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公開番号2024114555
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-23
出願番号2023032286
出願日2023-02-13
発明の名称スロットルトリガー
出願人個人
代理人
主分類B25F 5/00 20060101AFI20240816BHJP(手工具;可搬型動力工具;手工具用の柄;作業場設備;マニプレータ)
要約【課題】内燃機関内蔵工具のスロットルトリガーのトリガー部分から操作手指に伝わる振動を低減するスロットルトリガーを提供する。
【解決手段】内燃機関内蔵工具に使用されているスロットルトリガー((1)、(3)、(4)全体の機構を指す)(図1、図2、図3はエンジンブロアーのスロットルトリガー)の、トリガー(1)の操作手指接触部分に防振材(2)を備えさせ、トリガー(1)から接触する手指に伝わる振動を低減させる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
内燃機関内蔵工具に使用されているスロットルトリガーであって、トリガー(1)の操作手指接触部分に防振材(2)を有することを特徴とするスロットルトリガー。
続きを表示(約 380 文字)【請求項2】
前記防振材(2)は発泡体、シリコーン樹脂、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ゲル、ゴム、ポリ塩化ビニルの少なくとも一種が原料であることを特徴とする請求項1に記載のスロットルトリガー。
【請求項3】
内燃機関内蔵工具に使用されているスロットルトリガーの、トリガー(1)の操作手指接触部分から手指に伝わる振動を低減させることを目的とした防振材(2)であって、発泡体、シリコーン樹脂、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ゲル、ゴム、ポリ塩化ビニルの少なくとも一種が原料であることを特徴とする請求項1または2に記載の防振材(2)。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関内蔵工具のスロットルトリガーから手指や腕に伝わる内燃機関の振動を低減させる為に好適なスロットルトリガーに関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
この種のスロットルトリガーとして、本出願人の提案に係るスロットルトリガーが公知である。そこでは図1に示すように、3(グリップ)を手で握り、1(トリガー)に手指(人差し指や中指)をかけて、トリガーを引き、エンジンアクセルの操作を行う。また、1(トリガー)、3(グリップ)、4(エンジンスイッチ)、5(ブロアーチューブ)は主にプラスチックからできているものが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2004-255537
特開2012-21639
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
産業技術のの発展に伴い、エンジン式チェーンソー、エンジンブロアー、エンジン式狩り払い機に代表される機械的な振動を発生する内燃機関内蔵工具が普及するようになり、作業能率が大幅に改善されるようになった。しかし、内燃機関内蔵工具の普及に伴って、振動障害が大きな問題となった。振動障害とは、エンジン式チェーンソー、エンジンブロアー等の振動工具を取り扱うことにより手腕に振動暴露を受けた作業者に発生する疾病である。振動障害には、例えば、主として寒冷時に発作的に現れる手指の白色化現象(レイノー現象)を代表とする抹消循環障害や、手指のしびれ、感覚鈍麻を主体とする末梢神経障害、または、肘関節より抹消の関節症状(疼痛、可動域制限)や握力の低下等による運動機器障害等が挙げられる。
【0005】
この問題に対して、できるだけ振動の小さな工具を使用したり、作業時間を短くしたり、防振手袋を着用する等、様々な対策が採られるようになり、一時期、振動障害は下火になっていた。しかし、近年の経済環境の変化に伴い、作業者が不足し、労働時間が徐々に長時間化し始めると、下火になっていた振動障害が再び大きな問題となり、抜本的な対策が求められるようになった。
