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公開番号2024090007
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-04
出願番号2022205622
出願日2022-12-22
発明の名称リチウム金属複合酸化物、リチウム二次電池用正極活物質、リチウム二次電池用正極及びリチウム二次電池
出願人住友化学株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C01G 53/00 20060101AFI20240627BHJP(無機化学)
要約【課題】Li二次電池の初回放電容量及びサイクル特性を向上させることができるLi金属複合酸化物、Li二次電池用正極活物質、Li二次電池用正極及びLi二次電池の提供。
【解決手段】層状構造を有し、(1)、(2)及び(3)を満たすリチウム金属複合酸化物。
(1)下記式(I)で表される。
Li[Lim(Ni(1-x-y)CoxMy)1-m]O2・・・式(I)
(式(I)中、MはMn、Fe、Cu、Ti、Mg、Ca、Al、Zn、Sn、Zr、B、Si、Nb、W、Ta、Ba、S及びPからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、式(I)は、-0.1≦m≦0.2、0≦x≦0.5、0<y≦0.7、及びx+y<1を満たす)
(2)リートベルト解析法によって求められる、層状岩塩型の結晶構造のLiサイトにおけるMe席占有率が2.0%以上、7.0%以下である。
(3)粉末X線回折測定における3つの特定ピークが特定の関係式を満たす。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
層状構造を有し、下記(1)、(2)、及び(3)を満たすリチウム金属複合酸化物。
(1)下記組成式(I)で表される。
Li[Li

(Ni
(1-x-y)
Co




1-m
]O

・・・組成式(I)
(組成式(I)中、MはMn、Fe、Cu、Ti、Mg、Ca、Al、Zn、Sn、Zr、B、Si、Nb、W、Ta、Ba、S及びPからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、組成式(I)は、-0.1≦m≦0.2、0≦x≦0.5、0<y≦0.7、及びx+y<1を満たす。)
(2)リートベルト解析法によって求められる、層状岩塩型の結晶構造のLiサイトにおけるMe席占有率が2.0%以上、7.0%以下である。
(3)0.45≦(I

+I

)/I

≦0.70
(I

は、CuKα線を使用した粉末X線回折測定において、2θ=35.5±1°の範囲内の回折ピークの積分強度であり、I

は、2θ=38.0±1°の範囲内の2つの回折ピークのうち、低角度側の回折ピークの積分強度であり、I

は、高角度側の回折ピークの積分強度である。)
続きを表示(約 730 文字)【請求項2】
前記組成式(I)は、0≦x≦0.1を満たす、請求項1に記載のリチウム金属複合酸化物。
【請求項3】
レーザー回折散乱法により測定される体積基準の累積粒度分布曲線から得られるD
50
が、3μm以上20μm以下である、請求項1又は2に記載のリチウム金属複合酸化物。
【請求項4】
下記(4)を満たす、請求項1又は2に記載のリチウム金属複合酸化物。
(4) 0.8≦I

/I

≦1.8
(I

は、CuKα線を使用した粉末X線回折測定において、2θ=18.5±1°の範囲内の回折ピークの積分強度であり、I

は、2θ=44.5±1°の範囲内の回折ピークの積分強度である。)
【請求項5】
前記粉末X線回折測定で得られる2θ=10°-90°の範囲のX線回折パターンをリートベルト解析して算出される平均結晶子サイズが80nm以上200nm以下である、請求項1又は2に記載のリチウム金属複合酸化物。
【請求項6】
BET比表面積が0.2m

