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公開番号2024082927
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-20
出願番号2022197149
出願日2022-12-09
発明の名称ブロックポリイソシアネート組成物、樹脂組成物、樹脂膜及び積層体
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08G 18/80 20060101AFI20240613BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】高温保存または低温保存した場合の保存安定性が良好であり、多価ヒドロキシ化合物を含む樹脂組成物とした場合に貯蔵安定性に優れ、さらに低温での硬化性に優れるブロックポリイソシアネート組成物の提供。
【解決手段】ブロックポリイソシアネートを含むブロックポリイソシアネート組成物であって、前記ブロックポリイソシアネートは、ポリイソシアネートと、マロン酸ジエステルを含むブロック剤と、から誘導され、前記マロン酸ジエステルが、1級、2級及び3級のアルキル基を有するマロン酸ジエステルである、ブロックポリイソシアネート組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
ブロックポリイソシアネートを含むブロックポリイソシアネート組成物であって、
前記ブロックポリイソシアネートは、ポリイソシアネートと、マロン酸ジエステルを含むブロック剤と、から誘導され、
前記マロン酸ジエステルが、１級、２級及び３級のアルキル基を有するマロン酸ジエステルである、ブロックポリイソシアネート組成物。
続きを表示（約 1,700 文字）【請求項２】
ブロックポリイソシアネートを含むブロックポリイソシアネート組成物であって、
前記ブロックポリイソシアネートは、ポリイソシアネートと１種以上のブロック剤とから誘導され、
前記ブロックポリイソシアネートは分子内に、構成単位（Ｉ－１）、構成単位（Ｉ－２）及び構成単位（Ｉ－３）を含む、ブロックポリイソシアネート組成物。
前記構成単位（Ｉ－１）は、下記一般式（Ｉ）において、Ｒ
１２
、Ｒ
１３
、Ｒ
１５
及びＲ
１６
が、水素原子である構成単位である。
前記構成単位（Ｉ－２）は、下記一般式（Ｉ）において、Ｒ
１１
、Ｒ
１２
及びＲ
１３
のうち１つ以上が水素原子であり、かつ、Ｒ
１４
及びＲ
１５
がヒドロキシ基及びアミノ基からなる群より選択される１種以上の置換基を含んでもよいアルキル基であり、Ｒ
１６
が、水素原子である、構成単位である。
前記構成単位（Ｉ－３）は、下記一般式（Ｉ）において、Ｒ
１１
、Ｒ
１２
及びＲ
１３
はそれぞれ独立に、ヒドロキシ基及びアミノ基からなる群より選択される１種以上の置換基を含んでもよいアルキル基であり、かつ、Ｒ
１１
、Ｒ
１２
及びＲ
１３
の合計炭素数が、３以上２０以下である、構成単位である。
TIFF
2024082927000005.tif
42
170
（一般式（Ｉ）中、Ｒ
１１
、Ｒ
１２
、Ｒ
１３
、Ｒ
１４
、Ｒ
１５
及びＲ
１６
はそれぞれ独立に、水素原子、又はヒドロキシ基及びアミノ基からなる群より選択される１種以上の置換基を含んでもよいアルキル基であり、波線は結合手を表す。）
【請求項３】
前記一般式（Ｉ）で表される構成単位の全量中に、前記構成単位（Ｉ－１）を１モル％以上７５モル％以下含み、前記構成単位（Ｉ－２）を０．０５モル％以上１０モル％以下含み、前記構成単位（Ｉ－３）を２０モル％以上９８モル％以下含む、請求項２に記載のブロックポリイソシアネート組成物。
【請求項４】
前記構成単位（Ｉ－２）の中に、Ｒ
１２
及びＲ
１３
が、水素原子であり、かつ、Ｒ
１４
及びＲ
１５
がヒドロキシ基及びアミノ基からなる群より選択される１種以上の置換基を含んでもよいアルキル基であり、Ｒ
１６
が、水素原子である、構成単位（Ｉ－２－１）を含む、請求項２又は３に記載のブロックポリイソシアネート組成物。
【請求項５】
前記構成単位（Ｉ－３）のＲ
１１
、Ｒ
１２
及びＲ
１３
の合計炭素数が４以上２０以下である、請求項２又は３に記載のブロックポリイソシアネート組成物。
【請求項６】
