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公開番号2024142982
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2023055415
出願日2023-03-30
発明の名称エネルギー回収装置
出願人株式会社電業社機械製作所
代理人個人
主分類B01D 61/06 20060101AFI20241003BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】 ピストンがディスタンスリングに吸着することを抑制し、スムーズに動作させることができるエネルギー回収装置を提供すること。
【解決手段】 膜分離装置に接続されるエネルギー回収装置であって、海水を供給する給水ポンプと、膜分離装置へ高圧海水を供給する高圧ポンプと、複数のシリンダ装置と、流路方向規制機構と、圧送工程と充填工程と行う制御機能を有した制御部とを備え、シリンダ装置が、他端側から濃縮海水が導入されると共に一端側から海水が導入されるシリンダ8と、シリンダ内で移動するピストン9とを備え、ピストンが、シリンダの端部側に設けられたピストン端面9aを備え、シリンダが、内部の端部に設けられたディスタンスリング10を備え、ディスタンスリングが、ピストン端面に対向する面に形成された圧力バランス溝10aと、内周面と圧力バランス溝とを接続して形成された圧力バランス流路孔10bとを有している。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
高圧海水を逆浸透膜で淡水と濃縮海水とに分離し前記淡水を淡水管に排出すると共に高圧の前記濃縮海水を濃縮水管に排出する膜分離装置に接続されるエネルギー回収装置であって、
海水を供給する給水ポンプと、
前記海水を加圧して前記膜分離装置へ前記高圧海水を供給する高圧ポンプと、
一端が前記給水ポンプに連通し、前記濃縮水管との連通と遮断とを行うと共に前記濃縮海水の排水路との連通と遮断とを行う流路切換機構を介してそれぞれ他端が前記濃縮水管と前記排水路とに接続された複数のシリンダ装置と、
複数の前記シリンダ装置の一端に接続され、前記海水を複数の前記シリンダ装置に交互に供給すると共に、複数の前記シリンダ装置から高圧で交互に押し出される前記海水を前記膜分離装置に送る流路方向規制機構と、
前記流路切換機構を制御して前記濃縮水管及び前記排水路に対する複数の前記シリンダ装置の接続を切り換え、高圧の前記濃縮海水を前記シリンダ装置に供給して内部の前記海水を高圧で押し出す圧送工程と、前記圧送工程後に前記給水ポンプからの前記海水を前記シリンダ装置に供給して内部の前記濃縮海水を排出しながら前記海水を充填させる充填工程と行う制御機能を有した制御部とを備え、
前記シリンダ装置が、前記濃縮水管と前記排水路とに他端が接続され他端側から前記濃縮海水が導入されると共に一端が前記給水ポンプに連通し一端側から前記海水が導入されるシリンダと、
前記シリンダ内で往復移動するピストンとを備え、
前記ピストンが、前記シリンダの端部側に向いたピストン端面を有し、
前記シリンダが、内部の端部に設けられ往復移動する前記ピストンが端部に達した際に当接するディスタンスリングを備え、
前記ディスタンスリングが、前記ピストン端面に対向する面に形成された圧力バランス溝と、
内周面と前記圧力バランス溝とを接続して形成された圧力バランス流路孔とを有していることを特徴とするエネルギー回収装置。
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
請求項1に記載のエネルギー回収装置において、
前記圧力バランス溝が、前記ディスタンスリングの軸線を中心にリング状に形成されていることを特徴とするエネルギー回収装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のエネルギー回収装置において、
前記圧力バランス流路孔が、前記ディスタンスリングの外周面にも接続され、
前記ディスタンスリングが、前記圧力バランス流路孔に接続され外周面に形成された圧力バランス凹部を有していることを特徴とするエネルギー回収装置。
【請求項4】
請求項3に記載のエネルギー回収装置において、
