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公開番号2024069872
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-22
出願番号2022180130
出願日2022-11-10
発明の名称土壌保護装置および連結具
出願人日新産業株式会社
代理人弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
主分類E02D 17/20 20060101AFI20240515BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】土壌面をより安定して保護するための土壌保護装置を提供する。
【解決手段】土壌保護装置100は、土壌面を被覆するように配置される複数のネット体101と、複数のネット体101のうち互いに隣接するネット体101を連結する連結具103と、を備える。連結具103は、長手状に延伸する延伸部104と、延伸部104の少なくとも一方の端部にループ状に形成され、ネット体101の網線101aを内部に保持するための環状部105と、環状部105の内部へ網線101aを導入するための導入部106とを備える。導入部106は、網線101aが導入部106を通過して環状部105内に移動することを許容するが、網線101aが環状部105の内部から外部に移動することを規制するように、網線101aの導入方向に向けて狭まった箇所を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
土壌を保護するための土壌保護装置であって、
土壌面を被覆するように配置される複数のネット体と、
前記複数のネット体のうち互いに隣接するネット体を連結する連結具と、を備え、
前記連結具は、長手状に延伸する延伸部と、前記延伸部の少なくとも一方の端部にループ状に形成され、前記ネット体の網線を内部に保持するための環状部と、前記環状部の内部へ前記網線を導入するための導入部とを備え、
前記導入部は、前記網線が前記導入部を通過して前記環状部内に移動することを許容するが、前記網線が前記環状部の内部から外部に移動することを規制するように、前記網線の導入方向に向けて狭まった箇所を有することを特徴とする土壌保護装置。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記連結具は、弾性を有する1本の剛性の線材からなり、前記導入部が弾性的に閉塞されていることを特徴とする請求項1に記載の土壌保護装置。
【請求項3】
前記環状部および前記導入部は、前記延伸部の両端に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の土壌保護装置。
【請求項4】
前記導入部は、前記導入方向の反対側に向けて、前記延伸部に対して5度以上の開放角で拡開していることを特徴とする請求項3に記載の土壌保護装置。
【請求項5】
前記ネット体と前記土壌面との間に敷設され、前記土壌面を緑化するための植生マットをさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の土壌保護装置。
【請求項6】
前記土壌保護装置が前記土壌に設置された状態において、前記複数のネット体が前記土壌面から浮かないように配置され、
隣接する前記ネット体は、互いの外縁部分が重ね合わさるように配置され、第1のネット体の外縁部分の上面に第2のネット体の外縁部分が載置され、
前記連結具の一方の環状部が前記第1のネット体の2本以上の網線を保持し、前記連結具の他方の環状部が前記第2のネット体の2本以上の網線を保持することを特徴とする請求項3に記載の土壌保護装置。
【請求項7】
前記ネット体を前記土壌面から浮かせて支持するための支持部材をさらに備え、
前記土壌保護装置が前記土壌に設置された状態において、前記複数のネット体が前記土壌面から浮いて支持され、
隣接する前記ネット体は、互いの外縁部分が重ね合わさるように配置され、第1のネット体の外縁部分の上面に第2のネット体の外縁部分が載置され、
前記連結具の一方の環状部が前記第1のネット体の外側の網線および前記第2のネット体の網線を保持し、前記連結具の他方の環状部が前記第1のネット体の内側の網線を保持することで、前記ネット体の外縁部分の垂れ下がりが防止されることを特徴とする請求項3に記載の土壌保護装置。
【請求項8】
前記土壌は法面であり、前記ネット体は亀甲金網からなり、前記連結具が前記法面の少なくとも等高線方向に隣接する前記ネット体同士を連結することを特徴とする請求項1から7に記載の土壌保護装置。
【請求項9】
土壌面を被覆するように配置される複数のネット体のうち互いに隣接するネット体を連結する連結具であって、
長手状に延伸する延伸部と、
前記延伸部の少なくとも一方の端部にループ状に形成され、前記ネット体の網線を内部に保持するための環状部と、
前記環状部の内部へ前記網線を導入するための導入部とを備え、
前記導入部は、前記網線が前記導入部を通過して前記環状部内に移動することを許容するが、前記網線が前記環状部の内部から外部に移動することを規制するように、前記網線の導入方向に向けて狭まった箇所を有することを特徴とする連結具。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、野生動物による植生植物の食害や土砂の流失から、法面、斜面、その他の土壌を保護するための土壌保護装置、および、当該土壌保護装置に用いられる連結具に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
各種法面や新規造成地等の施工面においては、その緑化や植栽を積極的に行って法面等の景観や環境を保全すると共に、土砂の流失を防止することが行われている。例えば、土壌材、種子、肥料、保水材などの生育基盤材(又は植生基材)を保持する植生マットが植生領域の土壌にアンカーなどを用いて固定されることにより、土壌緑化が行われている。しかしながら、植生領域の設置場所が山奥深く入った道路の法面等であって、鹿などの野生植物が出没する地帯では、植生領域に植生された植物が野生動物に食い荒らされるといった食害被害が頻繁に起こっている。つまり、野生動物が植生領域に侵入して、生え揃ってきた植生植物の芽を食い荒らしたり、踏みつけることによって、植生植物が枯れたり、成長不良を起こしたりして、植生領域に十分な植生を行えず、その結果として、土砂の流失防止を抑えることもできないという問題があった。これに対し、土壌面における食害防止や土砂流失防止を目的として、土壌面を金網などのネット体で被覆して保護することが広く行われている。
