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公開番号2024079183
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-11
出願番号2022191969
出願日2022-11-30
発明の名称蒸散異常検知方法、蒸散異常検知装置、及び蒸散異常検知プログラム
出願人浜松ホトニクス株式会社,国立大学法人静岡大学
代理人個人,個人,個人,個人
主分類A01G 7/00 20060101AFI20240604BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】植物の蒸散異常を容易且つ精度良く検知することができる蒸散異常検知方法、蒸散異常検知装置、及び蒸散異常検知プログラムを提供する。
【解決手段】一実施形態の蒸散異常検知方法は、対象期間に含まれる複数時点の各々に対応する、植物の栽培環境の気温及び湿度と、植物の葉の表面温度である葉温と、を取得する取得ステップと、複数時点の各々について、気温及び湿度に基づいて、栽培環境の飽差を算出する飽差算出ステップと、複数時点の各々について、葉温から気温を減算した値である葉温指数を算出する葉温指数算出ステップと、複数時点の各々について算出された飽差及び葉温指数に基づいて、対象期間における飽差と葉温指数との相関係数を算出する相関係数算出ステップと、相関係数が所定の閾値以上であるか否かを判定し、相関係数が閾値以上であると判定された場合に植物の蒸散異常を検知する検知ステップと、を含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
対象期間に含まれる複数時点の各々に対応する、植物の栽培環境の気温及び湿度と、前記植物の葉の表面温度である葉温と、を取得する取得ステップと、
前記複数時点の各々について、前記気温及び前記湿度に基づいて、前記栽培環境の飽差を算出する飽差算出ステップと、
前記複数時点の各々について、前記葉温から前記気温を減算した値である葉温指数を算出する葉温指数算出ステップと、
前記複数時点の各々について算出された前記飽差及び前記葉温指数に基づいて、前記対象期間における前記飽差と前記葉温指数との相関係数を算出する相関係数算出ステップと、
前記相関係数が所定の閾値以上であるか否かを判定し、前記相関係数が前記閾値以上であると判定された場合に前記植物の蒸散異常を検知する検知ステップと、
を含む、蒸散異常検知方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記対象期間の長さは、可変であり、
前記対象期間の長さを決定するための情報の入力を受け付け、入力された前記情報に基づいて前記対象期間の長さを設定する期間長設定ステップを更に含む、請求項1に記載の蒸散異常検知方法。
【請求項3】
前記対象期間の長さは、48時間以上168時間以下の範囲に設定される、請求項1に記載の蒸散異常検知方法。
【請求項4】
前記閾値を決定するための情報の入力を受け付け、入力された前記情報に基づいて前記閾値を設定する閾値設定ステップを更に含む、請求項1に記載の蒸散異常検知方法。
【請求項5】
前記植物は、アブラナ科の植物である、請求項1に記載の蒸散異常検知方法。
【請求項6】
前記植物は、コマツナである、請求項5に記載の蒸散異常検知方法。
【請求項7】
前記取得ステップは、複数の植物体の複数の葉の表面の温度の代表値を前記植物の前記葉温として取得する、請求項1に記載の蒸散異常検知方法。
【請求項8】
前記取得ステップは、前記複数時点の各々について、前記植物が植えられた土壌中の水分量を更に取得する、請求項1に記載の蒸散異常検知方法。
【請求項9】
前記検知ステップは、前記相関係数が前記閾値以上であると判定された場合、前記対象期間に取得された前記水分量に基づいて、前記植物の蒸散異常の原因が水分ストレスであるか否かを判定し、判定結果を出力する、請求項8に記載の蒸散異常検知方法。
【請求項10】
対象期間に含まれる複数時点の各々に対応する、植物の栽培環境の気温及び湿度と、前記植物の葉の表面温度である葉温と、を取得する取得部と、
前記複数時点の各々について、前記気温及び前記湿度に基づいて、前記栽培環境の飽差を算出する飽差算出部と、
前記複数時点の各々について、前記葉温から前記気温を減算した値である葉温指数を算出する葉温指数算出部と、
前記複数時点の各々について算出された前記飽差及び前記葉温指数に基づいて、前記対象期間における前記飽差と前記葉温指数との相関係数を算出する相関係数算出部と、
前記相関係数が所定の閾値以上であるか否かを判定し、前記相関係数が前記閾値以上であると判定された場合に前記植物の蒸散異常を検知する検知部と、
