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公開番号2024133477
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-02
出願番号2024091788,2020536142
出願日2024-06-05,2018-12-21
発明の名称合成フィロケイ酸塩を調製する方法
出願人イメルテック ソシエテ パル アクシオン サンプリフィエ,ユニヴェルシテ ポール サバティエ トゥールーズ トロワジエム,サントル ナショナル ドゥ ラ ルシェルシュ シアンティフィック
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C01B 33/20 20060101AFI20240925BHJP(無機化学)
要約【課題】合成フィロケイ酸塩を乾燥する方法および任意に官能化する方法を提供する。
【解決手段】合成フィロケイ酸塩を乾燥する方法は、反応容器中で、合成フィロケイ酸塩と、二酸化炭素と混和性の有機溶媒または二酸化炭素と混和性の非有機溶媒との混合物を用意するステップ、および混合物を二酸化炭素と組み合わせるステップを含み、合成タルク、合成葉ろう石、合成カオリナイト、合成蛇紋石、合成緑泥石、およびそれらのうち1つまたは複数の混合物から選択される乾燥合成フィロケイ酸塩が、400m2/g以上のBET表面積を有する、方法である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
合成フィロケイ酸塩を乾燥する方法であって、
反応容器中で、合成フィロケイ酸塩と、二酸化炭素と混和性の有機溶媒または二酸化炭素と混和性の非有機溶媒との混合物を用意するステップ、および
混合物を二酸化炭素と組み合わせるステップ
を含む、前記方法。
続きを表示(約 930 文字)【請求項2】
前記混合物を液体二酸化炭素と組み合わせるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
反応容器の温度および圧力を二酸化炭素の臨界点より高く調節して超臨界二酸化炭素を形成するステップをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
反応容器の温度および圧力を二酸化炭素の臨界点未満に調節して二酸化炭素ガスを形成するステップをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
合成フィロケイ酸塩と、二酸化炭素と混和性の有機溶媒または二酸化炭素と混和性の非有機溶媒との混合物を用意するステップが、
合成フィロケイ酸塩と水性溶媒との混合物を用意するステップ、および
二酸化炭素と混和性の有機溶媒または二酸化炭素と混和性の非有機溶媒と組み合わせて、合成フィロケイ酸塩と、二酸化炭素と混和性の有機溶媒または二酸化炭素と混和性の非有機溶媒との混合物を形成するステップを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
合成フィロケイ酸塩を作製するステップを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
合成フィロケイ酸塩と、二酸化炭素と混和性の有機溶媒または二酸化炭素と混和性の非有機溶媒との混合物を、液体二酸化炭素と組み合わせるステップの前に、合成フィロケイ酸塩と、二酸化炭素と混和性の有機溶媒または二酸化炭素と混和性の非有機溶媒との混合物に官能化剤を添加するステップを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
合成フィロケイ酸塩が、合成タルク、合成葉ろう石、合成雲母、合成スメクタイト、合成カオリナイト、合成蛇紋石、合成緑泥石、およびそれらのうち1つまたは複数の混合物から選択される、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
有機溶媒が、アルコール、例えばエタノールである、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
水性溶媒が水である、請求項5に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、合成フィロケイ酸塩を乾燥する方法および任意に官能化する方法、ならびに前記方法により得られた、および/または得ることができる、合成フィロケイ酸塩に関する。特に、本発明は、一般に、合成タルクなどの合成フィロケイ酸塩を乾燥するための、二酸化炭素、例えば超臨界二酸化炭素の使用であって、合成フィロケイ酸塩が乾燥前に官能化されてもよい、使用に関する。
