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公開番号2024083707
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-24
出願番号2022197665
出願日2022-12-12
発明の名称軽量気泡コンクリートの分析方法及び軽量気泡コンクリートの劣化度評価方法
出願人住友金属鉱山シポレックス株式会社
代理人個人,個人
主分類G01N 23/20 20180101AFI20240617BHJP(測定;試験)
要約【課題】軽量気泡コンクリートについて、初期状態が既知でない場合においても、高い精度で迅速にALCの劣化度(炭酸化の進行度)を評価すること。
【解決手段】トバモライト含有率及び炭酸カルシウム含有率の組合せである現状実測値を得る現状実測値測定手順st1と、複数段階の炭酸化促進処理を施して、各段階毎の炭酸化促進処理後比較値を得る炭酸化促進処理後比較値測定手順st2と、トバモライト含有率と炭酸カルシウム含有率との相関を示す回帰式を得る回帰式規定手順st3と、回帰式から、トモバライト初期含有率を算出する初期状態推定手順st4と、を含んでなり、現状実測値測定手順st1及び炭酸化促進処理後比較値測定手順st2において、トバモライト含有率を、粉末X線回折によって得た回折パターンをパターンフィッティングによって解析する方法によって得る、軽量気泡コンクリートの分析方法による。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
軽量気泡コンクリートの初期状態におけるトバモライト含有率を算出する軽量気泡コンクリートの分析方法であって、
前記軽量気泡コンクリートの被検試料のトバモライト含有率及び炭酸カルシウム含有率の組合せである現状実測値を得る現状実測値測定手順と、
前記被検試料に複数段階の炭酸化促進処理を施して、各段階毎の前記被検試料のトバモライト含有率及び炭酸カルシウム含有率の組合せである炭酸化促進処理後比較値を得る炭酸化促進処理後比較値測定手順と、
前記現状実測値及び複数の前記炭酸化促進処理後比較値からトバモライト含有率と炭酸カルシウム含有率との相関を示す回帰式を得る回帰式規定手順と、
前記回帰式から、前記被検試料の炭酸化進行開始前の初期状態におけるトバモライト含有率を算出する初期状態推定手順と、を含んでなり、
前記現状実測値測定手順及び前記炭酸化促進処理後比較値測定手順において、前記被検試料の前記トバモライト含有率を、粉末X線回折によって得た回折パターンをパターンフィッティングによって解析する方法によって得る、
軽量気泡コンクリートの分析方法。
続きを表示(約 430 文字)【請求項2】
前記現状実測値測定手順及び前記炭酸化促進処理後比較値測定手順において、前記被検試料の前記トバモライト含有率及び前記炭酸カルシウム含有率の何れをも、粉末X線回折によって得た回折パターンをパターンフィッティングによって解析する方法によって得る、請求項1に記載の軽量気泡コンクリートの分析方法。
【請求項3】
前記パターンフィッティングをリートベルト解析法によって行う、
請求項1又は2に記載の軽量気泡コンクリートの分析方法。
【請求項4】
軽量気泡コンクリートの劣化度評価方法であって、
請求項1又は2に記載の軽量気泡コンクリートの分析方法によって得た、前記被検試料の炭酸化進行開始前の初期状態におけるトバモライト含有率に対する該被検試料のトバモライト含有率の比率であるトモバライト残存率を評価基準として、前記軽量気泡コンクリートの劣化度を評価する、
軽量気泡コンクリートの劣化度評価方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、軽量気泡コンクリートの分析方法及び軽量気泡コンクリートの劣化度評価方法に関する。詳しくは、本発明は、経年劣化が進行しているおそれのある軽量気泡コンクリートについて、初期状態におけるトバモライト含有率を算出する軽量気泡コンクリートの分析方法、及び、それを用いて行う軽量気泡コンクリートの劣化度評価方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
軽量で断熱性や耐火性、施工性に優れる建材として、建築物の壁等の建材として広く用いられている軽量気泡コンクリート(以下「ALC」とも言う)は、永年継続的に使用した場合に、強度低下や表面のヒビ割れ等の経年劣化が進行する。この経年劣化の主たる要因は、空気中の水分及び二酸化炭素と反応し、主要成分であるトバモライト(5CaO・6SiO

