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公開番号2024089353
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-03
出願番号2022204662
出願日2022-12-21
発明の名称半導体装置の製造方法
出願人株式会社デンソー,トヨタ自動車株式会社,株式会社ミライズテクノロジーズ
代理人弁理士法人 快友国際特許事務所
主分類H01L 21/336 20060101AFI20240626BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】ドーパント濃度が均一なSiC層を形成し得る技術を提供すること。
【解決手段】半導体装置の製造方法は、チャンバ(90)内に、Cを含む第1原料ガス、Siを含む第2原料ガス、及び、ドーパントガスを供給することによって、チャンバ内に配置された半導体基板(28b)上にエピタキシャル成長によってn型のSiC層(28a)を形成する第1工程と、チャンバ内に、第1原料ガス、第2原料ガス、及び、ドーパントガスを供給することによって、エピタキシャル成長によってSiC層の厚みを増加させる第2工程と、を備える。第2工程では第1工程よりも、第1原料ガスと第2原料ガスの総流量が高く、第2工程では第1工程よりも、第1原料ガスの流量を第2原料ガスの流量で除算した値である炭素供給比が低い。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
半導体装置の製造方法であって、
チャンバ(90)内に、Cを含む第1原料ガス、Siを含む第2原料ガス、及び、ドーパントガスを供給することによって、前記チャンバ内に配置された半導体基板(28b)上にエピタキシャル成長によってn型のSiC層(28a)を形成する第1工程と、
前記チャンバ内に、前記第1原料ガス、前記第2原料ガス、及び、前記ドーパントガスを供給することによって、エピタキシャル成長によって前記SiC層の厚みを増加させる第2工程と、
を備え、
前記第2工程では前記第1工程よりも、前記第1原料ガスと前記第2原料ガスの総流量が高く、
前記第2工程では前記第1工程よりも、前記第1原料ガスの流量を前記第2原料ガスの流量で除算した値である炭素供給比が低い、製造方法。
続きを表示(約 380 文字)【請求項2】
半導体装置の製造方法であって、
チャンバ(90)内に、Cを含む第1原料ガス、Siを含む第2原料ガス、ドーパントガス、及び、Clを含むCl系ガスを供給することによって、前記チャンバ内に配置された半導体基板(28b)上にエピタキシャル成長によってn型のSiC層(28a)を形成する第1工程と、
前記チャンバ内に、前記第1原料ガス、前記第2原料ガス、前記ドーパントガス、及び、前記Cl系ガスを供給することによって、エピタキシャル成長によって前記SiC層の厚みを増加させる第2工程と、
を備え、
前記第2工程では前記第1工程よりも、前記第1原料ガスと前記第2原料ガスの総流量が高く、
前記第2工程では前記第1工程よりも、前記Cl系ガスの流量を前記第2原料ガスの流量で除算した値である塩素供給比が高い、製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、SiC層をエピタキシャル成長させる技術に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、SiC層をエピタキシャル成長させる技術が開示されている。この技術では、まず、SiC基板上に、第1成長速度でSiC層をエピタキシャル成長させる。次に、エピタキシャル成長により、第1成長速度よりも高い第2成長速度でSiC層の厚みを増加させる。工程条件が安定しない成長の初期では、低速の第1成長速度でSiC層を成長させることで、欠陥の発生を抑制する。また、工程条件が安定した後は、高速の第2成長速度でSiC層を成長させることで、効率的にSiC層を成長させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2013-239606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
Siを含む原料ガスはCを含む原料ガスよりも分解しやすい。このため、エピタキシャル成長中に、Siを含む原料ガスの分解がCを含む原料ガスの分解よりも早く進行する。したがって、チャンバ内に存在する分解済みのC原子と分解済みのSi原子の数の比率であるC/Si比(より詳細には、分解済みのC原子数を分解済みのSi原子数で除算した値)は、エピタキシャル成長の初期において低く、エピタキシャル成長中に上昇する。C/Si比が低いと成長するSiC層中にドーパントが取り込まれ易く、C/Si比が高いと成長するSiC層中にドーパントが取り込まれ難い。したがって、特許文献1の技術では、エピタキシャル成長の初期ではドーパント濃度が高いSiC層が成長し、その後、ドーパント濃度が低いSiC層が成長する。このように、特許文献1の技術では、SiC層中におけるドーパント濃度を均一化することが困難であった。