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公開番号2024130451
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-30
出願番号2023040179
出願日2023-03-14
発明の名称排水処理装置及び排水処理装置の運転方法
出願人住友重機械工業株式会社
代理人弁理士法人雄渾
主分類C02F 3/28 20230101AFI20240920BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】本発明の課題は、担体を充填した嫌気処理槽を用いる排水処理装置及び排水処理装置の運転方法において、嫌気処理槽内において安定した処理継続のために必要な流速を維持・確保しつつ、担体等の系外流出を抑制できる排水処理装置及び排水処理装置の運転方法の提供である。
【解決手段】上記課題を解決するために、担体を充填した嫌気処理槽と、嫌気処理槽内に配置される三相分離部と、三相分離部で分離された分離液を排出する排出部と、排出部からの分離液排出をON/OFF制御する制御部と、を備える排水処理装置及び排水処理装置の運転方法を提供する。この発明によれば、分離液の間欠的な排出を行い、三相分離部における流速上昇の抑制及び分離液に混在する固体分が沈降する環境の形成により、担体等の流出抑制が可能となる。特に、安定した処理継続のために要求される流速が大きくなるほど、本発明の効果がより一層発揮される。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
担体を充填した嫌気処理槽と、
前記嫌気処理槽内に配置される三相分離部と、
前記三相分離部で分離された分離液を排出する排出部と、
前記排出部からの分離液排出をON/OFF制御する制御部と、を備えることを特徴とする、排水処理装置。
続きを表示(約 580 文字)【請求項2】
前記分離液を前記嫌気処理槽に循環させる循環部を備え、
前記制御部は、前記排出部の制御と併せて、前記循環部における前記分離液の循環量を制御することを特徴とする、請求項1に記載の排水処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記三相分離部上方の水位に基づく制御を行うことを特徴とする、請求項1又は2に記載の排水処理装置。
【請求項4】
担体を充填した嫌気処理槽を備える排水処理装置の運転方法であって、
前記嫌気処理槽における処理工程と、
前記嫌気処理槽内に配置される三相分離部による三相分離工程と、
前記三相分離工程で分離された分離液を排出する排出工程と、
前記排出工程からの分離液排出をON/OFF制御する制御工程と、を備えることを特徴とする、排水処理装置の運転方法。
【請求項5】
前記分離液を前記嫌気処理槽に循環させる循環工程を備え、
前記制御工程は、前記排出工程に係る制御と併せて、前記循環工程における前記分離液の循環量を制御することを特徴とする、請求項4に記載の排水処理装置の運転方法。
【請求項6】
前記制御工程は、前記三相分離部上方の水位に基づく制御を行うことを特徴とする、請求項4又は5に記載の排水処理装置の運転方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、排水処理装置及び排水処理装置の運転方法に関するものである。特に、担体が充填された嫌気処理槽を用いて嫌気処理を行う排水処理装置及び排水処理装置の運転方法に関するものである。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
一般に、有機物を含む排水を処理する方法として、種々の微生物を利用した生物処理が知られている。特に、嫌気的な環境下での生物処理(以下、「嫌気処理」と呼ぶ)は、曝気動力が不要で、余剰汚泥がほとんど発生しないことなど、導入に係るメリットが高いことが挙げられる。
【0003】
このような嫌気処理としては、汚泥やグラニュールを充填した嫌気処理槽を用いる上向流嫌気性汚泥床法(UASB)が知られている。さらに、嫌気処理槽内の嫌気性微生物濃度を高めるために、担体を充填した嫌気処理槽を用いることも知られている。
【0004】
嫌気処理では処理経過に伴いバイオガスが発生するため、嫌気処理を行う嫌気処理槽内には固体(担体や微生物等)、気体(バイオガス)、液体が存在するものとなる。そして、嫌気処理槽内にはこれら固体・気体・液体を分離する手段が設けられる。
例えば、特許文献1には、上向流嫌気性処理装置において、ガスコレクタを二段で構成し、ガス、液及び汚泥を分離する三相分離手段を設け、下段ガスコレクタのガス回収フードに、三又状のガス抜き管を設け、このガス抜き管を介して上段ガスコレクタにガスが導入されるものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2001-259681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載されるように、嫌気処理槽内に三相分離手段を設け、この三相分離手段の構造特性により、ガス分離及び固体(汚泥等)の沈降分離の効率化を図ることは知られている。
【0007】
ここで、担体を充填した嫌気処理槽を用いる場合においては、処理継続によって、嫌気処理槽内に導入される排水中に含まれる固体分(以下、「SS」とも呼ぶ)や、時間経過に伴い増殖する微生物が、担体に蓄積する。これによって、担体間の空隙が減少し、担体層の閉塞が生じてしまい、処理性能が著しく低下するという問題がある。併せて、担体層としての嵩が増すことにつながるため、担体流出が起こりやすくなるという問題もある。したがって、嫌気処理槽内において、担体の流動性を維持し、かつSSを嫌気処理槽外に排出可能とする流速を確保することが求められる。
一方で、この流速を確保するに当たり、担体や微生物のように処理継続に必要な固体分(以下、「担体等」とも呼ぶ)の流出が生じるおそれがある。特に、三相分離手段を通過させて処理した後の水を循環利用する場合においては、この処理後の水を取水することに伴い三相分離手段内の流速が大きくなり、担体等の系外流出のおそれがより一層高くなる。
【0008】
本発明の課題は、担体を充填した嫌気処理槽を用いる排水処理装置及び排水処理装置の運転方法において、嫌気処理槽内において安定した処理を継続して行うために必要な流速を維持・確保しつつ、担体等の系外流出を抑制することができる排水処理装置及び排水処理装置の運転方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記の課題について鋭意検討した結果、担体を充填した嫌気処理槽を用いる排水処理装置及び排水処理装置の運転方法において、三相分離手段による分離後の液体(分離液)を間欠的に排出することで、安定した処理を継続して行うために要求される嫌気処理槽内の流速を維持・確保しつつ、担体等の系外流出抑制が可能となることを見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の排水処理装置及び排水処理装置の運転方法である。
【0010】
上記課題を解決するための本発明の排水処理装置は、担体を充填した嫌気処理槽と、嫌気処理槽内に配置される三相分離部と、三相分離部で分離された分離液を排出する排出部と、排出部からの分離液排出をON/OFF制御する制御部と、を備えるという特徴を有する。
本発明の排水処理装置によれば、嫌気処理槽内に設けられた三相分離部で分離した分離液を排出するに当たり、排出自体に係る操作をON/OFF制御することで、間欠的な排出を行うことが可能となる。これにより、三相分離部における流速上昇を抑制するとともに、分離液に混在する固体分(担体等からなる浮上粒子)が沈降する環境(状態)を形成することができ、担体等の流出を抑制することが可能となる。特に、嫌気処理槽内において安定した処理を継続して行うために要求される流速(担体の流動性を維持し、かつSSを嫌気処理槽外に排出可能とする流速)が大きくなるほど、本発明の効果がより一層発揮される。
(【0011】以降は省略されています)

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