続きを表示(約 4,300 文字)【背景技術】
【0002】
タルクなどの合成フィロケイ酸塩は、例えば、ゴム、熱可塑性プラスチック、製紙、塗料、医薬品、化粧品およびサニタリー製品などの様々な工業分野において幅広く使用されている。合成フィロケイ酸塩は、不活性充填材(例えば、他のより高価な充填材の必要量を削減するため)として、または機能性充填材(例えば、配合される組成物の機械特性を増強するため)として使用することができる。所望の特性を有する合成フィロケイ酸塩を提供するため、例えば、マトリックスへの合成フィロケイ酸塩の分散を改善するため、官能化剤により合成フィロケイ酸塩の表面をコーティングすることが望ましいことがある。したがって、様々な合成フィロケイ酸塩を調製するための、代替的および/または改善された方法を実現することが望ましい。
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様によれば、合成フィロケイ酸塩を乾燥する方法であって、
反応容器中で、合成フィロケイ酸塩と、二酸化炭素と混和性の有機溶媒または非有機溶媒との混合物を用意するステップ、および
混合物を二酸化炭素と組み合わせるステップ
を含む方法が提供される。
ある種の実施形態では、本方法は、混合物を液体二酸化炭素および/またはガス状二酸化炭素と組み合わせるステップを含む。ある種の実施形態では、本方法は、反応容器の温度および/または圧力を調節して、液体二酸化炭素を形成するステップをさらに含む。ある種の実施形態では、本方法は、反応容器の温度および圧力を二酸化炭素の臨界点より高く調節して超臨界二酸化炭素を形成するステップをさらに含む。
ある種の実施形態では、本方法は、混合物を超臨界二酸化炭素と組み合わせるステップを含む。
【0004】
次に、二酸化炭素は、合成フィロケイ酸塩と、二酸化炭素と混和性の有機溶媒または非有機溶媒との混合物と組み合わせた後に、容器から除去するおよび/または放出させることができる。二酸化炭素は、例えば、液体形態で除去され得る/放出され得る。代替的に、二酸化炭素は、ガス形態で除去され得る/放出され得る。例えば、本方法は、反応容器の温度および圧力を調節して二酸化炭素ガスを形成するステップを含んでもよく、次いでこの二酸化炭素ガスを除去する/放出させる。
ある種の実施形態では、本方法は、二酸化炭素の臨界点より高い反応容器の温度および圧力から、二酸化炭素の臨界点未満の温度および圧力まで調節して、液体二酸化炭素および/または二酸化炭素ガスを形成するステップをさらに含む。本方法は、容器から液体二酸化炭素および/または二酸化炭素ガスを除去するおよび/または放出させるステップをさらに含むことができる。ある種の実施形態では、温度および圧力を調節して、二酸化炭素ガスを形成する。次に、二酸化炭素ガスを反応容器から除去することができる/放出することができる。
ある種の実施形態では、本方法は、合成フィロケイ酸塩と水性溶媒との混合物を含む組成物を用意するステップ、および二酸化炭素と混和性の有機溶媒または非有機溶媒と組み合わせて、合成フィロケイ酸塩と、二酸化炭素と混和性の有機溶媒または非有機溶媒との混合物を形成するステップを含む。
【0005】
ある種の実施形態では、本方法は、反応容器に二酸化炭素ガスを導入するステップ、ならびに反応容器の温度および/または圧力を調節して、二酸化炭素ガスを液体二酸化炭素に変化させるステップを含む。ある種の実施形態では、本方法は、反応容器に液体二酸化炭素を導入するステップを含む。
したがって、二酸化炭素と混和性の有機溶媒または非有機溶媒と合成フィロケイ酸塩との混合物は、二酸化炭素ガスおよび/または液体二酸化炭素および/または超臨界二酸化炭素と直接、組み合わせることができる。
【0006】
ある種の実施形態では、本方法は、合成フィロケイ酸塩を作製するステップを含む。
ある種の実施形態では、本方法は、合成フィロケイ酸塩と、二酸化炭素と混和性の有機溶媒または非有機溶媒との混合物を、二酸化炭素と組み合わせるステップの前に、合成フィロケイ酸塩と、二酸化炭素と混和性の有機溶媒または非有機溶媒との混合物に官能化剤を添加するステップを含む。代替としてまたはさらに、官能化剤は、水性溶媒または二酸化炭素に添加されてもよい。
本発明の第2の態様によれば、その任意の実施形態を含む、本発明の第1の態様の方法により得た、および/または得ることができる、合成フィロケイ酸塩が提供される。
本発明の第3の態様によれば、合成フィロケイ酸塩が提供される。合成フィロケイ酸塩は、例えば、約400m
2
/g以上のBET表面積、約10以下のd
90
/d
10
、約600nm以下のd
50
、および/または約50以下の形状因子を有することができる。合成フィロケイ酸塩は、例えば、その任意の実施形態を含む、本発明の第2の態様によるものとすることができる。
