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公開番号2024101761
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-30
出願番号2023005873
出願日2023-01-18
発明の名称電源システム
出願人三菱電機株式会社
代理人弁理士法人深見特許事務所
主分類H02M 3/155 20060101AFI20240723BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】複数の電源装置を並列接続して負荷に給電する電源システムにおいて、設計の柔軟性及び汎用性を確保した上で、各電源装置の出力平準化を図る。
【解決手段】共通の負荷5に対して出力側が並列接続された複数の電源装置CNV1~CNV3の出力電圧は、それぞれの電圧指令値に従って制御される。複数の電源装置CNV1~CNV3の各々は、信号線30を介して送受信される信号を用いて、並列接続された電源装置の個数、及び、複数の電源装置の中での各電源装置の順番を示すパラメータ値を決定し、決定されたパラメータ値と、信号線30を介して複数の電源装置CNV1~CNV3の間で供給される電圧基準信号とを用いて、それぞれの電圧指令値を設定する。電圧指令値は、複数の電源装置CNV1~CNV3の間で、電圧指令値の大小関係が周期的かつ循環的に変わる様に生成される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
電源システムであって、
共通の負荷に対して出力側が並列接続された複数の電源装置と、
前記複数の電源装置と接続された信号線とを備え、
前記複数の電源装置の各々は、
少なくとも前記電源システムの起動時に実行される並列数カウント処理において、前記信号線を経由して前記複数の電源装置の間で送受信される信号に基づいて、前記複数の電源装置の個数である並列数と、前記複数の電源装置の中での当該電源装置の順番を示す順序値とを決定するパラメータ値決定部と、
前記パラメータ値決定部からの前記並列数及び前記順序値と、前記信号線を介して前記複数の電源装置の間で共有される周期的な電圧基準信号とを用いて、当該電源装置の電圧指令値を生成する電圧指令値設定部と、
前記電圧指令値に従って当該電源装置の出力電圧を制御する電圧制御部とを含み、
前記電圧指令値設定部は、
前記電圧基準信号によって示される基準周期と、前記電圧基準信号によって示される基準位相に対する前記順序値及び前記並列数に従った位相差とを有することによって、前記複数の電源装置の間で前記電圧指令値の大小関係が周期的かつ循環的に変わる様に、当該電源装置の前記電圧指令値を生成する、電源システム。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
前記電圧指令値は、前記複数の電源装置の間で、前記電圧指令値が最大となる電源装置が周期的かつ循環的に変わるように設定される、請求項1記載の電源システム。
【請求項3】
前記複数の電源装置にそれぞれ対応する前記電圧指令値は、前記基準周期を有し、かつ、前記基準位相に対して前記電圧基準信号の1周期を前記並列数で除算した位相差ずつ段階的に位相が異なる正弦波電圧と、直流電圧との和に従って生成される、請求項1又は2に記載の電源システム。
【請求項4】
前記正弦波電圧の振幅は、前記複数の電源装置の各々での前記電圧指令値に対する前記出力電圧のオフセット誤差の最大値を示すスペック値よりも大きい、請求項3記載の電源システム。
【請求項5】
前記パラメータ値決定部は、
前記複数の電源装置から順次異なる値で出力される様に前記信号を前記信号線に対して出力する送信部と、
前記信号線に出力された前記信号を前記信号線から都度受信する受信部とを有し、
前記パラメータ値決定部は、前記複数の電源装置の全てから前記信号が出力された後のタイミングにおいて、前記受信部及び前記送信部によって送受信された前記信号に基づいて前記並列数及び前記順序値を決定する、請求項1記載の電源システム。
【請求項6】
前記信号は、前記複数の電源装置の間でパルス数が異なるパルス信号であり、
前記送信部は、前記受信部が前記パルス信号を受信すると、受信した当該パルス信号とは異なるパルス数を有する前記パルス信号を前記信号線に出力し、
前記パラメータ値決定部は、前記並列数カウント処理の開始から予め定められた時間が経過した時点において、前記受信部が最後に受信した前記パルス信号に含まれる前記パルス数に基づいて前記並列数を決定するとともに、前記送信部から出力した前記パルス信号に含まれる前記パルス数に基づいて前記順序値を決定する、請求項5記載の電源システム。
【請求項7】
前記信号は、前記複数の電源装置の間で異なる、予め定められたデジタル値を示すデジタル信号であり、
前記送信部は、前記受信部が前記デジタル信号を受信すると、受信した当該デジタル信号によって示された第1デジタル値と当該電源装置に定められた第2デジタル値との差が予め定められた条件を満たすときに前記第2デジタル値を示す前記デジタル信号を前記信号線に出力し、
前記パラメータ値決定部は、前記並列数カウント処理の開始から予め定められた時間が経過した時点において、前記受信部が最後に受信した前記デジタル信号によって示される前記デジタル値に基づいて前記並列数を決定するとともに、前記送信部から出力した前記デジタル信号によって示される前記第2デジタル値に基づいて前記順序値を決定する、請求項5記載の電源システム。
【請求項8】
