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公開番号2024107855
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-09
出願番号2023012006
出願日2023-01-30
発明の名称樹脂組成物
出願人学校法人同志社,三菱ケミカル株式会社
代理人個人,個人
主分類C08L 67/00 20060101AFI20240802BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】ポリエステル樹脂とポリオレフィン樹脂の海島構造を有する樹脂組成物であって、ポリエステル樹脂の海相にポリオレフィン樹脂の島相が良好に分散しており、再加熱によるポリオレフィン樹脂の島相の合一による粗大化が抑えられる樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ポリエステル樹脂とポリオレフィン樹脂とを混練してなる、ポリエステル樹脂の海相とポリオレフィン樹脂の島相の海島構造を有する樹脂組成物であって、該樹脂組成物中の該ポリオレフィン樹脂の島相について測定される平均径D1が0.3μm以下であり、混練後の該樹脂組成物を200℃以下に冷却した後、260℃で4分間加熱した後の該樹脂組成物中の該ポリオレフィン樹脂の島相について測定される平均径D2が2μm以下であることを特徴とする樹脂組成物。
【選択図】図2

特許請求の範囲【請求項1】
ポリエステル樹脂とポリオレフィン樹脂とを混練してなる、ポリエステル樹脂の海相とポリオレフィン樹脂の島相の海島構造を有する樹脂組成物であって、
該樹脂組成物中の該ポリオレフィン樹脂の島相について、以下の方法で測定される平均径D

が0.3μm以下であり、
混練後の該樹脂組成物を200℃以下に冷却した後、260℃で4分間加熱した後の該樹脂組成物中の該ポリオレフィン樹脂の島相について、以下の方法で測定される平均径D

が2μm以下であることを特徴とする樹脂組成物。
<平均径D

の測定方法>
常温(10~40℃)の該樹脂組成物のSEM写真から32.384μm×24.288μmの領域に存在するポリオレフィン樹脂の島相の面積をそれぞれ測定し、各々の面積の測定値から、該島相を円と仮定して該島相の直径を求め、その平均値を算出して平均径とする。
<平均径D

の測定方法>
常温(10~40℃)の該樹脂組成物のSEM写真から323.84mm×242.88mmの領域に存在するポリオレフィン樹脂の島相の面積をそれぞれ測定し、各々の面積の測定値から、該島相を円と仮定して該島相の直径を求め、その平均値を算出して平均径とする。
続きを表示(約 89 文字)【請求項2】
前記平均径D

が0.01~0.3μmで、前記平均径D

が0.1~2μmである、請求項1に記載の樹脂組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂組成物に関する。詳しくは、本発明は、ポリエステル樹脂とポリオレフィン樹脂とを混練してなる、ポリエステル樹脂の海相とポリオレフィン樹脂の島相の海島構造を有する樹脂組成物であって、ポリエステル樹脂の海相にポリオレフィン樹脂の島相が良好に分散しており、再加熱によるポリオレフィン樹脂の島相の合一による粗大化が抑制された樹脂組成物に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
ポリエステル樹脂は様々な製品に適用されており、特にポリエチレンテレフタレートは優れた機械的特性、熱的特性、化学的特性などを有することから、様々な製品へ適用されている。
一方で、プラスチック材料の機能向上の手段として、基材樹脂に異種の樹脂や無機粒子を混練することは広く行われており、例えばポリエチレンテレフタレートにポリプロピレンを混練することで、衝撃強度の向上や光沢、色むら等の機能改善効果が得られることが報告されている(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
辰巳昌典 研究総覧「押出成形」成形加工 第27巻 第7号 2015
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基材樹脂に異種の樹脂を混合する場合、一方の樹脂中に他方の樹脂を良好に分散させることが、高い機能改善効果を得る観点から重要である。特に、ポリエチレンテレフタレートとポリプロピレンのような非相溶系の組み合わせの場合、基材樹脂となる一方の樹脂の海相に、他方の樹脂が島相となって分散した海島構造の樹脂組成物となるため、この海島構造において、海相に微小な島相を均一に分散させることが重要である。しかしながら、非相溶系の樹脂の組み合わせの場合、一般的な混練法では、良分散の海島構造とすることが難しい。
【0005】
本発明者による検討の結果、ポリエステル樹脂/ポリオレフィン樹脂、特に、テレフタレート/ポリプロピレン非相溶系では、混練後の樹脂組成物の再加熱により、ポリプロピレンの島相が合一することで、島相が粗大化し、海島構造における島相の分散性が損なわれ、このことがポリエチレンテレフタレートにポリプロピレンを混練することによる機能改善効果を妨げる要因となっていることが確認された。
樹脂組成物は、樹脂原料の加熱混練により樹脂組成物とされた後、成形時に再度加熱されることになるため、再加熱によりポリプロピレンの島相が合一して粗大化することで分散性が低下することは、各種機能性に優れた樹脂組成物であっても、成形により得られた樹脂成形体はその機能改善効果が損なわれ、物性が低下することを意味し、好ましくない。
【0006】
本発明は、ポリエステル樹脂とポリオレフィン樹脂とを混練してなる、ポリエステル樹脂の海相とポリプロピレンの島相の海島構造を有する樹脂組成物であって、ポリエステル樹脂の海相にポリオレフィン樹脂の島相が良好に分散しており、再加熱によるポリオレフィン樹脂の島相の合一による島相の粗大化が抑えられる樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、ポリエステル樹脂中のポリオレフィン樹脂の分散性が良好であり、再加熱によるポリオレフィン樹脂の合一が抑制される樹脂組成物を得ることができると見出した。
即ち、本発明は以下を要旨とする。
【0008】
[1] ポリエステル樹脂とポリオレフィン樹脂とを混練してなる、ポリエステル樹脂の海相とポリオレフィン樹脂の島相の海島構造を有する樹脂組成物であって、
該樹脂組成物中の該ポリオレフィン樹脂の島相について、以下の方法で測定される平均径D

が0.3μm以下であり、
該樹脂組成物を260℃で4分間加熱した後の該樹脂組成物中の該ポリオレフィン樹脂の島相について、以下の方法で測定される平均径D

が2μm以下であることを特徴とする樹脂組成物。
<平均径D

の測定方法>
常温(10~40℃)の該樹脂組成物のSEM写真から32.384μm×24.288μmの領域に存在するポリオレフィン樹脂の島相の面積をそれぞれ測定し、各々の面積の測定値から、該島相を円と仮定して該島相の直径を求め、その平均値を算出して平均径とする。
<平均径D

の測定方法>
常温(10~40℃)の該樹脂組成物のSEM写真から323.84mm×242.88mmの領域に存在するポリオレフィン樹脂の島相の面積をそれぞれ測定し、各々の面積の測定値から、該島相を円と仮定して該島相の直径を求め、その平均値を算出して平均径とする。
【0009】
[2] 前記平均径D

が0.01~0.3μmで、前記平均径D

が0.1~2μmである、[1]に記載の樹脂組成物。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ポリエステル樹脂とポリオレフィン樹脂の海島構造において、ポリエステル樹脂の海相にポリオレフィン樹脂の島相が良好に分散しており、再加熱によるポリオレフィン樹脂の島相の合一による粗大化が抑えられる樹脂組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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