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公開番号
2024113309
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-22
出願番号
2023018196
出願日
2023-02-09
発明の名称
廃棄物焼却設備
出願人
日立造船株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
F23G
5/50 20060101AFI20240815BHJP(燃焼装置;燃焼方法)
要約
【課題】排ガス中のNOx濃度を低減する。
【解決手段】廃棄物焼却設備1は、排ガス流路4を流れる排ガスの一部を再循環排ガスライン52により再循環排ガスとして取り出して焼却炉3内に供給する排ガス再循環部5と、再循環排ガスライン52を流れる再循環排ガスに対して、空気よりも酸素濃度が高い高濃度酸素ガスを混合する酸素混合部6と、再循環排ガスライン52を流れる再循環排ガスの二酸化炭素濃度を測定する濃度測定部21,22とを備える。焼却炉3内に供給される再循環排ガスは、焼却炉3内において廃棄物の焼却に利用される燃焼用ガスの主ガスであり、焼却炉3内に供給される再循環排ガスの二酸化炭素濃度に関する濃度関連値が、濃度測定部21,22による測定値から導かれる。制御部は、焼却炉3においてNOx濃度が低減される設定範囲内に濃度関連値が収まるように、酸素混合部6による高濃度酸素ガスの混合量を制御する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
廃棄物焼却設備であって、
廃棄物を焼却する焼却炉と、
前記焼却炉から排出される排ガスが流れる排ガス流路と、
前記排ガス流路に設けられる集じん器と、
前記排ガス流路における前記集じん器よりも下流側の取出位置と前記焼却炉とを接続する再循環排ガスラインを有し、前記排ガス流路を流れる前記排ガスの一部を前記再循環排ガスラインにより再循環排ガスとして取り出して前記焼却炉内に供給する排ガス再循環部と、
前記再循環排ガスラインを流れる前記再循環排ガスに対して、空気よりも酸素濃度が高い高濃度酸素ガスを混合する酸素混合部と、
前記再循環排ガスラインを流れる前記再循環排ガスの少なくとも二酸化炭素濃度を測定する濃度測定部と、
前記焼却炉内に供給される前記再循環排ガスが、前記焼却炉内において前記廃棄物の焼却に利用される燃焼用ガスの主ガスであり、前記焼却炉内に供給される前記再循環排ガスの二酸化炭素濃度に関する濃度関連値が、前記濃度測定部による測定値から導かれ、前記焼却炉においてNOx濃度が低減される設定範囲内に前記濃度関連値が収まるように、前記酸素混合部による前記高濃度酸素ガスの混合量を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする廃棄物焼却設備。
続きを表示(約 1,900 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の廃棄物焼却設備であって、
前記排ガス流路において前記集じん器と前記取出位置との間に配置され、前記再循環排ガスに含まれる水分量を一定にする湿式洗煙塔をさらに備えることを特徴とする廃棄物焼却設備。
【請求項3】
請求項1に記載の廃棄物焼却設備であって、
前記再循環排ガスラインを流れる前記再循環排ガスに対して、前記再循環排ガスよりも窒素濃度が高い高濃度窒素ガスを混合する窒素混合部をさらに備え、
前記制御部が、前記濃度関連値が前記設定範囲内に収まるように、前記窒素混合部による前記高濃度窒素ガスの混合量を制御することを特徴とする廃棄物焼却設備。
【請求項4】
廃棄物焼却設備であって、
廃棄物を焼却する焼却炉と、
前記焼却炉から排出される排ガスが流れる排ガス流路と、
前記排ガス流路に設けられる集じん器と、
前記排ガス流路における前記集じん器よりも下流側の取出位置と前記焼却炉とを接続する再循環排ガスラインを有し、前記排ガス流路を流れる前記排ガスの一部を前記再循環排ガスラインにより再循環排ガスとして取り出して前記焼却炉内に供給する排ガス再循環部と、
前記再循環排ガスラインを流れる前記再循環排ガスに対して、空気よりも酸素濃度が高い高濃度酸素ガスを混合する酸素混合部と、
