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公開番号2024118741
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-02
出願番号2023025188
出願日2023-02-21
発明の名称地盤安定化構造および地盤安定化構造の施工方法
出願人学校法人東海大学
代理人個人,個人,個人,個人
主分類E02D 17/20 20060101AFI20240826BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】深さ2m以上の崩壊に対しても簡易かつ安価に斜面対策効果を高めることができる。
【解決手段】鉄筋2を地盤Gに挿入することにより地盤Gの斜面を安定させる地盤安定化構造であって、地盤G内にすべり面Sを通過させて設けた鉄筋2と、鉄筋2よりも短い長さをなし、鉄筋2を非結合状態で囲んで地盤Gに配置される筒状部材3と、鉄筋2の地表側の端部に固定され、地盤Gの地表面Gaに定着される受圧板4と、を備え、筒状部材3の断面は鉄筋2の軸方向から見て受圧板4の断面より小さく設定され、受圧板4は筒状部材3の抜け出しを規制し、筒状部材3は、すべり面Sよりも地表面側に設けられた構成の地盤安定化構造を提供する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
鉄筋を地盤に挿入することにより地盤の斜面を安定させる地盤安定化構造であって、
前記地盤内にすべり面を通過させて設けた鉄筋と、
前記鉄筋よりも短い長さをなし、前記鉄筋を非結合状態で囲んで前記地盤に配置される筒状部材と、
前記鉄筋の地表側の端部に固定され、前記地盤の地表面に定着される受圧板と、を備え、
前記筒状部材の断面は前記鉄筋の軸方向から見て前記受圧板の断面より小さく設定され、前記受圧板は前記筒状部材の抜け出しを規制し、
前記筒状部材は、前記すべり面よりも前記地表面側に設けられていることを特徴とする地盤安定化構造。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記筒状部材の部材は、前記地盤内で非破損状態で保持可能な強度を有する、鋼製、コンクリート製、塩ビ製、またはアクリル製である、請求項1に記載の地盤安定化構造。
【請求項3】
前記筒状部材は、地表面側から前記すべり面側に向かうに従って漸次縮径されたテーパーが形成されている、請求項1に記載の地盤安定化構造。
【請求項4】
前記鉄筋、前記受圧板および前記筒状部材から構成される鉄筋複合構造が前記地盤に複数設けられ、
隣り合う前記筒状部材の中心間距離は、前記筒状部材の直径の8倍以下である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の地盤安定化構造。
【請求項5】
前記筒状部材の内部には、前記地盤および非固化材の少なくとも一方が充填されている、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の地盤安定化構造。
【請求項6】
前記筒状部材の側面には、複数の貫通穴が設けられている、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の地盤安定化構造。
【請求項7】
前記鉄筋、前記受圧板および前記筒状部材から構成される鉄筋複合構造が前記地盤に複数設けられ、
複数の前記鉄筋複合構造は、平面視してそれぞれの中心を結ぶ線が正三角形状になるように配置されている、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の地盤安定化構造。
【請求項8】
鉄筋を地盤に挿入することにより地盤の斜面を安定させる地盤安定化構造の施工方法であって、
前記地盤内にすべり面を通過させて鉄筋を挿入する工程と、
前記鉄筋よりも短い長さの筒状部材を、前記鉄筋を非結合状態で囲んで前記地盤に配置する工程と、
前記鉄筋の地表側の端部に受圧板を固定し、前記受圧板を前記地盤の地表面に定着する工程と、を有し、
前記鉄筋の軸方向から見て、前記筒状部材の断面は前記受圧板の断面より小さくなるように配置し、前記筒状部材の抜け出しを規制し、
前記筒状部材を前記すべり面よりも前記地表面側に設けるようにしたことを特徴とする地盤安定化構造の施工方法。
【請求項9】
前記筒状部材は、回転圧入により施工される、請求項8に記載の地盤安定化構造の施工方法。
【請求項10】
前記地盤に挿入孔を掘削した後、前記挿入孔に前記筒状部材を挿入する、請求項8に記載の地盤安定化構造の施工方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、地盤安定化構造および地盤安定化構造の施工方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、地盤の斜面対策工として、例えば特許文献1に示されるような鉄筋挿入工や地すべり抑止杭が一般的に知られている。