【0006】
現在、振動を伴う内燃機関内蔵工具には様々な防振対策がなされている。例えば、エンジン式チェーンソーでは、手で握るグリップ部にゴム製の防振材を備えているものが多い。エンジン式狩り払い機のグリップ部も同様に、ゴム製、或いはウレタン製の防振材を備えているものが多い。背負い式のエンジンブロアーでは、背中に伝わる振動を軽減する為にウレタン製の背あてを備えている。また、防振手袋も様々なものが市販されている。しかし防振手袋は、防振性の良いゴム製のものはスキー手袋のように分厚いものが多く、振動を抑えるという効果の一方で、物を掴むといった振動工具の操作以外での作業性が悪いという欠点があった。このように振動を伴う内燃機関内蔵工具には様々な防振対策がなされているが、アクセル操作を行うスロットルトリガーという部品に防振対策を施した工具は、いまだ市販されていない。
【0007】
多くの内燃機関内蔵工具のエンジン回転速度は、作業者がスロットルトリガーを操作してスロットル開度を変更することによって自由に調整することができるようになっている。内燃機関内蔵工具のスロットルトリガーの多くは軽量かつ耐久性があり、アクセルワイヤーを引く為に十分な硬度も必要なことから、プラスチックでできている。しかし耐久性や硬度がある反面、スロットルトリガーを操作する手指に伝わる振動は強く、分厚い防振手袋を装着して操作をしていても手指に伝わる振動を抑えきることはできず、手指(特にスロットルトリガーと接触する人差し指や中指)へ大きな負荷がかかり、手指の痺れや、疼痛を引き起こしてしまっていた。これは特に手指の関節というのは筋肉が少なく、神経や腱に振動がとても伝わりやすい為である。また同時に手指への振動は腕へも伝わる為、腕や肘への負荷ともなっていた。そうした手指や腕への負荷は、痺れや疼痛だけでなく、腱鞘炎等の怪我を引き起こしてしまう現状があった。
【0008】
特開2004-255537は、エアー式バフ機のような振動工具の振動取手に取付け、使用者の手に伝わる振動を緩和することのできる防振具を提供することを目的として考案されたものである。特開2004-255537によると、振動工具1の振動取手2に取付け、使用者の手に伝わる振動を緩和する防振具であって、少なくとも、振動取手2の上面と側面を覆う立体形状を展開した平面形状の上シート12、下シート13および防振材14を、上シート12と下シート13の間に防振材14を挟み、固着手段15によって固定して防振本体11を構成し、防振本体11を、振動取手2の上から被せた後、防振本体11の周端部を、絞り手段16によって絞り、少なくとも、振動取手2の上面と側面を覆った状態で固定するとある。しかし、この形態によって内燃機関内蔵工具のスロットルトリガーからの振動を軽減させようとすると、取付方法と、内燃機関内蔵工具の操作に問題が生じてしまう。
【0009】
特開2004-255537の防振具によって内燃機関内蔵工具のスロットルトリガーからの振動を軽減させようとすると、内燃機関内蔵工具のグリップ部を覆うように前記防振具を装着することになる。しかし、このような装着ではスロットルトリガーと防振具との間に空間が生じてしまい、スロットルトリガーの操作手指接触面に防振具を密着固定をさせることができない。その為、内燃機関内蔵工具の作業動作や、スロットルトリガーの操作に伴い前記防振具の固定位置にずれが生じ、スロットルトリガーの操作手指接触面に常に適正な位置で防振材を当てることができないという問題が生じてしまう。
【0010】
また、特開2004-255537の防振具を前述のように内燃機関内蔵工具のグリップ部を覆うように装着すると、スロットルトリガーと前記防振具の間に空間ができてしまうことにより、スロットルトリガーの開度を適正に操作できなくなるという問題も生じてしまう。スロットルトリガーの開度を適正に操作できなければ、エンジンアクセルを適正にコントロールできない為、作業能率、燃費効率の悪化に繋がってしまう。また、内燃機関内蔵工具のグリップにはエンジンスイッチが設置されているものが多いので、グリップ部を覆うように前記防振具を装着することで、エンジンスイッチを完全に覆い隠してしまうことになる。この状態ではエンジンスイッチの操作ができないという問題も生じてしまう。
(【0011】以降は省略されています)

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