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公開番号2025080336
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-26
出願番号2023193426
出願日2023-11-14
発明の名称基板再生方法及びSiC基板の再生方法
出願人株式会社ジェイテックコーポレーション,国立大学法人大阪大学
代理人
主分類H01L 21/3065 20060101AFI20250519BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】基板上にガリウム化合物層が積層された半導体デバイス製造用ウエハの基板再生方法において、ダメージ層が導入される機械的なブラスト処理や研削、研磨をすることなく、ガリウム化合物層をプラズマエッチングにより除去して基板を再生する基板再生方法及びSiC基板の再生方法を提供する。
【解決手段】基板101上に単層又は複数層のガリウム化合物層102,103が積層された半導体デバイス製造用ウエハ100の基板再生方法であって、キャリアガスと水素ガスからなるエッチングガス、あるいは更に金属ガリウムを酸化する作用のある酸化性ガスを添加したプロセスガスに基づくプラズマを発生させ、ガリウム化合物層が単層の場合は全部を、ガリウム化合物層が複数層の場合は全部又は上層部を、プラズマエッチングにより除去する工程、基板表面に付着した付着物を除去する洗浄工程、を有する。
【選択図】 図15


特許請求の範囲【請求項1】
単結晶SiC基板又は単結晶Si基板の上にエピタキシャルSiC層が形成された基板(SiC/Si基板)の上に、単層又は複数層のガリウム化合物層が積層された半導体デバイス製造用ウエハにおけるSiC基板の再生方法であって、
キャリアガスと水素ガスからなるエッチングガスに基づくプラズマを発生させ、前記ガリウム化合物層の全部をプラズマエッチングにより除去し、前記SiC基板又はSiC/Si基板のみを残す工程、
前記SiC基板又はSiC/Si基板表面に付着した付着物を除去する洗浄工程、
を有するSiC基板の再生方法。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記ガリウム化合物層は、最上層にエピタキシャルGaN層を有するとともに、前記基板と前記GaN層の間に、格子定数を整合させるためのAl

Ga
(1-x)
N(0≦x≦1)又はIn

Ga
(1-y)
N(0≦y≦1)からなるバッファ層を有している、
請求項1記載のSiC基板の再生方法。
【請求項3】
前記バッファ層を構成する元素をモニター元素とし、プラズマエッチング中に遊離状態のモニター元素の存在を分光分析器によって検出し、
前記モニター元素を前記分光分析器が検出した後、検出されなくなった時点あるいは検出されなくなった時点から所定時間後にプラズマをOFFにする、
請求項2記載のSiC基板の再生方法。
【請求項4】
単結晶SiC基板又は単結晶Si基板の上にエピタキシャルSiC層が形成された基板(SiC/Si基板)の上に、Al