本明細書では、ドーパント濃度が均一なSiC層を形成し得る技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書が開示する第1の製造方法は、第1工程と第2工程を有する。前記第1工程では、チャンバ(90)内に、Cを含む第1原料ガス、Siを含む第2原料ガス、及び、ドーパントガスを供給することによって、前記チャンバ内に配置された半導体基板(28b)上にエピタキシャル成長によってn型のSiC層(28a)を形成する。前記第2工程では、前記チャンバ内に、前記第1原料ガス、前記第2原料ガス、及び、前記ドーパントガスを供給することによって、エピタキシャル成長によって前記SiC層の厚みを増加させる。前記第2工程では前記第1工程よりも、前記第1原料ガスと前記第2原料ガスの総流量が高く、前記第2工程では前記第1工程よりも、前記第1原料ガスの流量を前記第2原料ガスの流量で除算した値である炭素供給比が低い。
【0006】
上記の構成によると、第2工程では第1工程よりも炭素供給比が低い。すなわち、エピタキシャル成長の初期である第1工程(すなわち、第1原料ガスが分解し難い第1工程)では炭素供給比が高い。また、その後の第2工程(すなわち、第1原料ガスが分解し易い第2工程)では炭素供給比が低い。このため、SiC層の成長中にC/Si比の上昇を抑制できる。したがって、ドーパント濃度が均一なSiC層を形成することができる。
【0007】
本明細書が開示する第2の製造方法は、第1工程と第2工程を有する。前記第1工程では、チャンバ(90)内に、Cを含む第1原料ガス、Siを含む第2原料ガス、ドーパントガス、及び、Clを含むCl系ガスを供給することによって、前記チャンバ内に配置された半導体基板(28b)上にエピタキシャル成長によってn型のSiC層(28a)を形成する。前記第2工程では、前記チャンバ内に、前記第1原料ガス、前記第2原料ガス、前記ドーパントガス、及び、前記Cl系ガスを供給することによって、エピタキシャル成長によって前記SiC層の厚みを増加させる。前記第2工程では前記第1工程よりも、前記第1原料ガスと前記第2原料ガスの総流量が高い。前記第2工程では前記第1工程よりも、前記Cl系ガスの流量を前記第2原料ガスの流量で除算した値である塩素供給比が高い。
【0008】
塩素(Cl)を含むCl系ガスをチャンバ内に供給すると、チャンバ内でシリコンの液滴が生成され難くなる。したがって、チャンバ内に供給されるCl系ガスの流量が増えると、チャンバ内に存在する分解済みのSi原子(すなわち、反応性のシリコン材料)が増加する。上記の構成によると、第2工程では第1工程よりも塩素供給比が高い。すなわち、エピタキシャル成長の初期である第1工程では塩素供給比が低い。また、その後の第2工程では塩素供給比が高い。したがって、塩素供給比が低い第1工程(すなわち、第1原料ガスが分解し難い第1工程)では、チャンバ内でシリコンの液滴が生成され易くなり、チャンバ内の反応性のシリコン材料が減少する。その後の塩素供給比が高い第2工程(すなわち、第1原料ガスが分解し易い第2工程)では、チャンバ内でのシリコンの液滴が生成され難くなり、チャンバ内の反応性のシリコン材料が増加する。このため、SiC層の成長中にC/Si比の上昇を抑制できる。したがって、ドーパント濃度が均一なSiC層を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施例1の半導体装置の断面図の模式的な図である。
実施例1の半導体装置の製造工程を説明するための図である。
エピタキシャル成長のための装置の概略図である。
実施例1の半導体装置の製造工程を説明するための図である。
比較例の製造方法における各ガスの供給タイミング及び供給量を示すグラフである。
比較例の製造方法で形成した第1ドリフト領域中の窒素濃度の分布を示すグラフである。
実施例1の製造方法における各ガスの供給タイミング及び供給量を示すグラフである。
実施例1の製造方法で形成した第1ドリフト領域中の窒素濃度の分布を示すグラフである。
実施例2の製造方法における各ガスの供給タイミング及び供給量を示すグラフである。
実施例3の製造方法における各ガスの供給タイミング及び供給量を示すグラフである。
実施例4の半導体装置の断面斜視図の模式的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施例1)
図1に示される本実施例の半導体装置10は、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)である。すなわち、半導体装置10はスイッチング素子である。半導体装置10は、半導体基板12を有している。半導体基板12は、炭化シリコン(SiC)によって構成されている。半導体基板12の上面12aには、ソース電極80が配置されている。半導体基板12の下面12bには、ドレイン電極84が配置されている。
(【0011】以降は省略されています)

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