TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024070251
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-22
出願番号2023190881
出願日2023-11-08
発明の名称ポリアセタール樹脂組成物及びその製造方法
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C08L 59/00 20060101AFI20240515BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】ポリアセタール樹脂とセルロース微細繊維とを含みながら、製造時、貯蔵時及び/又は加工時のホルムアルデヒドの発生が少ない、ポリアセタール樹脂組成物及びその製造方法、並びに当該ポリアセタール樹脂組成物を成形してなる成形体を提供することを目的とする。
【解決手段】ポリアセタール樹脂とセルロース微細繊維とを含む樹脂組成物であって、前記セルロース微細繊維のアルデヒド基濃度が0.5μmol/g~50μmol/gであり、前記セルロース微細繊維のカルボキシ基濃度が200μmol/g以下であり、前記セルロース微細繊維の数平均繊維径が1000nm以下である、樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリアセタール樹脂とセルロース微細繊維とを含む樹脂組成物であって、
前記セルロース微細繊維のアルデヒド基濃度が0.5μmol/g~50μmol/gであり、
前記セルロース微細繊維のカルボキシ基濃度が200μmol/g以下であり、
前記セルロース微細繊維の数平均繊維径が1000nm以下である、樹脂組成物。
続きを表示(約 620 文字)【請求項2】
アルデヒド基ブロック剤を更に含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記アルデヒド基ブロック剤が、アミノトリアジン化合物、グアナミン化合物、尿素誘導体、ヒドラジド化合物、アクリルアミド重合体、及びポリアミドからなる群から選択される1種以上である、請求項2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記セルロース微細繊維の重量平均分子量が100000以上である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記セルロース微細繊維のMw/Mnが6.0以下である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
前記セルロース微細繊維中のアルカリ可溶分含有率が10質量%以下である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
前記セルロース微細繊維の熱分解開始温度T
D
が200℃以上である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項8】
前記セルロース微細繊維のハロゲン含有率Hが500質量ppm以下である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項9】
前記セルロース微細繊維が、エステル化された化学修飾セルロース微細繊維である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項10】
前記エステル化がアセチル化である、請求項9に記載の樹脂組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリアセタール樹脂組成物及びその製造方法、並びに当該ポリアセタール樹脂組成物を成形してなる成形体に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
ポリアセタール樹脂は、機械的特性、熱的特性、電気的特性、摺動性、成形性等において優れた特性を持っており、電気機器、自動車部品、精密機械部品等の広範な用途における、構造材料、機構部品等として広く使用されている。
【0003】
一般に、樹脂を主体とする成形体においては、機械特性向上の目的で各種フィラーが配合されることが多い。このようなフィラーとしては、近年、低比重、かつ再生可能な材料であるという利点に着目して、セルロースの利用が模索されている。中でも、セルロース微細繊維は、使用量当たりの物性向上効果が良好である点で有利である。
【0004】
セルロースはその水酸基に起因して本質的に親水性であり、セルロース微細繊維を樹脂中に均一に分散させることはしばしば困難であることから、従来、セルロース微細繊維の樹脂中での分散性を向上させる手法が種々提案されている。例えば、特許文献1は、樹脂と、平均繊維径が4~1000nmである繊維状フィラーとを含む複合体組成物を記載し、繊維状フィラーは、セルロース繊維の水酸基の一部がアルデヒド及び/又はカルボキシ基に酸化されているものであってよいことを記載する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2010-116477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ポリアセタール樹脂を含む樹脂組成物を製造する際には、当該樹脂組成物の製造時、貯蔵時及び/又は加工時に熱、酸等によりポリアセタール樹脂が分解してホルムアルデヒドが発生する場合がある。ポリアセタール樹脂の分解は、当該ポリアセタール樹脂自体の機械特性の低下に加え、ホルムアルデヒドによる作業環境への悪影響という問題を招来する。従来、ポリアセタール樹脂組成物の製造に際しては、当該樹脂組成物中にヒンダードフェノール系等の酸化防止剤を含有させることでホルムアルデヒドの発生を抑制してきたが、フィラーとしてセルロースを用いる場合、上記の安定剤による効果は必ずしも十分ではなかった。例えば、特許文献1に記載される酸化されたセルロース繊維は樹脂との親和性が良好であり得るが、ポリアセタール樹脂と組合されると当該ポリアセタール樹脂由来のホルムアルデヒド発生を促進し得る。
【0007】
本発明の一態様は、上記の課題を解決し、ポリアセタール樹脂とセルロース微細繊維とを含みながら、製造時、貯蔵時及び/又は加工時のホルムアルデヒドの発生が少なく、良好な機械特性を示す、ポリアセタール樹脂組成物及びその製造方法、並びに当該ポリアセタール樹脂組成物を成形してなる成形体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、以下の項目を包含する。
