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公開番号2024075699
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-04
出願番号2024044990,2020071825
出願日2024-03-21,2020-04-13
発明の名称蓄電デバイス用セパレータ
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類H01M 50/417 20210101AFI20240528BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】本発明が解決しようとする課題は、品質の向上(未溶融物量の低減)が図られた微多孔膜を提供することである。
【解決手段】ポリエチレン樹脂と、そのポリエチレン樹脂とは異なり融点が140℃~330℃の樹脂とを含む微多孔膜であって、固体粘弾性測定において、貯蔵弾性率(E’)、及び損失弾性率(E”)が共に、150℃~300℃の範囲で10Pa~10,000,000Paである微多孔膜が提供される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ポリエチレン樹脂と、前記ポリエチレン樹脂とは異なり融点が140℃~330℃の樹脂とを含む微多孔膜であって、
固体粘弾性測定において、貯蔵弾性率(E’)が150℃~300℃の範囲で1,000,000Pa~10,000,000Paであり、損失弾性率(E”)が150℃~300℃の範囲で10Pa~580,000Paであり、
2D分光学マッピング測定において、前記融点が140℃~330℃の樹脂が前記ポリエチレン樹脂中に粒状に分散しており、かつ
前記2D分光学マッピング測定において、前記融点が140℃~330℃の樹脂の平均粒径が6μm~10μmである、微多孔膜。
続きを表示(約 760 文字)【請求項2】
前記2D分光学マッピング測定において、前記融点が140℃~330℃の樹脂の少なくとも1つの粒径が5.1μm~10μmである、請求項1に記載の微多孔膜。
【請求項3】
前記融点が140℃~330℃の樹脂が、ポリオレフィン樹脂、ベンゼン環含有樹脂、及びヘテロ原子含有樹脂から成る群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1又は2に記載の微多孔膜。
【請求項4】
前記ポリオレフィン樹脂が、ホモポリプロピレンを除く、請求項3に記載の微多孔膜。
【請求項5】
前記ベンゼン環含有樹脂が、ポリエチレンテレフタラート、ポリエーテルエーテルケトン、及びポリフェニレンエーテルから成る群より選択される少なくとも1種である、請求項3に記載の微多孔膜。
【請求項6】
前記ヘテロ原子含有樹脂が、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、及びポリケトンから成る群より選択される少なくとも1種である、請求項3に記載の微多孔膜。
【請求項7】
前記ポリエチレン樹脂が超高分子量ポリエチレンを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の微多孔膜。
【請求項8】
前記融点が140℃~330℃の樹脂と前記ポリエチレン樹脂との質量比(前記融点が140℃~330℃の樹脂/前記ポリエチレン樹脂)が、0.01/0.99~0.90/0.10である、請求項1~7のいずれか1項に記載の微多孔膜。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の微多孔膜を備える蓄電デバイス用セパレータ。
【請求項10】
請求項1~8のいずれか1項に記載の微多孔膜を備えるリチウムイオン二次電池。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、2種以上の樹脂を含有する微多孔膜、及びかかる微多孔膜を備えるセパレータ(例えば、蓄電デバイス用セパレータ)等に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
微多孔膜は、精密ろ過膜、燃料電池用セパレータ、コンデンサー用セパレータ、機能材を孔の中に充填させて新たな機能を発現させるための機能膜の母材、及び蓄電デバイス用セパレータ又はそれらの構成材料等として広く用いられている。
【0003】
ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話、及びデジタルカメラ等には、リチウムイオン二次電池(LIB)が広く使用されている。このうち、LIB用セパレータ又はその構成材料としては、例えばポリオレフィン微多孔膜が知られている。特許文献1には、高強度、高比表面積、及び高細孔容積等を目的とした、ポリオレフィン微多孔膜の製造方法が提案されている。特許文献1では、重量平均分子量が500,000以上のポリオレフィン樹脂と、流動パラフィンとを溶融混錬し、得られた樹脂組成物から流動パラフィンを抽出することによってポリオレフィン微多孔膜を製造している。特許文献2には、ポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂と、ポリオレフィン以外の樹脂(例えばポリアミド)とを予め押出機で混錬してペレット化してから、ペレットと、流動パラフィンとを混合して押出成形して、さらに流動パラフィンを抽出することにより微多孔膜を製造する方法が記述されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2002-088189号公報