【0007】
本発明の任意の態様のある種の実施形態は、以下の利点のうちの1つまたは複数を実現することができる:
・ 乾燥および/または官能化無機物を得るための工程数の削減
・ 単一容器中での完全な方法の実施
・ 乾燥のためにかかる時間の短縮
・ 乾燥により引き起こされる無機粒子への損傷の低減
・ 無機粒子の集塊(例えば、積層化)の低減
・ 無機粒子の表面積の増加
・ 様々な官能基を有する無機物の取得
・ 狭い粒子サイズ分布を有する無機粒子の取得(すなわち、より均一な粒子サイズを有する無機粒子の取得)
・ 様々な形態(例えば、ゲルまたは粉末)にある無機物の生成
・ 様々な媒体(例えば、油または水)中で再分散させることができる無機物の生成。
本発明の明記されている態様のうち1つまたは複数の任意の事項に関連して提供される詳細説明、実施例および選好は、本明細書にさらに記載されており、本発明のすべての態様に等しく当てはまる。で本明細書に記載されている実施形態、実施例および選好のそのすべての可能な変形形態での任意の組合せは、本明細書において特に示さない限り、または特に文脈により明確に矛盾しない限り、本発明により包含される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
実施例1に記載される方法の概略図である。
溶媒蒸発(1)による従来的な乾燥後、および実施例1(2)の方法による超臨界乾燥後の合成タルクのX線回折パターンを示す図である。
溶媒蒸発(1)による従来的な乾燥後、および実施例1(2)の方法による超臨界乾燥後の合成タルクの近赤外スペクトルを示す図である。
実施例1の方法による超臨界乾燥後の合成タルクの走査型電子顕微鏡(SEM)によって得られた顕微鏡写真である。
実施例1の方法による超臨界乾燥後の合成タルクのサイズ分布ヒストグラム分析を示す図である。
超臨界乾燥後のTEOSにより官能化された合成タルク(TS+TEOS)の固体状態
1
H、
29
Siおよび
13
C核磁気共鳴スペクトルを示す図である。
超臨界乾燥後の合成タルク(TS)、超臨界乾燥後にTEOSにより官能化した合成タルク(TS+TEOS)、およびTEOS(TEOS)の赤外スペクトルを示す図である。
超臨界乾燥後の合成タルク、ならびに超臨界乾燥およびTEOSによる官能化後の合成タルクの熱質量分析を示す図である。
超臨界乾燥後であるが官能化していない合成タルク、TEOSにより官能化して超臨界乾燥した後の合成タルク(実施例2)、およびBEMTにより官能化して超臨界乾燥した後の合成タルク(実施例3)のX線回折パターンを示す図である。
超臨界乾燥後の合成タルク(TS)、BEMTにより官能化した合成タルク(TS+BEMT)、およびBEMT(BEMT)の赤外スペクトルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
乾燥および任意に官能化する方法
本発明者らは、合成フィロケイ酸塩が、二酸化炭素、例えば液体二酸化炭素または超臨界二酸化炭素による処理を使用して乾燥することができることを驚くべきことに、および有利なことに見いだした。本方法は、有利なことに、溶媒蒸発、凍結乾燥または噴霧などの従来的な無機物の乾燥技法よりも迅速である。さらに、理論によって拘泥されることを望むものではないが、超臨界二酸化炭素処理を使用する乾燥は、表面張力によって引き起こされる毛細管圧および乾燥中の他の物理的制約をなくし、こうして、乾燥中の無機粒子への損傷が低減する、またはなくなると考えられる。
【0010】
したがって、二酸化炭素、例えば液体二酸化炭素および/または超臨界二酸化炭素を使用する、合成フィロケイ酸塩を乾燥する方法が本明細書において提供される。本方法は、合成フィロケイ酸塩を含む組成物中の二酸化炭素と混和性の有機溶媒または非有機溶媒を二酸化炭素により置き換えるステップを一般に含む。次に、温度および/または圧力を調節して、液体二酸化炭素を形成することができる。次に、代替としてまたはさらに、温度および圧力を二酸化炭素の臨界点より高く調節して、超臨界二酸化炭素を形成することができる。次に、二酸化炭素は、液体および/またはガスとして、除去され得るか、または放出され得る。次に、温度および/または圧力を二酸化炭素の臨界点未満に調節することができ、その結果、二酸化炭素は、液体および/またはガスとして、除去されまたは放出され得、こうして乾燥生成物が残り得る。特に、次に、温度および/または圧力を二酸化炭素の臨界点未満に調節することができ、その結果、二酸化炭素は、ガスとして除去され得るか、または放出され得る。
(【0011】以降は省略されています)

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