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公開番号2025100725
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-03
出願番号2025066220,2024024574
出願日2025-04-14,2022-03-31
発明の名称有用炭化水素の製造方法および有用炭化水素の製造装置
出願人古河電気工業株式会社
代理人個人,個人
主分類C10G 2/00 20060101AFI20250626BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】容易に得られる原料であるメタン含有炭化水素と二酸化炭素を用い、長期間に亘って効率よく製造できる、有用炭化水素の製造方法および有用炭化水素の製造装置を提供する。
【解決手段】有用炭化水素の製造方法は、メタン含有炭化水素および二酸化炭素を含む混合ガスから、一酸化炭素および水素を含む第1ガスを生成するドライリフォーミング工程と、前記第1ガス中の一酸化炭素および水素から、有用炭化水素を含む第2ガスを生成する有用炭化水素生成工程と、前記第2ガスから二酸化炭素含有ガスを分離して前記ドライリフォーミング工程に供給するリサイクル工程とを有する。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
メタン含有炭化水素および二酸化炭素を含む混合ガスから、一酸化炭素および水素を含む第1ガスを生成するドライリフォーミング工程と、
前記第1ガス中の一酸化炭素および水素から、有用炭化水素を含む第2ガスを生成する有用炭化水素生成工程と、
前記第2ガスから二酸化炭素含有ガスを分離して前記ドライリフォーミング工程に供給するリサイクル工程と
を有する有用炭化水素の製造方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記リサイクル工程は、前記ドライリフォーミング工程に供給する前記混合ガス中の二酸化炭素および前記二酸化炭素含有ガス中の二酸化炭素の合計炭素モル数M
CO2
に対する前記ドライリフォーミング工程に供給する炭化水素の合計炭素モル数M
HC
の比(M
HC
/M
CO2
)に応じて、前記ドライリフォーミング工程に供給する前記二酸化炭素含有ガスの供給量を調整する、請求項1に記載の有用炭化水素の製造方法。
【請求項3】
前記二酸化炭素含有ガスのCO

濃度は50%以上である、請求項1または2に記載の有用炭化水素の製造方法。
【請求項4】
前記第2ガスから水素を分離して前記有用炭化水素生成工程に供給する水素供給工程をさらに有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の有用炭化水素の製造方法。
【請求項5】
前記水素供給工程は、前記有用炭化水素生成工程における水素のモル数M

に応じて、前記有用炭化水素生成工程に供給する水素の供給量を調整する、請求項4に記載の有用炭化水素の製造方法。
【請求項6】
前記ドライリフォーミング工程で得られた前記第1ガスに含まれる一酸化炭素のモル数M
CO
に対する水素のモル数M

