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公開番号2024094577
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-10
出願番号2022211208
出願日2022-12-28
発明の名称使用済高吸水性樹脂の再生方法および使用済高吸水性樹脂の再生システム
出願人住友重機械エンバイロメント株式会社,トータルケア・システム株式会社,株式会社日本触媒
代理人弁理士法人雄渾
主分類B01J 20/30 20060101AFI20240703BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】本発明の課題は、使用済の体液吸収性物品の構成成分のうち、特に高吸水性樹脂を資源として有効に再利用することが可能となる使用済高吸水性樹脂の再生方法および再生システムを提供することである。
【解決手段】上記課題を解決するために、使用済の体液吸収性物品を、各構成成分に分離する分離工程と、分離工程で分離された高吸水性樹脂の吸水性能を回復させる再生処理工程とを備え、分離工程は、多価金属塩の添加による高吸水性樹脂の脱水工程を含み、再生処理工程は、洗浄工程、酸反応工程、濃縮工程、中和工程、乾燥工程の順に行うことを特徴とする使用済高吸水性樹脂の再生方法および再生システムを提供する。
この発明によれば、使用済高吸水性樹脂の吸水性能を十分に回復させ、再生品(製品)としての有効活用(再製品化)が可能となる。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
使用済の体液吸収性物品を、パルプ、高吸水性樹脂、プラスチックに分離する分離工程と、
前記分離工程で分離された高吸水性樹脂の吸水性能を回復させる再生処理工程とを備え、
前記分離工程は、多価金属塩の添加による高吸水性樹脂の脱水工程を含み、
前記再生処理工程は、
分離された高吸水性樹脂の洗浄を行う洗浄工程と、
前記洗浄工程後の高吸水性樹脂に強酸を添加する酸反応工程と、
前記酸反応工程後の高吸水性樹脂を濃縮する濃縮工程と、
前記濃縮工程後の高吸水性樹脂を中和する中和工程と、
前記中和工程後の高吸水性樹脂を乾燥させる乾燥工程を備えることを特徴とする、使用済高吸水性樹脂の再生方法。
続きを表示(約 990 文字)【請求項2】
前記酸反応工程および/又は前記濃縮工程で排出される排水を、前記分離工程に送水する第1送水工程を更に備えることを特徴とする、請求項1に記載の使用済高吸水性樹脂の再生方法。
【請求項3】
前記分離工程で分離されたパルプの洗浄・脱水を含むパルプ処理工程、および/又は、プラスチックの洗浄・脱水を含むプラスチック処理工程と、
前記パルプ処理工程および/又は前記プラスチック処理工程で排出される排水を工程内で利用する第2送水工程と、を更に備え、
前記第2送水工程は、前記分離工程および前記洗浄工程のうち、いずれか1つ以上に送水を行うことを特徴とする、請求項1又は2に記載の使用済高吸水性樹脂の再生方法。
【請求項4】
使用済の体液吸収性物品を、パルプ、高吸水性樹脂、プラスチックに分離する分離手段と、
前記分離手段で分離された高吸水性樹脂の吸水性能を回復させる再生処理手段とを備え、
前記分離手段は、多価金属塩の添加による高吸水性樹脂の脱水手段を含み、
前記再生処理手段は、
分離された高吸水性樹脂の洗浄を行う洗浄部と、
前記洗浄部の後段で高吸水性樹脂に強酸を添加する酸反応部と、
前記酸反応部の後段で高吸水性樹脂を濃縮する濃縮部と、
前記濃縮部の後段で高吸水性樹脂を中和する中和部と、
前記中和部の後段で高吸水性樹脂を乾燥させる乾燥部と、を備えることを特徴とする、使用済高吸水性樹脂の再生システム。
【請求項5】
前記酸反応部および/又は前記濃縮部で排出される排水を、前記分離手段に送水する第1送水手段を更に備えることを特徴とする、請求項4に記載の使用済高吸水性樹脂の再生システム。
【請求項6】
前記分離手段で分離されたパルプの洗浄・脱水を含むパルプ処理手段、および/又は、プラスチックの洗浄・脱水を含むプラスチック処理手段と、
前記パルプ処理手段および/又は前記プラスチック処理手段で排出される排水を工程内で利用する第2送水手段と、を更に備え、
前記第2送水手段は、前記分離手段および前記洗浄部のうち、いずれか1つ以上に送水を行うことを特徴とする、請求項4又は5に記載の使用済高吸水性樹脂の再生システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、使用済高吸水性樹脂の再生方法および使用済高吸水性樹脂の再生システムに関するものである。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
紙おむつ、生理用ナプキン、失禁パッドのように、体液を吸収させることを目的とした物品(以下、「体液吸収性物品」と呼ぶ)は、主にパルプ、高吸水性樹脂(以下、「SAP」とも呼ぶ)、プラスチックから構成されており、幅広く利用されている。特に、高齢者社会を迎える中、一般家庭、病院や福祉施設において、紙おむつの使用量は年々増加している。