【0003】
例えば、特許文献1は、植生植物の、野生鹿等の動物による食害を防止するための食害防止植生材を開示する。以下、当該段落において、()内に特許文献1の符号を示す。特許文献1の食害防止植生材(10)は、斜面(20)上に敷設されることになる植生帯(11)と、この植生帯(11)の表面側に部分的に取り付けられて、植生植物(P)の野生動物による食害を防止する網体(12)とを備える。植生帯(11)の所定幅(La)部分の両縁に、網体(12)の所定幅(La)より大きい拡大幅(Lb)部分の両縁が取り付けられる。これら植生帯(11)及び網体(12)間に挿入した高さ保持部材(13)によって、両植生帯(11)及び網体(12)間に、縦断面が三角形は台形となる保護空間(R)を形成する。この食害防止植生帯(10)は、高さ保持部材(13)を抜いた状態の食害防止植生材(10)を斜面(20)上に展開してからアンカー(16)等で固定される。そして、網体(12)は、斜面(20)を浮いた状態で覆って、斜面(20)を、野生鹿等の動物による食害等から保護している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第4315230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のような従来の食害防止植生材(土壌保護装置)では、保護する領域の面積に合わせて、複数枚の網体(ネット体)が法面などの土壌に敷設される。図15は、従来の土壌保護装置の設置構造を示す模式図である。図15(a)に示すように、保護する領域を被覆して土壌が露出しないようにネット体1がアンカー2によって土壌に固定される。しかしながら、土壌保護装置を土壌に設置した後、敷設したネット体1に対して外部から力が付加されると、ネット体1の形状が縦幅および/または横幅方向に歪むように変形して(図15(b)参照)、保護する領域を被覆できなくなることが問題であった。特に、ネット体1を法面(斜面)に設置した場合、時間の経過と共に、表面での融雪落下や、鹿などの野生動物によるネット体1の表面での移動に伴い、ネット体1が斜面下部に引っ張られてその縦幅方向に垂れ下がるように変形し易く、左右のネット体1の横幅が短くなってしまう傾向にある。すると、ネット体1が縮んだ箇所において土壌面が露出してしまい、土壌面の保護を十分に行うことができなくなる。すなわち、従来の土壌保護装置では、時間の経過と共に、土壌面を安定して保護することができなくなることが課題として挙げられる。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、土壌面をより安定して保護するための土壌保護装置を提供することにある。さらに、本発明の目的は、その施工性をも考慮した、当該土壌保護装置のネット体を連結するための連結具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態の土壌保護装置は、土壌を保護するための土壌保護装置であって、
土壌面を被覆するように配置される複数のネット体と、
前記複数のネット体のうち互いに隣接するネット体を連結する連結具と、を備え、
前記連結具は、長手状に延伸する延伸部と、前記延伸部の少なくとも一方の端部にループ状に形成され、前記ネット体の網線を内部に保持するための環状部と、前記環状部の内部へ前記網線を導入するための導入部とを備え、
前記導入部は、前記網線が前記導入部を通過して前記環状部内に移動することを許容するが、前記網線が前記環状部の内部から外部に移動することを規制するように、前記網線の導入方向に向けて狭まった箇所を有することを特徴とする。
【0008】
本発明の一形態の土壌保護装置によれば、連結具が、ネット体の網線をループ状の環状部に保持することによって、互いに隣接するネット体を強固に連結し、隣接するネット体の外縁部分同士が簡単に離間することを防止することができる。すなわち、時間の経過によってネット体表面に意図しない力が加わったとしても、隣接するネット体同士の連結が連結具によって安定的に維持されることから、土壌面が露出するおそれを効果的に軽減することができる。さらに、連結具には、長手状の延伸部、ネット体の網線を保持する環状部、および、環状部の内部へ網線を導入するための導入部が形成されている。この導入部は、網線の導入方向に向けて狭まった箇所を有し、網線が導入部を通過して環状部内に移動することを許容するとともに、網線が環状部の内部から外部に移動することを規制するように構成されている。当該連結具の構造によって、ユーザーは、延伸部を把持および操作して、導入部の狭まった箇所を介して、ネット体の網線を環状部の内部に容易に配置することができる。そして、網線が環状部内に一旦配置されると、導入方向に向けて狭まっている箇所を反対方向に通過することが極めて困難であり、連結具による保持が強固に維持される。すなわち、ユーザーは、連結具を操作してネット体同士の強固な連結状態を簡単に構築することが可能である。したがって、本発明の土壌保護装置は、優れた施工性を有しつつ、長期的に土壌面を安定して保護するものである。
【0009】
本発明のさらなる形態の土壌保護装置は、上記形態の土壌保護装置において、前記連結具は、弾性を有する1本の剛性の線材からなり、前記導入部が弾性的に閉塞されていることを特徴とする。すなわち、導入部の狭まった箇所を弾性変形によって拡げることで、網線を導入部を介して環状部の内部に配置することができる。また、網線を環状部内部に配置した後、導入部が弾性復帰により閉塞されるので、連結状態をより確実に維持することができる。
【0010】
本発明のさらなる形態の土壌保護装置は、上記形態の土壌保護装置において、前記環状部および前記導入部は、前記延伸部の両端に形成されていることを特徴とする。すなわち、一対の環状部を用いることにより、延伸部を隔てて離間した2箇所でネット体同士をより効果的に連結することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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