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公開番号2024090451
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-04
出願番号2022206372
出願日2022-12-23
発明の名称ブリーディング制御方法、ソイルセメントの設計方法、埋戻し部の築造方法、埋戻し材の二酸化炭素排出量削減方法
出願人清水建設株式会社
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類E02D 5/18 20060101AFI20240627BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】ソイルセメントのブリーディングを容易に制御することができるブリーディング制御方法、ソイルセメントの設計方法、埋戻し部の築造方法、埋戻し材の二酸化炭素排出量削減方法を提供する。
【解決手段】セメントと、水と、土質材料とを含有するソイルセメントのブリーディングを制御する方法であって、ソイルセメントに粉末状のバイオ炭を添加してブリーディングを制御するようにする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
セメントと、水と、土質材料とを含有するソイルセメントのブリーディングを制御する方法であって、
ソイルセメントに粉末状のバイオ炭を添加してブリーディングを制御することを特徴とするブリーディング制御方法。
続きを表示(約 670 文字)【請求項2】
セメントと、水と、土質材料とを含有するソイルセメントのブリーディングを設計する方法であって、
予め取得されたソイルセメントのブリーディング率の変化率とバイオ炭の添加量の関係に、目標とするソイルセメントのブリーディング率の変化率を当てはめることで、ブリーディング率の変化率に応じたバイオ炭の添加量を求めるステップと、求めた添加量に基づいて、ソイルセメントに対するバイオ炭の添加量を設定することでブリーディングを設計するステップとを有することを特徴とするソイルセメントの設計方法。
【請求項3】
予め取得されたソイルセメントのフロー値およびバイオ炭の吸水率の経時変化に基づいて、ソイルセメントに対するバイオ炭の添加量を設定することでブリーディングを設計することを特徴とする請求項2に記載のソイルセメントの設計方法。
【請求項4】
地盤に埋戻し部を築造する方法であって、
請求項2または3に記載のソイルセメントの設計方法により設定された添加量のバイオ炭をソイルセメントに添加して埋戻し材を作製し、作製した埋戻し材を用いて埋戻し部を築造することを特徴とする埋戻し部の築造方法。
【請求項5】
埋戻し材からの二酸化炭素の排出量を削減する方法であって、
埋戻し材を作製する際に、請求項2または3に記載のソイルセメントの設計方法により設定された添加量のバイオ炭をソイルセメントに添加して埋戻し材を作製することを特徴とする埋戻し材の二酸化炭素排出量削減方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、既存杭を撤去した後の杭孔の埋戻し材などに使用されるソイルセメントのブリーディング制御方法、ソイルセメントの設計方法、埋戻し部の築造方法、埋戻し材の二酸化炭素排出量削減方法に関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、ソイルセメントは、土、セメントおよび水で構成され、地盤材料とコンクリート材料の中間的な材料として、地盤改良工事や埋戻し工事などに利用される。例えば、既存杭撤去・埋戻し工事では、新設構造物と近接あるいは重なる既存構造物の一部を予め撤去し、その撤去領域(以下、埋戻し部という。)の埋戻し材にソイルセメントである流動化処理土や貧配合セメントミルクを用いる(例えば、特許文献1を参照)。ただし、貧配合セメントミルクは、水、セメントおよびベントナイトで構成されるが、撤去孔に削孔時の泥土水が堆積しているため、結果的にソイルセメントになる。
【0003】
ソイルセメントの水セメント比は、コンクリート材料と比較して高いため、流動化処理土にはブリーディングと呼ばれる材料分離が生じやすくなる。材料分離とは、構成材料の密度の違いに起因して、構成材料が分離・沈降することである。流動化処理土のブリーディング率の目標値は、東京都建設局基準配合に基づいて、一般的に1%未満に設定することが多い。しかし、既存杭撤去・埋戻し工事の撤去対象が長尺になると、埋戻し部も深度方向に長くなり、埋戻し部の物性に対するブリーディングの影響が顕著になる(例えば、非特許文献1、2を参照)。
【0004】
図5は、埋戻し部の原位置強度の深度分布を示した事例である(非特許文献2を参照)。埋戻し部は深度方向に55m、埋戻し材はブリーディング率の目標値を1%未満とした流動化処理土である。この事例では、原位置から採取した埋戻し部のコア試験体の強度は、材齢に依らず、G.L.0m~-20mの範囲で設計基準強度200kN/m
2
を満足していない。これは、埋戻し材の凝結、硬化過程において、ブリーディング水が発生したことに起因する。埋戻し部の原位置強度が設計基準強度を満足しない場合、新設杭施工時に孔曲がりや孔壁崩壊、杭芯ずれ等の不具合を生じる可能性が高く、新設杭の設計に用いる地盤物性値の見直しが求められる。これらを回避するためには、埋戻し部を再掘削し、再施工する方法があるが、工期圧迫および施工費、材料費の増加に繋がるという問題がある。
【0005】
このため、深度方向に品質の安定した埋戻し部を築造するには、埋戻し材の材料分離抵抗性を向上させ、ブリーディングを抑制する必要がある。ブリーディングを抑制する従来の方法としては、例えば、(1)原土の細粒分含有率を調整し、材料分離抵抗性の向上を図る方法(例えば、特許文献2を参照)、(2)流動化処理土の単位セメント量を増加する(あるいは水セメント比を減少する)方法、(3)減水剤や分離抵抗剤などの混和剤を添加する方法(例えば、特許文献3、4を参照)が知られている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
「既存杭撤去後の掘削孔に埋戻された流動化処理土の品質調査」、崎浜博史、堀井宏謙、八重樫光、2014年度日本建築学会大会学術講演梗概集、pp.435-436、2014
「既存杭・地中障害物撤去後の埋戻し部の物性調査 その1:流動化処理土による埋戻し」、栗本悠平、浅香美治、2021年度日本建築学会大会学術講演梗概集、pp.555-556、2021
【特許文献】
【0007】
特開2021-169749号公報
特願2021-113726号(現時点で未公開)
特開2015-178762号公報
特開2006-143913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記の(1)の方法では、流動化処理土の原土が建設発生土を主体とするため、製造プラントでの細粒分含有率の調整に手間と費用を要するという問題がある。また、細粒分含有率の調整のためにベントナイトを利用することが考えられるが、フロー低下を生じやすいことから、フロー保持性が求められる流動化処理土には不適である。(2)の方法では、埋戻し材の流動性が低下することによって、打設が困難となるおそれがある。(3)の方法では、混和剤は一般に高額であるため、工事費用が上昇するおそれがあり、埋戻し体積の総量によっては適用が難しい。
【0009】
このような問題を解決するため、本発明者は、流動化処理土の流動性を保持しながらブリーディングを容易に抑制可能な方法について検討した。その結果、バイオ炭の添加がブリーディング水の抑制に効果的なことを見出し、以下の本発明に至った。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ソイルセメントのブリーディングを容易に制御することができるブリーディング制御方法、ソイルセメントの設計方法、埋戻し部の築造方法、埋戻し材の二酸化炭素排出量削減方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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