前記再循環排ガスラインを流れる前記再循環排ガスに対して、前記再循環排ガスよりも窒素濃度が高い高濃度窒素ガスを混合する窒素混合部と、
前記再循環排ガスラインを流れる前記再循環排ガスの少なくとも二酸化炭素濃度を測定する濃度測定部と、
前記焼却炉内に供給される前記再循環排ガスが、前記焼却炉内において前記廃棄物の焼却に利用される燃焼用ガスの主ガスであり、前記焼却炉内に供給される前記再循環排ガスの二酸化炭素濃度に関する濃度関連値が、前記濃度測定部による測定値から導かれ、前記焼却炉においてNOx濃度が低減される設定範囲内に前記濃度関連値が収まるように、前記窒素混合部による前記高濃度窒素ガスの混合量を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする廃棄物焼却設備。
【請求項5】
請求項3または4に記載の廃棄物焼却設備であって、
前記酸素混合部が、空気から酸素を抽出することにより前記高濃度酸素ガスを生成する酸素生成部を備え、
前記高濃度窒素ガスが、前記酸素生成部から排出される、酸素抽出後の空気を含むことを特徴とする廃棄物焼却設備。
【請求項6】
請求項3または4に記載の廃棄物焼却設備であって、
前記再循環排ガスラインが、前記焼却炉の一次燃焼室に接続される一次燃焼用ガスラインと、前記焼却炉の二次燃焼室に接続される二次燃焼用ガスラインとに分岐しており、
前記窒素混合部が、
前記一次燃焼用ガスラインに前記高濃度窒素ガスを供給する第1窒素供給部と、
前記二次燃焼用ガスラインに前記高濃度窒素ガスを供給する第2窒素供給部と、
を備えることを特徴とする廃棄物焼却設備。
【請求項7】
請求項1ないし4のいずれか1つに記載の廃棄物焼却設備であって、
前記焼却炉から排出される前記排ガスのNOx濃度を測定するNOx濃度測定部をさらに備え、
前記制御部が、前記NOx濃度測定部による測定値が所定値以上となる場合に、前記排ガス再循環部による前記再循環排ガスの流量を、前記測定値が前記所定値未満である場合よりも増加させることを特徴とする廃棄物焼却設備。
【請求項8】
請求項1ないし4のいずれか1つに記載の廃棄物焼却設備であって、
前記焼却炉から排出される前記排ガスのNOx濃度を測定するNOx濃度測定部をさらに備え、
前記制御部による前記混合量の制御が、前記NOx濃度測定部による測定値が所定値以上となる場合に実行されることを特徴とする廃棄物焼却設備。
【請求項9】
請求項1ないし4のいずれか1つに記載の廃棄物焼却設備であって、
前記再循環排ガスラインが、前記焼却炉の一次燃焼室に接続される一次燃焼用ガスラインと、前記焼却炉の二次燃焼室に接続される二次燃焼用ガスラインとに分岐しており、
前記酸素混合部が、
前記一次燃焼用ガスラインに前記高濃度酸素ガスを供給する第1酸素供給部と、
前記二次燃焼用ガスラインに前記高濃度酸素ガスを供給する第2酸素供給部と、
を備えることを特徴とする廃棄物焼却設備。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物焼却設備に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、排ガス中のNOx(窒素酸化物)を低減する様々な廃棄物焼却設備が提案されている。例えば、特許文献1および2の焼却炉では、空気からN
2
(窒素)を分離して得られるO
2
(酸素)により都市ゴミを焼却することにより、NOx生成が抑制される。特許文献2の焼却炉では、さらに、排ガス中の残存O
2
濃度が所定濃度以下となるように、焼却炉への燃料の供給割合が設定される。特許文献3の燃焼装置では、被燃焼物が投入されるストーカ下方より、O
2
量が不足した一次空気を導入し、還元雰囲気を作ることにより、NOxの発生が防がれる。
【0003】
特許文献4では、排ガスのNOx濃度を計測し、計測されたNOx濃度が予め定められた設定範囲から外れたとき、排ガスのO
2
濃度の目標値または目標範囲を増減補正する燃焼制御方法について記載されている。特許文献5では、燃焼状態の大幅な変動に対しても適正範囲内においてNOx,CO濃度のバランスを取る手法が開示されている。当該手法では、O
2
濃度の制御範囲内において一定の許容変動幅を持った適正範囲が設定され、適正範囲内にO
