TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024073762
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-30
出願番号2022184644
出願日2022-11-18
発明の名称樹脂吹付工法
出願人日特建設株式会社,株式会社サーフェステクノロジー
代理人弁理士法人高橋特許事務所
主分類E02D 17/20 20060101AFI20240523BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】吹付層で生じた湧水を、樹脂吹付工を施工するべき吹付層表層部を経由することなく、法尻まで効率的に導水して行うことが出来る樹脂吹付工法の提供。
【解決手段】本発明の樹脂吹付工法は、法面(G)に吹付けられた吹付層(B:保護層或いはモルタル層)の表層部に樹脂を吹き付けて樹脂層(R)を積層する樹脂吹付工法において、前記吹付層(B)を貫通して法面(G)に到達する排水パイプ(1)が配置されており、排水パイプ(1)内にホース(2)と接続されたパッカー(3)を挿入して、パッカー(3)を膨張する工程と、樹脂を吹き付ける工程と、吹き付けられた樹脂が硬化した後、前記パッカー(3)を収縮して、排水パイプ(1)から前記パッカー(3)及び接続されたホース(2)を取り外す工程を有し、前記ホース(2)は、排水パイプ(1)から、樹脂を吹き付けるべき領域よりも法尻側の地点まで延長している。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
法面に吹付けられた吹付層の表層部に樹脂を吹き付けて樹脂層を積層する樹脂吹付工法において、
前記吹付層を貫通して法面に到達する排水パイプが配置されており、
排水パイプ内にホースと接続されたパッカーを挿入して、パッカーを膨張する工程と、
樹脂を吹き付ける工程と、
吹き付けられた樹脂が硬化した後、前記パッカーを収縮して、排水パイプから前記パッカー及び接続されたホースを取り外す工程を有し、
前記ホースは、排水パイプから、樹脂を吹き付けるべき領域よりも法尻側の地点まで延長していることを特徴とする樹脂吹付工法。
続きを表示(約 220 文字)【請求項2】
修復するべき吹付層の背面地山に風化領域がない場合において、
修復するべき吹付層に剥離部及び/又は貫通ひび割れが存在せず、補修するべき吹付層における表面含水率が所定値未満の場合に請求項1の樹脂吹付工法が実施され、
修復するべき吹付層に剥離部或いは貫通ひび割れが存在するか、或いは、補修するべき吹付層における表面含水率が所定値以上の場合には、繊維を包含する固化材を吹き付けて補修することを特徴とする法面補修工法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、法面に吹付けられたモルタルまたはコンクリートからなる保護層に発生する亀裂から雨水等の侵入を防止し、保護層の塩害や中性化等の劣化を抑制し、さらに、保護層が剥落するのを防止するための樹脂吹付工法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
法面に吹付けられたモルタルから成る吹付層(保護層:モルタル層)の表面に樹脂を吹き付けて樹脂層を積層することによって、前記吹付層に発生した亀裂からの雨水等の侵入を防ぎ、前記吹付層の劣化を抑制し、モルタル片の剥落を防止する樹脂吹付工法が提案されている(特許文献1参照)。
樹脂吹付工は低コストで吹付層の補修を行うことが出来る有効な技術である。
【0003】
しかし、吹付層に設置された排水パイプからの排水に対する処理が不適切な場合には、図7で示す様に、吹付層B表面(BS)と吹き付けられた樹脂の層R(樹脂層)との境界に水Wが溜まり、樹脂層Rが膨出してしまう。そして、この様な樹脂層Rの膨出に起因して、広範囲に亘って樹脂層Rが吹付層Bから剥離してしまう恐れがある。
また、吹き付けられた樹脂により構成される樹脂の被膜は、水との親和性が高くないので、吹付層Bの表面における排水パイプからの排水対策が不十分な場合には、吹付により樹脂層Rを積層或いは被覆することが困難である。
【0004】
ここで、排水パイプから排水がされている吹付層に対して樹脂吹付工法を施工する場合に、排水されている吹付層に対する有効な湧水対策は従来では提案されておらず、現場毎に、施工者が対処しているのが実情であった。すなわち、従来技術では、排水パイプからの排水が生じている吹付層に対して樹脂吹付工法を実施する場合に、有効な湧水対策は提案されていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6425204号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、吹付層(モルタル層:保護層)で生じた湧水を、樹脂吹付工を施工するべき吹付層表層部を経由することなく、法尻まで効率的に導水して行うことが出来る樹脂吹付工法の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の樹脂吹付工法は、法面(G)に吹付けられた吹付層(B:保護層或いはモルタル層)の表層部に樹脂を吹き付けて樹脂層(R)を積層する樹脂吹付工法において、
前記吹付層(B)を貫通して法面(G)に到達する排水パイプ(1)が配置されており、
排水パイプ(1)内にホース(2)と接続されたパッカー(3)を挿入して、パッカー(3)を膨張する工程と、
