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公開番号2024096771
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-17
出願番号2024060389,2023009455
出願日2024-04-03,2023-01-25
発明の名称粉末及びその製造方法
出願人東ソー株式会社
代理人
主分類C04B 35/488 20060101AFI20240709BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】
ジルコニアを主成分とし、なおかつ、少なくとも遷移金属元素を含む粉末であって、仮焼体加工により適した機械的特性を有する仮焼体が得られる粉末、その製造方法、並びに、該粉末より得られる仮焼体、焼結体及びこれらの製造方法の少なくともいずれか、を提供する。
【解決手段】
安定化元素及び遷移金属元素を含み、遷移金属元素/ジルコニウムを0.005間隔でプロットした元素比の頻度分布において、遷移金属元素/ジルコニウムの最小値と最大値の差が0.25未満である、ジルコニアの粉末。
【選択図】 図4
特許請求の範囲【請求項1】
安定化元素及びジルコニアを着色しうる遷移金属元素を含み、ジルコニアを着色しうる遷移金属元素/ジルコニウムを0.005間隔でプロットした元素比の頻度分布において、ジルコニアを着色しうる遷移金属元素/ジルコニウムの最小値と最大値の差が0.25未満である、ジルコニアの粉末であり、該粉末3.0gを、直径25mmの金型に充填し、圧力49MPaで一軸加圧成形した後に、圧力196MPaでCIP処理して得られる円板状の成形体を、以下の条件で仮焼して仮焼体とした場合における、以下の式から求まる収縮率が4.0%未満である、粉末。
仮焼温度 :1000℃
仮焼時間 :1時間
昇温速度 :50℃/時
仮焼雰囲気:大気雰囲気
降温速度 :300℃/時
収縮率[%]={(25-仮焼体の直径)[mm]/25[mm]}×100
・・・(1)
続きを表示(約 840 文字)【請求項2】
前記頻度分布において、ジルコニアを着色しうる遷移金属元素/ジルコニウムが0.005未満の合計頻度が6.5%以下である、請求項1に記載の粉末。
【請求項3】
前記頻度分布におけるジルコニアを着色しうる遷移金属元素/ジルコニウムが0.05以上の合計頻度が2.5%以下である、請求項1又は2に記載の粉末。
【請求項4】
前記ジルコニアを着色しうる遷移金属元素が、チタン(Ti)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、ニオブ(Nb)、バナジウム(V)、モリブデン(Mo)、テクネチウム(Tc)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)及び銀(Ag)の群から選ばれる1以上である請求項1又は2に記載の粉末。
【請求項5】
前記安定化元素がイットリウム(Y)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、テルビウム(Tb)及びエルビウム(Er)の群から選ばれる1以上である請求項1又は2に記載の粉末。
【請求項6】
アルミナ(Al



)、シリカ(SiO

)及びゲルマニア(GeO

)の群から選ばれる1以上を含む、請求項1又は2に記載の粉末。
【請求項7】
BET比表面積が8m

/g以上15m

/g以下である、請求項1又は2に記載の粉末。
【請求項8】
軽装嵩密度が1.10g/cm

以上1.40g/cm

以下である、請求項1又は2に記載の粉末。
【請求項9】
顆粒粉末である、請求項1又は2に記載の粉末。
【請求項10】
請求項1又は2に記載の粉末を含む成形体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ジルコニアを主成分とする粉末及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
着色成分を含むジルコニア(ZrO

