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公開番号2024101969
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-30
出願番号2023015678
出願日2023-01-18
発明の名称ニンヒドリン反応速度を用いたアミノ酸の定量方法
出願人個人
代理人
主分類G01N 21/78 20060101AFI20240723BHJP(測定;試験)
要約【課題】ニンヒドリン反応で見られる紫色の呈色の度合いは、ルーエマン紫の生成量で決まるためアミノ酸濃度に依存する。つまり、ニンヒドリン反応に用いたアミノ酸を全て反応させ、生じるルーエマン紫が示す呈色の度合いからアミノ酸を定量できる。この時、呈色の度合いは可視分光光度計など高価な機器を用い吸光度を指標とする必要があり、この呈色の度合いからのアミノ酸の定量が可能な簡易な測定による定量方法を提供する。
【解決手段】温度条件T0に保った濃度既知のニンヒドリン溶液及び、温度条件における1種類のアミノ酸(Glyまたは、Trpまたは、Ala)溶液を混合すると同時に、温度条件Tmまで加温する過程において、混合溶液の加温直後から、ニンヒドリン反応で生じるルーエマン紫に起因する呈色を視認できる瞬間までの時間xを測定し、加温時間tに対応するアミノ酸濃度からなる対応表に基づいてアミノ酸濃度を算出する。
【選択図】図17
特許請求の範囲【請求項1】
温度条件T

に保った濃度既知のニンヒドリン溶液及び、前記温度条件における1種類のアミノ酸(Glyまたは、Trpまたは、Ala)溶液を混合すると同時に、温度条件T

まで加温する過程において、前記混合溶液の加温直後から、ニンヒドリン反応で生じるルーエマン紫に起因する呈色を視認できる瞬間までの時間xを測定し、予め、前記混合溶液と同体積の蒸留水を上記記載の加温方法と同様に、温度条件T

からT

に変化させ、1秒間を上限とする単位時間を定め、前記単位時間で区切られる時間帯における最大時刻で前記蒸留水の液温を加温直後から連続して測定しておき、ニンヒドリン反応速度に比例する吸光度(570nm)の上昇速度から算出した前記単位時間でのルーエマン紫生成量が示す前記吸光度の加温直後から前記時間xまでの累積量が、ニンヒドリン反応の呈色を視認できる吸光度の最小値である0.010に達した時に成り立つ関係式から、加温時間tに対応するアミノ酸濃度からなる対応表に基づいてアミノ酸濃度を算出するアミノ酸の定量方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アミノ酸とニンヒドリンからなる混合溶液を加温してニンヒドリン反応を起こし、その呈色を視認できる瞬間までの呈色時間に着目し、アミノ酸の種類と濃度に起因するニンヒドリン反応速度に基づいて、前記呈色時間からアミノ酸濃度を算出することを特徴とする、アミノ酸の定量方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
アミノ酸にニンヒドリン溶液を加えて加温すると、色素ルーエマン紫が生じ青紫色を呈する。この反応はニンヒドリン反応と呼ばれ、アミノ酸及び、タンパク質や各種ペプチドの検出に利用される。また、アミノ酸濃度が高いほど、ニンヒドリン反応で生じるルーエマン紫の生成量が増えて濃い発色を示すため、この発色の度合いからアミノ酸を定量できる。現在この原理を用いたアミノ酸定量装置も広く活用されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
マクマリー有機化学概説 第4版 JOHN MCMURRY 著 p.471~478
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ニンヒドリン反応で見られる紫色の呈色の度合いは、ルーエマン紫の生成量で決まるためアミノ酸濃度に依存する。つまり、ニンヒドリン反応に用いたアミノ酸を全て反応させ、生じるルーエマン紫が示す呈色の度合いからアミノ酸を定量できる。この時、前記呈色の度合いは可視分光光度計など高価な機器を用いて吸光度を指標とする必要があり、この呈色の度合いをアミノ酸の定量法に用いることが簡易な測定を考えた時の課題である。
【0005】
ニンヒドリン反応に用いたアミノ酸を全て反応させるためには、一定時間の反応時間が必要となる。この間、ニンヒドリン反応における中間生成物である還元型ニンヒドリンは空気中で酸化されやすい状態にあり、生じるルーエマン紫の呈色の度合いをアミノ酸濃度に置き換えることに正確性を欠くことが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
アミノ酸とニンヒドリンからなる混合溶液の加温直後から、ニンヒドリン反応の呈色を視認できる瞬間までの時間が、同一濃度のアミノ酸溶液でもその種類(Gly、Trp、Ala、Val、Leu、Ile、Asp、Met、His、Phe)によって、また、アミノ酸濃度に対しても異なることを見出した。
【0007】
本発明は、温度条件T