樹脂を吹き付ける工程と、
吹き付けられた樹脂が硬化した後、前記パッカー(3)を収縮して、排水パイプ(1)から前記パッカー(3)及び接続されたホース(2)を取り外す工程を有し、
前記ホース(2)は、排水パイプ(1)から、樹脂を吹き付けるべき領域よりも法尻側の地点まで延長していることを特徴としている。
【0008】
本発明の法面補修工法は、
修復するべき吹付層(B)の背面地山に風化領域がない場合において、
修復するべき吹付層(B)に剥離部及び/又は貫通ひび割れが存在せず、補修するべき吹付層(B)における表面含水率が所定値未満(例えば10%未満)の場合に(請求項1の)樹脂吹付工法が実施され、
修復するべき吹付層(B)に剥離部或いは貫通ひび割れが存在するか、或いは、補修するべき吹付層における表面含水率が所定値以上(例えば10%以上)の場合には、繊維を包含する固化材(例えばモルタル)を吹き付けて補修する(繊維補強固化材吹付工法を実施する)ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
上述した構成を有する本発明によれば、
排水パイプ(1)内にホース(2)と接続されたパッカー(3)を挿入して、パッカー(3)を膨張すれば、膨張したパッカー(3)は排水パイプ(1)の内壁面に密着するので、排水パイプ(1)内を流れる水(W)はパッカー(3)により堰き止められ、パッカー(3)はホース(2)に接続されているので、水パイプ(1)内の水(W)はホース(2)内を流れる(矢印WA)。ここでホース(2)は、樹脂を吹き付ける領域よりも法尻側の箇所まで延長しているので、ホース(2)内を流下した水(W)は樹脂を吹き付ける領域には流れず、それよりも法尻側の領域を流れて排水され、或いは法尻に設けられた排水処理施設により処理される。
そのため、地山(G)からの水は、吹付層(B)の表面(BS)における樹脂を吹き付けるべき領域を流れず、吹付層表面(BS)の当該樹脂を吹き付けるべき領域は濡れていない状態に維持される。そのため、吹付層(B)に樹脂吹付を行っても、吹付層表面(BS)と吹き付けられた樹脂の層(R)との境界には水は溜まることはなく、樹脂層(R)が膨出することは防止され、広範囲に亘って樹脂層(R)が吹付層(B)から剥離してしまう恐れもない。
また、吹付層表面(BS)の当該樹脂を吹き付けるべき領域は濡れていない状態に維持されるので、吹き付けられた樹脂により構成される樹脂の被膜が水との親和性が低くても、樹脂層(R)が吹付層(B)から剥離することはない。
【0010】
排水パイプ(1)内を流れる水(W)がパッカー(3)に接続されているホース(2)内を流れ(矢印WA)、樹脂を吹き付ける領域よりも法尻側の箇所で排水される状態は、吹き付けられた樹脂が硬化するまで保持される。
吹き付けられた樹脂が硬化した後、前記パッカー(3)を収縮して排水パイプ(1)から取り外せば、地山(G)からの水は排水パイプ(1)を介して排出され、硬化した樹脂層(R)上を流れるが(矢印GA:図5)、硬化した後の被膜であれば、その表面を水が流れても、吹付層表面(BS)との境界に水を浸透させることは無いので、樹脂層(R)は膨出しない。
そして、排水パイプ(1)からの排水は樹脂層(R)を浸透せず、吹付層(B)には到達しないので、樹脂層(R)が吹付層(B)から剥離することも無い。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

日特建設株式会社
鉄筋保持器具および補強土工法
28日前
株式会社刃
掘削攪拌装置
29日前
日本ソリッド株式会社
衝撃吸収体
14日前
株式会社熊谷組
基礎構造
今日
五洋建設株式会社
改質土
1か月前
住友建機株式会社
ショベル
今日
丸紅建材リース株式会社
切梁装置
8日前
株式会社 林物産発明研究所
マンホール蓋
29日前
日立建機株式会社
作業機械
15日前
株式会社大阪防水建設社
遮水壁の構築方法
今日
ナカダ産業株式会社
支柱構造体の施工方法
1か月前
戸田建設株式会社
水底堆積土砂の吸引装置
1か月前
株式会社竹中工務店
建物のレベル調整構造
7日前
ブラザー工業株式会社
空調システム
2日前
株式会社進富
杭基礎構造
28日前
コベルコ建機株式会社
作業機械
10日前
大和ハウス工業株式会社
監視用システム
10日前
前田工繊株式会社
吹付基盤材
3日前
株式会社新生工務
建物用基礎の製造方法。
7日前
ヤンマーホールディングス株式会社
作業機械
28日前
日本製鉄株式会社
堤防
17日前
鹿島建設株式会社
橋脚および地下構造物の構築方法
1か月前
特殊梯子製作所有限会社
作業用梯子の吊下設置構造物
24日前
株式会社ワイビーエム
建設機械の施工管理装置
1か月前
株式会社エスイー
地盤アンカー頭部定着部の拘束装置
7日前
青木あすなろ建設株式会社
農業用水管の施工方法
1か月前
株式会社竹中工務店
基礎構造
1か月前
住友重機械工業株式会社
ショベル支援装置及びショベル
1か月前
住友重機械工業株式会社
ショベル、及び作業機械
7日前
JFE建材株式会社
土留パネル
22日前
住友重機械工業株式会社
作業機械及び情報処理装置
1か月前
住友重機械工業株式会社
作業機械及び作業機械支援システム
1か月前
住友重機械工業株式会社
ショベル遠隔操作装置及びショベル
1か月前
株式会社安藤・間
締切構造
今日
飛島建設株式会社
軟弱地盤の補強装置及びその補強方法
1か月前
株式会社竹中工務店
建物の基礎構造
16日前
続きを見る