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公開番号2024096239
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-12
出願番号2024072070,2019039937
出願日2024-04-26,2019-03-05
発明の名称導電層付き偏光フィルムおよびその製造方法
出願人日東電工株式会社
代理人個人,個人
主分類G02B 5/30 20060101AFI20240705BHJP(光学)
要約【課題】湿熱環境に曝された場合であっても、例えばタッチセンサの誤作動を生じないような安定した導電性を保持し得る導電層付き偏光フィルムを提供すること。
【解決手段】導電層付き偏光フィルムが提供される。この導電層付き偏光フィルムは、偏光フィルムと、偏光フィルムの第一面側および第二面側の少なくとも一方に配置された粘着剤層と、を備え、さらに導電層を備える。また、偏光フィルムは、次式(1)で表される湿熱導電性変化比FHTが2以下である。
FHT=ΔC(B)/ΔC(A)・・・・・(1)
(式(1)中、ΔC(B)は、湿熱試験後の導電層付き偏光フィルムを評価用タッチパネルに貼り付けたときに流れるタッチパネルの電流値とタッチパネルベース電流値との差分であり、ΔC(A)は、湿熱試験前の導電層付き偏光フィルムを評価用タッチパネルに貼り付けたときに流れるタッチパネルの電流値とタッチパネルベース電流値との差分である。)
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
偏光フィルムと、該偏光フィルムの第一面側および第二面側の少なくとも一方に配置された粘着剤層と、を備え、さらに導電層を備える導電層付き偏光フィルムであって、
前記偏光フィルムは、次式(1)で表される湿熱導電性変化比F
HT
が2以下である、導電層付き偏光フィルム。

HT
=ΔC(B)/ΔC(A)・・・・・(1)
(式(1)中、ΔC(B)は、温度85℃、相対湿度85%および24時間の条件で実施される湿熱試験後の導電層付き偏光フィルムを評価用タッチパネルに貼り付けたときに流れるタッチパネルの電流値とタッチパネルベース電流値との差分であり、ΔC(A)は、前記湿熱試験前の導電層付き偏光フィルムを評価用タッチパネルに貼り付けたときに流れるタッチパネルの電流値とタッチパネルベース電流値との差分である。)
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
偏光フィルムと、該偏光フィルムの第一面側および第二面側の少なくとも一方に配置された粘着剤層と、を備え、さらに導電層を備える導電層付き偏光フィルムであって、
前記導電層は、湿熱表面抵抗変化比S/Pが条件:0.05≦S/P≦10;を満足する、ここでSは、温度85℃、相対湿度85%および24時間の条件で実施される湿熱試験後における導電層の表面抵抗値[Ω/□]であり、Pは、前記湿熱試験前における導電層の表面抵抗値[Ω/□]である、導電層付き偏光フィルム。
【請求項3】
偏光フィルムと、該偏光フィルムの第一面側および第二面側の少なくとも一方に配置された粘着剤層と、を備え、さらに導電層を備える導電層付き偏光フィルムであって、
前記導電層は、導電性ポリマーと、沸点が180℃以上である高沸点化合物とを含む導電性組成物から形成されたものである、導電層付き偏光フィルム。
【請求項4】
前記導電層は、湿熱表面抵抗変化比S/Pが条件:0.05≦S/P≦10;を満足する、ここでSは、温度85℃、相対湿度85%および24時間の条件で実施される湿熱試験後における導電層の表面抵抗値[Ω/□]であり、Pは、前記湿熱試験前における導電層の表面抵抗値[Ω/□]である、請求項1または3に記載の導電層付き偏光フィルム。
【請求項5】
前記導電性組成物における前記高沸点化合物の含有量は0.1~10重量%である、請求項3に記載の導電層付き偏光フィルム。
【請求項6】
前記導電層は、導電性ポリマーとしてチオフェン系ポリマーを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の導電層付き偏光フィルム。
【請求項7】
前記導電層はバインダを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の導電層付き偏光フィルム。