そして、大量に排出される使用済の体液吸収性物品の処分については、廃棄物として主に焼却処理が行われている。
【0003】
しかし、水分を多く含む使用済の体液吸収性物品を焼却処理するには、高温処理や焼却設備の大型化が必要となり、炉の劣化を促進するなど、焼却設備への負荷が大きいという問題がある。また、資源の有効活用という観点からも、焼却処理によらず、使用済の体液吸収性物品から構成成分を分離回収し、再利用することが求められている。
【0004】
例えば、特許文献1には、使用済の体液吸収性物品(使用済紙おむつ)の処理として、使用済紙おむつの破砕、洗浄、分離を行い、紙おむつを構成するパルプ、高吸水性樹脂(吸水ポリマー)、不織布、ビニール(プラスチック)等を別々に分離回収する使用済紙おむつの使用材料の再生処理方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2000-84533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された体液吸収性物品(使用済紙おむつ)の使用材料の再生処理は、主にパルプを分離回収するものであって、使用済の体液吸収性物品の構成成分を有効に再利用するという点では課題がある。また、特に高吸水性樹脂においては、単に使用済の体液吸収性物品から分離回収するだけでは、高吸水性樹脂が本来有する吸水性能が低下している状態にあるため、吸水性能を回復させるための適切な処理、すなわち使用済高吸水性樹脂の再生に係る処理を行う必要がある。
【0007】
本発明の課題は、使用済の体液吸収性物品の構成成分のうち、特に高吸水性樹脂を資源として有効に再利用することが可能となる使用済高吸水性樹脂の再生方法および使用済高吸水性樹脂の再生システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記の課題について鋭意検討した結果、使用済の体液吸収性物品から高吸水性樹脂を分離し、所定の順序で高吸水性樹脂の吸水性能を回復させるための各処理を行うことで、使用済高吸水性樹脂の再生処理を効果的に進行させ、使用済の体液吸収性物品の構成成分について資源としての利用が可能となることを見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の使用済高吸水性樹脂の再生方法および使用済高吸水性樹脂の再生システムである。
【0009】
上記課題を解決するための本発明の使用済高吸水性樹脂の再生方法は、使用済の体液吸収性物品を、パルプ、高吸水性樹脂、プラスチックに分離する分離工程と、分離工程で分離された高吸水性樹脂の吸水性能を回復させる再生処理工程とを備え、分離工程は、多価金属塩の添加による高吸水性樹脂の脱水工程を含み、再生処理工程は、分離された高吸水性樹脂の洗浄を行う洗浄工程と、洗浄工程後の高吸水性樹脂に強酸を添加する酸反応工程と、酸反応工程後の高吸水性樹脂を濃縮する濃縮工程と、濃縮工程後の高吸水性樹脂を中和する中和工程と、中和工程後の高吸水性樹脂を乾燥させる乾燥工程を備えるという特徴を有する。
本発明の使用済高吸水性樹脂の再生方法は、使用済の体液吸収性物品から高吸水性樹脂を分離する分離工程と、分離された高吸水性樹脂の再生処理を行う再生処理工程とからなるものである。そして、使用済の体液吸収性物品から高吸水性樹脂を分離する際に、多価金属塩の添加による高吸水性樹脂の脱水処理を行うことで、高吸水性樹脂が吸収した体液をより確実に外部に放出させるとともに、高吸水性樹脂の分離回収効率を高めるものである。また、分離回収した高吸水性樹脂に対し、所定の順序で処理を行うことにより、高吸水性樹脂の吸水性能を十分に回復させ、再生品(製品)としての有効活用(再製品化)が可能となるものである。特に、大量に排出される体液吸収性物品(使用済紙おむつ等)から高吸水性樹脂の分離回収および再製品化を可能とすることで、新たな資源としての利用を促進することができる。
【0010】
また、本発明の使用済高吸水性樹脂の再生方法の一実施態様としては、酸反応工程および/又は濃縮工程で排出される排水を、分離工程に送水する第1送水工程を更に備えるという特徴を有する。
この特徴によれば、高吸水性樹脂の再生過程で発生する排水を再利用することで、高吸水性樹脂の再生に係る水使用量の削減を図ることが可能となる。また、酸反応工程および/又は濃縮工程で発生する排水には高吸水性樹脂から脱離した多価金属イオン成分が含まれることから、この排水を分離工程に送水することで、分離工程における脱水工程で使用する薬品使用量を低減させることも可能となる。すなわち、使用済高吸水性樹脂の再生に係るコストを削減することが可能となる。
(【0011】以降は省略されています)

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