前記圧力バランス凹部が、周方向に延在したリング状に形成されていることを特徴とするエネルギー回収装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載のエネルギー回収装置において、
前記圧力バランス流路孔が、前記ディスタンスリングの内周面から外周面へ貫通していると共に、周方向に間隔を空けて前記ディスタンスリングの軸線を中心にした放射線状に複数形成されていることを特徴とするエネルギー回収装置。
【請求項6】
請求項1又は2に記載のエネルギー回収装置において、
前記シリンダが、装置停止時に内部の海水を外部に排出可能なドレン抜き流路孔と、
装置停止時に内部の空気を外部に排出可能な空気抜き流路孔とを有し、
前記圧力バランス流路孔が、前記ドレン抜き流路孔及び前記空気抜き流路孔にも接続されていることを特徴とするエネルギー回収装置。
【請求項7】
請求項1又は2に記載のエネルギー回収装置において、
前記ディスタンスリングが、樹脂で形成されていることを特徴とするエネルギー回収装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、海水の淡水化等に用いられる逆浸透膜法による水処理システムのエネルギー回収装置に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
海水から淡水を造水する方法の一つとして、逆浸透法が知られている。この逆浸透法は、海水に海水の浸透圧(約2.5MPa)以上の高い圧力を浸透圧の作用する方向と逆方向に加えて半透膜(逆浸透膜)でろ過し、塩類と淡水とを分離するものである。この逆浸透法において、淡水が分離されて塩類が濃縮された海水(濃縮海水)は、高い圧力エネルギーを保持したまま逆浸透膜モジュールから流出する。この流出する濃縮海水の有する高い圧力エネルギーを有効に利用するため、種々のエネルギー回収装置が実用化されている。
【0003】
従来、例えば特許文献1には、逆浸透法による海水淡水化システムにおける従来のエネルギー回収装置の一例が提案されている。この特許文献1では、一対のシリンダ装置のそれぞれの一端が、4つの逆止弁で構成された流路方向規制装置を介して取水ポンプおよび増圧ポンプに連通されている。また、シリンダ装置の他端は切替弁である流路切換装置の流出入ポートに連通される。また、流路切換装置の流入ポートは逆浸透膜モジュールの高圧な濃縮海水の流出口に連通される。さらに、流路切換装置の一端に流出ポートが設けられている。
【0004】
このエネルギー回収装置では、取水ポンプから送水される海水を高圧ポンプで加圧して逆浸透膜モジュールに供給すると共に、逆浸透膜モジュールから排出される高圧の濃縮海水をシリンダ装置に供給して高圧で海水を押し出すピストンを駆動し、シリンダ装置からも増圧ポンプを介して高圧海水を逆浸透膜モジュールに送っている。この逆浸透膜モジュールから排出される高圧の濃縮海水をシリンダ装置に供給して高圧で海水を押し出す(吐出する)ピストンを駆動する操作を圧送工程と称している。
また、圧送工程終了後、取水ポンプから流路方向規制装置を介してシリンダ装置に海水を供給し、圧送工程と逆方向にピストンを駆動することで濃縮海水を排出しながら海水を充填する操作を充填工程と称している。
このようにこのエネルギー回収装置では、シリンダ装置のピストンがシリンダの端部に達した際に流路切換装置によって逆浸透膜モジュールからの高圧濃縮海水を一対のシリンダ装置に交互に供給すると共に取水ポンプから一対のシリンダ装置に交互に海水を充填するように制御を行っている。
【0005】
これによって、2つのシリンダ装置で海水の圧送工程と充填工程とを繰り返し行って連続ろ過が可能となる。このように、逆浸透膜モジュールから排出される濃縮海水の高圧エネルギーを利用して2つのシリンダ装置から増圧ポンプに高圧海水を供給することで、それだけ増圧ポンプの消費エネルギーが削減され、圧送工程におけるエネルギーが回収できる。
このようなエネルギー回収装置では、シリンダ内の端部に、移動してきたピストンが当接する位置決め用のストッパーとして、ディスタンスリングが固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2013-86043号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来の技術において、以下の課題が残されている。