/g以上2.0m

/g以下である、請求項1又は2に記載のリチウム金属複合酸化物。
【請求項7】
請求項1又は2に記載のリチウム金属複合酸化物を含有するリチウム二次電池用正極活物質。
【請求項8】
請求項7に記載のリチウム二次電池用正極活物質を含むリチウム二次電池用正極。
【請求項9】
請求項8に記載のリチウム二次電池用正極を含むリチウム二次電池。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウム金属複合酸化物、リチウム二次電池用正極活物質、リチウム二次電池用正極及びリチウム二次電池に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
リチウム二次電池用正極活物質として、リチウム金属複合酸化物が使用されている。リチウム二次電池の性能向上を目的として、例えばリチウム金属複合酸化物の結晶構造を制御する検討がされている。
【0003】
リチウム金属複合酸化物の製造段階、又はリチウム二次電池を充放電させた段階において、カチオンミキシングという現象が生じることが知られている。
【0004】
カチオンミキシングは、リチウム金属複合酸化物の結晶構造中において、リチウムイオンが存在すべきサイトに、ニッケルイオンが移行し、リチウムイオンがニッケルイオンに入れ替わる現象である。カチオンミキシングが生じると、リチウム二次電池の容量が喪失するため電池性能が劣化しやすい。
【0005】
このため、リチウム金属複合酸化物のカチオンミキシングの割合を小さくする検討がされている。
例えば特許文献1は、Li主体層のLi席占有率が95%以上である、層状構造の六方晶系リチウムニッケル複合酸化物を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2010-64944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
リチウム二次電池の応用分野が広がる中、初回放電容量、及びサイクル特性のさらなる向上が求められている。リチウム二次電池に用いられるリチウム金属複合酸化物には、初回放電容量、及びサイクル特性を向上させる観点から改良の余地がある。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、リチウム二次電池の初回放電容量、及びサイクル特性を向上させることができるリチウム金属複合酸化物、リチウム二次電池用正極活物質、リチウム二次電池用正極及びリチウム二次電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は以下の[1]~[9]を包含する。
[1]層状構造を有し、下記(1)、(2)及び(3)を満たすリチウム金属複合酸化物。
(1)下記組成式(I)で表される。
Li[Li

(Ni
(1-x-y)
Co




1-m
]O

・・・組成式(I)
(組成式(I)中、MはMn、Fe、Cu、Ti、Mg、Ca、Al、Zn、Sn、Zr、B、Si、Nb、W、Ta、Ba、S及びPからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、組成式(I)は、-0.1≦m≦0.2、0≦x≦0.5、0<y≦0.7、及びx+y<1を満たす。)
(2)リートベルト解析法によって求められる、層状岩塩型の結晶構造のLiサイトにおけるMe席占有率が2.0%以上、7.0%以下である。
(3)0.45≦(I

+I

)/I

≦0.70
(I

は、CuKα線を使用した粉末X線回折測定において、2θ=35.5±1°の範囲内の回折ピークの積分強度であり、I

は、2θ=38.0±1°の範囲内の2つの回折ピークのうち、低角度側の回折ピークの積分強度であり、I

は、高角度側の回折ピークの積分強度である。)
[2]前記組成式(I)は、0≦x≦0.1を満たす、[1]に記載のリチウム金属複合酸化物。
[3]レーザー回折散乱法により測定される体積基準の累積粒度分布曲線から得られるD
50
が、3μm以上20μm以下である[1]又は[2]に記載のリチウム金属複合酸化物。
[4]下記(4)を満たす、[1]~[3]のいずれか1つに記載のリチウム金属複合酸化物。
(4) 0.8≦I

/I

≦1.8
(I

は、CuKα線を使用した粉末X線回折測定において、2θ=18.5±1°の範囲内の回折ピークの積分強度であり、I

は、2θ=44.5±1°の範囲内の回折ピークの積分強度である。)
[5]前記粉末X線回折測定で得られる2θ=10°-90°の範囲のX線回折パターンをリートベルト解析して算出される平均結晶子サイズが80nm以上200nm以下である、[1]~[4]のいずれか1つに記載のリチウム金属複合酸化物。
[6]BET比表面積が0.2m

/g以上2.0m

/g以下である、[1]~[5]のいずれか1つに記載のリチウム金属複合酸化物。
[7][1]~[6]のいずれか1つに記載のリチウム金属複合酸化物を含有するリチウム二次電池用正極活物質。
[8][7]に記載のリチウム二次電池用正極活物質を含むリチウム二次電池用正極。
[9][8]に記載のリチウム二次電池用正極を含むリチウム二次電池。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、リチウム二次電池の初回放電容量、及びサイクル特性を向上させることができるリチウム金属複合酸化物、リチウム二次電池用正極活物質、リチウム二次電池用正極及びリチウム二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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