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公開番号2024122592
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-09
出願番号2023030215
出願日2023-02-28
発明の名称炭化珪素半導体装置およびその製造方法
出願人株式会社デンソー,富士電機株式会社
代理人弁理士法人ゆうあい特許事務所
主分類H01L 29/78 20060101AFI20240902BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】閾値電圧が変動すること抑制する。
【解決手段】基板11、ドリフト層13、ベース層14が順に配置され、ベース層14の表層部に形成された不純物領域15を有する半導体基板10と、不純物領域15およびベース層14を貫通してドリフト層13に達するトレンチ16の壁面に形成されたゲート絶縁膜17と、ゲート絶縁膜17上に形成されたゲート電極18と、不純物領域15およびベース層14と電気的に接続される第1電極31と、基板11と電気的に接続される第2電極32と、ゲート電極18と第1電極31との間に配置されてゲート電極18と第1電極31とを絶縁する層間絶縁膜20とを備える。半導体基板10のうちのトレンチ16と接する部分は、ダングリングボンドに窒素、水素、またはリンが結合された終端構造とされ、層間絶縁膜20は、ゲート電極と当接する当接絶縁膜21を含んで構成され、当接絶縁膜21は、堆積膜で構成されるようにする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
トレンチゲート構造を有する炭化珪素半導体装置であって、
炭化珪素からなる第1導電型または第2導電型の基板(11)と、前記基板上に形成され、前記基板よりも低不純物濃度とされた第1導電型のドリフト層(13)と、前記ドリフト層上に形成された第2導電型のベース層(14)と、前記ベース層の表層部に形成された第1導電型の不純物領域(15)と、を有する半導体基板(10)と、
前記不純物領域および前記ベース層を貫通して前記ドリフト層に達するトレンチ(16)の壁面に形成されたゲート絶縁膜(17)と、前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極(18)とを有する前記トレンチゲート構造と、
前記不純物領域および前記ベース層と電気的に接続される第1電極(31)と、
前記基板と電気的に接続される第2電極(32)と、
前記ゲート電極と前記第1電極との間に配置されて前記ゲート電極と前記第1電極とを絶縁する層間絶縁膜(20)と、を備え、
前記半導体基板のうちの前記トレンチと接する部分は、ダングリングボンドに窒素、水素、またはリンが結合された終端構造とされており、
前記層間絶縁膜は、前記ゲート電極と当接する当接絶縁膜(21)を含んで構成され、
前記当接絶縁膜は、堆積膜で構成されている炭化珪素半導体装置。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記層間絶縁膜は、前記半導体基板の面方向に対する法線方向において、前記トレンチの開口部よりも外側まで突き出す形状とされている請求項1に記載の炭化珪素半導体装置。
【請求項3】
炭化珪素からなる第1導電型または第2導電型の基板(11)と、前記基板上に形成され、前記基板よりも低不純物濃度とされた第1導電型のドリフト層(13)と、前記ドリフト層上に形成された第2導電型のベース層(14)と、前記ベース層の表層部に形成された第1導電型の不純物領域(15)と、を有する半導体基板(10)と、
前記不純物領域および前記ベース層を貫通して前記ドリフト層に達するトレンチ(16)の壁面に形成されたゲート絶縁膜(17)と、前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極(18)とを有するトレンチゲート構造と、
前記不純物領域および前記ベース層と電気的に接続される第1電極(31)と、
前記基板と電気的に接続される第2電極(32)と、
前記ゲート電極と前記第1電極との間に配置されて前記ゲート電極と前記第1電極とを絶縁する層間絶縁膜(20)と、を備え、
前記半導体基板のうちの前記トレンチと接する部分は、ダングリングボンドに窒素、水素、またはリンが結合された終端構造とされており、
前記層間絶縁膜は、前記ゲート電極と当接する当接絶縁膜(21)を含んで構成され、
前記当接絶縁膜は、堆積膜で構成されている炭化珪素半導体装置の製造方法であって、
前記ベース層、前記不純物領域、および前記トレンチが形成された前記半導体基板を用意することと、
前記トレンチの壁面に前記ゲート絶縁膜を配置することと、
前記半導体基板のうちの前記トレンチと接する部分におけるダングリングボンドに窒素、水素、またはリンを結合させて前記終端構造を構成することと、
前記ゲート絶縁膜上に前記ゲート電極を配置することと、
前記ゲート電極上を含む部分に前記層間絶縁膜を配置することと、
前記不純物領域および前記ベース層が露出するように、前記層間絶縁膜をパターニングすることと、を行い、
前記層間絶縁膜を配置することでは、堆積法によって前記当接絶縁膜を配置することを行う炭化珪素半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記層間絶縁膜をパターニングすることでは、前記半導体基板の面方向に対する法線方向において、前記トレンチの開口部よりも外側まで突き出す形状となるように、前記層間絶縁膜をパターニングする請求項3に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記半導体基板を用意することでは、素子部(RS)および温度センス部(RO)を有するものを用意し、