;二酸化ジルコニウム)の焼結体は、携帯電子機器部材、装飾部材、歯科補綴物など幅広い用途で適用されている。ジルコニアの焼結体は強度が高く加工が困難である。そのため、歯科用補綴物などの複雑な形状の焼結体を得る場合は、最初に、ジルコニア及び着色成分を含有する成形体(圧粉体)を焼結温度未満で熱処理することによって、加工に適した強度を有する状態のジルコニア、いわゆる仮焼体(半焼結体、予備焼結体)、を得る。次に、仮焼体をCAD/CAMを用いて所望の形状に切削加工した後、加工後の仮焼体を焼結することによって焼結体が作製される。
【0003】
ジルコニアの着色成分としては、ランタノイド系希土類元素や遷移金属元素が主に適用されている。安価でありながら所期の色調を呈する焼結体が得られやすいため、着色成分として遷移金属元素が広く使用されている。
【0004】
例えば、特許文献1では、歯科用補綴物に適した呈色を有する焼結体を得るため、着色成分として鉄やコバルトからなる遷移金属の化合物と、ジルコニアとを含む粉末を成形し、これを焼結することが検討されている。
【0005】
また、特許文献2では、歯科用補綴物に適した呈色を有する焼結体を得るため、鉄イオンを含む着色溶液に多孔質状の仮焼体を浸漬し、これを焼結することが検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
米国特許第9428422号明細書
欧州特許出願公開第3892254号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2に開示された方法は、表面から内部に着色成分が徐々に含浸する。そのため、着色成分の濃度は仮焼体の表面が高く、他方、内部が低くなり、着色成分は表面から内部にかけて傾斜した濃度で仮焼体に含まれる。その結果、得られる焼結体は表面と内部とで異なる色調となりやすい。さらに、一度加工してしまった仮焼体を再加工した場合、得られる焼結体の色調は、再加工前の色調と異なる色調として視認されうる。これに対し、特許文献1に開示された方法は、仮焼体の表面から内部にかけて、ほぼ均一に着色成分が含有された仮焼体及び焼結体を得ることができる。そのため、特許文献1の粉末から得られる仮焼体は仮焼体加工に適しており、また、特許文献2で得られる仮焼体と比較し、再加工前後の色調の変化が小さい。ところで、近年の加工技術の向上に伴い、微細な加工がなされるようになってきており、その結果、特許文献1の粉末から得られる仮焼体と比べ、より均質な加工特性を有する仮焼体が求められてきている。
【0008】
本開示は、ジルコニアを主成分とし、なおかつ、少なくとも遷移金属元素を含む粉末であって、仮焼体加工により適した機械的特性を有する仮焼体が得られる粉末、その製造方法、並びに、該粉末より得られる仮焼体、焼結体及びこれらの製造方法の少なくともいずれか、を提供することを目的とし、また、着色されたジルコニアであって、加工性に優れた仮焼体の原料に適した粉末、その製造方法の少なくともいずれかを提供すること、更には当該粉末から得られる仮焼体及び焼結体の少なくともいずれかを提供することを別の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示においては、ジルコニアを主成分とし、遷移金属元素を含む仮焼体の加工性について検討した。その結果、ジルコニアを主成分とし、遷移金属元素を含む仮焼体は、遷移金属元素を含まないジルコニアの仮焼体に比べて焼結収縮が促進されるだけでなく、焼結収縮が不均一に進行するため、加工性が低下していることに着目した。さらに、粉末における遷移金属元素の分散性と、得られる仮焼体の加工性との関係に着目し、粉末における遷移金属元素の分散性を制御することで、より加工性の高い仮焼体が得られること、さらにはこのような遷移金属元素の分散性を有する粉末、更には遷移金属元素の発色により着色されたジルコニアであって、加工性に優れた仮焼体の原料に適した粉末、及び、これらの粉末が得られる製造方法を見出した。
【0010】
すなわち、本発明は特許請求の範囲のとおりであり、また、本開示の要旨は以下のとおりである。
[1] 安定化元素及び遷移金属元素を含み、遷移金属元素/ジルコニウムを0.005間隔でプロットした元素比の頻度分布において、遷移金属元素/ジルコニウムの最小値と最大値の差が0.25未満である、ジルコニアの粉末。
[2] 前記遷移金属元素が、チタン(Ti)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、ニオブ(Nb)、バナジウム(V)、モリブデン(Mo)、テクネチウム(Tc)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)及び銀(Ag)の群から選ばれる1以上である上記[1]に記載の粉末。
[3] 前記安定化元素がイットリウム(Y)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、テルビウム(Tb)及びエルビウム(Er)の群から選ばれる1以上である上記[1]又は[2]に記載の粉末。
[4] アルミナ(Al



)、シリカ(SiO

)及びゲルマニア(GeO

)の群から選ばれる1以上を含む、上記[1]乃至[3]のいずれかひとつに記載の粉末。
[5] 前記頻度分布における遷移金属元素/ジルコニウムが0.05以上の合計頻度が2.5%以下である、上記[1]乃至[4]のいずれかひとつに記載の粉末。
[6] BET比表面積が8m

/g以上15m

/g以下である、上記[1]乃至[5]のいずれかひとつに記載の粉末。
[7] 軽装嵩密度が1.10g/cm

以上1.40g/cm

以下である、上記[1]乃至[6]のいずれかひとつに記載の粉末。
[8] 前記粉末3.0gを、直径25mmの金型に充填し、圧力49MPaで一軸加圧成形した後に、圧力196MPaでCIP処理して得られる円板状の成形体を、以下の条件で仮焼して仮焼体とした場合における、以下の式から求まる収縮率が4.0%未満である、上記[1]乃至[7]のいずれかひとつに記載の粉末。
仮焼温度 :1000℃
仮焼時間 :1時間
昇温速度 :50℃/時
仮焼雰囲気:大気雰囲気
降温速度 :300℃/時
収縮率[%]={(25-仮焼体の直径)[mm]/25[mm]}×100
・・・(1)
[9] 顆粒粉末である、上記[1]乃至[8]のいずれかひとつに記載の粉末。
(【0011】以降は省略されています)

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