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公開番号
2024134224
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-03
出願番号
2023044423
出願日
2023-03-20
発明の名称
燃焼システム、及び燃焼方法
出願人
JFEエンジニアリング株式会社
代理人
弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類
F23C
10/00 20060101AFI20240926BHJP(燃焼装置;燃焼方法)
要約
【課題】燃焼炉内で流動層を形成する流動媒体においてアグロメレーションによる流動不良を抑える。
【解決手段】炉内で流動媒体により流動層を形成し、アルカリ金属を含む燃料を流動層で燃焼する燃焼炉を用いる燃焼システムであって、アルカリ金属を含む第1燃料を貯留する第1貯留部と、第1燃料よりアルカリ金属の含有量が少ない第2燃料を貯留する第2貯留部と、第1貯留部から供給される第1燃料と第2貯留部から供給される第2燃料とを混合した混合燃料を燃焼炉へ供給する燃料供給部と、第1燃料の灰中のアルカリ金属の濃度と、第2燃料の灰中のアルカリ金属の濃度とに基づいて、混合燃料の灰中におけるアルカリ金属の濃度が予め定められた濃度となるように、第1貯留部から燃料供給部へ供給する第1燃料の量と、第2貯留部から燃料供給部へ供給する第2燃料の量とを制御する制御部と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
炉内で流動媒体により流動層を形成し、アルカリ金属を含む燃料を前記流動層で燃焼する燃焼炉を用いる燃焼システムであって、
アルカリ金属を含む第1燃料を貯留する第1貯留部と、
前記第1燃料よりアルカリ金属の含有量が少ない第2燃料を貯留する第2貯留部と、
前記第1貯留部から供給される第1燃料と前記第2貯留部から供給される第2燃料とを混合した混合燃料を前記燃焼炉へ供給する燃料供給部と、
前記第1燃料の灰中のアルカリ金属の濃度と、前記第2燃料の灰中のアルカリ金属の濃度とに基づいて、前記混合燃料の灰中におけるアルカリ金属の濃度が予め定められた濃度となるように、前記第1貯留部から前記燃料供給部へ供給する前記第1燃料の量と、前記第2貯留部から前記燃料供給部へ供給する前記第2燃料の量とを制御する制御部と、
を備える燃焼システム。
続きを表示(約 490 文字)
【請求項2】
前記燃焼炉へ供給する前記混合燃料の量を前記燃焼炉へ供給する前記流動媒体の量に応じて制御する
請求項1に記載の燃焼システム。
【請求項3】
炉内で流動媒体により流動層を形成し、アルカリ金属を含む燃料を前記流動層で燃焼する燃焼炉を用いる燃焼方法において、
アルカリ金属を含む第1燃料を第1貯留部で貯留し、
前記第1燃料よりアルカリ金属の含有量が少ない第2燃料を第2貯留部で貯留し、
前記第1貯留部から供給される第1燃料と前記第2貯留部から供給される第2燃料とを燃料供給部で混合し、
前記第1燃料と前記第2燃料とを混合した混合燃料を前記燃料供給部から前記燃焼炉へ供給し、
前記第1燃料の灰中のアルカリ金属の濃度と、前記第2燃料の灰中のアルカリ金属の濃度とに基づいて、前記混合燃料の灰中におけるアルカリ金属の濃度が予め定められた濃度となるように、前記第1貯留部から前記燃料供給部へ供給する前記第1燃料の量と、前記第2貯留部から前記燃料供給部へ供給する前記第2燃料の量とを制御する
燃焼方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼システム、及び燃焼方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
バイオマスを燃料として発電を行なう方法として流動層炉を用いた方法がある。流動層炉は、吹き上がる流動化空気によって高温の流動媒体を流動させた流動層を形成し、炉内に供給された燃料を流動層の中で燃焼するものである。燃料となるバイオマスとしては、例えば、パーム椰子空果房(EFB:Empty Fruit Bunch)のように植物由来で安価なバイオマスが注目されているが、パーム椰子空果房を流動層炉で燃焼させて発電を行なう際には、以下のような問題が生じる。
