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公開番号
2024123632
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-12
出願番号
2023031211
出願日
2023-03-01
発明の名称
ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物、及び、ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物の製造方法
出願人
第一稀元素化学工業株式会社
代理人
弁理士法人ユニアス国際特許事務所
主分類
C01G
27/00 20060101AFI20240905BHJP(無機化学)
要約
【課題】 高温に曝されてもアルミナの含有量に応じた高い比表面積を有するジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を提供すること。
【解決手段】 ジルコニアとアルミナとを含み、大気圧下、1200℃12時間加熱後のXRDプロファイルAにおいて、2θ=33°付近のθ-Al
2
O
3
相に由来するピーク強度をX、2θ=26°付近のα-Al
2
O
3
相に由来するピーク強度をYとし、[X/Y]をRとしたとき、Rが下記式[1]を満たすジルコニア含有アルミナ系複合酸化物。
式[1] 0.25<R<5.0
【選択図】 図1
特許請求の範囲
【請求項1】
ジルコニアとアルミナとを含み、
大気圧下、1200℃12時間加熱後のXRDプロファイルAにおいて、2θ=33°付近のθ-Al
2
O
3
相に由来するピーク強度をX、2θ=26°付近のα-Al
2
O
3
相に由来するピーク強度をYとし、[X/Y]をRとしたとき、Rが下記式[1]を満たすことを特徴とするジルコニア含有アルミナ系複合酸化物。
式[1] 0.25<R<5.0
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記XRDプロファイルAにおける2θ=30°付近のZrO
2
に由来するピーク強度をZとし、ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物全体に対するZrO
2
の酸化物成分の質量比率をW(質量%)とし、[Z/W]をTrとしたとき、Trが下記式[2]を満たすことを特徴とする請求項1に記載のジルコニア含有アルミナ系複合酸化物。
式[2] 1.70<Tr<25.0
【請求項3】
前記Rが下記式[3]を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載のジルコニア含有アルミナ系複合酸化物。
式[3] 0.35<R<3.5
【請求項4】
前記Trが下記式[4]を満たすことを特徴とする請求項3に記載のジルコニア含有アルミナ系複合酸化物。
式[4] 1.72<Tr<20.0
【請求項5】
アルミナの含有量が、15質量%以上97質量%以下であることを特徴とする請求項4に記載のジルコニア含有アルミナ系複合酸化物。
【請求項6】
ジルコニアの含有量が、0.1質量%以上75質量%以下であることを特徴とする請求項5に記載のジルコニア含有アルミナ系複合酸化物。
【請求項7】
Pm以外の希土類元素の酸化物を含むことを特徴とする請求項6に記載のジルコニア含有アルミナ系複合酸化物。
【請求項8】
可溶性炭酸塩及び/又は可溶性炭酸水素塩の水溶液に塩基性ジルコニウム塩を添加した溶液Aを得る工程1、
アルミニウムを含む原料塩とジルコニウムを含む原料塩とを含む溶液Bを得る工程2、
前記溶液Aと前記溶液Bとを混合することによりジルコニウム含有アルミニウム系複合水酸化物の沈殿物を得る工程3、及び、
前記沈殿物を熱処理することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得る工程4
を含み、
前記工程1で添加する塩基性ジルコニウム塩の量は、得られるジルコニア含有アルミナ系複合酸化物中に占めるジルコニアの量が1~95質量%となる量であり、
前記工程2で添加するジルコニウムを含む原料塩の量は、得られるジルコニア含有アルミナ系複合酸化物中に占めるジルコニアの量が5~99質量%となる量であり、
前記工程1で添加する塩基性ジルコニウム塩に含まれるジルコニアと前記工程2で添加するジルコニウムを含む原料塩に含まれるジルコニアとの合計は、得られるジルコニア含有アルミナ系複合酸化物中に占めるジルコニアの100質量%となる量であることを特徴とするジルコニア含有アルミナ系複合酸化物の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物、及び、ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
近年の排ガス規制のモードにも組み込まれるように、高速域、及び、超高速域での走行では、排ガス温度が著しく上昇する。そのため、排ガス浄化用触媒の使用温度も従来に比べて大きく上昇し、Rhなどの貴金属のシンタリングを抑制することが困難となっている。
【0003】
従来、触媒担体用途として、ジルコニアとアルミナとを含有する複合酸化物が知られている(例えば、特許文献1~5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2013-184125号公報
特開2014-552号公報
特開2016-209858号公報
特開2017-132663号公報
特表2020-514217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のジルコニアとアルミナとを含有する複合酸化物は、一般的に、高温に曝されると、比表面積が低下する。比表面積が低下すると触媒機能が低下するため、高温に曝されてもアルミナの含有量に応じた高い比表面積を有するジルコニア含有アルミナ系複合酸化物が求められている。
【0006】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高温に曝されてもアルミナの含有量に応じた高い比表面積を有するジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を提供することにある。また、当該ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得ることが可能なジルコニア含有アルミナ系複合酸化物の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
従来のAl
2
O
3
を含む複合酸化物は、高温に曝されると、α-Al
2
O
3
が著しく結晶化し、それに従い、比表面積が低下する。本発明者らは、α-Al
2
O
3
の結晶化を抑制すれば、高温に曝されてもアルミナの含有量に応じた高い比表面積を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、以下を提供する。
(1)ジルコニアとアルミナとを含み、
大気圧下、1200℃12時間加熱後のXRDプロファイルAにおいて、2θ=33°付近のθ-Al
2
O
3
相に由来するピーク強度をX、2θ=26°付近のα-Al
2
O
3
相に由来するピーク強度をYとし、[X/Y]をRとしたとき、Rが下記式[1]を満たすことを特徴とするジルコニア含有アルミナ系複合酸化物。
式[1] 0.25<R<5.0
【0009】
前記構成によれば、前記Rが0.25よりも大きい。すなわち、1200℃12時間加熱後のα-Al
2
O
3
対するθ-Al
2
O
3
の含有割合が多い。本発明では、ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物に含まれるアルミナのうち、高温に曝されると著しく結晶化するα-Al
2
O
3
の含有量を減らし、α-Al
2
O
3
と比較して高温による結晶化が起こりにくいθ-Al
2
O
3
の含有量を多くしたため、高温に曝されてもアルミナの含有量に応じた高い比表面積を有する。
【0010】
(2)前記XRDプロファイルAにおける2θ=30°付近のZrO
2
に由来するピーク強度をZとし、ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物全体に対するZrO
2
の酸化物成分の質量比率をW(質量%)とし、[Z/W]をTrとしたとき、Trが下記式[2]を満たす前記(1)に記載のジルコニア含有アルミナ系複合酸化物。
式[2] 1.70<Tr<25.0
(【0011】以降は省略されています)
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