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公開番号2024136529
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-04
出願番号2023047672
出願日2023-03-24
発明の名称積層型電子部品
出願人TDK株式会社
代理人インフォート弁理士法人,弁理士法人イトーシン国際特許事務所
主分類H03H 7/09 20060101AFI20240927BHJP(基本電子回路)
要約【課題】第1のフィルタと第2のフィルタとの間の特性の調整を容易にする。
【解決手段】電子部品1の第1ないし第4のフィルタ10,20,30,40は、回路構成上、第1のフィルタ10から第2のフィルタ20に至る第1の経路5が、第3のフィルタ30から第4のフィルタ40に至る第2の経路6を含むと共に第2の経路6よりも長くなるように設けられている。第1ないし第4のフィルタ10,20,30,40の第1ないし第4のインダクタL11,L21,L31,L41は、第1のインダクタL11の開口部と第3のインダクタL31の開口部とが対向し、第2のインダクタL21の開口部と第4のインダクタL41の開口部とが対向し、且つ第2のインダクタL21と第4のインダクタL41の組が第1のインダクタL11と第3のインダクタL31の組に隣接するように配置されている。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項１】
第１のインダクタを含むローパスフィルタである第１のフィルタと、
第２のインダクタを含むローパスフィルタである第２のフィルタと、
第３のインダクタを含むハイパスフィルタである第３のフィルタと、
第４のインダクタを含むハイパスフィルタである第４のフィルタと、
前記第１のフィルタ、前記第２のフィルタ、前記第３のフィルタおよび前記第４のフィルタを一体化するための積層体であって、積層された複数の誘電体層を含む積層体とを備え、
前記第１のフィルタ、前記第２のフィルタ、前記第３のフィルタおよび前記第４のフィルタは、回路構成上、前記第１のフィルタから前記第２のフィルタに至る第１の経路が、前記第３のフィルタから前記第４のフィルタに至る第２の経路を含むと共に前記第２の経路よりも長くなるように設けられ、
前記第１のインダクタ、前記第２のインダクタ、前記第３のインダクタおよび前記第４のインダクタの各々は、前記複数の誘電体層の積層方向に直交する軸の周りに巻回され、
前記第１のインダクタ、前記第２のインダクタ、前記第３のインダクタおよび前記第４のインダクタは、前記第１のインダクタの開口部と前記第３のインダクタの開口部とが対向し、前記第２のインダクタの開口部と前記第４のインダクタの開口部とが対向し、且つ前記第２のインダクタと前記第４のインダクタの組が前記第１のインダクタと前記第３のインダクタの組に隣接するように配置されていることを特徴とする積層型電子部品。
続きを表示（約 1,500 文字）【請求項２】
前記第１のインダクタと前記第２のインダクタは、互いに隣接していることを特徴とする請求項１記載の積層型電子部品。
【請求項３】
前記第１のインダクタと前記第２のインダクタとの間には、前記第１のインダクタと前記第２のインダクタを除く前記第１ないし第４のフィルタの構成要素を構成するためのいかなる導体も配置されてないことを特徴とする請求項２記載の積層型電子部品。
【請求項４】
前記第１のインダクタと前記第２のインダクタの各々は、それぞれ巻回数が３／４回以上１回以下である複数の巻回部分を含むことを特徴とする請求項１記載の積層型電子部品。
【請求項５】
前記複数の巻回部分は、第１の巻回部分と第２の巻回部分とを含み、
前記第２のインダクタの前記第１の巻回部分と前記第２の巻回部分は、それぞれ、前記第１のインダクタの前記第１の巻回部分と前記第２の巻回部分に隣接し、
前記第１のインダクタの前記第２の巻回部分と前記第２のインダクタの前記第２の巻回部分との間隔は、前記第１のインダクタの前記第１の巻回部分と前記第２のインダクタの前記第１の巻回部分との間隔よりも小さいことを特徴とする請求項４記載の積層型電子部品。
【請求項６】
前記複数の巻回部分は、更に、第３の巻回部分を含み、
前記第２のインダクタの前記第３の巻回部分は、前記第１のインダクタの前記第３の巻回部分に隣接し、
前記第１のインダクタと前記第２のインダクタの各々において、前記第２の巻回部分は、回路構成上、前記第１の巻回部分と前記第２の巻回部分との間に設けられ、
前記第１のインダクタの前記第２の巻回部分と前記第２のインダクタの前記第２の巻回部分との間隔は、前記第１のインダクタの前記第３の巻回部分と前記第２のインダクタの前記第３の巻回部分との間隔よりも小さいことを特徴とする請求項５記載の積層型電子部品。
【請求項７】
前記第３のインダクタと前記第４のインダクタの各々は、それぞれ巻回数が３／４回以上１回以下である複数の巻回部分を含むことを特徴とする請求項１記載の積層型電子部品。
【請求項８】
前記積層体は、前記積層方向の両端に位置する第１の面および第２の面を有し、
前記第１ないし第４のインダクタの各々は、それぞれ巻回数が３／４回以上１回以下である複数の巻回部分を含み、
