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公開番号2024103989
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-02
出願番号2023007968
出願日2023-01-23
発明の名称レールの健全度評価方法
出願人公益財団法人鉄道総合技術研究所
代理人個人
主分類G01N 17/00 20060101AFI20240726BHJP(測定;試験)
要約【課題】レールの腐食が進行しているか否かを簡単に判断することができ、疲労試験を行うことなく疲労強度を推定することができるレールの健全度評価方法を提供する。
【解決手段】健全度評価方法#100は、レールの健全度を評価する方法であり、レールの長手方向の複数の位置毎に、このレールの幅方向におけるレール底面の凹凸量の変動係数を演算する変動係数演算工程#600と、レールの長手方向における複数の位置毎の変動係数のばらつきを演算するばらつき演算工程#700と、変動係数のばらつきに基づいて、腐食が進行しているレールであるか否かを評価する腐食進行評価工程#800とを含む。腐食進行評価工程#800は、変動係数のばらつきが所定値以上であるときには、腐食が進行しているレールであると評価する工程を含む。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
レールの健全度を評価するレールの健全度評価方法であって、
前記レールの長手方向の複数の位置毎に、このレールの幅方向におけるレール底面の凹凸量の変動係数を演算する変動係数演算工程と、
前記レールの長手方向における前記複数の位置毎の前記変動係数のばらつきを演算するばらつき演算工程と、
前記変動係数のばらつきに基づいて、腐食が進行しているレールであるか否かを評価する腐食進行評価工程と、
を含むレールの健全度評価方法。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
請求項1に記載のレールの健全度評価方法において、
前記レールの長手方向の複数の位置毎に、このレールの幅方向における前記レール底面の凹凸量の平均値を演算する平均値演算工程と、
前記レールの長手方向の複数の位置毎に、このレールの幅方向における前記レール底面の凹凸量の標準偏差を演算する標準偏差演算工程とを含み、
前記変動係数演算工程は、前記レール底面の凹凸量の平均値によって、前記レール底面の凹凸量の標準偏差を除算した値を前記変動係数として、このレールの長手方向の複数の位置毎に演算する工程を含むこと、
を特徴とするレールの健全度評価方法。
【請求項3】
請求項1に記載のレールの健全度評価方法において、
前記腐食進行評価工程は、前記変動係数のばらつきが所定値以上であるときには、腐食が進行しているレールであると評価する工程を含むこと、
を特徴とするレールの健全度評価方法。
【請求項4】
請求項1に記載のレールの健全度評価方法において、
前記腐食が進行しているレールのレール底面の凹凸を模擬した解析モデルを生成する解析モデル生成工程と、
前記解析モデルに基づいて数値解析による応力解析を実施する応力解析工程と、
前記応力解析の結果に基づいて応力全振幅を演算する応力全振幅演算工程と、
前記応力全振幅に基づいてS-N曲線を生成するS-N曲線生成工程と、
前記S-N曲線に基づいて、前記腐食が進行しているレールの疲労強度を演算する疲労強度演算工程とを含むこと、
を特徴とするレールの健全度評価方法。
【請求項5】
請求項4に記載のレールの健全度評価方法において、
前記応力全振幅演算工程は、前記腐食が進行しているレールの孔食最大深さ箇所における数値解析による応力全振幅を演算する工程を含むこと、
を特徴とするレールの健全度評価方法。
【請求項6】
請求項4に記載のレールの健全度評価方法において、
前記応力全振幅演算工程は、前記腐食が進行しているレールの最大応力発生箇所における数値解析による応力全振幅を演算する工程を含むこと、
を特徴とするレールの健全度評価方法。
【請求項7】
請求項1に記載のレールの健全度評価方法において、
前記腐食が進行しているレールのレール底面の凹凸量に基づいて、この腐食が進行しているレールの孔食の応力集中係数を演算する応力集中係数演算工程と、
前記応力集中係数に基づいて応力全振幅を演算する応力全振幅演算工程と、
前記応力全振幅に基づいてS-N曲線を生成するS-N曲線生成工程と、
前記S-N曲線に基づいて、前記腐食が進行しているレールの疲労強度を演算する疲労強度演算工程とを含むこと、
を特徴とするレールの健全度評価方法。
【請求項8】
請求項7に記載のレールの健全度評価方法において、
前記応力全振幅演算工程は、前記応力集中係数に基づいて、前記腐食が進行しているレールの最大応力発生箇所の応力全振幅を演算する工程を含むこと、
を特徴とするレールの健全度評価方法。
【請求項9】
