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公開番号2024133589
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-02
出願番号2024107806,2020102342
出願日2024-07-03,2020-06-12
発明の名称炭素材料分散体の製造方法および炭素材料分散体並びにこれに用いる装置
出願人リファインホールディングス株式会社
代理人個人
主分類C01B 32/00 20170101AFI20240925BHJP(無機化学)
要約【課題】 炭素材料中における金属成分を効率良くかつ確実に除去し、製品品質が極めて高く、安定した電気的特性を発揮し得る炭素材料分散体を製造する。
【解決手段】 炭素材料を分散媒中に分散させた炭素材料分散体であって、分散体中の炭素材料含有率が10~25質量%であり、かつ磁性金属成分が炭素材料に対して質量分率で1×10-7以下であり、また、分散媒が有機溶媒であることを特徴とする炭素材料分散体である。炭素材料Cが粉粒状の乾式状態において、当該炭素材料の粉粒体を回転する磁気ロール130表面上に適用し炭素材料より金属成分Mを除去する第1磁気選別工程と、さらに当該第1磁気選別工程において金属成分を除去した炭素材料を分散媒中へ分散させた炭素材料分散体Dを調製後に、当該炭素材料分散体中に磁石体310を配して当該炭素材料分散体中より金属成分を除去する第2磁気選別工程を有することを特徴とする炭素材料分散体の製造方法により得られる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
炭素材料を分散媒中に分散させた炭素材料分散体であって、分散体中の炭素材料含有率が10~25質量%であり、かつ磁性金属成分が炭素材料に対して質量分率で1×10
-7
以下であり、また、分散媒が有機溶媒であることを特徴とする炭素材料分散体。
続きを表示(約 230 文字)【請求項2】
炭素材料が粉粒状の乾式状態において、当該炭素材料の粉粒体を回転する磁気ロール表面上に適用し炭素材料より金属成分を除去する第1磁気選別工程と、さらに当該第1磁気選別工程において金属成分を除去した炭素材料を分散媒中へ分散させた炭素材料分散体を調製後に、当該炭素材料分散体中に磁石体を配して当該炭素材料分散体中より金属成分を除去する第2磁気選別工程を有する炭素材料分散体の製造方法により得られたものである請求項1に記載の炭素材料分散体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素材料分散体の製造方法および炭素材料分散体並びにこれに用いる装置に関する。詳しく述べると本発明は、カーボンブラック、黒鉛、カーボンナノチューブ等の炭素材料が分散媒中に分散された分散体を得るにおいて、不純物としての金属成分を効率良く除去し、特性に優れた炭素材料分散体を製造する技術に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、カーボンブラック、黒鉛、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンファイバー、及びフラ一レン等の炭素材料は、黒色顔料、黒色充填剤、遮光材料、導電材料等として、トナー、印刷インキ、インクジェットインキ、筆記具用インキ、塗料、ゴム組成物、プラスチック組成物、あるいは電池分野、半導体分野等における電極形成材料、導電層形成材料等の幅広い分野で使用されている。
【0003】
上記した炭素材料のうちカーボンブラックを例にとると、カーボンブラックには、(a)油やガスを高温ガス中で不完全燃焼させてカーボンブラックを得るファーネス法により得られるファーネスブラック、(b)天然ガスを燃焼させ、チャンネル鋼に析出させたものを掻き集めて得るチャンネル法により得られるチャンネルブラック、(c)アセチレンガスを熱分解してカーボンブラックを得るアセチレン法によるアセチレンブラック、(d)蓄熱した炉の中でガスの燃焼と分解を繰り返してカーボンブラックを製造するサーマル法によるサーマルブラックなどが知られている。これらのカーボンブラックの原料にはFe、Cuなどの金属成分が含まれている。これらの金属成分はカーボンブラックの製造工程で濃縮され、さらに冷却水や製造設備などからの金属成分の混入もあるため、カーボンブラックは種々の金属成分を含有するものとなる。
【0004】
そのため、例えば電池分野、半導体分野の如く金属成分の混入を極端に嫌う用途では、それらの金属成分を除去し炭素材料を高純度とすることが求められる。
【0005】
ところで、近年、高いリチウムイオン伝導性を有する固体電解質が開発されている。固体電解質を用いたリチウム二次電池では、有機電解液を用いたリチウム二次電池と比較して、固体電解質と金属リチウムの電荷移動抵抗が非常に小さいため、電池の内部抵抗を小さくすることができる。このような全固体電解質リチウム二次電池を製造する上で、炭素材料は、例えば、電極形成用の導電助剤として分散媒に分散させた炭素材料分散体の形態にて用いられる。全固体電解質リチウム二次電池用途においては、特に、金属成分の存在が電池特性に大きな影響を及ぼすため、できる限り金属成分を除去することが望まれる。
【0006】
なお、このような全固体電解質リチウムイオン二次電池に限られず、リチウムイオン二次電池の電極形成用の導電助剤である炭素材料中における金属異物の存在は、デンドライト状態のリチウム金属析出の発生要因であり、内部短絡の原因となるため、その除去はリチウムイオン二次電池全般に望まれることである。
【0007】
炭素材料分散体からの金属成分の除去方法としては、従来、例えば、特許文献1に示されるようにカーボンブラックの水性分散液を各種水溶性キレート剤と接触させ、カーボンブラックに含まれる金属成分を溶出させると共にキレート剤に捕捉して液相へ移行させた後、固液分離する方法(特許文献1)、カーボンブラック水性分散液と陽イオン交換樹脂とを接触させて金属を除去する工程を設ける方法(特許文献2)が提案されている。また、炭素物質を対象とするものではないが、非導電性粒子を含むスラリー中より磁性物質を除去する上で、当該スラリーの流束中にマグネットフィルター等の磁石を配して磁性物質を除去する方法(特許文献3)が提案されており、さらに、所定粒度のカーボン粒子、粒子状結着剤及び分散媒を含む二次電池用スラリー組成物の粘度を分散処理によって所定粘度とする分散工程、および前記分散工程により分散処理が行われた前記二次電池用スラリー組成物中の、Fe、NiおよびCrからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を含む粒子状金属成分を、ビッカース硬度が10GPa以上25GPa未満のマグネットカバーを有するマグネットにより除去する方法(特許文献4)が提案されている。
【0008】
しかしながら、特許文献1~4に示されるような従来知られる金属成分の除去方法では、いずれも十分な効果が得られるところまでには至っていない。
【0009】
さらに、特許文献1に示されるようにキレート剤を用いる化学的除去法では、添加したキレート剤をカーボンブラックから分離するような処理工程がさらに必要となって、処理が煩雑となり、製造コストがかかるものであった。また、キレート剤を添加できる分散系としては実質的に水系のみに限られ、水分の存在を嫌うような固体電解質リチウム二次電池用途の非水系分散体の処理としては不適であった。
【0010】
また特許文献2に示されるようなイオン交換樹脂を用いる場合でも、添加したイオン交換樹脂とカーボンブラックから分離するような処理工程がさらに必要となって、処理が煩雑となり、またイオン交換樹脂が粒子形状であるためその除去の際これに同伴して系外へ取り除かれてしまうカーボンブラックの量が多くなり、歩留まりが悪いものとなる虞れがあった。
(【0011】以降は省略されています)

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