前記トレンチを形成することでは、前記素子部に前記トレンチを形成し、
前記当接絶縁膜を配置することの後、ノンドープポリシリコン(60)を配置することと、前記温度センス部に配置されたノンドープポリシリコンにイオン注入を行って第1導電型領域(52)と第2導電型領域(53)とが接続された温度センス素子(50)を構成することと、前記素子部に配置されたノンドープポリシリコンを前記当接絶縁膜をエッチングストッパとして除去することと、を行う請求項3または4に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、トレンチゲート構造を有すると共に炭化珪素(以下、SiCともいう)で構成されたSiC半導体装置およびその製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、トレンチゲート構造を有すると共にSiCで構成されたSiC半導体装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、このSiC半導体装置は、トレンチゲート構造を有するMOSFETが形成されて構成されている。すなわち、SiC半導体装置は、n型の基板と、基板上に配置されるn型のドリフト層と、ドリフト層上に配置されるp型のベース層と、ベース層の表層部に形成されるn型のソース領域とを有している。また、SiC半導体装置は、ソース領域を貫通してドリフト層に達するように形成されたトレンチゲート構造と、ベース層およびソース領域と電気的に接続される第1電極と、基板と接続される第2電極とを有している。
【0003】
SiC半導体装置におけるトレンチゲート構造は、ドリフト層に達するように形成されたトレンチの壁面にゲート絶縁膜が形成され、ゲート絶縁膜上に、ドープトポリシリコンで構成されるゲート電極が埋め込まれることで構成されている。そして、ゲート電極と第1電極との間には、ゲート電極と第1電極とを絶縁するための層間絶縁膜が形成されている。詳しくは、このSiC半導体装置では、ゲート電極を構成するドープトポリシリコンのうちのトレンチの開口部側に位置する部分を熱酸化して層間絶縁膜を構成している。
【0004】
このようなSiC半導体装置では、ゲート電極に閾値電圧以上の電圧が印加されると、ベース層のうちのトレンチと接する部分に反転層が形成され、この反転層を通じて第1電極と第2電極との間に電流が流れるオン状態となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2019-62126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記のようなSiC半導体装置では、界面準位を低下させるため、ベース層のうちのゲート絶縁膜との界面におけるダングリングボンドを窒素、水素、リン等の所定の原子で終端させた終端構造とすることがある。この場合、上記のようにゲート電極を構成するドープトポリシリコンを熱酸化して層間絶縁膜を構成すると、終端構造における窒素が酸素に置き換わる可能性があり、閾値電圧が変動する可能性がある。
【0007】
本発明は上記点に鑑み、閾値電圧が変動すること抑制できるSiC半導体装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための請求項1は、トレンチゲート構造を有するSiC半導体装置であって、SiCからなる第1導電型または第2導電型の基板(11)と、基板上に形成され、基板よりも低不純物濃度とされた第1導電型のドリフト層(13)と、ドリフト層上に形成された第2導電型のベース層(14)と、ベース層の表層部に形成された第1導電型の不純物領域(15)と、を有する半導体基板(10)と、不純物領域およびベース層を貫通してドリフト層に達するトレンチ(16)の壁面に形成されたゲート絶縁膜(17)と、ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極(18)とを有するトレンチゲート構造と、不純物領域およびベース層と電気的に接続される第1電極(31)と、基板と電気的に接続される第2電極(32)と、ゲート電極と第1電極との間に配置されてゲート電極と第1電極とを絶縁する層間絶縁膜(20)と、を備え、半導体基板のうちのトレンチと接する部分は、ダングリングボンドに窒素、水素、またはリンが結合された終端構造とされており、層間絶縁膜は、ゲート電極と当接する当接絶縁膜(21)を含んで構成され、当接絶縁膜は、堆積膜で構成されている。
【0009】
これによれば、当接絶縁膜が堆積膜で構成されているため、当接絶縁膜を酸化した酸化膜等で構成する場合と比較して、終端構造における窒素が酸素に置き換わり難くなり、閾値変動が発生することを抑制できる。
【0010】
請求項3は、請求項1に記載のSiC半導体装置の製造方法に関するものであり、ベース層、不純物領域、およびトレンチが形成された半導体基板を用意することと、トレンチの壁面にゲート絶縁膜を配置することと、半導体基板のうちのトレンチと接する部分におけるダングリングボンドに窒素、水素、またはリンを結合させて終端構造を構成することと、ゲート絶縁膜上にゲート電極を配置することと、ゲート電極上を含む部分に層間絶縁膜を配置することと、不純物領域およびベース層が露出するように、層間絶縁膜をパターニングすることと、を行い、層間絶縁膜を配置することでは、堆積法によって当接絶縁膜を配置することを行う。
(【0011】以降は省略されています)

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