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公開番号2024093401
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-09
出願番号2022209763
出願日2022-12-27
発明の名称レーザ電源装置
出願人住友重機械工業株式会社
代理人個人
主分類H02M 3/155 20060101AFI20240702BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】シマー放電時にレーザ発振器に供給される電力量のばらつきを抑制するとともに、スループットの低下を抑制することが可能なレーザ電源装置を提供する。
【解決手段】レーザ発振器に供給される電力がバンクコンデンサに蓄積される。充電電源がバンクコンデンサを充電することにより、電極間の電圧であるDCリンク電圧を上昇させる。制御装置が、バンクコンデンサからレーザ発振器に電力を供給してレーザ発振器を励振させるとともに、充電電源を動作させてバンクコンデンサを充電する励振充電制御を行う。さらに、バンクコンデンサからレーザ発振器に電力を供給してレーザ発振器にシマー放電を生じさせるとともに、充電電源を動作させてバンクコンデンサを充電するシマー充電制御を行う。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
レーザ発振器に供給される電力を蓄積するバンクコンデンサと、
前記バンクコンデンサを充電することにより、電極間の電圧であるDCリンク電圧を上昇させる充電電源と、
前記充電電源を制御する制御装置と
を備え、
前記制御装置は、
前記バンクコンデンサから前記レーザ発振器に電力を供給して前記レーザ発振器を励振させるとともに、前記充電電源を動作させて前記バンクコンデンサを充電する励振充電制御を行う機能と、
前記バンクコンデンサから前記レーザ発振器に電力を供給して前記レーザ発振器にシマー放電を生じさせるとともに、前記充電電源を動作させて前記バンクコンデンサを充電するシマー充電制御を行う機能と
を有するレーザ電源装置。
続きを表示(約 800 文字)【請求項2】
前記制御装置は、前記シマー充電制御を行う際に、1回の前記シマー放電によって前記バンクコンデンサから放電される電力量に相当する電力量が、前記バンクコンデンサに供給されるように、前記充電電源をフィードフォワード制御する請求項1に記載のレーザ電源装置。
【請求項3】
前記充電電源は、トランジスタのスイッチングにより昇圧動作を行うコンバータを含み、
前記制御装置は、前記シマー充電制御を行う際に、前記コンバータを1パルス駆動することにより前記バンクコンデンサを充電する請求項1または2に記載のレーザ電源装置。
【請求項4】
前記充電電源は、トランジスタのスイッチングにより昇圧動作を行うコンバータを含み、
前記制御装置は、前記シマー充電制御において、前記コンバータを1パルス駆動することにより前記バンクコンデンサを充電し、前記トランジスタのオン時間を変化させることにより、前記バンクコンデンサに充電する電力量を調整する請求項1に記載のレーザ電源装置。
【請求項5】
前記制御装置は、前記シマー放電を生じさせる前の前記DCリンク電圧の測定値を取得し、取得した測定値に基づいて前記オン時間を変化させる請求項4に記載のレーザ電源装置。
【請求項6】
前記制御装置は、前記シマー充電制御において、前記オン時間が許容上限値を超えないように、前記オン時間を制限する機能を有する請求項4または5に記載のレーザ電源装置。
【請求項7】
前記充電電源は、シマー用充電電源と励振用充電電源とを含み、
前記制御装置は、前記シマー充電制御を行う際に前記シマー用充電電源を動作させ、前記励振充電制御を行う際に、前記励振用充電電源を動作させる請求項1、2、4、及び5のいずれか1項に記載のレーザ電源装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ電源装置に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
パルスレーザビームを用いて基板に穴あけ加工を行うレーザ加工機が公知である。このレーザ加工機では、充電電源がバンクコンデンサを充電し、バンクコンデンサから高周波電源に直流電力が供給され、高周波電源からレーザ発振器に高周波電力が供給される。高周波電源をパルス駆動することにより、レーザ発振器からパルスレーザビームが出力される。
【0003】
高周波電源をパルス駆動すると、バンクコンデンサの電極間の電圧が低下する。安定して穴あけ加工を行うために、レーザ発振器に供給する高周波電力を安定させる必要がある。高周波電力を安定させるために、バンクコンデンサの電極間の電圧の低下を回復させる必要がある。
【0004】
特許文献1に、高周波電源に印加されている直流電圧の低下を回復させる電源装置が開示されている。この電源装置は、バンクコンデンサと、バンクコンデンサに充電電力を供給する昇降圧コンバータとを含む。高周波電源をパルス駆動すると、バンクコンデンサからの放電電力が高周波電源に供給される。高周波電源の動作に同期して、充電電源の昇降圧コンバータをワンパルス駆動してバンクコンデンサを充電する。昇降圧コンバータのスイッチング素子のオン時間を調整することにより、バンクコンデンサの放電電力量に相当する電力量をバンクコンデンサに供給する。
【0005】
レーザ媒質ガスを放電させてパルスレーザビームを発生させるレーザ発振器において、パルスレーザビームを安定して出力させるために、高周波電源から放電電極に高周波短パルスを印加してシマー放電を生じさせる技術が公知である。シマー放電により、レーザ媒質ガスが励振前にイオン化されることにより、パルスレーザビームの出力が安定化される。シマー放電の時間は、放電開始からレーザビームが出力されるまでの時間に比べて十分短い。このため、シマー放電によってレーザビームが出力されることはない。シマー放電は、通常、一定の周波数で繰り返される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2019-126197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
シマー放電を生じさせるために高周波電源からレーザ発振器に高周波電力が供給される。このときバンクコンデンサからの放電により、その電極間の電圧(以下、DCリンク電圧という。)が低下する。DCリンク電圧が低下すると、シマー放電を生じさせるときにレーザ発振器に供給される電力量がばらついてしまう。また、レーザパルスを出力させる時点において、DCリンク電圧が許容下限値を下回っている場合は、レーザパルスを出力させる前に、DCリンク電圧を回復させるための充電を行う必要がある。このため、レーザパルスの出力までの待ち時間が生じてしまい、スループットが低下してしまう。
【0008】
本発明の目的は、シマー放電時にレーザ発振器に供給される電力量のばらつきを抑制するとともに、スループットの低下を抑制することが可能なレーザ電源装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一観点によると、
レーザ発振器に供給される電力を蓄積するバンクコンデンサと、
前記バンクコンデンサを充電することにより、電極間の電圧であるDCリンク電圧を上昇させる充電電源と、
前記充電電源を制御する制御装置と
を備え、
前記制御装置は、
前記バンクコンデンサから前記レーザ発振器に電力を供給して前記レーザ発振器を励振させるとともに、前記充電電源を動作させて前記バンクコンデンサを充電する励振充電制御を行う機能と、
前記バンクコンデンサから前記レーザ発振器に電力を供給して前記レーザ発振器にシマー放電を生じさせるとともに、前記充電電源を動作させて前記バンクコンデンサを充電するシマー充電制御を行う機能と
を有するレーザ電源装置が提供される。
【発明の効果】
【0010】
シマー放電を生じさせるとともにシマー充電制御を行うため、シマー放電ごとに、DCリンク電圧の低下が回復する。このため、シマー放電時にレーザ発振器に供給される電力量のばらつきが抑制される。さらに、励振指令受信時にDCリンク電圧を回復させるための待ち時間が無くなり、スループットの低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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