前記パラメータ値決定部は、前記並列数カウント処理において、前記送信部から前記デジタル信号を出力する前に、予め定められた一定時間を超えて前記信号線から他の前記電源装置からの前記デジタル信号を受信できないと、前記受信部が最後に受信した前記デジタル信号によって示される前記デジタル値に対応させて、前記複数の電源装置のうちの特定の電源装置に故障が発生したことを検出する、請求項7記載の電源システム。
【請求項9】
前記パラメータ値決定部は、前記並列数カウント処理において決定された前記並列数が、当該並列数カウント処理の前における前記並列数と異なるときに、前記受信部が最後に受信した前記デジタル信号によって示される前記デジタル値に対応させて、前記複数の電源装置のうちの特定の電源装置に故障が発生したことを検出する、請求項7記載の電源システム。
【請求項10】
前記複数の電源装置から前記負荷に供給される負荷電圧を計測するための電圧計測部を更に備え、
前記電圧計測部によって計測された前記負荷電圧の変動量が、予め定められた電圧判定値よりも大きい場合に、前記複数の電源装置の少なくともいずれかに故障が発生したことが検出される、請求項1、2、及び5~9のいずれか1項に記載の電源システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、電源システムに関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
電源装置の信頼性向上等を目的として、複数の電源装置(コンバータ)を並列接続して負荷に接続する電源システムが用いられている。しかしながら、複数のコンバータを並列接続すると、出力電圧が高い方のコンバータの出力電流が大きくなるため、コンバータごとの出力電力にばらつきが生じる。そのため、複数のコンバータを並列接続した電源システムでは、各コンバータの出力電流を平準化する構成が必要となる。
【0003】
例えば、特開昭62-35923号公報(特許文献1)には、同一定格出力電圧を有する複数の電源装置を並列接続して負荷に給電する電源システムにおいて、各電源装置の出力電圧の大小関係を周期的かつ循環的に変更する出力電圧変更手段を、少なくとも一部の電源装置に設ける構成が記載される。
【0004】
特許文献1の電源システムによれば、複数の電源装置間で負荷が均等化されることにより、各電源装置の寿命も均等に延長されることで、電源システムの信頼性を向上することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開昭62-35923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の電源システムでは、各複数の電源装置の並列数が既知であり、かつ、固定されていることを前提として、電源装置の出力電圧の大小関係を周期的かつ循環的に変更する出力電圧変更手段の機能が説明されている。
【0007】
このため、並列数が異なる電源システム毎に、出力電圧変更手段の機能を個別に事前設計することが必要であり、かつ、電源システムの並列数が変更された場合には、出力電圧変更手段を更新する必要が生じる。この結果、システム設計の汎用性及び柔軟性が低下することが懸念される。
【0008】
本開示は、このような問題点を解決するためになされたものであって、本開示の目的は、複数の電源装置(コンバータ)を並列接続して負荷に給電する電源システムにおいて、設計の柔軟性及び汎用性を確保した上で、各コンバータの出力平準化を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示のある局面では、電源システムが提供される。電源システムは、共通の負荷に対して出力側が並列接続された複数の電源装置と、複数の電源装置と接続された信号線とを備える。複数の電源装置の各々は、パラメータ値決定部と、電圧指令値設定部と、電圧制御部とを含む。パラメータ値決定部は、少なくとも電源システムの起動時に実行される並列数カウント処理において、信号線を経由して複数の電源装置の間で送受信される信号に基づいて、複数の電源装置の個数である並列数と、複数の電源装置の中での当該電源装置の順番を示す順序値とを決定する。電圧指令値設定部は、パラメータ値決定部からの並列数及び順序値と、信号線を介して複数の電源装置の間で共有される周期的な電圧基準信号とを用いて、当該電源装置の電圧指令値を生成する。電圧制御部は、電圧指令値に従って当該電源装置の出力電圧を制御する。電圧指令値設定部は、電圧基準信号によって示される基準周期と、電圧基準信号によって示される基準位相に対する順序値に従った位相差とを有することによって、複数の電源装置の間で電圧指令値の大小関係が周期的かつ循環的に変わる様に当該電源装置の電圧指令値を生成する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、複数の電源装置(コンバータ)を並列接続して負荷に給電する電源システムにおいて、電源装置の個数(並列数)及び各電源装置の順序付けを予め設定することなく、複数の電源装置の間で電圧指令値の大小関係が周期的かつ循環的に変わる様に、各電源装置において電圧指令値を生成することができるので、設計の柔軟性及び汎用性を確保した上で、各コンバータの出力平準化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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