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公開番号2025093961
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-24
出願番号2025027782,2021562357
出願日2025-02-25,2020-04-21
発明の名称改良された改質プロセス
出願人シェブロン ユー.エス.エー. インコーポレイテッド
代理人弁理士法人浅村特許事務所
主分類C10G 61/08 20060101AFI20250617BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】芳香族炭化水素を製造するための改良された改質プロセスを提供する。
【解決手段】本プロセスは、平行流構成で配置された2基の改質器を備え、第1の改質器は、C8+炭化水素の改質油への改質に選択的な触媒を備える従来の改質器であり、第2の改質器は、C7-炭化水素の改質油への改質に選択的な触媒を備える。ある特定の実施形態において、第1の改質器触媒は従来のアルミナ触媒を含み、第2の改質器触媒はZSM-5触媒を含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
主としてナフサ留分を含む炭化水素系原料を提供することと、
前記炭化水素系原料を、主としてC
8+
炭化水素を含む第1の原料流と、主としてC
7-
炭化水素を含む第2の原料流とに分離することと、
第1の改質油を形成するのに有効な第1の改質条件下、第1の原料流またはそのフラクションを、第1の改質触媒と、前記第1の改質触媒を備える第1の改質器において接触させることであって、前記第1の改質触媒は、主としてC
8+
炭化水素の芳香族炭化水素への改質に選択的である、前記接触させることと、
第2の改質油を形成するのに有効な第2の改質条件下、第2の原料流またはそのフラクションを、第2の改質触媒と、前記第2の改質触媒を備える第2の改質器において接触させることであって、前記第2の改質触媒は、主としてC
7-
炭化水素の芳香族炭化水素への改質に選択的であり、第1の改質器と平行流構成である、前記接触させることと、
任意選択で、第1の改質油またはそのフラクションを第2の改質油またはそのフラクションと一つにまとめることと
を含む、芳香族炭化水素を製造するための改質プロセス。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
主としてC
8+
炭化水素の芳香族炭化水素への改質に選択的な第1の改質触媒を備える第1の改質器を備える接触改質プロセスの改変方法であって、
主としてナフサ留分を含む第1の改質器への炭化水素系原料を、主としてC
8+
炭化水素を含む第1の原料流と、主としてC
7-
炭化水素を含む第2の原料流とに分離することと、
前記接触改質プロセスに、主としてC
7-
炭化水素の芳香族炭化水素への改質に選択的な第2の改質触媒を備える第2の改質器を第1の改質器と平行流構成で追加することと
を含み、
改変された接触改質プロセスが、
主としてナフサ留分を含む炭化水素系原料を提供することと、
前記炭化水素系原料を、主としてC
8+
炭化水素を含む第1の原料流と、主としてC
7-
炭化水素を含む第2の原料流とに分離することと、
第1の改質油を形成するのに有効な第1の改質条件下、第1の原料流またはそのフラクションを、第1の改質触媒と、前記第1の改質触媒を備える第1の改質器において接触させることであって、前記第1の改質触媒は、主としてC
8+
炭化水素の芳香族炭化水素への改質に選択的である、前記接触させることと、
第2の改質油を形成するのに有効な第2の改質条件下、第2の原料流またはそのフラクションを、第2の改質触媒と、前記第2の改質触媒を備える第2の改質器中で接触させることであって、前記第2の改質触媒は、主としてC
7-
炭化水素の芳香族炭化水素への改質に選択的である、前記接触させることと、
任意選択で、第1の改質油またはそのフラクションを第2の改質油またはそのフラクションと一つにまとめることと
を含む前記方法。
【請求項3】
前記第1の触媒と第2の触媒とが同一ではない、請求項1に記載のプロセスまたは請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記C
7-
炭化水素留分が、C
7-
炭化水素の芳香族炭化水素への改質に選択的な前記触媒に、直接的もしくは間接的に供給される、請求項1に記載のプロセスまたは請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記C
8+
炭化水素留分が、C
8+
炭化水素の芳香族炭化水素への改質に選択的な前記触媒に、直接的もしくは間接的に供給される、請求項1に記載のプロセスまたは請求項2に記載の方法。
【請求項6】

7-
炭化水素の改質に選択的な前記触媒が、シリカのアルミナに対するモル比が、少なくとも200、もしくは少なくとも400、もしくは少なくとも500、もしくは少なくとも1000、もしくは少なくとも1500、もしくは少なくとも2000であり、結晶子サイズが10ミクロン未満であるゼオライトを含む、請求項1に記載のプロセスまたは請求項2に記載の方法。
【請求項7】

