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公開番号2024130862
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-30
出願番号2023040799
出願日2023-03-15
発明の名称スケール防止剤及びスケール防止方法
出願人栗田工業株式会社
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類C02F 5/10 20230101AFI20240920BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】鉄、マンガン、アルミニウム等の金属成分を含む水系において、キレート剤の併用を要することなく、スケールを抑制することができるスケール防止剤及びスケール防止方法を提供する。
【解決手段】鉄、マンガン及びアルミニウムから選ばれる1種以上の金属成分を含む水系のスケール防止剤であって、アクリル酸に由来する構造単位(a)と、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸に由来する構造単位(b)とを含む共重合体であり、前記共重合体は、全構造単位100モル%中、構造単位(a)が50~90モル%であり、重量平均分子量が5000~18000である、スケール防止剤。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
鉄、マンガン及びアルミニウムから選ばれる1種以上の金属成分を含む水系のスケール防止剤であって、
アクリル酸に由来する構造単位(a)と、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸に由来する構造単位(b)とを含む共重合体であり、
前記共重合体は、全構造単位100モル%中、構造単位(a)が50~90モル%であり、重量平均分子量が5000~18000である、スケール防止剤。
続きを表示(約 500 文字)【請求項2】
前記共重合体が、tert-ブチルアクリルアミド、アクリル酸エチル及びメタクリル酸2-ヒドロキシエチルから選ばれる1種以上に由来する構造単位(c)をさらに含む、請求項1に記載のスケール防止剤。
【請求項3】
前記共重合体の全構造単位100モル%中、構造単位(b)が5~25モル%であり、構造単位(c)が1~30モル%である、請求項2に記載のスケール防止剤。
【請求項4】
前記水系中、前記金属成分の合計含有量が0.1~12.0mg/Lである、請求項1又は2に記載のスケール防止剤。
【請求項5】
鉄、マンガン及びアルミニウムから選ばれる1種以上の金属成分を含む水系に、キレート剤を添加することなく、請求項1又は2に記載のスケール防止剤を添加する、スケール防止方法。
【請求項6】
前記水系中、前記金属成分の合計含有量が0.1~12.0mg/Lである、請求項5に記載のスケール防止方法。
【請求項7】
前記水系中、前記スケール防止剤の添加濃度を3.0~20.0mg/Lとする、請求項5に記載のスケール防止方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄、マンガン、アルミニウム等の金属成分を含む水系のスケール防止剤及びスケール防止方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
冷却水は循環再利用されることが多く、蒸発によって水が濃縮される開放循環冷却水系では、水に溶解している無機塩類が濃縮されて析出したスケールを生じる場合がある。スケールは、熱交換器における熱交換効率の低下や配管の閉塞、さらには、熱交換器の運転に支障をきたし、事故を招くおそれもある。また、逆浸透(RO)膜による水処理工程においても、水に溶解している無機塩類が濃縮されて、スケールを生じ、フラックスが低下するという課題が生じていた。
【0003】
スケールのうち、カルシウムスケールに対しては、マレイン酸、アクリル酸、イタコン酸等に由来する構造単位を有するカルボキシ基含有重合体が有効であり、例えば、特許文献1に記載されているようなアクリル酸(略称:AA)と2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(略称:AMPS)との共重合体、アクリル酸(AA)と2-ヒドロキシ-3-アリロキシプロパンスルホン酸(略称:HAPS)との共重合体等が、スケール防止剤として一般に知られている。
【0004】
しかしながら、水系中に、鉄、マンガン又はアルミニウムが存在する場合、上記のような共重合体は、スケール防止効果が低下する傾向があった。このような水系において、本出願人は、ホスホン酸等のキレート作用を有する化合物を、前記共重合体と併用することが有効であることを提案している(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開昭50-86489号公報
特許第6753543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2に記載のスケール防止方法においては、共重合体によるスケール防止剤及びキレート剤の2種の薬剤が併用される。このため、2種の薬剤の濃度管理が必要となり、また、キレート剤によって配管の防食効果が低下することが懸念される。また、リンを含むキレート剤は、藻類への毒性作用や海水の富栄養化等、自然界への影響も懸念されるものである。
【0007】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、鉄、マンガン、アルミニウム等の金属成分を含む水系において、キレート剤の併用を要することなく、スケールを抑制することができるスケール防止剤及びスケール防止方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、鉄、マンガン、アルミニウム等の金属イオンは、開放循環冷却水系やRO膜による水処理工程等の水系中で水酸化物として存在していることに着目し、これらの金属成分を含む水系において、金属水酸化物及びカルシウムスケールの両方を効果的に分散し、良好なスケール防止効果を奏する共重合体を見出したことに基づく。
【0009】
本発明は、以下の手段を提供する。
[1]鉄、マンガン及びアルミニウムから選ばれる1種以上の金属成分を含む水系のスケール防止剤であって、アクリル酸に由来する構造単位(a)と、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸に由来する構造単位(b)とを含む共重合体であり、前記共重合体は、全構造単位100モル%中、構造単位(a)が50~90モル%であり、重量平均分子量が5000~18000である、スケール防止剤。
[2]前記共重合体が、tert-ブチルアクリルアミド、アクリル酸エチル及びメタクリル酸2-ヒドロキシエチルから選ばれる1種以上に由来する構造単位(c)をさらに含む、[1]のスケール防止剤。
[3]前記共重合体の全構造単位100モル%中、構造単位(b)が5~25モル%であり、構造単位(c)が1~30モル%である、[2]のスケール防止剤。
[4]前記水系中、前記金属成分の合計含有量が0.1~12.0mg/Lである、[1]~[3]のいずれかのスケール防止剤。
【0010】
[5]鉄、マンガン及びアルミニウムから選ばれる1種以上の金属成分を含む水系に、キレート剤を添加することなく、[1]~[4]のいずれかのスケール防止剤を添加する、スケール防止方法。
[6]前記水系中、前記金属成分の合計含有量が0.1~12.0mg/Lである、[5]のスケール防止方法。
[7]前記水系中、前記スケール防止剤の添加濃度を3.0~20.0mg/Lとする、[5]又は[6]のスケール防止方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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