のモル比(M

/M
CO
)を調整する調整工程をさらに有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の有用炭化水素の製造方法。
【請求項7】
前記第2ガスから炭素原子を含む物質を分離し、前記炭素原子を含む物質を燃焼して二酸化炭素を生成する燃焼工程をさらに有し、
前記リサイクル工程は、前記二酸化炭素含有ガス、および前記燃焼工程で生成した二酸化炭素を前記ドライリフォーミング工程に供給する、請求項1~6のいずれか1項に記載の有用炭化水素の製造方法。
【請求項8】
前記有用炭化水素は、オレフィン類、芳香族炭化水素、ガソリン、液化石油ガス、および液状炭化水素からなる群より選択される少なくとも1種の炭化水素である、請求項1~7のいずれか1項に記載の有用炭化水素の製造方法。
【請求項9】
前記有用炭化水素は、液化石油ガスである、請求項1~8のいずれか1項に記載の有用炭化水素の製造方法。
【請求項10】
前記有用炭化水素は液化石油ガスであり、前記二酸化炭素含有ガスには、炭化数3~4以外の炭化水素が含まれる、請求項1~8のいずれか1項に記載の有用炭化水素の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、有用炭化水素の製造方法および有用炭化水素の製造装置に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
基礎化学原料となる各種の低級オレフィンや芳香族炭化水素、各種の液体燃料(ガソリンや液化石油ガス(LPG)、航空燃料など)といった有用炭化水素は、炭素数2以上の炭化水素であり、主に石油資源から製造されている。しかしながら、これらの炭化水素の製造プロセスでは、主に石油資源が原料であることから、地政学的リスクが懸念されている。さらに、これらの炭化水素の製造プロセスや消費過程において、多量に二酸化炭素を排出することから、地球温暖化の観点からも問題視されている。したがって、賦存地域が限定されない資源を原料とし、かつ二酸化炭素の排出量がより少ない、クリーンなプロセスの開発が模索されている。
【0003】
例えば、液化石油ガスは、原油やガソリンに比べて、地球温暖化の原因の1つである二酸化炭素の排出量が少なく、地球温暖化を抑制する研究が盛んに行われている。特許文献1には、含炭素原料と、水、酸素、二酸化炭素からなる群より選択される少なくとも1種とから、合成ガスを製造する合成ガス製造工程、合成ガスから低沸点成分を含む低級パラフィン含有ガスを製造する低級パラフィン製造工程、低級パラフィン含有ガスから低沸点成分を分離する分離工程、および低沸点成分を合成ガス製造工程にリサイクルするリサイクル工程を有する、液化石油ガスの製造方法が記載されている。しかしながら、特許文献1では、液化石油ガスを製造する原料である含炭素原料に、天然ガス、ナフサ、石炭などの天然資源が用いられている。
【0004】
この他にも、近年では、家畜ふん尿や下水汚泥等の有機系廃棄物を利用したバイオガス発電や太陽光発電などの再生可能エネルギーが注目されている。しかしながら、これらの技術は、得られるエネルギー形態が電気であるため、送電容量の状況によってはエネルギー輸送が困難である。さらに、バイオガス発電は、有機系廃棄物から得られるメタンガスと二酸化炭素のうち、メタンガスのみを利用している。そのため、二酸化炭素が活用されていない現在の状況は、地球温暖化の観点から好ましくない。
【0005】
このように、天然資源は無尽蔵に存在するのではなく、特定の国や地域でしか産出することができない。更に、再生可能エネルギーにおいても、エネルギー貯蔵・輸送の観点から、電気以外のエネルギー形態が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2006-143752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示の目的は、容易に得られる原料であるメタン含有炭化水素と二酸化炭素を用い、長期間に亘って効率よく製造できる、有用炭化水素の製造方法および有用炭化水素の製造装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[1] メタン含有炭化水素および二酸化炭素を含む混合ガスから、一酸化炭素および水素を含む第1ガスを生成するドライリフォーミング工程と、前記第1ガス中の一酸化炭素および水素から、有用炭化水素を含む第2ガスを生成する有用炭化水素生成工程と、前記第2ガスから二酸化炭素含有ガスを分離して前記ドライリフォーミング工程に供給するリサイクル工程とを有する有用炭化水素の製造方法。
[2] 前記リサイクル工程は、前記ドライリフォーミング工程に供給する前記混合ガス中の二酸化炭素および前記二酸化炭素含有ガス中の二酸化炭素の合計炭素モル数M
CO2
に対する前記ドライリフォーミング工程に供給する炭化水素の合計炭素モル数M
HC
の比(M
HC
/M
CO2
)に応じて、前記ドライリフォーミング工程に供給する前記二酸化炭素含有ガスの供給量を調整する、上記[1]に記載の有用炭化水素の製造方法。
[3] 前記二酸化炭素含有ガスのCO

濃度は50%以上である、上記[1]または[2]に記載の有用炭化水素の製造方法。
[4] 前記第2ガスから水素を分離して前記有用炭化水素生成工程に供給する水素供給工程をさらに有する、上記[1]~[3]のいずれか1つに記載の有用炭化水素の製造方法。
[5] 前記水素供給工程は、前記有用炭化水素生成工程における水素のモル数M