を備える、蒸散異常検知装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、植物の蒸散異常を検知する蒸散異常検知方法、蒸散異常検知装置、及び蒸散異常検知プログラムに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、農業分野において、就農者の減少及び高齢化等による労働力不足、並びに人手のかかる作業及び熟練者に頼る作業の省力化が重要な課題となっている。上記課題を解決するために、先端技術を活用する農業(いわゆるスマート農業)の実現が進められている。このようなスマート農業に関連して、特許文献1には、専門家以外の人が植物の状態を判断するための定量的な指標を提示する植物の活性度解析プログラムが開示されている。上記活性度解析プログラムは、飽差と葉面温度との関係に基づいて、植物が強光ストレスを受けているか否かを判断するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2014-198012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
植物の健康状態を推定する有効な現象の一つとして、蒸散が挙げられる。蒸散は植物の体内水分量に応じて水蒸気を体外に放出する現象である。環境に応じた適切な蒸散が行われていない場合(蒸散異常の場合)、その原因としては、土壌中の水分量の不足、カビ、線虫の寄生、虫による根の食害、その他様々な理由が考えられる。従って、蒸散異常を放置すると、上記のような原因によって植物の正常な生長が阻害され、植物が萎れたり枯れたりしてしまうおそれがある。しかしながら、植物の蒸散異常は目視で確認することが困難である。また、特許文献1に記載された手法のように単に葉面温度と飽差とを比較するだけでは、葉面温度の変動が環境温度の変動によるものか蒸散異常によるものかを適切に判断することはできない。
【0005】
そこで、本開示の一側面は、植物の蒸散異常を容易且つ精度良く検知することができる蒸散異常検知方法、蒸散異常検知装置、及び蒸散異常検知プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、以下の[1]~[11]を含む。
【0007】
[1]
対象期間に含まれる複数時点の各々に対応する、植物の栽培環境の気温及び湿度と、前記植物の葉の表面温度である葉温と、を取得する取得ステップと、
前記複数時点の各々について、前記気温及び前記湿度に基づいて、前記栽培環境の飽差を算出する飽差算出ステップと、
前記複数時点の各々について、前記葉温から前記気温を減算した値である葉温指数を算出する葉温指数算出ステップと、
前記複数時点の各々について算出された前記飽差及び前記葉温指数に基づいて、前記対象期間における前記飽差と前記葉温指数との相関係数を算出する相関係数算出ステップと、
前記相関係数が所定の閾値以上であるか否かを判定し、前記相関係数が前記閾値以上であると判定された場合に前記植物の蒸散異常を検知する検知ステップと、
を含む、蒸散異常検知方法。
【0008】
本発明者らが鋭意研究した結果、以下の知見が得られた。すなわち、通常、飽差が適度に高い環境では、植物の蒸散活動が活発となり、蒸散により発生する気化熱によって葉温が気温に対して低くなる。一方、飽差が低い環境では、蒸散活動が抑制される結果、葉温が気温に対してそれほど低くならない。つまり、植物の蒸散活動が正常に行われている場合には、飽差と葉温指数との間に負の相関が生じる傾向がある。これに対して、例えば、飽差が適度に高い環境であるにもかかわらず、何らかの原因による蒸散異常によって蒸散活動が抑制されている場合には、飽差と葉温指数との間に正の相関が生じ得る。このような関係性に着目することにより、飽差と葉温指数との相関係数が一定以上高い場合に、蒸散異常が発生している(或いは、蒸散異常が発生している可能性が高い)と判断することができる。上記蒸散異常検知方法によれば、上記知見に基づいて、対象期間における葉温指数と飽差との相関係数に対する閾値判定を行うことにより、植物の蒸散異常を容易且つ精度良く検知できる。
【0009】
[2]
前記対象期間の長さは、可変であり、
前記対象期間の長さを決定するための情報の入力を受け付け、入力された前記情報に基づいて前記対象期間の長さを設定する期間長設定ステップを更に含む、[1]の蒸散異常検知方法。
上記構成によれば、例えば、観測対象の植物の種類、栽培環境等の種々の条件に基づいて、対象期間の長さを適切に調整できる。
【0010】
[3]
前記対象期間の長さは、48時間以上168時間以下の範囲に設定される、[1]又は[2]の蒸散異常検知方法。
対象期間を短くし過ぎた場合、実際には植物の健康状態が正常であるにもかかわらず、単発的(一時的)に観測された現象によって相関係数が閾値を超えてしまう(植物の蒸散異常が発生していると判断されてしまう)といった問題が生じ得る。一方、対象期間を長くし過ぎた場合、相関係数の変動が緩慢となり、蒸散異常の検知が遅れてしまうといった問題が生じ得る。上記のように対象期間の長さを48時間以上168時間以下の範囲に設定することにより、上述したような問題の発生を抑制し、蒸散異常検知の信頼性を高めることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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