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公開番号2024081501
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-18
出願番号2022195172
出願日2022-12-06
発明の名称地盤性状調整方法及びこれを用いた炭化水素回収方法
出願人独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構,公立大学法人 富山県立大学,国立大学法人広島大学,国立研究開発法人産業技術総合研究所
代理人弁理士法人創光国際特許事務所,個人,個人,個人
主分類E21B 43/16 20060101AFI20240611BHJP(地中もしくは岩石の削孔;採鉱)
要約【課題】地盤の性状改善を効率的に行うことを目的とする。
【解決手段】生物膜を生成可能な微生物であって、ウレアーゼ活性を有し、ウレアーゼ活性による尿素の分解に伴ってカルシウムイオンを炭酸カルシウムとして析出させることが可能な微生物を地盤中において増殖させることにより地盤を固化することを特徴とする。微生物は、環境中の二酸化炭素を取込むことにより、前記生物膜の表面に炭酸カルシウムを析出させてもよい。地盤性状調整方法では、微生物として、Sporosarcina newyorkensis種、Stapylococcus homins種、Lysinibacciuls fusiformis種、Sporosarcina pasteurii種、またはSporosarcina aquimarina種のうちの少なくとも一種を地盤中において増殖させてもよい。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
生物膜を生成可能な微生物であって、ウレアーゼ活性を有し、当該ウレアーゼ活性による尿素の分解に伴ってカルシウムイオンを炭酸カルシウムとして析出させることが可能な当該微生物を地盤中において増殖させることにより当該地盤を固化することを特徴とする、
地盤性状調整方法。
続きを表示(約 910 文字)【請求項2】
前記微生物は、環境中の二酸化炭素を取込むことにより、前記生物膜の表面に炭酸カルシウムを析出させる、
請求項1に記載の地盤性状調整方法。
【請求項3】
前記微生物として、Sporosarcina newyorkensis種、Stapylococcus homins種、Lysinibacciuls fusiformis種、Sporosarcina pasteurii種、またはSporosarcina aquimarina種のうちの少なくとも一種を前記地盤中において増殖させる、
請求項1又は2に記載の地盤性状調整方法。
【請求項4】
前記微生物を増殖させる前又は前記微生物の増殖中に、前記地盤中へカルシウム源を含む栄養塩を注入することを特徴とする、
請求項1又は2に記載の地盤性状調整方法。
【請求項5】
前記地盤中に、尿素の加水分解反応で生成されたアンモニア由来のアルカリ条件下で溶解させたカゼインを注入することを特徴とする、
請求項1又は2に記載の地盤性状調整方法。
【請求項6】
前記微生物に有機酸を生成させ、当該有機酸により前記微生物へのカルシウムイオンの取込みを促進させる、
請求項1又は2に記載の地盤性状調整方法。
【請求項7】
生物膜を生成可能な微生物であって、ウレアーゼ活性を有し、当該ウレアーゼ活性による尿素の分解に伴ってカルシウムイオンを炭酸カルシウムとして析出させることが可能な当該微生物を地盤中において増殖させることにより当該地盤を固化する地盤性状調整方法を用いた炭化水素回収方法であって、
当該微生物を増殖させるための培地を生産井に圧入する第1圧入工程と、
前記尿素を前記生産井に圧入する第2圧入工程と、
前記微生物を増殖させる増殖工程と、
前記第1圧入工程、前記第2圧入工程及び前記増殖工程の後に、前記生産井を減圧する減圧工程と、
前記生産井から炭化水素を回収する回収工程と、
を有する炭化水素回収方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
地盤の性状を調整する地盤性状調整方法、及び、地盤性状調整方法を用いた炭化水素を回収する炭化水素回収方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
尿素の加水分解酵素反応によって生成される二酸化炭素を利用して、海底地盤の透水性等の性状を改善する方法が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、炭化水素回収方法は、炭酸カルシウムの析出を促進させるための二酸化炭素を生成する微生物が存在する海底地盤に設けられた生産井から、炭化水素を含有する生産流体を回収する炭化水素回収方法が記載されている。この炭化水素回収方法においては、微生物が二酸化炭素の生成に用いる組成物を生産井に圧入する圧入工程と、組成物を圧入した後に生産井内を減圧する減圧工程と、生産井内を減圧した状態で炭化水素を回収する回収工程と、を有することが記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、生物膜を生成する第1種微生物と、炭酸カルシウムの析出を促進させるための二酸化炭素を生成する第2種微生物と、が存在する地盤に設けられた生産井から、炭化水素を含有する生産流体を回収する炭化水素回収方法が記載されている。この炭化水素回収方法においては、第1種微生物を増加させるための培地を生産井に圧入する第1圧入工程と、第2種微生物が二酸化炭素の生成に用いる組成物を生産井に圧入する第2圧入工程と、培地及び組成物を圧入した後に生産井内を減圧する減圧工程と、生産井内を減圧した状態で炭化水素を回収する回収工程と、を有することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許6842765号
国際公開第2021-181881号
【非特許文献】
【0006】
生駒聖他、「MICP を応用したメタンハイドレート由来のメタンガス回収支援手法に関する検討」、第29 回日本エネルギー学会大会講演要旨集講演番号2-06、2020/8/5-7
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載された方法においては、例えば地盤が固化するまで、微生物が二酸化炭素の生成に用いる組成物を生産井に圧入し続ける必要がある場合がある。また、特許文献2に記載された方法では、生物膜を生成するための微生物と、二酸化炭素を生成するための微生物とを利用して、地盤性状を改善する。このため、二種類の微生物のうちの一方が海底地盤中に存在しない場合には、外部から微生物を導入する必要がある場合がある。
【0008】
本発明者らは、鋭意検討した結果、生物膜を生成可能な微生物であってウレアーゼ活性を有する微生物が存在することを見出した。このように、生物膜を生成可能な微生物であってウレアーゼ活性を有する微生物は、当該ウレアーゼ活性による尿素の分解に伴ってカルシウムイオンを炭酸カルシウムとして析出させることが可能であり、地盤を固化させることができることを見出した。
【0009】
さらに、本発明者らは、上記微生物によれば環境中の二酸化炭素を取込むことによって生物膜の表面に炭酸カルシウムを析出させることができることも見出した。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様の地盤性状調整方法は、生物膜を生成可能な微生物であって、ウレアーゼ活性を有し、当該ウレアーゼ活性による尿素の分解に伴ってカルシウムイオンを炭酸カルシウムとして析出させることが可能な微生物を地盤中において増殖させることにより当該地盤を固化することを特徴とする。微生物は、環境中の二酸化炭素を取込むことにより、生物膜の表面に炭酸カルシウムを析出させてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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