【請求項8】
前記粘着剤層はアクリル系ポリマーを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の導電層付き偏光フィルム。
【請求項9】
前記アクリル系ポリマーは、モノマー単位としてアミド基含有モノマーを含む、請求項8に記載の導電層付き偏光フィルム。
【請求項10】
前記導電層は、前記偏光フィルムの少なくとも一方の面に設けられており、
前記粘着剤層は、前記導電層上に配置されている、請求項1~9のいずれか一項に記載の導電層付き偏光フィルム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、導電層付き偏光フィルムおよびその製造方法に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
偏光板とも称される偏光フィルムは、液晶表示装置や光学センサ等の構成要素として広く用いられている。例えば、液晶表示装置に用いられる偏光フィルムは、通常、粘着剤を介して液晶セル等の液晶パネル部品に接合されている。典型的な態様では、上記偏光フィルムは、液晶表示装置の製造工程において、その少なくとも一方の面に粘着剤層を有する形態で取り扱われる。そのような形態の偏光フィルムは、当該粘着剤層を保護する剥離ライナーを除去し、その露出した粘着面を被着体に貼り付けるだけで液晶パネルに配置され得るので、取扱い性、生産性の点で有利である。その一方で、上記のように剥離ライナーを除去する場合等には静電気が生じ得る。かかる静電気は、液晶セル内の液晶の配向に影響し、例えば液晶の表示ムラ(以下「静電気ムラ」ともいう。)の原因となる。そのため、粘着剤層を備える偏光フィルムには、帯電防止層を設けるなどの対策が講じられている。この種の従来技術を開示する先行技術文献として、特許文献1が挙げられる。なお、特許文献2は、各種電子機器の液晶駆動用の透明電極等に用いられ得る導電性樹脂組成物を開示しており、透明導電膜に導電性向上剤を含ませることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2017/057097号
特開2015-117367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような静電気対策について、単に導電性を高めるような手法は、装置構成によっては採用し難い。例えば、導電性の向上は、タッチセンシング機能内蔵液晶表示装置では、タッチセンサ感度に悪影響を及ぼし得る。タッチセンシング機能内蔵液晶表示装置で採用されている静電容量方式は、タッチパネルへの指の接触によって生じる静電容量の変化を検出し駆動する入力装置であるため、検出すべき静電容量の変化が、帯電防止層の存在に起因する電界の乱れで不安定化すると、タッチパネル感度の低下を引き起こす。そのため、タッチセンシング機能内蔵型に用いられる帯電防止層は、静電気ムラの発生防止とタッチセンサ感度とを両立し得る導電性を有するよう構成されている(特許文献1)。この導電性は、様々な環境で使用されても、その導電性を安定的に維持できることが、装置の耐久性や長寿命化の点から望ましい。しかし、本発明者らの検討の結果、従来の導電層付き偏光フィルムは、高温高湿度環境で使用すると表面抵抗値が減少し、タッチセンサの誤作動を生じるおそれがあることが明らかになった。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みて創出されたものであり、湿熱環境に曝された場合であっても、例えばタッチセンサの誤作動を生じないような安定した導電性を保持し得る導電層付き偏光フィルムを提供することを目的とする。本発明の他の目的は、導電層付き偏光フィルムの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書によると、導電層付き偏光フィルムが提供される。この導電層付き偏光フィルムは、該偏光フィルムの第一面側および第二面側の少なくとも一方に配置された粘着剤層と、を備え、さらに導電層を備える。また、いくつかの態様において、前記偏光フィルムは、次式(1)で表される湿熱導電性変化比F
HT
が2以下である。

HT
=ΔC(B)/ΔC(A)・・・・・(1)
