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公開番号2024132315
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-30
出願番号2023043058
出願日2023-03-17
発明の名称ソレノイド駆動制御装置
出願人株式会社デンソー
代理人弁理士法人サトー
主分類H01F 7/18 20060101AFI20240920BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】ノイズ対策部品を追加したりソフトウェアの処理負荷を増大させることなく、ノイズの発生を抑制できるソレノイド駆動制御装置を提供する。
【解決手段】PWM信号生成部20は、車両に搭載されるバッテリ電源BATTより電磁弁を構成するリニアソレノイド1に通電を行うFET2に出力するPWM信号を生成する。シャント抵抗3及びアンプ9はソレノイド1に通電される実電流値を検出し、デューティ比設定部19はソレノイド1に通電される実電流値が目標電流値に追従するようにPWM信号のデューティ比を設定する。電流制御状態判定部13はソレノイド1に通電される電流の制御状態が定常状態又は過渡状態の何れであるかを判定し、電源変動検出部16は、バッテリ電源BATTの変動が閾値Xを超えたか否か判定する。ディザ付与部18は、過渡状態と判定され且つ電圧変動が閾値Xを超えたと判断されるとより小さい第2ディザ振幅βを付与し、過渡状態と判定され変動が閾値X以下であると判断されると第1ディザ振幅αを付与して制御する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
車両に搭載されるバッテリ電源より、電磁弁を構成するリニアソレノイド(1)に通電を行う駆動回路(2)に出力するPWM信号を生成するPWM信号生成部(20)と、
前記リニアソレノイドに通電される実電流値を検出する電流検出部(3,9)と、
前記リニアソレノイドに通電される実電流値が目標電流値に追従するように、前記PWM信号のデューティ比を設定するデューティ比設定部(19)と、
前記リニアソレノイドに通電される電流の制御状態が、定常状態又は過渡状態の何れであるかを判定する制御状態判定部(13)と、
前記バッテリ電源の変動が閾値を超えたか否か判定する電源監視部と、
前記目標電流値に、必要に応じて所定のディザ振幅及び前記PWM信号の搬送波周期よりも長いディザ周期で周期的に変化するディザ制御値を付与するディザ制御部(17、18)と、を備え、
前記ディザ制御部は、前記制御状態判定部が前記過渡状態と判定し、且つ前記電源監視部において前記変動が前記閾値を超えたと判断すると、予め設定した第1ディザ振幅よりも小さい第2ディザ振幅を付与し、
前記制御状態判定部が前記過渡状態と判定し、且つ前記電源監視部において前記変動が前記閾値以下であると判断すると、前記第1ディザ振幅を付与して制御するソレノイド駆動制御装置。
続きを表示(約 480 文字)【請求項2】
前記ディザ制御部は、前記制御状態判定部が前記定常状態と判定すると、前記ディザ制御値を付与しない請求項1記載のソレノイド駆動制御装置。
【請求項3】
前記電源監視部は、所定の時間区間毎に前記変動の最大値と最小値とを検出してピークトゥピーク値を算出し、当該ピークトゥピーク値を前記閾値と比較する請求項1記載のソレノイド駆動制御装置。
【請求項4】
前記電源監視部は、前記閾値を、搭載される車両について前記変動のピークトゥピーク値とノイズレベルとを測定した取得データに基づいて、ノイズ試験規格値を越えない、又は前記電流の制御について誤動作が発生しない値に設定する請求項3記載のソレノイド駆動制御装置
【請求項5】
前記電源監視部は、前記バッテリ電源の電圧の変動を前記閾値と比較する請求項1から4の何れか一項に記載のソレノイド駆動制御装置。
【請求項6】
前記電源監視部は、前記バッテリ電源の電流の変動を前記閾値と比較する請求項1から4の何れか一項に記載のソレノイド駆動制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、リニアソレノイドを駆動する装置に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
車両に搭載される自動変速機などの油圧回路に設けられ、油圧の制御を行う電磁弁;リニアソレノイドバルブを駆動する装置については、変速機が多段化することによって、駆動対象となるリニアソレノイドの数も増加する傾向にある。また、油圧の制御性、例えば油圧の応答性や、ATF;オートマチック・トランスミッション・フルードに含まれる鉄粉等への耐コンタミ性、つまり油圧回路の目詰まり抑制等を向上させるため、電流振幅の制御幅も増加している。図14、図15に示すように、これらに起因して、通電する電流量や通電電流の変動が増加することに伴い、バッテリ電圧・電流の変動も増加する。すると、ソレノイドを駆動することにより発生するノイズレベルが増加する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第6610240号公報