【0003】
パーム椰子空果房には、アルカリ金属であるカリウムが多く含まれている。流動層炉の流動媒体としては珪砂が用いられるが、流動層炉内でパーム椰子空果房から放出されたガス状のカリウムと珪砂粒子の酸化ケイ素が反応し、珪砂粒子の表面にSiO
2
-K
2
O化合物が生成される。このSiO
2
-K
2
O化合物の溶融温度は、流動層炉内の温度より低いため、溶融して珪砂粒子の表面に粘着層が形成される。この粘着層が形成されると、数粒の珪砂粒子同士が融着し、珪砂の凝集と塊化(アグロメレーション)が生じると珪砂が流動しなくなり、流動層炉の正常な運転が妨げられることとなる。そこで、このような問題を解決する発明として、例えば特許文献1、2に開示された発明がある。
【0004】
特許文献1に開示された発明は、流動媒体が粒子状鉱物及び/又は粒子状スラグからなり、石英の含有量を14質量%以下としている。流動媒体が含有する石英の量が14質量%以下であるため、流動媒体中の石英と燃料中のアルカリ金属成分とが反応して粒子表面に粘着層が形成されても流動媒体の凝集や塊化が生じない又は生じても僅かであり、流動層は良好な流動を維持することができる。
【0005】
特許文献2に開示された発明は、流動層炉内部における流動化ガス速度を4m/sの近傍になるように制御しながら流動層炉の出口近傍における流動媒体の吹き上げ状況をレーザ監視装置にて検知し、吹き上げ状態に応じた焼却用空気量を燃焼用空気の供給側にフィードバックしている。流動層炉内の流動化ガス速度を4m/s程度まで増大させることにより、流動媒体中の限界塩蓄積量を増大させることができ、これによって流動層での流動不良を起こすことなく処理可能な廃棄物の量を増加させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2020-106244号公報
特許第3294172号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示された発明では、流動媒体としてガーネット、イルメナイト、かんらん石、フェロニッケルスラグ等が挙げられている。しかしながら、特許文献1の表2に記載されているように、これらは安価で汎用的な珪砂より価格が高く、流動媒体の入れ替えにコストが掛かる。特許文献2の発明では、流動媒体中の限界塩蓄積量を増大させることができるものの、アグロメレーションはアルカリ金属のわずかな変化で発生してしまう。
【0008】
バイオマスは、種類やロットによってアルカリ金属の含有量が異なるため、流動層炉に投入するバイオマスの種類やロットを変更したことによりバイオマスから放出されるアルカリ金属の含有量が変動すると、急激にアグロメレーションが発生して流動不良に至る虞がある。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、燃焼炉内で流動層を形成する流動媒体においてアグロメレーションによる流動不良を抑えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一側面に係る燃焼システムは、炉内で流動媒体により流動層を形成し、アルカリ金属を含む燃料を前記流動層で燃焼する燃焼炉を用いる燃焼システムであって、アルカリ金属を含む第1燃料を貯留する第1貯留部と、前記第1燃料よりアルカリ金属の含有量が少ない第2燃料を貯留する第2貯留部と、前記第1貯留部から供給される第1燃料と前記第2貯留部から供給される第2燃料とを混合した混合燃料を前記燃焼炉へ供給する燃料供給部と、前記第1燃料の灰中のアルカリ金属の濃度と、前記第2燃料の灰中のアルカリ金属の濃度とに基づいて、前記混合燃料の灰中におけるアルカリ金属の濃度が予め定められた濃度となるように、前記第1貯留部から前記燃料供給部へ供給する前記第1燃料の量と、前記第2貯留部から前記燃料供給部へ供給する前記第2燃料の量とを制御する制御部と、を備える。
(【0011】以降は省略されています)
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