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公開番号
2025103841
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-09
出願番号
2023221498
出願日
2023-12-27
発明の名称
グリース組成物
出願人
シエル・インターナシヨネイル・リサーチ・マーチヤツピイ・ベー・ウイ
,
SHELL INTERNATIONALE RESEARCH MAATSCHAPPIJ BESLOTEN VENNOOTSHAP
代理人
弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
主分類
C10M
169/02 20060101AFI20250702BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約
【課題】低温環境下において優れた性能を有するグリース組成物を提供する。
【解決手段】本発明のグリース組成物のある形態は、増ちょう剤と基油から構成されるグリースにおいて、温度-20℃、周波数1Hzの条件下で、レオメーターを用いて実施された粘弾性試験における損失正接が1を示すときのひずみが1.0~3.5%であり、本特許記載の広角ドライブシャフト試験条件における運転開始から5秒から10秒の間における音圧の平均値に対して+10dB以上の異音 発生時間が、5.0秒以下である。また、グリース組成物は、温度-20℃、せん断速度10s
-1
の条件でレオメーターを用いて測定した時の起動トルクが10.0~45.0mN・mの範囲で、なおかつ、前記基油が鉱油及び合成油から選択される1種類以上からなり、40℃動粘度が90mm
2
/s以上である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
基油と増ちょう剤とを含み、温度-20℃、周波数1Hzの条件下で、レオメーターを用いて実施された粘弾性試験における損失正接が1を示すときのひずみが、1.0~3.5%であり、下記広角ドライブシャフト試験条件における運転開始から5秒から10秒の間における音圧の平均値に対して+10dB以上の異音発生時間が、5.0秒以下である、グリース組成物。
(広角ドライブシャフト試験条件)
・アウトボード等速ジョイントの外径:89.8mmの固定式ジョイント
・アウトボード等速ジョイントの転動体の直径が19.03mm
・角度:35度
・トルク:400Nm
・回転数:200rpm
・温度:-40℃、-30℃、-20℃
・異音の測定位置:ドライブシャフトのアウトボード等速ジョイントから95mm
・異音の周波数:5,700~5,900Hz
続きを表示(約 240 文字)
【請求項2】
温度-20℃、せん断速度10s
-1
の条件下で、レオメーターを用いて実施された粘弾性試験における起動トルクが、10.0~45.0mN・mである、請求項1記載のグリース組成物。
【請求項3】
前記基油が、鉱油及び合成油から選択される1種以上である、請求項1又は2記載のグリース組成物。
【請求項4】
前記基油の40℃動粘度が90mm
2
/s以上である、請求項1又は2記載のグリース組成物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリース組成物に関して、特に各種産業機械・自動車部品等の転がり軸受、すべり軸受、歯車等の幅広い機械部品に対して、低温環境下における性能に優れたグリース組成物に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
自動車をはじめとした各産業用機械に使用される部品においては、低温から高温まで広い範囲での性能の維持と品質安定性への要求が年々加速されている。これまで高温での対策については、熱安定性に優れた様々な増ちょう剤に関する技術や、合成油や高機能酸化防止剤などを組み合わせた技術が公開されてきたが、低温性については、まだ課題が多い。具体的には、低温ではトルク増大やスティックスリップによる異音発生、さらにフレッチング摩耗の増大などの潤滑性不良に至る場合も少なくない。
【0003】
例えば風力発電の用途においては、極寒地に設置される場合、軸受等に封入されるグリースが十分な性能を発揮できず、フレッチング摩耗が生じたり、トルク増大による発電効率低下に繋がる等の課題がある。また、自動車用途では、近年特に電動化が加速する中で、駆動部をはじめとして、あらゆる部品が電動機で作動や制御されるようになってきており、各部品の摩擦損失や異音を出来るだけ排除し、低燃費(低電費)や静粛性が図られている。特に低温においては、エンジン搭載車では、エンジンを作動する際に発生する熱源によって暖気された軸受等の周辺部品は、グリースに低温性が求められなかったが、電動車では熱源がなく即時作動と言ったケースが多々あり、過大な作動トルクや摩擦にかかるエネルギーロスが大きくなる。さらにエンジン音が無くなったことにより、部品の駆動音や作動音は運転者や同乗者に伝わり易くなっている。特に低温においては、封入グリースが十分な性能を発揮できず、起動時の一時的なスタベーションによる金属間接触、またはシール材やブーツ材との摩擦(スティックスリップ)により生じる異音が明瞭に観測されることがある。このように、低温での性能に優れたグリース組成物が求められる。
【0004】
特許文献1は、40℃における動粘度が25mm
2
/s以下であるポリアルファオレフィン油を基油として用いたグリース組成物が良好な性能を有することを開示している。
【0005】
特許文献2は、温度25℃、周波数10Hz、ひずみ量100%の条件でレオメーターを用いて測定した時の貯蔵弾性率が500~100,000Paとなるようグリースに用いた基油及び増ちょう剤の種類と混合割合を調整することで、ディスクブレーキのブレーキ鳴きの音の発生を抑制できることを開示している。
【0006】
特許文献3は、温度-40℃、-30℃、-20℃、20℃の4つの温度域において、周波数1Hz、ひずみ量0.003%の条件でレオメーターを用いて測定した時の貯蔵弾性率が120,000Pa以下で、かつ、周波数1Hzでの上記温度領域における損失弾性率が27,000Pa以下の場合となるようグリースに用いた基油及び増ちょう剤の種類と混合割合を調整することで、該所定温度下で内輪及び外輪と、この内輪及び外輪間に介在する複数の転動体と、該転動体の周囲に封入されたグリースと、を備える転がり軸受を使用する際に低温時の異音が発生しないことを開示している。また、-40℃以下の温度領域においても、上記の貯蔵弾性率と損失弾性率の範囲内に収まる場合には、前述の転がり軸受において異音が発生しないことを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特表2007-511638号公報
特開2012-241167号公報
特開2019-7828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1記載のグリース組成物では、高荷重下における十分な耐久性を発揮することが期待できない。従って、特許文献1記載のグリース組成物は高荷重な使用条件下での耐久性と低温時の性能を両立できない。
【0009】
また、特許文献2記載のグリース組成物は、ブレーキ鳴きの発生を効果的に抑制することを目的としたものであり、低温時の性能が十分ではない場合がある。
【0010】
特許文献3記載のグリース組成物の基油の40℃動粘度は、70mm
2
/s以下であり、それよりも高粘度な構成油を用いたグリース組成物での検証が行われていない。前述の油を用いた場合、所定の動的弾性率を有するグリース組成物においても異音に対して十分でない場合がある。0.003%の超低ひずみ領域での貯蔵弾性率と損失弾性率には着目しているが、強いひずみを加えた際のグリースの硬さやグリースの降伏点には着目していない為、寒冷時における低温時の異音模擬試験としては不十分である場合がある。
(【0011】以降は省略されています)
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