・5H

O)が、シリカゲル(SiO

・nH

O)と炭酸カルシウム(CaCO

)とに分解すること(一般的に、これをALCの「炭酸化」と称している)によるものであることが知られている。
【0003】
ここで、ALCの炭酸化の進行速度は施工環境により大きく異なる。そのため、軽量気泡コンクリートについての劣化度、即ち、炭酸化の進行度は、一概に施工後の年数から判断することができない。従って、経年劣化が進行しているおそれのあるALCについては、ALCの劣化度(炭酸化の進行度)について施工年数には依拠しない現状分析手段に基づく客観性のある評価が必要となる。
【0004】
ALCの劣化度(炭酸化の進行度)についての評価方法として、評価対象のALCについて、化学分析による定量測定で得た全カルシウム分の酸化カルシウム換算量に対する熱分析法による定量測定等で得た炭酸カルシウム分の酸化カルシウム換算量の比率を炭酸化度として評価する方法等が既に提案されている(特許文献1、2参照)。
【0005】
しかしながら、上記のALCの劣化度(炭酸化の進行度)についての評価方法は、何れも炭酸カルシウムを定量する方法であり、ALCの主成分であるトバモライトの減少量を直接定量する方法ではない。又、上記の各評価方法においては、炭酸化の進行により生成した炭酸カルシウムと、炭酸化が未進行の状態(出荷時の状態)において既に存在していた炭酸カルシウムとを識別することはできないため、出荷時のALCの状態(ALCの初期状態)が既知でない場合には、診断の精度が低下する可能性が高い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2000-193658号公報
特開2008-175647号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
より高い精度でALCの劣化度(炭酸化の進行度)を評価するためには、ALC中のトバモライトの減少の度合を直接的に定量してこれを評価基準とすることが望ましいと考えられるが、そのような評価方法は未だ確立されていないのが現状であった。
【0008】
本発明は、経年劣化が進行しているおそれのある軽量気泡コンクリートについて、初期状態が既知でない場合においても、高い精度でALCの劣化度(炭酸化の進行度)を評価することができる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討を重ねた結果、ALCの被検試料から粉末X線回折によって得た回折パターンをパターンフィッティングによって解析する独自のプロセスを経ることによって、効率良く、トバモライト含有率と炭酸カルシウム含有率との相関を示す回帰式を得ることができ、当該回帰式から、初期状態におけるトバモライト含有率を得ることができることに想到し、本発明を完成するに至った。本発明は、具体的には、以下のものを提供する。
【0010】
(1) 軽量気泡コンクリートの初期状態におけるトバモライト含有率を算出する軽量気泡コンクリートの分析方法であって、前記軽量気泡コンクリートの被検試料のトバモライト含有率及び炭酸カルシウム含有率の組合せである現状実測値を得る現状実測値測定手順と、前記被検試料に複数段階の炭酸化促進処理を施して、各段階毎の前記被検試料のトバモライト含有率及び炭酸カルシウム含有率の組合せである炭酸化促進処理後比較値を得る炭酸化促進処理後比較値測定手順と、前記現状実測値及び複数の前記炭酸化促進処理後比較値からトバモライト含有率と炭酸カルシウム含有率との相関を示す回帰式を得る回帰式規定手順と、前記回帰式から、前記被検試料の炭酸化進行開始前の初期状態におけるトバモライト含有率を算出する初期状態推定手順と、を含んでなり、前記現状実測値測定手順及び前記炭酸化促進処理後比較値測定手順において、前記被検試料の前記トバモライト含有率を、粉末X線回折によって得た回折パターンをパターンフィッティングによって解析する方法によって得る、軽量気泡コンクリートの分析方法。
(【0011】以降は省略されています)

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