請求項1に記載のレールの健全度評価方法において、
前記腐食が進行しているレールの長手方向におけるレール底面の凹凸量の標準偏差に基づいて、この腐食が進行しているレールの破断箇所を推定する破断箇所推定工程を含むこと、
を特徴とするレールの健全度評価方法。
【請求項10】
請求項9に記載のレールの健全度評価方法において、
前記破断箇所推定工程は、前記標準偏差の最も高い位置を、前記腐食が進行しているレールの破断箇所と推定する工程を含むこと、
を特徴とするレールの健全度評価方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、レールの健全度を評価するレールの健全度評価方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
レールは、軌道を構成する重要な部材であり、列車の走行安全を確保するために、レール損傷を防止するための保守管理が重要である。レールに発生する損傷の要因の一つにレールの腐食がある。レールの腐食は主にトンネルや踏切といった湿潤環境下において発生し、レール底部に断面減少や孔食が生じる。そのような箇所に列車荷重が作用すると、応力集中が生じることにより、き裂が発生する可能性がある。また、これらの要因によって、一般的な明かり区間でのレールの疲労強度と異なり、一定の荷重において破壊に至るまでの載荷繰り返し数が小さくなることや、真の疲労限度が存在しなくなることが知られており、腐食状態毎の疲労強度、ひいてはレール余寿命の把握が求められている。
【0003】
従来の超音波レール探傷装置は、レール頭頂面に接触してレール内に超音波を送信する送受信用振動子と、レール底部の腐食部で反射する超音波を受信する送受信用振動子などを備えている(例えば、特許文献1参照)。従来の超音波レール探傷装置は、所定の屈折角の範囲内で超音波を入射させて、レール底部の腐食部で散乱した超音波の一部を受信することによって、レール底部の腐食を検出している。
【0004】
従来のレールの余寿命評価方法は、レールの疲労強度を算定する際には、4点曲げによる曲げ疲労試験を行い、新品形状時の断面におけるレール底面の応力全振幅(公称応力全振幅)を用いて試験結果を整理することで、実施していた(例えば、非特許文献1参照)。非特許文献1に記載の技術は、経年ロングレールの溶接部の疲労試験を実施し、余寿命のS-N曲線を得て、経年ロングレールの溶接部の寿命を推定している。
【0005】
従来のレールの余寿命評価方法は、レールの腐食状態を底部腐食量、底側部腐食量、レール側面腐食生成物厚さ、レール底面孔食深さ等の「腐食量」として整理し、腐食量毎にS-N曲線を算定することでレールの疲労強度を推定してきた(例えば、非特許文献2参照)。非特許文献2に記載の技術では、腐食レールの曲げ疲労試験と試験終了後のレールの腐食量との相関関係を把握し、腐食量に応じたS-N曲線を定義して、腐食レールの余寿命を評価している。
【0006】
従来のレール疲労強度評価方法は、目視で分類した腐食程度を定量的に把握するために、腐食生成物の厚さや腐食孔深さに着目して、レールの腐食程度を定量的に把握していた(例えば、非特許文献3参照)。非特許文献3に記載の技術は、各腐食程度のレールに対して曲げ疲労試験を実施して、各腐食程度のレールの疲労強度を推定している。
【0007】
鉄道レール以外の鋼構造物の分野では、腐食鋼板の応力評価方法などが提案されている。従来の腐食鋼板の応力評価法は、腐食鋼板の疲労き裂の発生は荷重軸方向の板厚変動係数の高い領域で発生し、複数のき裂が発生した場合には、板厚変動係数の高い位置で発生したき裂が優先的に進展することを示している(例えば、非特許文献4参照)。この非特許文献4に記載の技術は、腐食鋼板の疲労試験結果を、板厚の変動係数と切欠きの鋭さを表した形状係数を用いた応力算定式により整理することで、腐食状態にかかわらずほぼ1本のS-N曲線で整理できることを示している。
【0008】
従来のコンクリート境界部で腐食した鋼構造部材の疲労挙動に関する基礎的研究は、腐食した部材表面の応力分布をFEM解析によって求め、疲労寿命を簡易に評価・予測する手法を提案している(例えば、非特許文献5参照)。非特許文献5は、破断繰返し回数の平均値、総断面公称応力範囲及び塗膜劣化後の供用年数により表される腐食促進倍率を用いて、コンクリート境界部を有する鋼構造部材の腐食後の疲労寿命を評価・予測している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
特開2001-305111号公報
【0010】
弟子丸将,外3名,「経年ロングレールの疲労寿命推定」,鉄道総研報告,財団法人鉄道総合技術研究所,2006年4月,第20巻,第4号,p.5-10
(【0011】以降は省略されています)

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