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公開番号2024147910
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-17
出願番号2023060647
出願日2023-04-04
発明の名称表面処理シートの製造方法
出願人日東電工株式会社
代理人弁理士法人藤本パートナーズ
主分類B05D 3/00 20060101AFI20241009BHJP(霧化または噴霧一般;液体または他の流動性材料の表面への適用一般)
要約【課題】 基材として用いるトリアセチルセルロースフィルムが、分子末端に芳香環を有するポリエステル成分を含有しても、表面部分の密着耐久性及び外観の両方が良好な表面処理シートを製造できる表面処理シートの製造方法を提供することを課題としている。
【解決手段】 少なくとも溶媒と増粘剤とを含む塗工液をトリアセチルセルロースフィルムに塗工する工程と、前記塗工液から前記溶媒を揮発させる工程と、を備え、前記トリアセチルセルロースフィルムは、分子末端に芳香環を有するポリエステル成分を含有し、前記溶媒は、少なくともトルエンと酢酸エチルとを含有し、前記溶媒における前記酢酸エチルの含有率が7質量%以上11質量%以下であり、前記溶媒を揮発させる工程では、最高温度が70℃以上100℃以下となる温度条件で前記溶媒を揮発させる、表面処理シートの製造方法を提供する。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも溶媒と増粘剤とを含む塗工液をトリアセチルセルロースフィルムに塗工する工程と、
前記塗工液から前記溶媒を揮発させる工程と、を備え、
前記トリアセチルセルロースフィルムは、分子末端に芳香環を有するポリエステル成分を含有し、
前記溶媒は、少なくともトルエンと酢酸エチルとを含有し、前記溶媒における前記酢酸エチルの含有率が7質量%以上11質量%以下であり、
前記溶媒を揮発させる工程では、最高温度が70℃以上100℃以下となる温度条件で前記溶媒を揮発させる、表面処理シートの製造方法。
続きを表示(約 240 文字)【請求項2】
前記トリアセチルセルロースフィルムにおける前記ポリエステル成分の含有率が10質量%以下である、請求項1に記載の表面処理シートの製造方法。
【請求項3】
前記塗工液は、前記増粘剤を0.3質量%以上3.0質量%以下含む、請求項1又は2に記載の表面処理シートの製造方法。
【請求項4】
前記塗工液は、平均粒子径が1μm以上5μm以下のポリスチレン粒子を1.0質量%以上10.0質量%以下含む、請求項1又は2に記載の表面処理シートの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば画像表示装置の部材として使用され得る表面処理シートの製造方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来、基材フィルムの一方の表面に対して表面処理を施して表面処理シートを製造する、表面処理シートの製造方法が知られている。この種の製造方法で得られた表面処理シートは、例えば、画像表示装置の部材として使用される。
【0003】
上記のごとき表面処理シートの製造方法としては、例えば、トリアセチルセルロースフィルム等の基材フィルムの一方の面に、特定の複数種の成分と溶媒とを含む塗工液を塗布する工程と、斯かる工程の後に溶媒を揮発させる工程と、を備える方法が知られている。
なお、基材フィルムとしてのトリアセチルセルロースフィルムは、製造されるときの歩留まりを向上させるため、製造コストを抑えるため、又は、製造中における地球環境への負荷を抑えるために、製造工程中のプロセスが変更されることで、改良されてきた。製造におけるプロセスの改良に伴い、トリアセチルセルロースフィルムとしては、副成分が含有される製品もある。
【0004】
具体的には、表面処理シートの製造方法としては、基材フィルムとしてのトリアセチルセルロースフィルムに、低屈折粒子とバインダーマトリックスと機能性化合物と特定の溶媒とを含む塗工液を塗工し、塗工液中の溶媒を揮発させ、その後、溶媒が揮発した後の塗膜を硬化させることにより、表面処理シートとしての反射防止フィルムを製造する方法が知られている(例えば、特許文献1)。
【0005】
特許文献1に記載の製造方法では、例えば、溶媒を揮発させるときに、まず20℃以上30℃以下に設定し、その後50℃以上150℃以下でさらに溶媒を揮発させる。特許文献1に記載された製造方法で得られた反射防止フィルムは、良好な硬度を有し得る。また、特許文献1に記載された製造方法によれば、塗工液の溶媒が基材フィルムの一部を溶解又は膨潤させるため、上記のバインダーマトリックス及び溶媒が基材フィルム側へ浸透して混合層を形成する。従って、1回の塗工によって、低屈折粒子を含有する低屈折層と、上記混合層が硬化したハードコート層とを有する複層構造が表面部分に形成された反射防止フィルムを製造できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2013-205644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、塗工液に含まれる粒子状成分の沈降をできるだけ抑制すべく、増粘剤の配合によって適度に増粘された塗工液を用いて表面処理フィルムを製造する場合がある。
【0008】
しかしながら、増粘剤と溶媒とを含む塗工液を、トリアセチルセルロースフィルムに単に塗工すると、増粘剤の凝集物が原因となって表面部分の外観が不良な表面処理フィルムが製造され得る。また、塗工液の溶媒によってトリアセチルセルロースフィルムの一部があまり溶解されず、混合層が十分に形成されない結果、表面部分の密着耐久性が悪くなって表面部分でハガレが生じやすくなり得る。このような方法で製造された表面処理フィルムは、製品としての信頼性が低下し得ることとなる。
【0009】
また、トリアセチルセルロースフィルムに含まれ得る上述したような副成分としては、例えば、特定のポリエステル成分があり、この種の特定のポリエステル成分によっても、トリアセチルセルロースフィルムの表面部分における密着耐久性が悪くなるという問題が生じ得る。
【0010】
上記のような問題を防ぐべく、表面部分の密着耐久性及び外観が良好となるように製造方法を設計することが考えられる。
しかしながら、上記のごとき特定のポリエステル成分を含有するトリアセチルセルロースフィルムを基材として用いつつ、表面部分の密着耐久性及び外観が良好な表面処理シートを製造できる表面処理シートの製造方法については、未だ十分に検討されているとはいえない。
(【0011】以降は省略されています)

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