特開2002-226639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、蓄電デバイスに用いられるセパレータには、品質の向上(未溶融物量の低減)が一層求められている。品質の向上が図られた微多孔膜を備えることで、品質の向上が図られたセパレータを提供でき、そして品質の向上が図られたセパレータを備えることで、安全性(釘刺試験における安全性)に優れ、かつ、充放電を繰り返したときの容量維持特性(サイクル特性)に優れた蓄電デバイスが実現可能であると期待される。
上記の状況に対して、特許文献1及び2に記載の微多孔膜には、品質の向上という観点で改良の余地があった。
【0006】
上記の事情に鑑み、本発明は、品質の向上(未溶融物量の低減)が図られた微多孔膜を提供することを目的とする。また、本発明の一実施形態により、蓄電デバイスの安全性(釘刺試験における安全性)かつサイクル特性の向上を図ることが可能な該微多孔膜、かかる微多孔膜を備えるセパレータ(蓄電デバイス用セパレータ)、かかる微多孔膜を備える蓄電デバイスも開示される。
【0007】
本発明者らは、上記の課題を解決するため検討を行い、以下の構成を有する蓄電デバイス用セパレータを用いることにより上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させた。本発明の態様の一部を、以下に例示する。
[1] ポリエチレン樹脂と、前記ポリエチレン樹脂とは異なり融点が140℃~330℃の樹脂とを含む微多孔膜であって、
固体粘弾性測定において、貯蔵弾性率(E’)、及び損失弾性率(E”)が共に、150℃~300℃の範囲で10Pa~10,000,000Paである微多孔膜。
[2] 2D分光学マッピング測定において、前記融点が140℃~330℃の樹脂が前記ポリエチレン樹脂中に粒状に分散している、[1]に記載の微多孔膜。
[3] 前記2D分光学マッピング測定において、前記融点が140℃~330℃の樹脂の少なくとも1つの粒径が5.1μm~10μmである、[2]に記載の微多孔膜。
[4] 前記2D分光学マッピング測定において、前記融点が140℃~330℃の樹脂の平均粒径が5.1μm~10μmである、[2]又は[3]に記載の微多孔膜。
[5] 前記融点が140℃~330℃の樹脂が、ポリオレフィン樹脂、ベンゼン環含有樹脂、及びヘテロ原子含有樹脂から成る群より選択される少なくとも1種を含む、[1]~[4]のいずれか1項に記載の微多孔膜。
[6] 前記ポリオレフィン樹脂が、ホモポリプロピレンを除く、[5]に記載の微多孔膜。
[7] 前記ベンゼン環含有樹脂が、ポリエチレンテレフタラート、ポリエーテルエーテルケトン、及びポリフェニレンエーテルから成る群より選択される少なくとも1種である、[5]に記載の微多孔膜。
[8] 前記ヘテロ原子含有樹脂が、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、及びポリケトンから成る群より選択される少なくとも1種である、[5]に記載の微多孔膜。
[9] 前記ポリエチレン樹脂が超高分子量ポリエチレンを含む、[1]~[8]のいずれか1項に記載の微多孔膜。
[10] 前記融点が140℃~330℃の樹脂と前記ポリエチレン樹脂との質量比(前記融点が140℃~330℃の樹脂/前記ポリエチレン樹脂)が、0.01/0.99~0.90/0.10である、[1]~[9]のいずれか1項に記載の微多孔膜。
[11] [1]~[10]のいずれか1項に記載の微多孔膜を備える蓄電デバイス用セパレータ。
[12] [1]~[10]のいずれか1項に記載の微多孔膜を備えるリチウムイオン二次電池。
[13] [1]~[10]のいずれか1項に記載の微多孔膜を備える蓄電デバイス。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、品質の向上(未溶融物量の低減)が図られた微多孔膜を提供できる。また、本発明によれば、かかる微多孔膜を備えることで、品質の向上が図られたセパレータを提供できる。このようなセパレータを備えることで、安全性(釘刺試験における安全性)に優れ、かつ、サイクル特性に優れた蓄電デバイスが実現可能であると期待される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、本実施形態に係る2D分光学マッピングの測定結果の一例を示す画像である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態(「本実施形態」という)を説明するが、本発明は本実施形態のみに限定されない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。本明細書において、「~」とは、特に断りがない場合、その両端の数値を上限値、及び下限値として含む意味である。また、本明細書において、数値範囲の上限値、及び下限値は任意に組み合わせることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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