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公開番号2024082050
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-19
出願番号2022195752
出願日2022-12-07
発明の名称環状アルキレンカーボネートの製造方法
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C07D 317/36 20060101AFI20240612BHJP(有機化学)
要約【課題】本発明は、高い純度の環状アルキレンカーボネートを効率良く生産し、且つ、製品の歩留まりを高くすることができる製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】粗環状アルキレンカーボネートを精製し、環状アルキレンカーボネートを主に含む成分(A)を得る、分離工程と、前記成分(A)を、ウールが充填されていないシングルテーパのライナー内で気化させるスプリット注入法によるガスクロマトグラフィー分析法により分析して選別する、選別工程と、を含む、環状アルキレンカーボネートの製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
粗環状アルキレンカーボネートを精製し、環状アルキレンカーボネートを主に含む成分(A)を得る、分離工程と、
前記成分(A)を、ウールが充填されていないシングルテーパのライナー内で気化させるスプリット注入法によるガスクロマトグラフィー分析法により分析して選別する、選別工程と、
を含む、環状アルキレンカーボネートの製造方法。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記選別工程が、
分析対象の成分(A)をガスクロマトグラフィー分析装置内に注入すること、
注入された前記環状カーボネートを、ウールが充填されていないシングルテーパのライナー内で気化させること、
気化された前記環状アルキレンカーボネートの一部を、不活性ガスを流したキャピラリーカラムに導入し通過させること、
前記キャピラリーカラムを通過した前記環状カーボネートを、検出器により検知すること、
を含む、請求項1に記載の環状アルキレンカーボネートの製造方法。
【請求項3】
粗環状アルキレンカーボネートを精製し、環状アルキレンカーボネートを主に含む成分(A)を得る、蒸留分離工程と、
前記成分(A)を、溶融状態の環状アルキレンカーボネートを導入するスプリット注入法によるガスクロマトグラフィー分析法により分析して選別する、選別工程と、
を含む、環状アルキレンカーボネートの製造方法。
【請求項4】
前記選別工程が、
前記成分(A)を、溶融状態の環状アルキレンカーボネートをガスクロマトグラフィー分析装置内に注入すること、
注入された前記環状アルキレンカーボネートを、ライナー内で気化させること、
気化された前記環状アルキレンカーボネートの一部を、不活性ガスを流したキャピラリーカラムに導入し通過させること、
前記キャピラリーカラムを通過した前記環状アルキレンカーボネートを、検出器により検知すること、
を含む、請求項3に記載の環状アルキレンカーボネートの製造方法。
【請求項5】
前記環状アルキレンカーボネートが、エチレンカーボネートである、請求項1~4のいずれか一項に記載の環状アルキレンカーボネートの製造方法。
【請求項6】
選別した環状アルキレンカーボネートを製品とする工程
を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の環状アルキレンカーボネートの製造方法。
【請求項7】
前記選別工程において、分析による環状アルキレンカーボネートの濃度が99.97質量%以上である場合には前記成分(A)を製品とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の環状アルキレンカーボネートの製造方法。
【請求項8】
前記選別工程において、分析による環状アルキレンカーボネートの濃度が99.97質量%未満である場合には、前記成分(A)を再び分離工程へと供する、請求項1~4のいずれか一項に記載の環状アルキレンカーボネートの製造方法。
【請求項9】
前記選別工程前に、前記成分(A)の水分量を、100ppm以下とする脱水工程を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の環状アルキレンカーボネートの製造方法。
【請求項10】
前記選別工程において、前記成分(A)を前記ガスクロマトグラフィー分析装置内に注入する時のキャリアガス圧力を、通常圧力の1.5~30倍とし、注入後、前記キャリアガス圧力を通常圧力とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の環状アルキレンカーボネートの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は環状アルキレンカーボネートの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
