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公開番号
2024097210
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-07-18
出願番号
2023000608
出願日
2023-01-05
発明の名称
エチレンで追熟が可能な農作物の新鮮さの管理方法
出願人
国立大学法人大阪大学
代理人
弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類
A23B
7/152 20060101AFI20240710BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約
【課題】農作物を破壊することなしに農作物の品質を予測することが可能な、エチレンで追熟が可能な農作物の品質を管理する方法、及び品質管理システムを提供する。
【解決手段】エチレンで追熟が可能な農作物の品質を管理する方法であって、(1)エチレンで追熟が可能な農作物から放出される揮発性成分の分析結果に基づいて、該農作物の状態を予測する工程を含む、方法、及びエチレンで追熟が可能な農作物の品質を管理するための品質管理システムであって、該品質管理システムは、エチレンで追熟が可能な農作物から放出される揮発性成分を分析する分析装置と、該農作物の状態を予測する予測装置とを備え、該予測装置は、該分析装置による揮発性成分の分析結果に基づき該農作物の状態の予測を行う、品質管理システム。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
エチレンで追熟が可能な農作物の品質を管理する方法であって、
(1)エチレンで追熟が可能な農作物から放出される揮発性成分の分析結果に基づいて、該農作物の状態を予測する工程
を含む、方法。
続きを表示(約 630 文字)
【請求項2】
(0)前記農作物から放出される揮発性成分を分析する工程
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(2)工程(1)で得られた農作物の状態の予測結果に基づき保管条件を制御する工程
を更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記農作物が、エチレンで追熟が可能な熱帯産の農作物である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記農作物が、エチレンで追熟が可能な熱帯産の果物である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
前記農作物が、バナナ、マンゴスチン、マンゴ、アボガド、パパイア及びキウイからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項7】
前記農作物が、エチレンで追熟されたものである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項8】
前記工程(0)における分析が、質量分析計を用いて実施される、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記農作物の状態が、熟成の状態、シュガースポットの発生及び腐敗の状態からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項10】
前記工程(1)の予測において、多変量解析予測モデルが使用される、請求項1又は2に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、エチレンで追熟が可能な農作物の品質を管理する方法、エチレンで追熟が可能な農作物の品質を管理するための品質管理システム及び保管システム、並びにエチレンで追熟が可能な農作物の品質の予測に使用可能な物質の決定方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
生鮮性の高い農作物の流通は、未だに様々な障害に直面している。病害虫の感染や農作物の自然な老化によって保存期間が短くなり、大きな経済的損失と世界市場への供給が損なわれてしまう。このような事態を防ぐため、農作物は通常、冷蔵貨物内に保管され、鮮度が保たれる。また、従来の技術では、湿度センサーや二酸化炭素センサーに加え、エチレンガスセンサーを組み合わせて、輸送中の農作物の品質を監視している。しかし、このような情報では、農作物の品質管理、特に菌の感染検出や生鮮品の保存日数の予測はできない。
【0003】
例えば、バナナはミバエ等の害虫侵入を防ぐ防疫上の理由等から、未熟な緑のまま低温、無酸素で冬眠状態にて輸入される。入港後、温度を上げ、熟成を促すエチレンガスで目覚めさせ、完熟直前に出荷する。
【0004】
収穫後も追熟可能な作物は、呼吸があり多くの酵素が働いている。酵素の働きにより食感・味・香りが最大になった時に賞味されるのが理想であり、その後は腐敗へと進む。消費者に最適なものを届け、食品ロスを最小にするための流通過程における品質管理の方法の開発という目的において、作用する酵素や代謝経路を知ることは意味のあることであるが、多大な費用と時間を必要とする。
【0005】
このようなフードロスや美味しさなどの作物の管理に関する報告は存在している。そのようなものとして、非特許文献1では、冷蔵コンテナによるバナナの海上輸送中又は輸送後に発生する品質問題は、主に不十分な冷却と最適でない雰囲気条件、さらに呼吸活動によって発生する熱によって引き起こされること、これらの影響を測定・評価するツールは、バナナのサプライチェーンに沿ったロスの削減に大きく貢献し、温度、相対湿度、CO
2
及びO
2
ガス濃度の変動がバナナの貯蔵安定性に及ぼす影響を予測するためのモデル、及び測定された温度曲線から冷却効率、包装や梱包の変化の影響、呼吸熱量を評価することができることが報告されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
Jedermann Reiner, Praeger Ulrike, Geyer Martin and Lang Walter 2014 Remote quality monitoring in the banana chain. Phil. Trans. R. Soc. A 372: 20130303
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、農作物を破壊することなしに農作物の品質を予測することが可能な、エチレンで追熟が可能な農作物の品質を管理する方法、並びにエチレンで追熟が可能な農作物の品質を管理するための品質管理システム及び保管システムを提供することを目的とする。また、本発明は、農作物を破壊することなしに、エチレンで追熟が可能な農作物の品質の予測に使用可能な物質の決定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
生鮮品から排出される揮発性化合物(Volatile Organic Compounds:VOCs)は、呼吸を示す代謝活動の産物である。作物は流通過程において、温度、酸素濃度、相対湿度など、揮発性成分の放出に影響を与えるストレス条件がダイナミックに変化する。そのため、VOCsマーカーは特定の保存状態のシグナルとして機能する可能性がある。そこで、本発明者らは、メタボロミクスプラットフォームと多変量解析予測モデルとを組み合わせることで、1)低温・低酸素条件下での熟成、2)褐変斑点の発生、3)菌感染や過熟による品質劣化に相関するVOCsマーカーを特定することができることを見出した。
【0009】
このように、本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、エチレンで追熟が可能な農作物が放出する揮発性成分を分析することで、農作物の品質を(農作物を壊さずに)非破壊的に予測することができるという知見を得た。アミノ酸、油脂、ビタミンなどは代謝が進むと二次代謝産物であるVOCsとなる。本発明者らは、エチレンで追熟が可能な農作物が放出する揮発性成分の中から、農作物の状態を示すマーカー揮発性成分を発見した。また、これらの成分を用いることで農作物の状態の把握及び管理が効率的に進むことを確認した。この分析に質量分析計などを用いることにより、リアルタイムでの農作物の状態の把握が可能となる。
【0010】
本発明は、これら知見に基づき、更に検討を重ねて完成されたものであり、次のエチレンで追熟が可能な農作物の品質を管理する方法、エチレンで追熟が可能な農作物の品質を管理するための品質管理システム及び保管システム、並びに農作物を破壊することなしに、エチレンで追熟が可能な農作物の品質の予測に使用可能な物質の決定方法を提供するものである。
(【0011】以降は省略されています)
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