W1中の大半の電解質、微粒子、生菌等の除去を行うとともに有機物を分解して、一次純水(純水)W2を得る。
【0005】
そして、サブシステム4は、サブタンク10と供給ポンプ11と紫外線酸化装置12と非再生型混床式イオン交換装置13と限外ろ過膜(UF膜)14とを有し、限外ろ過膜(UF膜)14からユースポイント15を経由してサブタンク10に還流する構成となっている。このサブシステム4では、一次純水製造装置3で製造された一次純水W2中に含まれる微量の有機物(TOC成分)を酸化分解し、炭酸イオン、有機酸類、アニオン性物質、さらには金属イオンやカチオン性物質を除去し、最後に限外濾過(UF)膜14で微粒子を除去して超純水W3とし、これをユースポイント15に供給して、未使用の超純水W3はサブタンク10に還流する。
【0006】
上述したような超純水製造システム1の一次純水製造装置3では、逆浸透膜装置5におけるホウ素の濃度低減などの処理性能向上を目的に、逆浸透膜装置の給水にNaOH等のアルカリを注入してpH8以上とし、各種成分のイオン化を促進して処理することが行われている。
【0007】
このような一次純水製造装置3に用いられる電気脱イオン装置8は、一般に陰極(カソード)及び陽極(アノード)間にカチオン交換膜とアニオン交換膜とを交互に配置し、これらカチオン交換膜及びアニオン交換膜により区画を構成することで脱塩室及び濃縮室を形成し、この脱塩室及び前記濃縮室にイオン交換樹脂を充填したものである。カチオン交換膜やアニオン交換膜などのイオン交換膜としては、粉末状のイオン交換樹脂にポリスチレンなどの結合剤を加えて製膜した不均質膜や、スチレン-ジビニルベンゼン等の重合によって製膜した均質膜などのほか、各種アニオン交換機能あるいはカチオン交換機能を有する単量体をグラフト重合により製膜したものなどが用いられている。
【0008】
また、脱塩室には、イオン交換樹脂、イオン交換繊維もしくはグラフト交換体等からなるイオン交換体(アニオン交換体及びカチオン交換体)が混合もしくは複層状に充填されている。また、濃縮室と、陽極室及び陰極室にも、イオン交換体が充填されている。
【0009】
この電気脱イオン装置8には、脱塩室に被処理水(給水)を通水して処理水を取り出す通水手段と、濃縮室に濃縮水を通水する濃縮水通水手段とが設けられていて、通常は脱塩室に被処理水を通水する方向と、濃縮室に濃縮水を通水する方向を同じくすることが行われている。
【0010】
このような電気脱イオン装置を用いた純水製造装置(超純水製造装置における一次純水製造装置)としては、逆浸透膜装置の処理水を電気脱イオン装置の給水とする、あるいは逆浸透膜装置の処理水を紫外線酸化装置で処理した後電気脱イオン装置の給水とすることが汎用的に行われている。さらに、ホウ素の濃度低減を目的に逆浸透膜装置の給水にアルカリを添加し、pHを8以上に調整することも行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)
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