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公開番号2024086389
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-27
出願番号2022201492
出願日2022-12-16
発明の名称発着推定統合装置、発着推定統合方法、および発着推定統合システム
出願人株式会社日立製作所
代理人藤央弁理士法人
主分類G06Q 50/40 20240101AFI20240620BHJP(計算;計数)
要約【課題】MaaS契約条件を満たす実現可能な旅程を提示する。
【解決手段】MaaS契約者のMaaS契約情報を取得し、取得されたMaaS契約情報に基づいて旅程情報を作成し、作成された旅程情報に含まれるモーダルが運行する交通手段に関する運行計画と発着推定とを取得し、取得された運行計画と取得された発着推定とから当該交通手段に関する遅延情報を検出し、検出された遅延情報に基づいて、旅程情報における乗車区間接続不可を検出し、検出された乗車区間接続不可を解消するために打診する伝文を作成し、作成された伝文を旅程情報に含まれるモーダルに送信して、乗車区間接続を打診し、打診の結果に基づいて旅程情報を見直し、見直された旅程情報がMaaS契約情報を満足しているか否かを判定し、判定の結果、旅程情報がMaaS契約情報を満足している場合に旅程情報を更新し、更新された旅程情報を出力する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
複数のモーダルが運行する交通手段の発着推定を統合する発着推定統合装置であって、
演算処理を実行する演算部と、前記演算部がアクセス可能な記憶部とを備え、
前記演算部は、
MaaS契約者のMaaS契約情報を取得し、
前記取得されたMaaS契約情報に基づいて旅程情報を作成し、
前記作成された旅程情報に含まれる前記モーダルが運行する交通手段に関する運行計画と発着推定とを取得し、
前記取得された運行計画と前記取得された発着推定とから当該交通手段に関する遅延情報を検出し、
前記検出された遅延情報に基づいて、前記旅程情報における乗車区間接続不可を検出し、
前記検出された乗車区間接続不可を解消するために打診する伝文を作成し、
前記作成された伝文を前記旅程情報に含まれる前記モーダルに送信して、乗車区間接続を打診し、
前記打診の結果に基づいて前記旅程情報を見直し、
前記見直された旅程情報が前記MaaS契約情報を満足しているか否かを判定し、
前記判定の結果、前記旅程情報が前記MaaS契約情報を満足している場合に前記旅程情報を更新し、前記更新された旅程情報を出力する
ことを特徴とする発着推定統合装置。
続きを表示(約 2,300 文字)【請求項2】
請求項1に記載の発着推定統合装置であって、
前記打診は、前記旅程情報におけるMaaSの負担の軽減が大きい前記乗車区間から順に打診することを特徴とする発着推定統合装置。
【請求項3】
請求項1に記載の発着推定統合装置であって、
前記伝文は、運行時刻の変更を打診する対象のモーダルと、運行時刻が変更される乗降地と、当該乗降地における発着時刻の変更内容と、発着時刻が変更される交通手段を元の運行計画に復旧させる乗降地とを含むことを特徴とする発着推定統合装置。
【請求項4】
請求項1に記載の発着推定統合装置であって、
発着推定出力時刻と、当該発着推定の対象であるモーダルのモーダル特性値とから求められる発着推定信頼度が高い乗降地を起点とし、前記起点以外の乗降地について乗車区間接続不可を検出し、当該乗車区間接続不可の解消を打診することを特徴とする発着推定統合装置。
【請求項5】
請求項4に記載の発着推定統合装置であって、
前記伝文は、さらに、前記乗車区間接続不可が解消された場合の前記モーダルの増収額を含むことを特徴とする発着推定統合装置。
【請求項6】
請求項4に記載の発着推定統合装置であって、
前記モーダル特性値は、当該モーダルの設備に起因する静的要因および当該モーダルの環境に起因する動的要因の少なくとも一方から算出されることを特徴とする発着推定統合装置。
【請求項7】
請求項1に記載の発着推定統合装置であって、
前記乗車区間接続不可は、当該検出の対象となる接続について、接続後の交通手段の発時刻が、接続前の交通手段の着時刻に当該接続における交通手段の間の接続時間を加算した時刻より早い場合、及び、接続前の交通手段の着時刻が、接続後の交通手段の発時刻から当該接続における交通手段の間の接続時間を減算した時刻より遅い場合に検出されることを特徴とする発着推定統合装置。
【請求項8】