鉄筋挿入工は、地盤中に削孔された削孔内に剛性の高い棒状の芯材(鉄筋コンクリート用棒鋼)を挿入し、この芯材の全長をセメント系硬化剤で地盤に固定する構造を有し、地盤の変形に伴う、芯材の引張耐力、引抜耐力、引締力などの複合的な効果により、不安定な移動層をある程度拘束して斜面の安定性を向上させる工法である。すなわち、鉄筋挿入工は、地山にプレストレスを与えない鉄筋等の補強材を配置し、地盤の変形に伴って、受動的に補強材に抵抗力を発揮させて地盤の変形を拘束することにより、土圧の支持、斜面の安定化、支持力の増加など、地山の安定性を向上させる工法である。
【0003】
地すべり抑止杭は、斜面鉛直に設けられた大径の掘削孔に、鋼管杭などを挿入し、杭周囲にグラウト注入することで地盤と密着させる工法である。杭の高い剛性により移動層のすべりに抵抗し、さらに杭間に生じるアーチ効果を発揮することで、一定以下であれば杭間距離をあけることができるため、広範囲に地すべりを抑えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2004-316374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の斜面対策工の構造では、以下のような問題があった。
すなわち、従来の鉄筋挿入工は、上述したように斜面が変形しそうになったとき、補強材の鉄筋と受圧板で斜面を拘束することで、変形を抑える工法である。このような鉄筋挿入工では、主に2m程度の浅い崩壊に対しては有効とされているが、プレストレスを導入しない機構であるため深さ2m以上の崩壊に対しては充分な効果が認められていないという課題があった。そして、鉄筋挿入工では、鉄筋の本数を増やすことで、補強効果を高めることができるが、コストや施工の手間がかかる対策工になり、現実的ではない。
【0006】
また、従来の地すべり抑止杭は、上述したように斜面が変形しそうになったとき、杭の剛性により地盤に抵抗することで、崩壊を防ぐ工法である。大径の杭を使用するため、とくに山岳部の現場においては、資材運搬や作業性に問題がありコストもかかることから、その点で改善の余地があった。
【0007】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、深さ2m以上の崩壊に対しても簡易かつ安価に斜面対策効果を高めることができる地盤安定化構造および地盤安定化構造の施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る地盤安定化構造および地盤安定化構造の施工方法は、上記課題を解決するために、以下の構成を採用した。
(1)本発明に係る地盤安定化構造の態様1は、鉄筋を地盤に挿入することにより地盤の斜面を安定させる地盤安定化構造であって、前記地盤内にすべり面を通過させて設けた鉄筋と、前記鉄筋よりも短い長さをなし、前記鉄筋を非結合状態で囲んで前記地盤に配置される筒状部材と、前記鉄筋の地表側の端部に固定され、前記地盤の地表面に定着される受圧板と、を備え、前記筒状部材の断面は前記鉄筋の軸方向から見て前記受圧板の断面より小さく設定され、前記受圧板は前記筒状部材の抜け出しを規制し、前記筒状部材は、前記すべり面よりも前記地表面側に設けられていることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る地盤安定化構造では、地盤のすべり面を横断して鉄筋が挿入されているので、地盤の変形に伴う、鉄筋の引張耐力、引抜耐力、引締力などの複合的な効果により、不安定な移動層を拘束して斜面の安定性を向上させる斜面拘束効果を発揮できる。さらに、すべり面よりも地表面側で鉄筋の周囲に設けられる筒状部材は、地すべりを抑制するように地盤の抵抗となる。具体的には、筒状部材同士のアーチ効果、すなわち筒状部材間に土詰まりを発生させることができ、斜面対策効果を高めることができる。このように、本発明では、筒状部材を2mよりも深く、すべり面近傍ですべり面に達しない位置まで挿入することで、深さ2m以上の崩壊に対しても、地すべり抑止杭としての機能を発揮することができる。
【0010】
また、本発明では、筒状部材はすべり面を跨いですべり面より下層の不動地盤に根入れすることなく長さ寸法が抑えられる。そのため、筒状部材の施工が簡易となり、従来の地すべり抑止杭工法に比べて資材運搬や作業性の負担を大幅に軽減できる。また、根入れしないことにより比較的大きな径の筒状部材を施工することができ、広範囲にアーチ効果が期待できることから、部材の間隔を広くとることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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