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公開番号2024123806
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-12
出願番号2023031508
出願日2023-03-02
発明の名称n型半導体有機材料、導電性膜、及びそれらの製造方法
出願人学校法人常翔学園
代理人個人,個人,個人
主分類H10K 85/30 20230101AFI20240905BHJP()
要約【課題】高い電気伝導率を与えることができ、かつ大気下での安定性にも優れたn型半導体有機材料、及び前記n型半導体有機材料を含有し、高い電気伝導率を示し、大気下での安定性にも優れた導電性膜、並びに、前記n型半導体有機材料及び前記導電性膜の製造方法を提供する。
【解決手段】ポリニッケル-チエノチオフェン[3,2-b]チオフェン-テトラチオレート金属塩であるn型半導体有機材料、前記n型半導体有機材料の微粒子とポリフッ化ピニリデンとの混合物から形成されることを特徴とするn型導電性膜、及びそれらの製造方法。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記構造式(1)で表される錯体からなるn型半導体有機材料。
TIFF
2024123806000007.tif
41
170
式(1)中、Mは金属カチオンを表しn及びxは自然数を表す。
続きを表示(約 720 文字)【請求項2】
請求項1に記載のn型半導体有機材料の微粒子とポリフッ化ピニリデンとの混合物から形成されることを特徴とするn型導電性膜。
【請求項3】
電気伝導率が、120S/cm以上である請求項2に記載のn型導電性膜。
【請求項4】
絶縁性の基材上に形成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のn型導電性膜。
【請求項5】
下記構造式(2)で表される化合物と、DMFに溶解可能なニッケル(II)の塩又はその水和物とを、DMF又はDMFを主体とする溶媒中で、アルカリ金属アルコキシドの存在下で反応させる工程を有する請求項1に記載のn型半導体有機材料の製造方法。
TIFF
2024123806000008.tif
29
170
式(2)中、Rは保護基を表す。
【請求項6】
請求項5に記載の製造方法により得られたn型半導体有機材料、ポリフッ化ビニリデン、及びジメチルスルホキシドを、機械的に粉砕・混合して分散混合液を作製し、作製された分散混合液を製膜する工程を有するn型導電性膜の製造方法。
【請求項7】
前記製膜する工程が、前記分散混合液を、絶縁性の基材上に塗布した後、ジメチルスルホキシドを乾燥、除去し、その後、高温に加熱して製膜する工程であることを特徴とする請求項6に記載のn型導電性膜の製造方法。
【請求項8】
前記分散混合液中に、前記半導体有機材料が、分散混合液に対して0.7質量%以上、1.2質量%以下含まれていることを特徴とする請求項7に記載のn型導電性膜の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、n型半導体特性を示す有機材料、その有機材料を含有して、高い電気伝導率を有するとともに大気下においても安定である導電性膜、及びそれらの製造方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
n型半導体特性を示す有機材料(以下、「n型半導体有機材料」又は「n型有機材料」とも言う)、及びn型有機材料を含有する導電性膜は、エレクトロニクス分野、例えばフレキシブル熱電変換素子などに適用される重要な材料である。又、n型有機材料の導電性膜は、塗布法により安価に製造できる等の利点がある。フレキシブルな基材との組合せも可能であるので、特に近年は熱電変換材料への応用に向けての研究が進められている。
【0003】
しかし、従来のn型有機材料の導電性膜は、一般に、電気伝導率(導電率)が低く(σ<10S/cm)、又、大気下において酸化等により劣化し不安定であるとの問題があった。そこで、導電性膜として高い電気伝導率を示すとともに、大気下において安定なn型有機材料の開発が望まれている。
【0004】
大気下において安定であるn型有機材料としては、ニッケルを含有する有機金属型材料であるニッケル-エテンテトラチオレート(NiETT)が注目されている(非特許文献1)。さらに、NiETTの塗布法などの研究も進められており、例えば、NiETTの微粒子の水系分散液の製造方法、その水系分散液を基材上に塗布することによるNiETTの微粒子を含有する熱電発電性薄膜の製造方法が特許文献1に開示されている。
【0005】
しかし、NiETTは、大気下において安定な材料ではあるが、上記の方法により得られるNiETTの導電性膜の電気伝導率は高くても 50S/cm程度に留まっていた。近年、電気伝導率が約100S/cmとなる製造方法が報告されている(非特許文献2)が、さらに高い電気伝導率が望まれており、より高い電気伝導率が得られ、かつ大気下での安定性にも優れたn型有機材料、及びそれを含有する導電性膜の開発が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2022-072438号公報
【非特許文献】
【0007】
S.K.Yee,et al.,Adv.Funct.Mater.2018,28,1801620
A.Facchetti, X. Guo, et al.,Nature 2021,599,67.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来のn型有機材料より、さらに高い電気伝導率を与えることができ、かつ大気下での安定性にも優れたn型有機材料、及び前記n型有機材料を含有し、高い電気伝導率を示し、大気下での安定性にも優れた導電性膜を提供することを課題とする。
本発明は、又、高い電気伝導率を示し大気下での安定性にも優れたn型有機材料、及びそれを含有する導電性膜の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、大気下で安定なn型材料として知られるNiETTのニッケルージチオレン構造(ニ ッケルを含有する配位化合物)に、硫黄を含有する配位子であるチエノチオフェン(含硫黄π共役系の構造)を組み込んで合成した新材料を開発した。そして、この新材料をポリフッ化ピニリデン(PVDF)と混合して導電性膜を作製したところ、n型半導体特性を示すとともに、大気下において安定であり、かつ従来は得られなかった高い電気伝導率(例えば、σ>200S/cm)を有する導電性膜が得られることを見出し、従来なかった最も高い導電性を示すn型半導体導電性膜の開発に成功した。
すなわち、前記の本発明の課題は、下記の構成からなる発明により解決される。
【0010】
本発明の第1は、下記構造式(1)で表される錯体からなるn型半導体有機材料である。
(【0011】以降は省略されています)

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