前記ポリイソシアネートのイソシアネート基の一部がノニオン性化合物によって変性されている、請求項１又は２に記載のブロックポリイソシアネート組成物。
【請求項７】
極性溶剤を含み、前記ブロックポリイソシアネートと極性溶剤の質量比が９９／１～１／９９である、請求項１又は２に記載のブロックポリイソシアネート組成物。
【請求項８】
請求項１又は２に記載のブロックポリイソシアネート組成物と、多価ヒドロキシ化合物と、を含む、樹脂組成物。
【請求項９】
請求項８に記載の樹脂組成物を硬化させた、樹脂膜。
【請求項１０】
基材上に、請求項９に記載の樹脂膜を１層以上積層した積層体であって、前記積層体を構成する１層の厚さが１μｍ以上５０μｍ以下である、積層体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、ブロックポリイソシアネート組成物、樹脂組成物、樹脂膜及び積層体に関する。
続きを表示（約 1,400 文字）【背景技術】
【０００２】
従来、ポリウレタン樹脂塗料は非常に優れた耐摩耗性、耐薬品性及び耐汚染性を有することが知られている。特に、脂肪族ジイソシアネート又は脂環族ジイソシアネートから得られたポリイソシアネートを用いたポリウレタン樹脂塗料はさらに耐候性に優れ、その需要は増加する傾向にある。
【０００３】
しかしながら、通常のポリウレタン樹脂塗料はポリオール及びポリイソシアネートの二成分からなるため、ポリオール及びポリイソシアネートを別々に貯蔵し、塗装時に両者を混合する手間がかかる。また、一旦両者を混合すると塗料は短時間でゲル化し使用できなくなるという課題を有する。
【０００４】
ポリウレタン樹脂塗料はこのような課題を有するため、自動車塗装又は弱電気塗装のようなライン塗装に用いることが困難である。また、イソシアネートは水と容易に反応するため、電着塗料の様な水系塗料での使用は不可能である。更に、イソシアネートを含む塗料を用いた場合には、作業終了時の塗装機及び塗装槽の洗浄等を充分に行う必要があるため、作業効率が低下する。
【０００５】
上述の課題を改善するために、従来から、活性なイソシアネート基をすべてブロック剤で封鎖したブロックポリイソシアネートを用いることが提案されている。このブロックポリイソシアネートは、常温ではポリオールと反応しない。しかしながら、加熱することによりブロック剤が解離し、活性なイソシアネート基が再生されてポリオールと反応し架橋反応が起こるので、上述の課題を改善することができる。従って、数多くのブロック剤の検討がなされおり、例えばフェノール、メチルエチルケトオキシム等が代表的なブロック剤として挙げられる。
【０００６】
しかしながら、これらのブロック剤を用いたブロックポリイソシアネートを用いた場合には、一般に１４０℃以上の高い焼付け温度が必要である。高温での焼付けを必要とすることは、エネルギー的に不利であるばかりでなく、基材の耐熱性を必要とし、その用途が限定される要因となる。
【０００７】
一方、低温焼付け型のブロックポリイソシアネートとして、アセト酢酸エステル、マロン酸エステル等の活性メチレン系化合物を用いたブロックポリイソシアネートの研究がなされている。例えば、特許文献１及び２では、９０℃で硬化するブロックポリイソシアネート組成物が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００８】
特開２００２－３２２２３８号公報
特開２００６－３３５９５４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００９】
近年、地球環境保護の観点や、耐熱性の低いプラスチックへの適応が強く求められており、９０℃より低い温度で硬化するブロックポリイソシアネート組成物が切望されている。
【００１０】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、高温保存または低温保存した場合の保存安定性が良好であり、多価ヒドロキシ化合物を含む樹脂組成物とした場合に貯蔵安定性に優れ、さらに低温での硬化性に優れるブロックポリイソシアネート組成物、前記ブロックポリイソシアネート組成物を用いた樹脂組成物、樹脂膜及び積層体を提供することを目的とする。
（【００１１】以降は省略されています）

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