複数のエリアにおいて交通手段を提供する複数のモーダルの発着推定を統合するために、計算機が実行する発着推定統合方法であって、
前記計算機は、演算処理を実行する演算部と、前記演算部がアクセス可能な記憶部とを有し、
前記発着推定統合方法は、
前記演算部が、MaaS契約者のMaaS契約情報を取得するステップと、
前記演算部が、前記取得されたMaaS契約情報に基づいて旅程情報を作成するステップと、
前記演算部が、前記作成された旅程情報に含まれる前記モーダルが運行する交通手段に関する運行計画と発着推定とを取得するステップと、
前記演算部が、前記取得された運行計画と前記取得された発着推定とから当該交通手段に関する遅延情報を検出するステップと、
前記演算部が、前記検出された遅延情報に基づいて、前記旅程情報における乗車区間接続不可を検出するステップと、
前記演算部が、前記検出された乗車区間接続不可を解消するために打診する伝文を作成するステップと、
前記演算部が、前記作成された伝文を前記旅程情報に含まれる前記モーダルに送信して、乗車区間接続を打診するステップと、
前記演算部が、前記打診の結果に基づいて前記旅程情報を見直すステップと、
前記演算部が、前記見直された旅程情報が前記MaaS契約情報を満足しているか否かを判定するステップと、
前記演算部が、前記判定の結果、前記旅程情報が前記MaaS契約情報を満足している場合に前記旅程情報を更新し、前記更新された旅程情報を出力するステップとを含む
ことを特徴とする発着推定統合方法。
【請求項9】
複数のエリアにおける複数のモーダルの発着推定を統合する発着推定統合システムであって、
複数のモーダルが運行する交通手段の発着推定を統合する発着推定統合装置と、
前記モーダルで操作される端末と、
MaaS契約者が操作する端末と、を備え、
前記発着推定統合装置と、前記モーダルで操作される端末と、前記MaaS契約者が操作する端末とは、ネットワークを介して接続されており、
前記発着推定統合装置は、
演算処理を実行する演算部と、前記演算部がアクセス可能な記憶部とを有し、
前記演算部は、
MaaS契約者のMaaS契約情報を取得し、
前記取得されたMaaS契約情報に基づいて旅程情報を作成し、
前記作成された旅程情報に含まれる前記モーダルが運行する交通手段に関する運行計画と発着推定とを取得し、
前記取得された運行計画と前記取得された発着推定とから当該交通手段に関する遅延情報を検出し、
前記検出された遅延情報に基づいて、前記旅程情報における乗車区間接続不可を検出し、
前記検出された乗車区間接続不可を解消するために打診する伝文を作成し、
前記作成された伝文を前記旅程情報に含まれる前記モーダルに送信して、乗車区間接続を打診し、
前記打診の結果に基づいて前記旅程情報を見直し、
前記見直された旅程情報が前記MaaS契約情報を満足しているか否かを判定し、
前記判定の結果、前記旅程情報が前記MaaS契約情報を満足している場合に前記旅程情報を更新し、前記更新された旅程情報を出力する
ことを特徴とする発着推定統合システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のモーダルが独立・非同期に作成する発着推定情報を統合する発着推定統合装置および方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
一般に、移動は、出発地と目的地とのE2E(End to End)において人やモノの場所が変化することで実現される。その移動は、鉄道やバスなどスケジュールに従い移動を提供するモーダルを一つ以上組合せることにより実現される。
【0003】
持続可能な交通社会の将来像としてMaaS(Mobility as a Service) が注目を集めている。MaaSでは、交通手段をモノとして提供するのではなく、サービスとして提供する。現状、鉄道、バス、タクシーのような交通機関はそれぞれの交通事業者により運行されており、ユーザは目的地、あるいは交通状況に応じて、経路を選択し、必要に応じて交通機関を予約し、利用した交通機関の交通事業者に対して個別に費用を支払う。MaaS(Mobility as Service)は、個々の交通機関、すなわち個々のモーダルを統合し、E2Eの移動をひとつのサービスとして提供する取り組みである。MaaSを提供するMaaS事業者は、MaaSを利用する旅客および貨物(以降、これらを貨客と呼ぶ。)に、E2Eでの移動する権利を販売する。移動する権利とは、基本的に出発地にいる貨客が目的地に到着することを保証するものであり、その経路および交通手段は問わない。その上で、移動する権利は、サービス開始および終了の時刻、つまり出発地における出発時刻および目的地における到着時刻、ならびに交通手段の確保などの付帯条件が付与されることがある。