に応じて、前記有用炭化水素生成工程に供給する水素の供給量を調整する、上記[4]に記載の有用炭化水素の製造方法。
[6] 前記ドライリフォーミング工程で得られた前記第1ガスに含まれる一酸化炭素のモル数M
CO
に対する水素のモル数M

のモル比(M

/M
CO
)を調整する調整工程をさらに有する、上記[1]~[5]のいずれか1つに記載の有用炭化水素の製造方法。
[7] 前記第2ガスから炭素原子を含む物質を分離し、前記炭素原子を含む物質を燃焼して二酸化炭素を生成する燃焼工程をさらに有し、前記リサイクル工程は、前記二酸化炭素含有ガス、および前記燃焼工程で生成した二酸化炭素を前記ドライリフォーミング工程に供給する、上記[1]~[6]のいずれか1つに記載の有用炭化水素の製造方法。
[8] 前記有用炭化水素は、オレフィン類、芳香族炭化水素、ガソリン、液化石油ガス、および液状炭化水素からなる群より選択される少なくとも1種の炭化水素である、上記[1]~[7]のいずれか1つに記載の有用炭化水素の製造方法。
[9] 前記有用炭化水素は、液化石油ガスである、上記[1]~[8]のいずれか1つに記載の有用炭化水素の製造方法。
[10] 前記有用炭化水素は液化石油ガスであり、前記二酸化炭素含有ガスには、炭化数3~4以外の炭化水素が含まれる、上記[1]~[8]のいずれか1つに記載の有用炭化水素の製造方法。
[11] 前記有用炭化水素はオレフィン類であり、前記二酸化炭素含有ガスには、目的とするオレフィン類以外の炭化水素および一酸化炭素の少なくとも一方が含まれる、上記[1]~[8]のいずれか1つに記載の有用炭化水素の製造方法。
[12] 前記有用炭化水素は芳香族炭化水素であり、前記二酸化炭素含有ガスには、目的とする芳香族炭化水素以外の炭化水素および一酸化炭素の少なくとも一方が含まれる、上記[1]~[8]のいずれか1つに記載の有用炭化水素の製造方法。
[13] 前記有用炭化水素はガソリンであり、前記二酸化炭素含有ガスには、ガソリン以外の炭化水素および一酸化炭素の少なくとも一方が含まれる、上記[1]~[8]のいずれか1つに記載の有用炭化水素の製造方法。
[14] 前記有用炭化水素は液状炭化水素であり、前記二酸化炭素含有ガスには、炭素数4以下の炭化水素および一酸化炭素の少なくとも一方が含まれる、上記[1]~[8]のいずれか1項に記載の有用炭化水素の製造方法。
[15] メタン含有炭化水素および二酸化炭素を含む混合ガスから、一酸化炭素および水素を含む第1ガスを生成するドライリフォーミング部と、前記ドライリフォーミング部で生成した前記第1ガスが供給され、前記第1ガス中の一酸化炭素および水素から、有用炭化水素を含む第2ガスを生成する有用炭化水素生成部と、前記有用炭化水素生成部で生成した前記第2ガスから二酸化炭素含有ガスを分離して前記ドライリフォーミング部に供給するリサイクル部とを備える有用炭化水素の製造装置。
[16] モル換算でメタン/二酸化炭素が1以上9以下のガスから、一酸化炭素および水素を含む第1ガスを生成するドライリフォーミング工程と、前記第1ガス中の一酸化炭素および水素から、有用炭化水素を含む第2ガスを生成する有用炭化水素生成工程と、前記第2ガスから二酸化炭素含有ガスを分離して前記ドライリフォーミング工程に供給するリサイクル工程とを有する有用炭化水素の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、容易に得られる原料であるメタン含有炭化水素と二酸化炭素を用い、長期間に亘って効率よく製造できる、有用炭化水素の製造方法および有用炭化水素の製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、実施形態の有用炭化水素の製造方法の一例を示すブロック図である。
図2は、実施形態の有用炭化水素の製造装置の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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