(式(1)中、ΔC(B)は、温度85℃、相対湿度85%および24時間の条件で実施される湿熱試験後の導電層付き偏光フィルムを評価用タッチパネルに貼り付けたときに流れるタッチパネルの電流値とタッチパネルベース電流値との差分であり、ΔC(A)は、前記湿熱試験前の導電層付き偏光フィルムを評価用タッチパネルに貼り付けたときに流れるタッチパネルの電流値とタッチパネルベース電流値との差分である。)
【0007】
上記導電層付き偏光フィルムは、導電層を有することにより良好な導電性を示す。導電層を偏光フィルムとの積層体の形態とすることで、目標とする導電性を生産性よく被着体(典型的には液晶パネル)に付与することができ、また被着体(典型的には液晶パネル)に固定された後は、導電層は剥がれ難く、優れた耐久性を発揮し得る。また、導電層付き偏光フィルムは、その粘着剤層を貼り付けたタッチパネルの電流値差分から求められる湿熱試験前後の湿熱導電性変化比F
HT
が2以下であるので、湿熱環境に曝された場合であっても、安定した導電性を保持し得る。具体的には、上記導電層付き偏光フィルムを、例えばタッチセンシング機能内蔵液晶表示装置に用いた場合には、タッチセンサの誤作動を生じるような導電性の変化(より具体的には表面抵抗値の低下)を防止または抑制することができる。
【0008】
また、本明細書によると、異なる側面から、導電層付き偏光フィルムが提供される。この導電層付き偏光フィルムは、偏光フィルムと、該偏光フィルムの第一面側および第二面側の少なくとも一方に配置された粘着剤層と、を備え、さらに導電層を備える。また、いくつかの態様において、前記導電層は、湿熱表面抵抗変化比S/Pが条件:0.05≦S/P≦10;を満足する。ここでSは、温度85℃、相対湿度85%および24時間の条件で実施される湿熱試験後における導電層の表面抵抗値[Ω/□]であり、Pは、前記湿熱試験前における導電層の表面抵抗値[Ω/□]である。上記導電層付き偏光フィルムは、導電層を有することにより良好な導電性を示し、かつ耐久性よく被着体(典型的には液晶パネル)に固定され得る。また、導電層は、湿熱試験前後の表面抵抗変化比が特定の範囲内であるので、湿熱環境に曝された場合であっても、安定した導電性を保持し、耐久性(湿熱耐久性)に優れたものとなり得る。
【0009】
また、本明細書によると、異なる側面から、導電層付き偏光フィルムが提供される。この導電層付き偏光フィルムは、偏光フィルムと、該偏光フィルムの第一面側および第二面側の少なくとも一方に配置された粘着剤層と、を備え、さらに導電層を備える。いくつかの態様において、前記導電層は、導電性ポリマーと、沸点が180℃以上である高沸点化合物とを含む導電性組成物から形成されたものであり得る。上記導電層付き偏光フィルムは、導電層を有することにより良好な導電性を示し、かつ耐久性よく被着体(典型的には液晶パネル)に固定され得る。また、沸点が180℃以上の高沸点化合物を用いて形成した導電層によると、湿熱環境に曝された後の導電安定性(すなわち湿熱導電安定性)が向上するので、湿熱環境に曝された場合であっても安定した導電性を保持し得る。つまり、ここに開示される技術では、高沸点化合物は、導電性向上のために用いられるのではなく、タッチセンサが長期に亘って誤作動なく機能するような湿熱導電安定性のために用いられる。この点で、特許文献2における導電性向上剤を用いた導電性向上とは本質的に異なる。なお、ここに開示される技術では、目標とする導電性は、導電性ポリマーの種類、使用量等により調節可能である。
【0010】
ここに開示される技術(導電層付き偏光フィルム、液晶パネル、タッチセンシング機能内蔵型液晶パネル、インセル型液晶パネル、液晶表示装置およびそれらの製造方法を包含する。以下同じ。)のいくつかの態様では、前記導電層は、湿熱表面抵抗変化比S/Pが条件:0.05≦S/P≦10;を満足する。ここでSは、温度85℃、相対湿度85%および24時間の条件で実施される湿熱試験後における導電層の表面抵抗値[Ω/□]であり、Pは、前記湿熱試験前における導電層の表面抵抗値[Ω/□]である。上記導電層付き偏光フィルムが備える導電層は、湿熱試験前後の表面抵抗変化比が特定の範囲内であるため、改善した湿熱導電安定性を発揮し得る。
(【0011】以降は省略されています)

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