[項目1]
ポリアセタール樹脂とセルロース微細繊維とを含む樹脂組成物であって、
前記セルロース微細繊維のアルデヒド基濃度が0.5μmol/g~50μmol/gであり、
前記セルロース微細繊維のカルボキシ基濃度が200μmol/g以下であり、
前記セルロース微細繊維の数平均繊維径が1000nm以下である、樹脂組成物。
[項目2]
アルデヒド基ブロック剤を更に含む、項目1に記載の樹脂組成物。
[項目3]
前記アルデヒド基ブロック剤が、アミノトリアジン化合物、グアナミン化合物、尿素誘導体、ヒドラジド化合物、アクリルアミド重合体、及びポリアミドからなる群から選択される1種以上である、項目2に記載の樹脂組成物。
[項目4]
前記セルロース微細繊維の重量平均分子量が100000以上である、項目1~3のいずれかに記載の樹脂組成物。
[項目5]
前記セルロース微細繊維のMw/Mnが6.0以下である、項目1~4のいずれかに記載の樹脂組成物。
[項目6]
前記セルロース微細繊維中のアルカリ可溶分含有率が10質量%以下である、項目1~5のいずれかに記載の樹脂組成物。
[項目7]
前記セルロース微細繊維の熱分解開始温度T
D
が200℃以上である、項目1~6のいずれかに記載の樹脂組成物。
[項目8]
前記セルロース微細繊維のハロゲン含有率Hが500質量ppm以下である、項目1~7のいずれかに記載の樹脂組成物。
[項目9]
前記セルロース微細繊維が、エステル化された化学修飾セルロース微細繊維である、項目1~8のいずれかに記載の樹脂組成物。
[項目10]
前記エステル化がアセチル化である、項目9に記載の樹脂組成物。
[項目11]
前記セルロース微細繊維の単位面積あたりのアルデヒド基濃度Aと、前記ポリアセタール樹脂におけるオキシメチレン単位の繰り返し数nに対するオキシエチレン単位の繰り返し数mの比(R=m/n)とが、以下の関係
10
((R-5)/3)
≦ A ≦ 10
((R+3)/10)
を満たす、項目1~10のいずれかに記載の樹脂組成物。
[項目12]
項目1~11のいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法であって、
セルロース繊維原料を液体媒体中で液温85℃以下にて解繊してセルロース微細繊維スラリーを得る解繊工程、
前記セルロース微細繊維スラリーを乾燥させてセルロース微細繊維乾燥体を得る乾燥工程、及び
ポリアセタール樹脂と前記セルロース微細繊維乾燥体とを混合する混合工程、
を含む、方法。
[項目13]
前記解繊工程で生成したセルロース微細繊維スラリー中のセルロース微細繊維が、アルデヒド基濃度0.5μmol/g~50μmol/g、及びカルボキシ基濃度200μmol/g以下を有する、項目12に記載の方法。
[項目14]
項目1~11のいずれか一項に記載の樹脂組成物を成形してなる、成形体。
[項目15]
異形押出成形体である、項目14に記載の成形体。
[項目16]
異形押出成形体の製造方法であって、
項目1~11のいずれか一項に記載の樹脂組成物を異形押出する工程を含む、方法。
[項目17]
項目1~11のいずれか一項に記載の樹脂組成物で構成されている、3Dプリント用造形材料。
[項目18]
フィラメント又は粉体の形態を有する、項目17に記載の3Dプリント用造形材料。
[項目19]
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、ポリアセタール樹脂とセルロース微細繊維とを含みながら、製造時、貯蔵時及び/又は加工時のホルムアルデヒドの発生が少なく、良好な機械特性を示す、ポリアセタール樹脂組成物及びその製造方法、並びに当該ポリアセタール樹脂組成物を成形してなる成形体が提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
ディスクリファイナーの刃及び溝の配置例について説明する図である。
ディスクリファイナーの刃幅、溝幅及び刃間距離について説明する図である。
実施例19~21で用いた単軸押出機のダイス断面形状を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

旭化成株式会社
装置
1か月前
旭化成株式会社
正極前駆体
12日前
旭化成株式会社
電池ホルダー
1日前
旭化成株式会社
残渣の資源化方法
1か月前
旭化成株式会社
成形体及び光学部品
7日前
旭化成株式会社
ジアミンの製造方法
1か月前
旭化成株式会社
エポキシ樹脂組成物
18日前
旭化成株式会社
エポキシ樹脂組成物
18日前
旭化成株式会社
樹脂組成物の製造方法
28日前
旭化成株式会社
蓄電池用電極製造装置
1か月前
旭化成株式会社
膜モジュールの洗浄方法
1か月前
旭化成株式会社
ポリアセタール樹脂組成物
1か月前
旭化成株式会社
ポリアミド組成物及び成形品
1か月前
旭化成株式会社
樹脂組成物及びその製造方法
11日前
旭化成株式会社
樹脂組成物及び木材代替材料
7日前
旭化成株式会社
感光性樹脂組成物の精製方法
29日前
旭化成株式会社
AS系樹脂組成物、及び成形体
1か月前
旭化成株式会社
薬品活性炭を用いた膜ろ過方法
1か月前
旭化成株式会社
ポリアミド樹脂組成物の製造方法
1か月前
旭化成株式会社
多孔質膜及び多孔質膜の製造方法
12日前
旭化成株式会社
非水系電解液及び非水系二次電池
1か月前
旭化成株式会社
ポリアミド樹脂組成物及び成形品
8日前
旭化成株式会社
ポリアミド樹脂組成物及び成型体
18日前
旭化成株式会社
繊維強化複合材料及びその製造方法
29日前
旭化成株式会社
居住空間内に空気を送り込むダクト
22日前
旭化成株式会社
複合金属顔料組成物及びその製造方法
1日前
旭化成株式会社
回収装置、回収方法、及びプログラム
19日前
旭化成株式会社
回収装置、回収方法、及びプログラム
19日前
旭化成株式会社
空中浮遊体および空中浮遊体の制御方法
1か月前
旭化成株式会社
ポリアセタール樹脂組成物及びその製造方法
27日前
旭化成株式会社
接着層、構造体、力覚センサ、及び、ロボット
11日前
旭化成株式会社
非水系リチウム型蓄電デバイス用電極の製造方法
1か月前
旭化成株式会社
ガラスクロス、プリプレグ、およびプリント配線板
1か月前
旭化成株式会社
ガラスクロス、プリプレグ、およびプリント配線板
1か月前
旭化成株式会社
生鮮品管理装置、生鮮品管理方法およびプログラム
25日前
旭化成株式会社
固体電解質積層体、固体二次電池、及びその製造方法
1か月前
続きを見る