前記複数の巻回部分の各々は、それぞれ複数のスルーホールが直列に接続されることによって構成された第１のスルーホール列および第２のスルーホール列と、前記第１のスルーホール列の一端と前記第１のスルーホール列の一端に電気的に接続された導体層とを含み、
前記導体層は、前記第１および第２のスルーホール列と前記第２の面との間に配置され、
前記第１のインダクタの前記複数の巻回部分の各々の前記導体層と、前記第２のインダクタの前記複数の巻回部分の各々の前記導体層と、前記第３のインダクタの前記複数の巻回部分の各々の前記導体層と、前記第４のインダクタの前記複数の巻回部分の各々の前記導体層は、前記積層方向において同じ位置に配置されていることを特徴とする請求項１記載の積層型電子部品。
【請求項９】
前記第３のフィルタは、回路構成上、前記第１のフィルタと前記第２のフィルタとの間に設けられ、
前記第４のフィルタは、回路構成上、前記第３のフィルタと前記第２のフィルタとの間に設けられていることを特徴とする請求項１ないし８のいずれかに記載の積層型電子部品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、ローパスフィルタとハイパスフィルタを含む積層型電子部品に関する。
続きを表示（約 1,700 文字）【背景技術】
【０００２】
通信装置に用いられる電子部品の一つに、バンドパスフィルタがある。バンドパスフィルタは、例えば、バンドパスフィルタの通過帯域の低域側に減衰極を形成するハイパスフィルタと、バンドパスフィルタの通過帯域の高域側に減衰極を形成するローパスフィルタを直列に接続することによって構成することができる。
【０００３】
近年、小型移動体通信機器の小型化、省スペース化が市場から要求されており、その通信機器に用いられるバンドパスフィルタの小型化も要求されている。小型化に適したバンドパスフィルタとしては、積層された複数の誘電体層と複数の導体層とを含む積層体を用いたものが知られている。
【０００４】
ハイパスフィルタとローパスフィルタの各々は、インダクタを含んでいる。積層体を用いたバンドパスフィルタに用いられるインダクタとしては、導体層と複数のスルーホールとによって構成されたインダクタであって、複数の誘電体層の積層方向に直交する軸に巻回されたインダクタが知られている。
【０００５】
特許文献１には、ハイパスフィルタとローパスフィルタによって構成されたバンドパスフィルタではないが、それぞれ複数の誘電体層の積層方向に直交する軸に巻回された複数のインダクタを含む積層帯域通過フィルタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００６】
国際公開第２０１２／０７７４９８号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
バンドパスフィルタでは、所望の特性を実現するために、複数のローパスフィルタと複数のハイパスフィルタとが用いられる場合がある。ここで、回路構成上、２つのローパスフィルタの間に２つのハイパスフィルタが設けられたバンドパスフィルタについて考える。このバンドパスフィルタでは、２つのローパスフィルタは、電気的には接続されていない。そのため、このバンドパスフィルタでは、２つのローパスフィルタ間の磁気結合の調整が難しくなるという問題があった。
【０００８】
上記の問題は、複数のハイパスフィルタと複数のローパスフィルタによって構成されたバンドパスフィルタに限らず、回路構成上、２つのローパスフィルタの間に２つのハイパスフィルタが設けられた積層型電子部品全般に当てはまる。
【０００９】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、２つのローパスフィルタと２つのハイパスフィルタとを含む積層型電子部品であって、２つのローパスフィルタ間の特性の調整が容易になる積層型電子部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
本発明の積層型電子部品は、第１のインダクタを含むローパスフィルタである第１のフィルタと、第２のインダクタを含むローパスフィルタである第２のフィルタと、第３のインダクタを含むハイパスフィルタである第３のフィルタと、第４のインダクタを含むハイパスフィルタである第４のフィルタと、第１のフィルタ、第２のフィルタ、第３のフィルタおよび第４のフィルタを一体化するための積層体であって、積層された複数の誘電体層を含む積層体とを備えている。第１のフィルタ、第２のフィルタ、第３のフィルタおよび第４のフィルタは、回路構成上、第１のフィルタから第２のフィルタに至る第１の経路が、第３のフィルタから第４のフィルタに至る第２の経路を含むと共に第２の経路よりも長くなるように設けられている。第１のインダクタ、第２のインダクタ、第３のインダクタおよび第４のインダクタの各々は、複数の誘電体層の積層方向に直交する軸の周りに巻回されている。第１のインダクタ、第２のインダクタ、第３のインダクタおよび第４のインダクタは、第１のインダクタの開口部と第３のインダクタの開口部とが対向し、第２のインダクタの開口部と第４のインダクタの開口部とが対向し、且つ第２のインダクタと第４のインダクタの組が第１のインダクタと第３のインダクタの組に隣接するように配置されている。
【発明の効果】
（【００１１】以降は省略されています）

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