すなわち、上記従来の技術では、同じシリンダ装置において、切替弁が圧送工程の吐出開始位置(エネルギー回収工程開始位置:濃縮海水の圧力を充填済みの海水へ伝播を開始させる位置)に切り替わると、シリンダ端のフランジ及びディスタンスリング内側の圧力は高圧(5~8MPa)となるが、ピストンを隔てたシリンダ内の圧力は低圧である。さらに、ピストンが逆止弁側に向けて動作すると、ピストン外周とシリンダ内周との間の空間において圧力が伝播し、シリンダ内の圧力も高圧になる。このとき、ピストンがディスタンスリングに接触する際に接触面間の隙間で流速が上がり、接触面間の圧力が下がることにより、ピストンがディスタンスリングに吸着し、切替弁が吐出開始位置に切り替わってもスムーズに動作(逆止弁側に向けて移動)しないことがあった。
【0008】
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたもので、ピストンがディスタンスリングに吸着することを抑制し、スムーズに動作させることができるエネルギー回収装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、第1の発明に係るエネルギー回収装置は、高圧海水を逆浸透膜で淡水と濃縮海水とに分離し前記淡水を淡水管に排出すると共に高圧の前記濃縮海水を濃縮水管に排出する膜分離装置に接続されるエネルギー回収装置であって、海水を供給する給水ポンプと、前記海水を加圧して前記膜分離装置へ前記高圧海水を供給する高圧ポンプと、一端が前記給水ポンプに連通し、前記濃縮水管との連通と遮断とを行うと共に前記濃縮海水の排水路との連通と遮断とを行う流路切換機構を介してそれぞれ他端が前記濃縮水管と前記排水路とに接続された複数のシリンダ装置と、複数の前記シリンダ装置の一端に接続され、前記海水を複数の前記シリンダ装置に交互に供給すると共に、複数の前記シリンダ装置から高圧で交互に押し出される前記海水を前記膜分離装置に送る流路方向規制機構と、前記流路切換機構を制御して前記濃縮水管及び前記排水路に対する複数の前記シリンダ装置の接続を切り換え、高圧の前記濃縮海水を前記シリンダ装置に供給して内部の前記海水を高圧で押し出す圧送工程と、前記圧送工程後に前記給水ポンプからの前記海水を前記シリンダ装置に供給して内部の前記濃縮海水を排出しながら前記海水を充填させる充填工程と行う制御機能を有した制御部とを備え、前記シリンダ装置が、前記濃縮水管と前記排水路とに他端が接続され他端側から前記濃縮海水が導入されると共に一端が前記給水ポンプに連通し一端側から前記海水が導入されるシリンダと、前記シリンダ内で往復移動するピストンとを備え、前記ピストンが、前記シリンダの端部側に向いたピストン端面を有し、前記シリンダが、内部の端部に設けられ往復移動する前記ピストンが端部に達した際に当接するディスタンスリングを備え、前記ディスタンスリングが、前記ピストン端面に対向する面に形成された圧力バランス溝と、内周面と前記圧力バランス溝とを接続して形成された圧力バランス流路孔とを有していることを特徴とする。
【0010】
このエネルギー回収装置では、ディスタンスリングが、ピストン端面に対向する面に形成された圧力バランス溝と、内周面と圧力バランス溝とを接続して形成された圧力バランス流路孔とを有しているので、ピストン端面が当接した際の受圧面積を増大させることで、圧力伝播し易くなり、ピストン端面がディスタンスリングから離脱し易くなる。すなわち、圧力バランス溝により受圧面積を増やすと共に、圧力バランス溝と圧力バランス流路孔とを介して圧力をディスタンスリングの内周面から対向面(ピストン端面との接触面)まで伝播させ、高圧側と低圧側との圧力差を瞬時にバランスさせることができる。
圧力バランス溝と圧力バランス流路孔とは、ディスタンスリングとピストン端面との互いの接触面間とは別の流路を形成するため、ディスタンスリングとピストン端面との互いの接触面間の隙間の流速の上昇が緩和される。これにより、接触面間の圧力低下によるディスタンスリングとピストン端面との吸着を抑制して、ピストン端面をスムーズにディスタンスリングから離脱させることが可能になる。
(【0011】以降は省略されています)

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