7-
炭化水素の改質に選択的な前記触媒が、ZSM-5、ZSM-11、ZSM-12、ZSM-22、ZSM-23、ZSM-35、ZSM-38、ZSM-48、MCM-22、SSZ-20、SSZ-25、SSZ-26、SSZ-32、SSZ-33、SSZ-35、SSZ-37、SSZ-42、SSZ-43、SSZ-44、SSZ-45、SSZ-47、SSZ-58、SSZ-74、SUZ-4、EU-1、NU-85、NU-87、NU-88、IM-5、TNU-9、ESR-10、TNU-10、もしくはそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載のプロセスまたは請求項2に記載の方法。
【請求項8】

7-
炭化水素の改質に選択的な前記触媒が、ZSM-5、ZSM-11、ZSM-12、ZSM-22、ZSM-23、ZSM-35、ZSM-38、ZSM-48、もしくはそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載のプロセスまたは請求項2に記載の方法。
【請求項9】

7-
炭化水素の改質に選択的な前記触媒がZSM-5を含む、請求項1に記載のプロセスまたは請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記ZSM-5では、シリカのアルミナに対するモル比が、少なくとも200、もしくは少なくとも400、もしくは少なくとも500、もしくは少なくとも1000、もしくは少なくとも1500、もしくは少なくとも2000である、請求項9に記載のプロセスまたは方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年4月21日出願の米国仮特許出願第62/836,717号の優先権の利益を主張し、上記出願の開示は、その全体が本明細書に援用される。
続きを表示(約 3,700 文字)【0002】
発明の分野
本発明は、平行流構成の2基の改質器を備え、それぞれの改質器が特定の炭化水素選択性を有する触媒を利用する、芳香族炭化水素を製造するための改質プロセスに関する。
【背景技術】
【0003】
接触改質は、ナフサ原料と呼ばれることが多い軽質炭化水素系原料をアップグレードするための基本的な石油精製プロセスである。かかる原料は主としてC

~C
10
炭化水素を含む。接触改質の製品としては、自動車燃料として有用な高オクタン価ガソリン;ベンゼン、トルエン、キシレン、及びエチルベンゼンなどの芳香族化合物;ならびに水素を挙げることができる。接触改質に通常関与する反応としては、ナフサ範囲の炭化水素の脱水素、脱水素環化、及び異性化が挙げられ、直鎖状及びわずかに分岐をもつアルカンの脱水素及び脱水素環化、ならびにシクロパラフィンの脱水素が芳香族化合物の生成をもたらす。脱アルキル化及び水素化分解は、いずれの生成する軽質炭化水素も全般的に商品価値が低いこと及び水素が消費されることから、改質プロセスにおいて一般に望ましくない反応である。
【0004】
石油精製業者及び芳香族化合物製造業者は、オクタン価及び/または芳香族化合物収率をより高めるため、ならびに増加を続ける水素需要を満たすための水素源としての両面での、接触ナフサ改質の改善の探求において多くの課題に直面している。例えば、従来の改質システムでは、一般的に接触改質を高温、低圧、及び/または低いH

:炭化水素比で行うことを必要とする、高オクタン価、芳香族化合物の高生産、及び水素の高生産の条件となるように改質器を運転する場合、従来の非晶性アルミナ触媒を使用した固定床半再生改質では、触媒寿命及び液体収率が急激に低下する。かかる条件下で、触媒寿命が短く、より頻繁に触媒再生を行うことが必要になると、運転効率及びH

生産が著しく低下する。その上、従来の触媒のC

及びC

パラフィンから芳香族化合物を生成する選択性が低いことは、一般的に芳香族化合物製造業者にとって経済的ではない。
【0005】
工業的改質プロセスには、多くの場合、白金もしくはパラジウムなどの第VIIIB族金属系の触媒、または第VIIIB族金属+第2の触媒金属系の触媒が含まれる。好適な金属としては、レニウム、スズ、タングステン、ゲルマニウム、コバルト、ニッケル、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、またはそれらの組み合わせが挙げられる。上記触媒金属(複数可)は、アルミナ、シリカ、またはシリカ-アルミナなどの担体上に分散させることができる。通常、塩素などのハロゲンも上記担体上に組み込まれる。第VIIIB族金属に加えて、他の改質触媒としてはアルミノケイ酸塩ゼオライト触媒が挙げられる。例えば、米国特許第3,761,389号、第3,756,942号、第3,760,024号、第4,927,525号、第8,882,992号、及び第9,115,041号を含む様々な特許が、様々な触媒を用いた炭化水素留分の改質及び芳香族化を開示する。ホウケイ酸塩及びシリコアルミノリン酸塩、層状結晶性クレー型フィロケイ酸塩、及び非晶性クレーを含む他の改質触媒も文献に記載されている。
【0006】
より価値の高い芳香族改質油を製造するために、1つ以上のプロセスステップでナフサ原料を改質するための様々なプロセスも、例えば、米国特許第3,415,737号、第3,770,614号、第3,950,241号、第4,181,599号、第4,190,519号、第8,882,992号、及び第9,115,041号を含む特許及び技術刊行物に記載されている。例えば、米国特許第4,627,909号、第4,443,326号、第4,764,267号、第5,073,250号、第5,169,813号、第5,171,691号、第5,182,012号、第5,358,631号、第5,376,259号、第5,407,558号、第8,882,992号、及び第9,115,041号を含む多くの特許が、ナフサ原料の改質の際の異なるプロセスステップにおいて異なる触媒を使用することも記載している。
【0007】
ナフサ改質触媒及びプロセスの進歩は工業的改質装置に利益をもたらしてきた一方で、芳香族化合物の収率及びプロセススループットを増加させ、水素生産を向上させ、価値の低い低分子量(C