Ga
(1-x)
N(0≦x≦1)又はIn

Ga
(1-y)
N(0≦y≦1)からなるバッファ層を介してエピタキシャルGaN層が形成された半導体デバイス製造用ウエハを用意する工程、
キャリアガスと水素ガスからなるエッチングガスに、金属ガリウムを酸化する作用のある酸化性ガスを添加したプロセスガスに基づくプラズマを発生させ、前記GaN層及びバッファ層をプラズマエッチングにより除去する工程、
プラズマエッチング中に遊離状態のAl又はInを分光分析器によって検出し、該Al又はInを分光分析器が検出した後、検出されなくなった時点でプラズマをOFFにする工程、
前記SiC基板又はSiC/Si基板表面に付着した付着物を除去する洗浄工程、
を有するSiC基板の再生方法。
【請求項5】
前記酸化性ガスが、酸素ガス又は水蒸気若しくは酸素ガス及び水蒸気を含む、
請求項4記載のSiC基板の再生方法。
【請求項6】
プラズマ生成領域がGaN層の面積よりも小さい局所プラズマエッチングであり、ラスタースキャンによってウエハ全面をプラズマエッチングにより除去する工程において、ラスタースキャンの全経路においてAl又はInを分光分析器で検出しなくなった時点でプラズマをOFFにする、
請求項4又は5記載のSiC基板の再生方法。
【請求項7】
前記基板が露出する前に少なくとも前記酸化性ガスの供給を停止する、
請求項5記載のSiC基板の再生方法。
【請求項8】
基板上に、単層又は複数層のガリウム化合物層が積層された半導体デバイス製造用ウエハにおける基板再生方法であって、
キャリアガスと水素ガスからなるエッチングガスに、金属ガリウムを酸化する作用のある酸化性ガスを添加したプロセスガスに基づくプラズマを発生させ、前記ガリウム化合物層が単層の場合は全部を、前記ガリウム化合物層が複数層の場合は全部又は上層部を、プラズマエッチングにより除去する工程、
基板表面に付着した付着物を除去する洗浄工程、
を有する基板再生方法。
【請求項9】
前記酸化性ガスが、酸素ガス又は水蒸気若しくは酸素ガス及び水蒸気を含む、
請求項8記載の基板再生方法。
【請求項10】
前記基板は、単結晶SiC基板、単結晶Si基板の上にエピタキシャルSiC層が形成された基板(SiC/Si基板)、サファイア基板、単結晶Si基板の何れかである請求項8又は9記載の基板再生方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上にガリウム化合物層が形成された半導体デバイス製造用ウエハの基板再生方法及びSiC基板の再生方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
GaNは、高出力・高周波特性に優れたデバイスとなり、主に通信基地局や衛星用のデバイスとして用いられている。また、GaNは、発光ダイオード(LED)、レーザーダイオード(LD)、電力変換に使用されるパワーデバイス等の半導体材料として使用されている。現在の主流であるGaN on Si(今後、明細書では「GaN/Si」と表記する)ウエハを用いた場合、安価である一方でSiとGaNの格子定数のミスフィットからエピタキシャルGaN層の欠陥密度が高くなりやすく、良好なデバイス特性が得られない。一方でGaN on SiC(今後、明細書では「GaN/SiC」と表記する)ウエハの場合、SiC基板が高価である一方でGaNとSiCの格子定数が近く、欠陥の少ないエピタキシャルGaN層が得られるため、高性能なデバイスが得られる。
【0003】
GaN-HEMTでは、エピタキシャルGaN層の欠陥や転位がデバイス特性に大きく影響するため、GaN層を低欠陥密度で成膜する必要がある。そのため、GaN-HEMTに使用されるGaN/SiCウエハは、実際にはSiC基板の上に格子定数を漸近的に整合させるためのバッファ層を介してエピタキシャルGaN層が形成されている。ここで、バッファ層には、AlGaN等が使用される。
【0004】
GaN/SiCウエハを用いて半導体デバイスを量産する場合、量産に先立ってデバイス製造装置を最適化するための試作作業において大量の使用済みGaN/SiCウエハが発生する。また、量産工程でも歩留まりによって一定量の不良品が発生する。勿論、GaN/SiCウエハの製造過程や搬送過程においても不良品が発生する。これらの使用できないGaN/SiCウエハを再生すること、特にSiC基板を再生することは製造コスト低減化において重要である。
【0005】
GaN/SiCウエハの従来法による再生は以下の手順で行っている。(1)GaN層、バッファ層を除去するために研削、研磨する。この時、SiC基板も5~10μm程度削ってしまう。(2)ラップ研磨によって、荒れたSiC表面をRa0.2nm程度まで仕上げる。この際、機械的ダメージを除去するためにプラズマエッチングを組み合わせることもある。(3)SiC仕上げ研磨面にバッファ層を成膜する。(4)バッファ層上にエピタキシャルGaN層を成膜する。通常、(1)(2)までの工程がSiC基板の再生と称している。
【0006】
具体的には、特許文献1には、SiC基板やサファイア基板上にバッファ層を介してGaN等のIII族窒化物化合物半導体層が形成された半導体デバイス製造用ウエハの基板再生方法として、バッファ層を含めた積層半導体層をブラスト処理によって除去した後、約1400℃で熱処理し、更に研磨加工する方法が開示されている。また、特許文献2には、表面側に窒化物層が形成されたSiC基板の再生方法であって、酸性の研磨液を供給しながら研磨パッドを用いてSiC基板の表面側を研磨して、該窒化物層を除去する方法が開示され、ブラスト加工ほどの深いダメージは導入されないとする。しかし、何れの方法もブラスト処理や研磨工程等の機械的加工を経るので、基板に機械的なダメージ層が大なり小なり導入されて結晶構造に乱れが生じる。そのため、ダメージ層を除去するための追加工程が必要となり、必然的に工数が増え、またSiC基板の除去量も大きくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2011-086672号公報
特開2021-077757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、基板上にガリウム化合物層が積層された半導体デバイス製造用ウエハの基板再生方法において、ダメージ層が導入される機械的なブラスト処理や研削、研磨をすることなく、ガリウム化合物層をプラズマエッチングにより除去して基板を再生する基板再生方法及びSiC基板の再生方法を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前述の課題解決のために、以下に構成する基板再生方法及びSiC基板の再生方法を提供する。
【0010】
[構成1]
単結晶SiC基板又は単結晶Si基板の上にエピタキシャルSiC層が形成された基板(SiC/Si基板)の上に、単層又は複数層のガリウム化合物層が積層された半導体デバイス製造用ウエハにおけるSiC基板の再生方法であって、
キャリアガスと水素ガスからなるエッチングガスに基づくプラズマを発生させ、前記ガリウム化合物層の全部をプラズマエッチングにより除去し、前記SiC基板又はSiC/Si基板のみを残す工程、
前記SiC基板又はSiC/Si基板表面に付着した付着物を除去する洗浄工程、
を有するSiC基板の再生方法。
(【0011】以降は省略されています)

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