エチレンカーボネートは、1,3-ジオキソラン-2-オンとも呼ばれ、各種特性に優れている。例えば、エチレンカーボネートは、優れた極性有機溶媒及び有機合成中間体であり、具体的には、例えば、プラスチック、染料、高分子合成、ガス浄化分離、電子工業及び有機合成工業などの分野に広く用いられている。また、具体的には、例えば、主にアクリル、ナイロン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル樹脂等の紡糸液として用いられ、また、プラスチック及びゴム中間体の発泡剤、土質安定剤、塗料除去剤、悪臭消臭剤、選択的芳香族炭化水素抽出溶剤、又は、合成アンモニア工業、石油工業における酸性ガスの浄化溶剤等に用いられる。そのため、エチレンカーボネートを工業的に生産する大規模な工業生産装置が開発されている。エチレンカーボネートは主に、アンモニア原料ガス、都市ガス、油田ガスなどの酸性ガスの浄化溶剤;電子工業用液晶溶剤;フラドリゾン、ビニレンカーボネート、ハロゲン化エチレンカーボネート、炭酸ジメチル、エチレングリコール等の有機製品を生産する原材料として用いられる。
【0003】
特に、高純度のエチレンカーボネートはリチウム電池電解液の良溶媒として有用である。近年、リチウム電池の生産量が大きく増加するにつれて、高純度のエチレンカーボネートの市場需要も大幅に上昇している。したがって、リチウム電池電解液の良溶媒として使用できるような高純度のエチレンカーボネートを開発することが求められている。
【0004】
高純度の環状アルキレンカーボネートを製造する方法については、いくつか提案がなされている。
【0005】
例えば、特許文献1には、エチレンカーボネート粗生成物を連続精留プロセスに送り,頂部で軽質成分不純物を除去し、底部で重質成分不純物を除去し、側部にエチレンカーボネート中間精製品を採取し、上記ステップで得られたエチレンカーボネート中間精製品を緩衝した後、バッチ精留プロセスに送り,加熱して気液平衡を確立した後に頂部で軽質成分物質を除去し、側部にエチレンカーボネート生成物を採取することを特徴とするエチレンカーボネート精製プロセスが提案されている。特許文献1に記載のエチレンカーボネート精製プロセスは、このように連続精留とバッチ精留との2塔式で、1塔目は側面抜出口(サイドカット抜出口)を有し、該側面抜出口からエチレンカーボネート中間精製品を採取しており、2塔目がバッチ精留である。また、例えば、特許文献2には、供給タンク、中間バッファタンク、電子グレード製品缶、予備精製塔及びその付属設備、電子グレード製品塔及びその付属装置を含み、精製塔液位計液位、中間バッファタンク液位計液位、製品塔液位計液位が液位自動制御を設定し、精製塔加熱制御弁群と精製塔還流流量計が連鎖自己制御を設置し、製品塔加熱制御弁群と製品塔還流流量計が連鎖自己制御を設定する、電子級エチレンカーボネートの精留及び制御装置が提案されている。特許文献2に記載の電子級エチレンカーボネートの精留及び制御装置は、2つの連続精留からなる2塔式で、1塔目は側面抜出口(サイドカット抜出口)を有し、該側面抜出口からエチレンカーボネート中間精製品を採取している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
中国特許出願公開第106588862号明細書
中国実用新案第208260225号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載のエチレンカーボネート精製プロセスは、2塔目がバッチ精留であるため、最終的なエチレンカーボネートの収率が十分でなく、改善の余地がある。また、特許文献2に記載の電子級エチレンカーボネートの精留及び制御装置は、2塔とも連続式であるが、1塔目の側面抜出口からエチレンカーボネート中間精製品を採取しているため、1塔目の高さを高くする必要があり、その分、設備投資が多く、更にエネルギー効率も精製塔全体で低下し、改善の余地がある。
【0008】
そして、特許文献1及び2に記載の従来法では精製塔が連続式でもバッチ式でも1塔目の導入液における粗エチレンカーボネートの純度が99.7質量%以上となっているので、このような導入純度まで粗エチレンカーボネートを精製するために他の設備が必要となり、改善の余地がある。
【0009】
高純度の環状アルキレンカーボネートの純度の分析においては、ガスクロマトグラフィー分析装置内での環状アルキレンカーボネートの分解により、環状アルキレンオキサイド(例えば、エチレンオキサイド(EO))、アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール(EG))、ジアルキレングリコール(例えば、ジエチレングリコール(DEG))等の不純物が、測定結果の精度として無視できない量で生成することが明らかとなった。そのため、より高い精度の環状アルキレンカーボネートの分析方法により、環状アルキレンカーボネートの純度の測定を行い製品の歩留まりを分析方法によって低下させないことが求められる。
【0010】
そこで、本発明は、高い純度の環状アルキレンカーボネートを効率良く生産し、且つ、製品の歩留まりを高くすることができる製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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