2
濃度を維持するように、O
2
濃度を指標として空気流量が制御されるとともに、NOx,CO濃度を指標としてO
2
濃度の適正範囲がシフトされる。
【0004】
なお、非特許文献1では、石炭のO
2
燃焼において、CO
2
ガス濃度が高くなるに従ってNOx転換率が減少することが開示されている。非特許文献2では、一次ガスに加えて、二次ガスの吹き込みが可能な実験装置において、CO
2
濃度を一次ガス、二次ガス共に70%、60%と変化させつつ、一次ガスより流入させたNH
3
のNOへの転換率と、二次ガスより流入させたNOの還元率とを求める実験について記載されている。当該実験結果によれば、一次NOの転換率はCO
2
濃度による差異は見られないが、二次ガスに流入させたNOの還元率はCO
2
濃度の影響を強く受け、CO
2
濃度が70%と60%の条件を比較すると、CO
2
濃度が60%の条件の方が二次NO還元率が大きくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平5-126324号公報
特開平10-9538号公報
特開2001-241629号公報
特許第3902454号公報
特開平11-72215号公報
【非特許文献】
【0006】
氣駕尚志、他3名、「ニアゼロエミッション石炭火力に向けて―微粉炭酸素燃焼技術の開発と実証試験―」、日本燃焼学会誌、2011年、第53巻、166号、230-237頁
丸毛孝、他3名、「石炭酸素燃焼における再循環NOxの還元メカニズムの解明」、第48回燃焼シンポジウム講演論文集、2010年、590-591頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、廃棄物焼却設備では、排ガス流路を流れる排ガスの一部を再循環排ガスとして取り出して焼却炉内に供給することが行われている。再循環排ガスの利用により、廃棄物焼却設備からの排ガス量を低減することが可能となる。また、高濃度O
2
ガスを再循環排ガスに混合して燃焼用ガスとして利用する場合には、焼却炉内をCO
2
(二酸化炭素)濃度を高い雰囲気とし、排気中のCO
2
濃度も高くすることが可能となり、効率よく二酸化炭素を分離することができる。一方、このような廃棄物焼却設備においても、排ガス中のNOx濃度を低減することが求められている。
【0008】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、高濃度O
2
ガスを再循環排ガスに混合して燃焼用ガスとして利用する廃棄物焼却設備において、排ガス中のNOx濃度を低減することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の態様1は、廃棄物焼却設備であって、廃棄物を焼却する焼却炉と、前記焼却炉から排出される排ガスが流れる排ガス流路と、前記排ガス流路に設けられる集じん器と、前記排ガス流路における前記集じん器よりも下流側の取出位置と前記焼却炉とを接続する再循環排ガスラインを有し、前記排ガス流路を流れる前記排ガスの一部を前記再循環排ガスラインにより再循環排ガスとして取り出して前記焼却炉内に供給する排ガス再循環部と、前記再循環排ガスラインを流れる前記再循環排ガスに対して、空気よりも酸素濃度が高い高濃度酸素ガスを混合する酸素混合部と、前記再循環排ガスラインを流れる前記再循環排ガスの少なくとも二酸化炭素濃度を測定する濃度測定部と、前記焼却炉内に供給される前記再循環排ガスが、前記焼却炉内において前記廃棄物の焼却に利用される燃焼用ガスの主ガスであり、前記焼却炉内に供給される前記再循環排ガスの二酸化炭素濃度に関する濃度関連値が、前記濃度測定部による測定値から導かれ、前記焼却炉においてNOx濃度が低減される設定範囲内に前記濃度関連値が収まるように、前記酸素混合部による前記高濃度酸素ガスの混合量を制御する制御部とを備える。
【0010】
本発明の態様2は、態様1の廃棄物焼却設備であって、前記排ガス流路において前記集じん器と前記取出位置との間に配置され、前記再循環排ガスに含まれる水分量を一定にする湿式洗煙塔をさらに備える。
(【0011】以降は省略されています)
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