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公開番号2024130651
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-30
出願番号2023040500
出願日2023-03-15
発明の名称複合構造体、複合構造体の製造方法及び化合物の製造方法
出願人株式会社豊田中央研究所
代理人弁理士法人アイテック国際特許事務所
主分類B01J 23/46 20060101AFI20240920BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】触媒活性をより高めることができる新規な複合構造体、複合構造体の製造方法及び化合物の製造方法を提供する。
【解決手段】複合構造体は、粒径が20nm以下であるRuの金属及び/又は酸化物であるRu粒子と、Ruとは異なる元素Mの金属及び/又は酸化物であるM粒子と、を含み、不織布構造を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
粒径が20nm以下であるRuの金属及び/又は酸化物であるRu粒子と、
Ruとは異なる元素Mの金属及び/又は酸化物であるM粒子と、を含み、不織布構造を有する複合構造体。
続きを表示(約 890 文字)【請求項2】
前記Ru粒子及びM粒子は、不織布基材の表面に形成されている不織布構造を有するか、又は前記不織布基材が除去された半チューブ型の不織布構造を有する、請求項1に記載の複合構造体。
【請求項3】
モル比であるM/Ruが0.01以上0.5以下の範囲である、請求項1又は2に記載の複合構造体。
【請求項4】
前記元素Mは、第4族元素のうち1以上である、請求項1又は2に記載の複合構造体。
【請求項5】
前記対象化合物を水素化する触媒として用いられる、請求項1又は2に記載の複合構造体。
【請求項6】
Ru及びRuとは異なる元素Mを含む複合構造体の製造方法であって、
Ru原料のターゲットを用い蒸着処理を行い、不織布構造を有する基材表面に粒径が20nm以下であるRu粒子を少なくとも含む不織布構造を有する複合構造体を形成する形成工程と、
前記元素Mを含む溶液中に前記複合構造体を浸漬したのち熱処理を行う処理工程と、
を含む複合構造体の製造方法。
【請求項7】
前記形成工程では、除去可能な基材を用い、
前記形成工程のあと、且つ前記処理工程の前に前記基材を除去する除去工程、を含む請求項6に記載の複合構造体の製造方法。
【請求項8】
粒径が20nm以下であるRuの金属及び/又は酸化物であるRu粒子とRuとは異なる元素Mの金属及び/又は酸化物であるM粒子とを含み不織布構造を有する複合構造体を用い、対象化合物を水素化し水素化された化合物を得る水素化工程、
を含む化合物の製造方法。
【請求項9】
粒径が20nm以下であるRu粒子を少なくとも含み、不織布構造を有する複合構造体を用い、対象化合物を水素化し水素化された化合物を得る水素化工程、
を含む化合物の製造方法。
【請求項10】
前記水素化工程では、250℃以下の温度範囲で前記対象化合物を水素化する、請求項8又は9に記載の化合物の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本明細書では、複合構造体、複合構造体の製造方法及び化合物の製造方法を開示する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、複合構造体としては、貴金属、典型金属及び遷移金属のうちいずれか1以上である第1金属元素により構成される繊維体が3次元的に連結している自立構造体と、第1金属元素と異なる第2金属元素により構成され自立構造体上に形成された機能性部位とを備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この複合構造体は、金属元素を含む自立構造を有する新規な複合体を提供することができる。また、触媒としては、シリカのナノファイバー表面に、Ruを内包したMOFを固定化したメタネーション触媒が報告されている(例えば、非特許文献1など参照)。また、メタネーション触媒として、ニッケル(Ni)担持触媒が報告されている(例えば、非特許文献2など参照)。また、メタネーション触媒として、表面積が大きい担持体の使用、担持体の組成調整、Ruの担持方法を最適化することで、ナノサイズ化したRuを担持したRu担持触媒が検討されている(例えば、非特許文献3~6など参照)。更に、担持体フリーの触媒として、Ruナノ粒子が検討されている(例えば、非特許文献7など参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-143442号公報
【非特許文献】
【0004】
Appl.Catal.B,2023,320,121972.
Nat.Catal,2019,2,188-197
Energy Environ.Sci.,2009,2,315-321.
ACSCatal.,2013,3,2449-2455.
Energy,2018,43,7179-7189.
J.Catal.,2016,333,227-237.
Chem.Eng.,2019,7,11963-11969.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、触媒反応としては、二酸化炭素などの対象物を水素化してメタンを得るメタネーションがある。特許文献1の金属ナノ構造不織布では、Ruのナノ粒子からなるRu不織布が作製されているが、メタネーションなどの水素化技術は検討されていなかった。また、非特許文献1の触媒では、200℃で2.6mmol/h/g-catと、触媒性能が低かった。また、非特許文献2の触媒では、300℃以上の高温(場合によっては3MPa程度の高圧が必要)でないと、十分なメタン生成速度が得られなかった。更に、非特許文献3~6のRu担持触媒では、150~300℃でNi担持触媒より高い触媒性能を示すが、単位質量あたりのメタン生成速度は、150℃で1.88(mmol/h/g-cat)、200℃で34.5(mmol/h/g-cat)、300℃で62.7(mmol/h/g-cat)程度であり、極めて低いという課題があった。従来のRu担持触媒では、Ruのナノサイズ化(有効面積を増やす)を実現するために様々な取り組みがなされているものの、共通として担持体が使用されているため、触媒の単位質量あたりの性能は、担持体を使用する分、低くなる傾向があった。更にまた、非特許文献7の触媒では、150℃で32.2(mmol/h/g-cat)の活性を示すが、特殊な媒体(イオン性液体)を使用し、かつ125barなどの高圧が必要という課題があった。
【0006】
本開示は、このような課題に鑑みなされたものであり、触媒活性をより高めることのできる新規な複合構造体、複合構造体の製造方法及び化合物の製造方法を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するために鋭意研究したところ、本発明者らは、Ru及びRuと異なる金属元素を含む自立構造体を形成すると、例えば、メタネーションなどの水素化活性の高い新規な複合構造体が得られることを見出し、本開示の複合構造体、複合構造体の製造方法及び化合物の製造方法を完成するに至った。
【0008】
即ち、本開示の複合構造体は、
粒径が20nm以下であるRuの金属及び/又は酸化物であるRu粒子と、
Ruとは異なる元素Mの金属及び/又は酸化物であるM粒子と、を含み、不織布構造を有するものである。
【0009】
本開示の複合構造体の製造方法は、
Ru及びRuとは異なる元素Mを含む複合構造体の製造方法であって、
Ru原料のターゲットを用い蒸着処理を行い、不織布構造を有する基材表面に粒径が20nm以下であるRu粒子を少なくとも含む不織布構造を有する複合構造体を形成する形成工程と、
前記元素Mを含む溶液中に前記複合構造体を浸漬したのち熱処理を行う処理工程と、
を含むものである。
【0010】
本開示の化合物の製造方法は、
粒径が20nm以下であるRuの金属及び/又は酸化物であるRu粒子とRuとは異なる元素Mの金属及び/又は酸化物であるM粒子とを含み不織布構造を有する複合構造体を用い、対象化合物を水素化し水素化された化合物を得る水素化工程、
を含むものである。
(【0011】以降は省略されています)

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