【0004】
本技術分野の背景技術として、特許文献1に開示された技術がある。特許文献1には、複数の交通事業者ごとに、交通事業者による交通手段のオペレーション履歴情報に基づき、そのオペレーションポリシーを推定するオペレーションポリシー推定部と、第1の交通事業者の交通手段を利用する第1の移動需要が、第1の交通事業者の交通手段の第1の輸送可能人数を超えると予測されるとき、第1の輸送可能人数を超過する第1の移動需要を吸収するよう、複数の交通事業者ごとに推定したオペレーションポリシーに基づき、複数の交通事業者の交通手段のオペレーションを調整し、調整した交通手段のオペレーションを交通事業者に提案する交通手段調整部と、を有するオペレーション連携装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2022-37515号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
MaaS事業者は、各モーダルの運行計画に基づき、それぞれのモーダルに貨客を割り当てる。MaaS事業者は、各モーダルから提供される乗降地の発着推定を任意の時点の最新断面で参照を可能とする。本発明では、構成要素となる単一モーダルによる移動計画を「乗車区間」、複数「乗車区間」の組合せによるE2Eの移動計画を「旅程」、乗換えや相互直通運転により連続する2つの乗車区間を「接続乗車区間」と呼ぶ。さらに、次に利用する乗車区間の発時刻が、ひとつ前の乗車区間の着時刻に2つの乗車区間の接続時間を加えた時刻よりも早いことを「乗車区間接続不可」、各モーダルにおいて、乗降地へ車両が出発する時刻または乗降地へ車両が到着する時刻を推定したものを「発着推定」と呼ぶ。
【0007】
MaaS事業者が各モーダルから取得した発着推定は、乗換地点や相互直通運転境界駅などの接続乗車区間で必ずしも整合しない。接続乗車区間が整合しない原因は、各モーダルが独立・非同期で推定しており、さらに遅延の波及方法や回復方法など遅延の取扱いが各モーダルで異なることに起因している。特許文献1では、回復ポリシー情報について、過去の運行実績から回復ポリシーを推定し作成されている。しかし、実運用では回復のパターンは、乗換えや相互直通運転といった要因が含まれる場合に複雑となり、回復ポリシーの推定は困難である。MaaS事業者は、乗車区間接続不可がある中で、E2Eで実現可能な旅程となっているか判定できない問題がある。
【0008】
本発明は、各モーダルの発着推定に乗車区間接続不可が含まれていても、MaaS契約条件を満たす実現可能な旅程を提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願において開示される発明の代表的な一例を示せば以下の通りである。すなわち、複数のモーダルが運行する交通手段の発着推定を統合する発着推定統合装置であって、演算処理を実行する演算部と、前記演算部がアクセス可能な記憶部とを備え、前記演算部は、前記演算部は、MaaS契約者のMaaS契約情報を取得し、前記取得されたMaaS契約情報に基づいて旅程情報を作成し、前記作成された旅程情報に含まれる前記モーダルが運行する交通手段に関する運行計画と発着推定とを取得し、前記取得された運行計画と前記取得された発着推定とから当該交通手段に関する遅延情報を検出し、前記検出された遅延情報に基づいて、前記旅程情報における乗車区間接続不可を検出し、前記検出された乗車区間接続不可を解消するために打診する伝文を作成し、前記作成された伝文を前記旅程情報に含まれる前記モーダルに送信して、乗車区間接続を打診し、前記打診の結果に基づいて前記旅程情報を見直し、前記見直された旅程情報が前記MaaS契約情報を満足しているか否かを判定し、前記判定の結果、前記旅程情報が前記MaaS契約情報を満足している場合に前記旅程情報を更新し、前記更新された旅程情報を出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、MaaS事業者が各モーダルから取得した発着推定の間に乗車区間接続不可があっても、多くの貨客に契約条件を満たす旅程を提供することが可能である。前述した以外の課題、構成および効果は、以下の発明を実施するための形態の説明によって明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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