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公開番号2024140816
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023052160
出願日2023-03-28
発明の名称石炭の流動性向上用改質剤の選定方法、石炭の流動性向上用改質剤、石炭の改質方法、及びコークスの製造方法
出願人JFEスチール株式会社,国立大学法人北海道大学
代理人個人,個人,個人
主分類C10B 57/06 20060101AFI20241003BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】石炭の流動性を向上させる改質剤を幅広い化合物の中から簡単に選定するための選定方法の提供、前記選定方法による石炭の流動性向上用改質剤及びその利用方法の提供。
【解決手段】溶解度パラメータ値δ(SP値)、及び沸点又は分解開始温度のいずれか低い方の温度Tが、予め定められたそれぞれの閾値の範囲を同時に満たす化合物を、前記石炭の流動性を向上させる改質剤として選定することを特徴とする、石炭の流動性向上用改質剤の選定方法、前記選定方法を用いて選定された改質剤、並びに前記改質剤を用いた石炭の改質方法及びコークスの製造方法を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
溶解度パラメータ値δ、及び沸点又は分解開始温度のいずれか低い方の温度Tが、予め定められたそれぞれの閾値の範囲を同時に満たす化合物を、石炭の流動性を向上させる改質剤として選定することを特徴とする、石炭の流動性向上用改質剤の選定方法。
続きを表示(約 710 文字)【請求項2】
前記溶解度パラメータ値δ、及び圧力1013hPa下での沸点又は分解開始温度のいずれか低い方の温度Tが、それぞれ次式
15.0≧δ≧11.0((cal/cm


1/2

T≧350(℃)
を同時に満たす化合物を前記改質剤として選定する、請求項1に記載の選定方法。
【請求項3】
溶解度パラメータ値δ、及び圧力1013hPa下での沸点又は分解開始温度のいずれか低い方の温度Tが、それぞれ次式
15.0≧δ≧11.0((cal/cm


1/2

T≧350(℃)
を同時に満たす化合物を含むことを特徴とする、石炭の流動性向上用改質剤。
【請求項4】
石炭に請求項3に記載の改質剤を混合して得られる混合物を350℃以上に加熱することを特徴とする、石炭の改質方法。
【請求項5】
前記混合物を、高炉用コークスの原料として用いる、請求項4に記載の改質方法。
【請求項6】
前記改質剤がナイロン66である、請求項4または5に記載の改質方法。
【請求項7】
石炭と請求項3に記載の改質剤との混合物を乾留してコークスを製造することを特徴とする、コークスの製造方法。
【請求項8】
前記混合物が、前記石炭100質量%に対して前記改質剤30質量%以下を含有する、請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
前記改質剤がナイロン66である、請求項7または8に記載の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、コークス製造に使用する石炭(非微粘結炭を含む)の軟化溶融特性(以下、「流動性」とも称する)を向上させる、石炭の流動性向上用改質剤の選定方法、前記選定方法で選定した改質剤、前記改質剤を用いる石炭の改質方法及びコークスの製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
製錬原料として鉄鉱石と共に高炉に装入されるコークスは、高強度であることが求められている。高強度のコークスを製造するためには、コークス原料として、粘結性が高い石炭を使用することが望ましい。しかし、粘結性が高い石炭のみが採掘されることはなく、粘結性が低い石炭も採掘される。そのため、性質の異なる複数の種類(銘柄)の石炭を配合して配合炭を作製し、その配合炭をコークス原料とすることが一般的に行われている。
【0003】
粘結性が高い石炭(「良質粘結炭」又は「強粘結炭」とも称する)は、産出量が不足しており、一般に価格が高い。一方、粘結性が低い石炭は、産出量が多く、比較的安価である。そのため、コークス原料には粘結性が低い石炭である、いわゆる「非微粘結炭」を使用することが、良質粘結炭の不足分を補い、原料コストを抑える点で有効である。コークス原料として使用できるように非微粘結炭の粘結性を高めるためには、安価で効率的な改質剤及び改質工程が必要であった。
【0004】
ここで、石炭の粘結性とは、石炭が乾留される際に融けて固まる性質を指し、コークスを製造するうえで不可欠な性質である。粘結性は、石炭が軟化溶融した際の特性(すなわち、流動性)によって決まる為、ある銘柄の石炭についてコークス用原料としての適性を評価する場合、その石炭の流動性に関する値(測定値や推定値)を指標にすることが重要となる。
【0005】
上述するように、高炉などに用いられるコークスを製造する際には、通常、複数の銘柄の石炭を混合した配合炭が用いられており、その配合炭を原料として製造されるコークスの強度を推定する様々な方法が検討されてきた。中でも、「基質強度と流動性を指標としたコークスの強度推定法」が、一般的に採用されている。この方法は、石炭の性状のうち、ビトリニット平均最大反射率(Ro)と、ギーセラープラストメーターの最高流動度(MF)との2つの指標をパラメータとして用い、配合炭を原料としたコークスの強度を推定する方法である。
【0006】
具体的には、石炭を乾留してコークスを製造する際の因子として、石炭の石炭化度を示すビトリニット平均最大反射率(Ro)と、石炭の粘結性(特に流動性)を示す最高流動度(MF)との2つの特性を組み合わせ、この組み合わせに基づいて、製造されるコークスの強度を推定する。つまり、製造されるコークスの強度を確保するために、配合炭のビトリニット平均最大反射率(Ro)及び最高流動度(MF)が所定の範囲になるように原料炭を配合するという方法である。なお、石炭の流動性を示す最高流動度(MF)は、試験方法の特性から試験用攪拌棒の回転数(ddpm)またはその常用対数値(logMF=log[ddpm])で表されている。ここで、「ddpm」は、Dial Division per Minuteの略であり、その測定方法はJIS M8801:2008に規定されている。
【0007】
配合炭は、配合炭の最高流動度の対数値(logMF)、つまり、混合する各原料炭の最高流動度の対数値(logMF)の加重平均値が、1.0~4.0の範囲内、好ましくは2.0~3.5の範囲内になるように、各種石炭が配合されている場合が一般的である(非特許文献1)。ただし、使用する配合炭にとって最適な最高流動度の対数値(logMF)の範囲は、使用するコークス炉の特性やコークス製造条件などに応じて異なるため、上記の範囲を外れることもある。
【0008】
よって、高強度のコークスを製造するためには、石炭の流動性が非常に重要な要因であり、数種の銘柄を組み合わせて、配合炭の最高流動度(MF)を適正化する作業が必要となる。配合炭の流動性が不足していると、製造されるコークスの強度が低下する(非特許文献1)。
【0009】
上述したようにコークス製造用の良質粘結炭は不足傾向にあり、非微粘結炭を良質粘結炭と同等または類似の特性に改質する技術や、非微粘結炭を使用して強度の高いコークスを製造する技術の開発が進められている。
【0010】
例えば、特許文献1では、環境面への配慮から廃プラスチックの再利用及び再資源化のため、コークス炉内に廃プラスチックを添加して処理することやその処理によりコークスの強度が向上することが記載されている。
(【0011】以降は省略されています)

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