に保った濃度既知のニンヒドリン溶液及び、前記温度条件における1種類のアミノ酸(Glyまたは、Trpまたは、Ala)溶液を混合すると同時に、温度条件T

まで加温する過程において、前記混合溶液の加温直後から、ニンヒドリン反応で生じるルーエマン紫に起因する呈色を視認できる瞬間までの時間xを測定し、予め、前記混合溶液と同体積の蒸留水を上記記載の加温方法と同様に、温度条件T

からT

に変化させ、1秒間を上限とする単位時間を定め、前記単位時間で区切られる時間帯における最大時刻で前記蒸留水の液温を加温直後から連続して測定しておき、ニンヒドリン反応速度に比例する吸光度(570nm)の上昇速度から算出した前記単位時間でのルーエマン紫生成量が示す前記吸光度の加温直後から前記時間xまでの累積量が、ニンヒドリン反応の呈色を視認できる吸光度の最小値である0.010に達した時に成り立つ関係式から、加温時間tに対応するアミノ酸濃度からなる対応表に基づいてアミノ酸濃度を算出するアミノ酸の定量方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、ニンヒドリン反応における、アミノ酸とニンヒドリンからなる混合溶液の加温直後から呈色を視認できる瞬間までの時間を測定してアミノ酸を定量するもので、呈色の度合いを指標とする必要がない。つまり、高価な機器が不要で、中和滴定法、酸化還元滴定法、ヨウ素滴定法などと同様に目視による測定だけで簡易にアミノ酸を定量できる効果がある。
【0009】
さらに、本発明は反応初期における反応速度と呈色の視認を組合わせた定量法で、反応生成物が呈色するような反応において、同様に反応物の濃度測定ができるようになる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
ニンヒドリン反応を示す図である。
ニンヒドリン反応の反応機構を示す図である。
ニンヒドリン反応の経時変化及び、呈色を視認できる瞬間までの呈色時間の定義を示す図である。
ニンヒドリン溶液濃度に対する呈色時間の関係を示す図である。
アミノ酸(Gly)溶液濃度に対する呈色時間の関係を示す図である。
各種アミノ酸の呈色時間を示す図である。
各アミノ酸溶液を用いたニンヒドリン反応溶液の420~720nmの吸光度を示す図である。
Gly溶液各濃度でのニンヒドリン反応溶液の420~720nmの吸光度を示す図である。
ニンヒドリン反応の呈色を視認した瞬間のニンヒドリン反応溶液の吸光度(570nm)を示す図である。
ルーエマン紫の生成速度を吸光度(570nm)の上昇速度に置き換え、呈色時間までの積分値が、呈色を視認できる吸光度(570nm)の基準値と等しくなることを示す図である。
ニンヒドリン反応時間(加温時間)に対する吸光度(570nm)の変化を示す図である。
アレニウス・プロット(Gly、Trp、Ala)示す図である。
各アミノ酸(Gly、Trp、Ala)のニンヒドリン反応における反応速度定数を決める活性化エネルギーと頻度因子(頻度係数)を示す図である。
ニンヒドリン反応における加温直後から、単位時間のルーエマン紫生成量が示す吸光度(570nm)の呈色時間までの累積量が、呈色視認の吸光度の基準値と等しくなる関係式を示す図である。
ニンヒドリン反応速度を用いたアミノ酸の定量方法を示す図である。
図14の関係式を反映させた計算式を示す図である。
呈色時間とアミノ酸溶液濃度の対応表の一例を示す図である。
濃度既知のGly標準溶液を用い、その呈色時間の測定値から対応表を基に算出したGly溶液濃度を比較した検証結果を示す図である。
濃度既知のGly標準溶液を用い、呈色視認の吸光度(570nm)の基準値を変化させて算出したGly溶液濃度を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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