~C

)生成物の形成を最小限に抑えるための、新規且つ改良された改質プロセス及び方法の開発に対する絶え間のないニーズが存在する。本発明は、かかる工業的なニーズ及び従来の改質プロセスの技術的限界に対する解決策を提供する。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、異なる選択性の触媒が使用される、平行流構成で配置された複数の改質器を利用することにより、改質プロセスにおいて全体的な芳香族化合物収率及びプロセススループットの向上を達成することができるとの発見に基づく。ナフサ改質プロセス原料全体を主としてC
7-
の原料流と主としてC
8+
の原料流に分割し、これらの中間流を適切な選択性を有する触媒を収納した別個の並列の改質器に送ることにより、本発明は、従来の改質プロセスと比較して収率が有利になり、スループットが向上する。
【0009】
芳香族炭化水素を製造するための本発明の改質プロセスは、主としてナフサ留分を含む炭化水素系原料を、主としてC
8+
炭化水素を含む第1の原料流と、主としてC
7-
炭化水素を含む第2の原料流とに分離する。続いて、第1の原料流またはそのフラクションは、第1の改質油を形成するのに有効な第1の改質条件下、第1の改質触媒を備える第1の改質器中で第1の改質触媒と接触する。第2の原料流またはそのフラクションは同様に、第2の改質油を形成するのに有効な第2の改質条件下、第2の改質触媒を備える並列する第2の改質器中で第2の改質触媒と接触する。第1の触媒は主としてC
8+
炭化水素の芳香族炭化水素への改質に選択的である一方、第2の触媒は主としてC
7-
炭化水素の芳香族炭化水素への改質に選択的である。第1及び第2の改質器は互いに平行流構成で配置され、中間原料流を別個に改質する。並列の改質器から生じる第1及び第2の芳香族改質油、またはそれらのフラクションをさらに一つにまとめ、製品及び/またはさらなる処理に向けた中間流を形成してもよい。
【0010】
本発明はまた、第2の改質器を既設のすなわち従来の改質器(複数可)と統合することによる、既存のすなわち従来の接触改質プロセスの改変方法にも関する。本方法は、概括的には、分離ステップを追加し、主としてナフサ留分を含む炭化水素系原料を、それぞれ、主としてC
8+
及びC
7-
炭化水素を含む第1及び第2の中間原料流へと分割することを含む。既設のすなわち従来の改質器(複数可)と平行流構成の第2の改質器を追加し、C
7-
炭化水素中間原料流を第2の改質器で芳香族改質油に改質し、同時にC
8+
炭化水素中間原料流を既設のすなわち従来の改質器(複数可)で芳香族改質油に改質する。本方法に由来する改変された改質器プロセスは、
主としてナフサ留分を含む炭化水素系原料を提供することと、
上記炭化水素系原料を、主としてC
8+
炭化水素を含む第1の原料流と、主としてC
7-
炭化水素を含む第2の原料流とに分離することと、
第1の芳香族改質油を形成するのに有効な第1の改質条件下、第1の原料流またはそのフラクションを、第1の改質触媒と、第1の改質触媒を備える第1の改質器において接触させることであって、第1の改質触媒は、主としてC
8+
炭化水素の芳香族炭化水素への改質に選択的である、接触させることと、
第2の改質油を形成するのに有効な第2の改質条件下、第2の原料流またはそのフラクションを、第2の改質触媒と、第2の改質触媒を備える第2の改質器において接触させることであって、第2の改質触媒は、主としてC
7-
炭化水素の芳香族炭化水素への改質に選択的である、接触させることと、
任意選択で、第1の改質油またはそのフラクションを第2の改質油またはそのフラクションと一つにまとめることと
を含む。
(【0011】以降は省略されています)

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