特許第6874518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の駆動装置においても、ノイズレベルを抑制する対策は行われているが、駆動周波数に応じたソレノイドノイズが低周波であるため、フィルタ回路や平滑化コンデンサを追加すると、比較的大きな容量が必要となるため部品体格が大きくなる。これにより、大幅なコストアップを招く。また、ソフトウェア的な対策として、複数のソレノイドを駆動するタイミングをずらす方法があるが、マイコンに対する割り込み処理の発生周期が高速化するため、ソフト処理負荷が大幅に増加してしまう、といった問題がある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ノイズ対策部品を追加したりソフトウェアの処理負荷を増大させることなく、ノイズの発生を抑制できるソレノイド駆動制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載のソレノイド駆動制御装置によれば、PWM信号生成部は、車両に搭載されるバッテリ電源より、電磁弁を構成するリニアソレノイドに通電を行う駆動回路に出力するPWM信号を生成する。電流検出部は、リニアソレノイドに通電される実電流値を検出し、デューティ比設定部は、リニアソレノイドに通電される実電流値が目標電流値に追従するようにPWM信号のデューティ比を設定する。制御状態判定部は、リニアソレノイドに通電される電流の制御状態が定常状態又は過渡状態の何れであるかを判定し、電源監視部は、バッテリ電源の変動が閾値を超えたか否か判定する。
【0007】
ディザ制御部は、制御状態判定部が過渡状態と判定し、且つ電源監視部において前記変動が閾値を超えたと判断すると、予め設定した第1ディザ振幅よりも小さい第2ディザ振幅を付与し、制御状態判定部が過渡状態と判定し、且つ前記変動が閾値以下であると判断すると第1ディザ振幅を付与して制御する。このように、電流制御の状態に応じて付与するディザ振幅の大きさを変化させることで、バッテリ電源の変動を低減できる。したがって、ノイズ対策部品を追加したりソフトウェアの処理負荷を増大させることなく、バッテリの電圧変動に起因するノイズレベルを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
第1実施形態であり、ソレノイド駆動制御装置の構成を示す図
第1実施形態であり、マイコン内部の機能ブロックを中心に示す図
ディザ振幅Adの設定処理を示すフローチャート
電流制御処理を示すフローチャート
電圧変動の閾値の設定例を示す図
指示電流の変化に応じた定常状態、過渡状態の定義を示す図
ディザ振幅Adを付与しない場合の電流波形を示す図
ディザ振幅Adを付与した場合の電流波形を示す図
ディザ振幅Adを付与しない場合の拡大した電流波形を示す図
ディザ振幅βを付与した場合の電流波形を示す図
ディザ振幅αを付与した場合の電流波形を示す図
第2実施形態であり、ソレノイド駆動制御装置の構成を示す図
第2実施形態であり、マイコン内部の機能ブロックを中心に示す図
電源変動に応じて発生するノイズレベルの一例を示す図(その1)
電源変動に応じて発生するノイズレベルの一例を示す図(その2)
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
図1に示すように、本実施形態のソレノイド駆動制御装置は、電磁弁を構成するリニアソレノイド1を駆動するため、バッテリ電源BATTとグランドとの間に接続される、NチャネルMOSFET2、リニアソレノイド1、シャント抵抗3及びNチャネルMOSFET4の直列回路を備えている。FET2は所謂駆動MOSであり、FET4は所謂カットMOSである。FET2のソースとFET4のドレインとの間には、還流ダイオード5が接続されている。
【0010】
駆動回路に相当するFET2及び4のスイッチング制御は、マイクロコンピュータ;マイコン6によって行われる。リニアソレノイド1に通電する際には、FET4が連続的にオン状態にされ、FET2がPWM信号によって断続的にオンされる。バッテリ電源BATTの電圧は、分圧抵抗31及び32によって例えば1/4程度に分圧される。分圧された電圧は、抵抗素子7及びコンデンサ8よりなるRCフィルタを介してマイコン6のA/D変換入力端子に入力されている。シャント抵抗3の両端は、アンプ9の各入力端子に接続されている。アンプ9の出力端子は、抵抗素子10及びコンデンサ11よりなるRCフィルタを介してマイコン6のA/D変換入力端子に接続されている。マイコン6は、バッテリ電源BATTの電圧と、シャント抵抗3の端子電圧とをそれぞれA/D変換してモニタする。シャント抵抗3及びアンプ9は電流検出部に相当する。
(【0011】以降は省略されています)

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